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【徹底比較】塗床はエポキシかウレタンか?違いと選び方を塗装のプロが解説

エポキシ樹脂塗床施工後

「工場の床、そろそろ塗り替えの時期なんだけど、エポキシ塗床とウレタン塗床、どっちがいいのだろう…?」とお悩みの方、多いのではないでしょうか。

工場や倉庫の現場での塗床材選びは、施設の使い勝手や安全性、さらには将来のメンテナンス費用にも関わってくる、とても大事なポイントです。

そこでこの記事では、特性から価格といったエポキシとウレタンの違いから、施設環境に合わせた選び方まで、徹底的に比較しながら解説していきます。

この記事は、5ほど分で読み終えることができます。

読んだ後には、施設に最適な塗床材を選ぶための判断基準がしっかりと身につきます!

目次

エポキシ塗床とウレタン塗床の特性と活用シーン

塗床材を適切に選ぶためには、まずエポキシ塗床とウレタン塗床の基本的な特徴を知ることが大切です。それぞれの材質がどのような特性を持っていて、どのような環境に適しているのか、一緒に見ていきましょう。

エポキシ塗床とは?

エポキシ塗床は、硬くて薬品に強い、まさに「縁の下の力持ち」のような塗床材です。工場や倉庫など、過酷な環境でもしっかりと床を守ってくれます。

エポキシ樹脂が化学反応によって硬くなることで、とても高い強度を発揮します。

そのため、物流倉庫や製造現場で、重たい機械やフォークリフトが頻繁に動き回るような環境でも、その耐久性をしっかりと保つことができるのです。化学薬品に対する強さも持っているので、薬品を扱う施設や実験室でも活躍してくれます。

ただし、エポキシ塗床は温度変化に弱いという一面もあります。急激な温度差がある場所では、剥がれたりひび割れたりするリスクがあるため、使用する際には注意が必要です。仕上がりは光沢があり、高級感を演出できる点も、知っておきたいポイントですね。

ウレタン塗床とは?

ウレタン塗床は、弾力性があって温度変化にも強い、まるで「優しさと強さを兼ね備えた」ような塗床材です。この材質は、伸び縮みするため、振動や温度変化が起こりやすい場所でも剥がれにくいのです。

食品工場や冷凍・冷蔵施設のように、温度が不安定な環境にもぴったりです。また、水をはじく力にも優れているので、水を多く使う現場でも大活躍してくれます。

最近では、施工時の臭いが少なく、環境への負荷も小さい、水性硬質ウレタン樹脂系の塗床も注目されています。ただ、ウレタン塗床はエポキシ塗床ほどの耐薬品性はないため、薬品を頻繁に使う場所には向いていません。

エポキシ・ウレタンの違いを8項目で徹底比較!

エポキシ塗床とウレタン塗床の違いを、性能や価格、施工方法などの視点から比べてみました。それぞれの特徴をしっかり理解することで、自社に最適な塗床材を選ぶための参考になります。

比較項目 エポキシ塗床 ウレタン塗床
耐久性 高い やや劣るが十分な性能
柔軟性 硬質で柔軟性には欠ける 温度変化や振動に対応できる
耐薬品性 非常に高い 劣る
価格 初期費用は高いが耐用年数が長い 比較的安価だが耐用年数が短い
施工方法 厚膜・薄膜選択可能 薄膜施工が一般的
施工期間 完全硬化までに数日かかる 乾燥時間が短く施工翌日に使用可能
メンテナンス性 清掃はしやすいが修繕がしずらい 汚れがたまりやすいが修繕しやすい
仕上がり 光沢があり、色も豊富だが紫外線で黄変しやすい 柔らかい歩行感で滑り止め効果がある

施設に合わせた塗床材の選び方

エポキシ樹脂塗床中塗り

塗床材を選ぶときには、施設の特性や、どんな性能が求められているかを総合的に考えることが大切です。エポキシ塗床とウレタン塗床のどちらが最適か、以下の点を考慮しながら、一緒に考えてみましょう。

  • 使用環境:温度の変化はどうか、薬品は使うか、重たいものが載ったり、振動が多かったりするか。
  • 仕上がり:施設の用途に合った見た目かどうか。
  • コスト:初期費用だけでなく、運用コストも考慮。
  • メンテナンス:清掃のしやすさと、修繕のしやすさ、どちらを重視?

ここからは、実際のケースを交えながら、エポキシとウレタンの選び方を解説します。

ステップ①:施設環境に必要な性能をチェック

まずは施設環境(温度の変化や薬品の使用の有無、床にかかる重さなど)を見極め、床材に必要な性能を把握しましょう。

極端な温度変化・大きな衝撃があるか?

温度が大きく変わる場所(冷凍倉庫や冷蔵庫、屋外施設など)では、柔軟性があり、温度変化に強いウレタン塗床が適しています。ウレタン塗床は弾力があるので、振動や温度の急激な変化にも対応しやすく、ひび割れや剥がれのリスクを減らせます。

重荷重や化学薬品を扱う環境か?

物流倉庫や製造工場、化学工場では、エポキシ塗床が最適です。エポキシ塗床は高い耐久性と耐薬品性を誇ります。重たい機械やフォークリフトが頻繁に通ったり、化学薬品を扱ったりする環境でも、しっかりと耐えてくれるでしょう。

使用環境のケーススタディ

  • ケース1:食品工場

    食品工場では、衛生基準をクリアし、さらに温度変化にも耐えられる塗床材が求められます。冷凍庫や冷蔵庫のような低温の場所では、弾力性があって剥がれにくいウレタン塗床が適しています。また、水をはじく力が強い点も、選ばれるポイントでしょう。

  • ケース2:化学工場

    薬品を頻繁に扱う化学工場では、薬品に対する強さが求められます。そのような場合、エポキシ塗床が最適です。溶剤や強い酸、強いアルカリにも耐えられる特性があり、長い期間、その耐久性を期待できます。

ステップ②:施設用途に合わせた仕上がりを選択

性能だけでなく、施設の用途に合った見た目にもこだわりたいですよね。エポキシ塗床とウレタン塗床では、仕上がりの雰囲気が大きく異なります。

特に、商業施設や展示施設、オフィスなど、人の目に触れやすい環境では、光沢感のある仕上がりのエポキシ塗床が選ばれることが多いです。

美しい光沢感と高級感が求められる場合

エポキシ塗床は、光沢感があり、仕上がりが美しく、施設の外観に高級感を与えてくれます。そのため、お店やショールーム、オフィスなどの内装に適しています。光沢感や色の選択肢も豊富で、見た目の美しさが大切にされる施設にぴったりです。

滑り止め効果や柔らかな歩行感が重要な場合

ウレタン塗床は、滑りにくく、歩いた感じが柔らかいため、学校や病院、体育館など、歩行や安全性が重視される場所に適しています。また、ウレタン塗床は、色や仕上がりが控えめで目立ちにくいため、商業的な施設よりも、実用性が求められる施設でよく選ばれています。

仕上がりのケーススタディ

  • ケース3:展示施設やショールーム

    光沢があって高級感のある仕上がりが求められる場所では、エポキシ塗床が最適です。滑らかで、光を反射する表面は、施設の洗練されたイメージを引き立ててくれるでしょう。

  • ケース4:学校や病院の廊下

    歩き心地が柔らかくて滑りにくい表面が求められる施設では、ウレタン塗床が選ばれます。耐摩耗性も高いため、人がたくさん通る場所に適しています。

ステップ③:予算に応じた初期費用と耐用年数のバランスチェック

最後はコストですが、施工時にかかる最初の費用だけでなく、使い始めてからの費用も考える必要があります。

初期費用とランニングコストのバランス

エポキシ塗床は初期費用が高いものの、耐用年数が長く、メンテナンスが少ないため長期的なランニングコストを抑えることができます。特に重機が行き交う物流倉庫や製造工場では、初期費用を抑えることができるウレタン塗床よりも、エポキシ塗床の方が、長い目で見るとお得な選択になる場合があります。

短期間でコストを抑えたい場合

予算が限られている場合や、短期間で補修が必要になるかもしれない場所では、ウレタン塗床が適しています。ウレタン塗床は初期費用が比較的安く、施工も短期間で完了するため、工場の稼働を止めることなく、塗床材を交換できます。

コスト面でのケーススタディ

  • ケース5:物流倉庫

    フォークリフトや重機が頻繁に行き交う物流倉庫では、高い耐久性が求められます。エポキシ塗床は初期費用が高いものの、長期的にメンテナンスコストを抑えられるため、重荷重がかかる現場での選択肢として優れています。

  • ケース6:駐車場

    駐車場では、温度変化や振動に耐えるしなやかさが必要です。ウレタン塗床は、弾力性があり、小さなひび割れが発生してもその柔軟性で吸収してくれます。また、防水性が高く、雨漏りを防ぐという点でも適しています。

ステップ④:毎日の清掃 or 修繕メンテナンスどちらを重視する?

エポキシ塗床は、汚れがつきにくく、見た目も美しいため、清潔感を重視する施設に適しています。ただし、補修が必要になると、全面的に塗り直しが必要で、その間は施設が使えなくなるため、損失が大きくなるかもしれません。

一方、ウレタン塗床は部分的な補修がしやすく、施設の稼働を中断せずに対応できます。しかし、エポキシよりも汚れがたまりやすいため、こまめに掃除する必要があります。

エポキシ塗床とウレタン塗床に関するよくある質問FAQ

ここでは、エポキシ塗床とウレタン塗床に関するよくある疑問をまとめました。

Q1. エポキシ塗床とウレタン塗床の紫外線耐性に違いはありますか?

A.エポキシ塗床は、紫外線にさらされると黄色く変色しやすいという弱点があります。屋外や日光が直接当たる場所では、エポキシ塗床の見た目が劣化する可能性があるため、適切なUVコーティングなどの対策が必要です。

ウレタン塗床は紫外線に比較的強いため、屋外での使用に向いていますが、長い間日光にさらされると色あせが進むこともあります。

Q2. 塗床材の耐熱性について、エポキシとウレタンの違いは?

A.エポキシ塗床は高温に弱く、温度が上がりすぎると劣化や剥がれの原因となります。そのため、高温の場所には向いていません。

一方、ウレタン塗床はしなやかさがあり、温度の変化に対応しやすいため、冷凍庫や冷蔵施設のように温度が大きく変わる場所に適しています。

Q3. ウレタン塗床は耐久性が劣るとありますが、どの程度の差がありますか?

A.ウレタン塗床はエポキシ塗床に比べると、耐久性は少し劣りますが、十分な性能を持っています。特に温度の変化や振動に強いため、食品工場や冷蔵・冷凍庫などには最適です。

重たいものが載ったり、化学薬品をたくさん使う場所では、エポキシ塗床の方が耐久性に優れています。

Q4. 塗床の耐摩耗性を選ぶ際に、エポキシとウレタンのどちらが有利ですか?

A.エポキシ塗床は非常に耐摩耗性が高く、重機や車が頻繁に通る場所で優れた性能を発揮します。しかし、摩耗がひどい場所では補修が難しく、塗り直しが必要になります。

ウレタン塗床も耐摩耗性はありますが、エポキシほど高くはないため、特に摩擦が強い場所では注意が必要です。摩耗が問題となる施設では、エポキシ塗床が有利でしょう。

Q5. 修繕が必要になった場合、どちらが簡単に修繕できますか?

A.ウレタン塗床は、傷んだ部分だけを直せるため、補修がしやすいです。エポキシ塗床は硬いため、補修には全体的な塗り直しが必要なことが多く、その間は施設を一時的に使えなくなる可能性があります。

施設の利用状況によって、どちらが適しているか検討しましょう。

Q6. 塗床材選びで「メンテナンス性」を重視する場合、どちらが適していますか?

A.エポキシ塗床は、汚れがつきにくく掃除がしやすいため、衛生管理が大切な施設に適しています。ただし、補修が必要な場合には、全面的に塗り直す必要があり、長い期間使っていると、メンテナンスが大変になることがあります。

ウレタン塗床は汚れがたまりやすいですが、部分的な補修がしやすいため、施設の稼働を中断せずに対応できます。

Q7. ウレタン塗床は環境への影響が少ないと聞きましたが、具体的にどのような点が優れていますか?

A.ウレタン塗床の水性タイプは、施工時の臭いが少なく、VOC(揮発性有機化合物)の排出も少ないため、環境への負荷が小さいです。

また、施工後も環境への負荷が少ない状態を保つため、特に環境への配慮が求められる施設に適しています。

Q8. 施工後の乾燥時間が短いのはウレタン塗床の大きな利点ですが、デメリットはありますか?

A.ウレタン塗床の乾燥時間が短いという利点は、施工の翌日から使えるという点で大きなメリットです。ただし、薬品に対する強さではエポキシ塗床に劣るため、薬品をたくさん使う場所では注意が必要です。

また、ウレタン塗床はエポキシに比べると耐久性が少し低いため、施設の使用状況によって、どちらを選ぶか検討することが大切です。

Q9. エポキシ塗床とウレタン塗床のどちらが耐薬品性に優れているのか?

A.エポキシ塗床は非常に高い耐薬品性を持ち、化学工場や実験室などでよく使われます。ウレタン塗床は耐薬品性が少し劣りますが、食品工場や、あまり強くない薬品を使う施設では十分に機能します。

薬品への強さが特に重要な場所では、エポキシ塗床が適しています。

Q10. 結局のところメンテナンス費用はどちらが安いですか?

A.メンテナンス費用については、長い目で見るとエポキシ塗床が有利です。部分的な補修には向いていませんが、耐久性に優れているため、補修の頻度が少なく、長期的には費用を抑えられます。

一方、ウレタン塗床はしなやかさがあるため、部分的な補修がしやすく、短期間で直せるという利点がありますが、エポキシ塗床よりも摩耗が早く、補修の頻度が高くなる可能性があります。

まとめ:エポキシとウレタンの違いを理解し、迷ったら専門家に相談しよう!

工場や倉庫の塗床選びでは、「エポキシ塗床」と「ウレタン塗床」の違いを理解し、施設に合わせた選択が重要です。最後にもう一度整理してみましょう。

  • エポキシ塗床
    • 高い耐久性と耐薬品性で、化学工場や物流倉庫に最適
    • 初期費用は高いが長期的なコストを抑えられる
    • 光沢のある仕上がりで高級感を演出
  • ウレタン塗床
    • 柔軟性があり、温度変化や振動に強い
    • 冷凍・冷蔵施設や食品工場に適している
    • 部分修繕が容易で施工時間も短い

当社、ゆうき総業株式会社は、仙台を中心に東北6県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)および首都圏(千葉、神奈川、埼玉、東京)で、無足場工法を活用した大規模改修・修繕工事を手掛けています。

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この記事を書いた人

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結城 伸太郎

職歴:27年

得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務

保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他

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