マンション外壁修繕の費用相場と節約ポイントを解説
マンションの外壁修繕は、建物の美観を保つだけでなく、構造の保護や資産価値の維持にも重要な役割を果たします。しかし、費用に関しては不明点が多く、費用そうばや内訳、費用そのものに影響を与える要因を知りたいオーナー様も多いのではないでしょうか。 この記事では、マンション外壁修繕にかかる費用の相場やその内訳、費用を左右する要因、そして費用を抑えるためのポイントについて詳しく解説します。 外壁修繕の費用相場は? 前提として、外壁修繕の費用は修繕前の状態や補修項目によって大きく変動します。 ただし、目安として「令和3年度のマンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、マンションの大規模修繕工事金額は一戸当たり100~125万円、外壁工事の割合は14.8%なので費用相場は一戸当たり15~19万円と概算できます。上記の費用相場をもとに、マンションの規模別に外壁工事の費用相場を計算しました。 マンション規模 費用相場 小規模(30戸) 450万円~570万円 中規模(60戸) 900万円~1,140万円 大規模(100戸) 1,500万円~1,900万円 出典:令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省) とはいえ、前述したように実際の費用は修繕項目などによって大きく変動します。補修項目ごとの費用相場は以下の通り。 補修項目ごとの費用相場 外壁塗装:2,000~6,000円/㎡ 外壁修繕のメイン項目になることが一般的です。塗膜がはがれていたり、色褪せが見られるときに行います。費用相場は使用する塗料によって大きく変動します。 タイル補修:500円/1箇所 タイル部の浮きや剥がれを補修または張り替えます。 鉄部塗装:1,000~2,000円/㎡ 手すりなどの鉄部のサビを落としてからサビ止めを塗り、保護をする修繕です。 コーキング(シーリング)補修:1,000~1,200円/1箇所 外壁の目地を埋める補修です。補修方法には打ち替えと打ち増しの2種類があります。劣化状況に適した補修方法を採用しましょう。 ひび割れ補修:1,000~6,000円/㎡ コンクリートのひび割れや剥落を修繕します。費用の幅が大きく設定されているのはひび割れの程度によって採用される補修方法が異なるためです。 外壁修繕にかかる費用には、実はさまざまな要素が含まれています。主な費用の構成要素と、それに影響を与える要因について、もう少し詳しく見ていきましょう。 マンション外壁修繕の費用内訳は? 足場設置費 足場設置費は、外壁修繕で作業の安全性を確保するために必要な足場の設置と撤去にかかる費用です。特に高層建物では、安全基準を満たすための堅固な足場が必要です。足場は作業効率を高め、作業員の安全を守るためにも重要です。 適切な足場設置は、修繕作業のスムーズな進行を支える基盤となり、工事の品質や安全性に直接影響を与えるため、慎重な計画と実施が求められます。 高圧洗浄費 高圧洗浄費は、外壁の汚れや古い塗膜を除去するための作業にかかる費用です。外壁を清潔にすることで、塗装の密着性が高まり、仕上がりの品質が向上します。 この洗浄作業は塗装の前処理として重要で、高圧洗浄を適切に行うことで、塗装の耐久性を高め、長期間にわたり美観を保つことが可能です。外壁の状態に応じた洗浄方法の選択が、最終的な仕上がりに大きく影響します。 下地処理費 下地処理費は、塗装前の外壁の補修や調整にかかる費用です。クラックや欠損部分の補修、表面の平滑化が含まれます。しっかりとした下地処理が行われることで、塗装の耐久性が向上し、長持ちする仕上がりが実現します。 下地処理は塗装の品質を左右する重要な工程で、適切な処理が施されないと、塗装の剥がれや劣化が早まる可能性があります。丁寧な下地処理が不可欠です。 塗装費 塗装費は、実際に塗料を塗る作業と塗料の費用です。使用する塗料の種類や品質によって費用が異なり、高品質な塗料を使用することで耐候性や美観が向上しますが、その分コストも高くなります。 塗装は外壁の見た目を決定づける重要な工程で、適切な塗料選びが求められます。塗料の選択は、建物の環境条件や求められる性能に応じて慎重に行う必要があり、長期的な維持管理の観点からも重要です。 諸経費 諸経費は、現場管理費や一般管理費などの間接的な費用を含みます。プロジェクトの管理、監督者の人件費、保険料、交通費などがこれに該当し、工事全体の円滑な進行を支えるために必要です。 これらの費用は、直接的な作業以外の部分でのコストをカバーし、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。適切な管理体制を維持することで、工事の品質と効率を高め、予期せぬトラブルを防ぐことができます。 費用を左右する主な要因は? 建物の構造と規模 建物の高さや延床面積が大きいほど、必要な材料や作業時間が増え、費用が高くなる傾向があります。特に高層マンションでは、足場の設置や安全対策にかかるコストが増加します。 外壁の種類 外壁の仕上げ方法(塗装、タイル張りなど)によって費用が異なります。塗装は比較的安価ですが、タイル張りは材料費や施工費が高くなることがあります。 修繕の範囲と程度 修繕の範囲が広いほど、また劣化が進んでいるほど、修繕箇所が増えたり、より高価な材料が必要になり費用が増加します。 足場の設置方法 足場の設置は、安全性を確保するために必要ですが、設置方法や使用期間により費用が変動します。特に高所作業では、足場の設置にかかる費用が大きく影響します。 これらの要因を考慮して、マンションの外壁修繕を計画する際は、建物の特性や修繕の目的に応じた予算を設定することが重要です。適切な計画を立てることで、長期的なコスト削減と建物の価値維持につながります。 費用を抑えるためにできる4つのポイント 1.「定期点検」で劣化が進む前に修繕を行う 劣化が進む前に修繕を行うことで、修繕範囲が広がるのを防ぎ、結果的に費用を抑えることができます。定期的な点検を行い、早期に問題を発見することが重要です。 2.「長期修繕計画」で計画的な修繕を行う 長期修繕計画を策定することで、計画的に修繕を行い、突発的な大規模修繕を避けることができます。これにより、修繕費用を平準化し、予算の管理がしやすくなります。 3.「合い見積もり」で適正価格を把握する 複数の施工業者から見積もりを取得することで、適正価格を把握し、コスト削減につなげることができます。業者によって価格やサービス内容が異なるため、比較検討が重要です。 4.国や自治体の「補助金」を活用する 国や自治体の補助金制度を活用することで、修繕費用の一部を補助してもらうことができます。補助金の申請には条件があるため、事前に確認しておくことが必要です。 これらのポイントを踏まえて、費用を抑えつつ、効果的な外壁修繕を行うことが可能です。詳細な情報や具体的な事例については、こちらの記事をご覧ください。 まとめ いかがでしたか?マンションの外壁修繕は、建物の維持管理において重要な要素です。費用面では様々な要因が影響しますが、適切な計画と実施により、長期的なコスト削減と建物の価値維持が可能となります。 当社ではお客様のご要望に応じて柔軟に対応する施工班を抱え、低コスト・高品質な施工を提供しております。マンションの外壁修繕にかかる費用に不安がある方はお気軽にご相談ください。