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マンション大規模修繕のトラブルはなぜ起こる?発生しやすい事例と根本的な対策

マンションの大規模修繕工事でトラブルをよく耳にしませんか? 実は、国民生活センターの統計によると、外壁塗装関連の相談だけでも年間3,860件(相談全体の28.7%)にのぼります。 その背景には、訪問販売業者の増加や価格の不透明さ、そして業者の質のばらつきといった問題が隠れています。 こうしたトラブルを未然に防ぐためには、どんな問題が起こりうるのかを事前に知っておくことがとても大切です。 この記事では、マンション大規模修繕で起こりがちなトラブルを「工事前」「工事中」「工事完了後」の段階別に分け、具体的な事例と対処法、そしてトラブルを根本から防ぐための予防策まで、分かりやすく解説していきます。 この記事でわかること 工事の各段階で発生しやすいトラブルの具体例と、その対処法 トラブルが起こる3つの根本原因と、本質的な解決への取り組み方 困った時に頼れる専門家・相談窓口の具体的な連絡先 工事前に発生する3つのトラブル 大規模修繕工事のトラブルは、実は工事が始まる前の段階で、すでに原因が潜んでいることが少なくありません。 計画や準備が不十分だと、工事が始まってからさまざまな問題が噴出してしまうのです。 特に注意すべきは、以下の3つのポイントです。 積立金が不足して住民と対立 マンションの大規模修繕工事では、費用負担をめぐって住民間で対立が生まれることがあります。 修繕積立金が不足している場合、急な積立金の値上げや一時金の徴収が必要になり、予想外の負担に住民の不満が高まります。 この問題の根本的な解決には「透明性の高い長期修繕計画と計画的な積立」が欠かせません。 特に東北地方では、積雪対策など気候特有の修繕項目も織り込んだ計画が重要です。 そもそも具体的にいくらかかるのか、コストを抑える方法はあるのか、事前に確認しておくことがトラブルの防止にもつながります。 不適切な見積もりで契約トラブル 大規模修繕工事では、業者選びが成功の鍵を握ります。 「安さだけで選ぶ」「実績をよく確認しない」といった安易な判断が、工事品質の低下や追加費用の発生、契約トラブルの原因となります。 業者選びのトラブルを防ぐための最も重要なポイントは、「複数の業者から詳細な見積もりを比較し、第三者の評価も活用すること」です。 可能であれば第三者(建築士やマンション管理士など)の視点を入れることで、専門的な判断ミスを防げます。 住民との合意形成に失敗する 管理組合(理事会・修繕委員会)から住民への説明やコミュニケーションが不足し、修繕計画や費用負担に対する合意が得られず、計画が頓挫したり大幅に遅れたりするケースは少なくありません。 この問題を解決するもっとも効果的な方法は、「早い段階から、段階的かつ視覚的に情報を共有すること」です。 計画の初期段階から、図解や写真を活用した分かりやすい資料で情報を共有し、小さな不安や疑問にも丁寧に対応しましょう。 同時に、計画の進行に合わせた複数回の説明会や個別相談の機会を設けることで、住民の理解と協力を得やすくなります。 大規模修繕中に発生する4つの深刻トラブル 大規模修繕の工事期間中は、もっともトラブルが発生しやすい時期です。 実際に工事が進む中で、事前の計画段階ではイメージしにくかった問題が、次々と現実のものとして表れてきます。 騒音や塗料の臭いがつらい 大規模修繕工事で最も頻繁に問題となるのが、騒音・振動・臭いによる生活環境への影響です。 また、塗料やシーリング材の強い臭いは風に乗って広がり、長時間不快感を与えることになります。 特に夏場の工事だとエアコンがつけられない、窓を開けられないなど、住民トラブルも発生しやすいです。 このトラブルには、工事の詳細なスケジュールを事前に把握し、特に大きな音や臭いが発生する時間帯は外出するなど、生活パターンを一時的に調整することがもっとも効果的です。 完全に騒音や臭いをなくすことはできませんが、心の準備と対応策を持つことで、ストレスを大幅に軽くできます。 塗り回数省略・塗料のすり替えによる手抜き工事 塗装ムラ、防水処理の甘さ、指定材料と異なるものの使用など、施工不良や手抜き工事が疑われるケースは少なくありません。 特に下塗り省略、塗料を薄める、工程短縮といった典型的な手抜き例は見抜きにくいものです。 工事の各段階を写真や動画で記録し、特に重要な工程(下塗り完了時、中塗り完了時など)では専門家を交えた中間検査を行うことで、手抜き工事を早期に発見し、正すことができます。 問題を見つけたらためらわずに指摘し、契約書や仕様書にもとづいた是正を求めることが重要です。 「予想外の劣化」で突然の追加請求 当初の見積もりや契約に含まれていなかった追加工事や、根拠がはっきりしない追加費用を請求されるトラブルは非常に多いです。 「外壁の劣化が予想以上だった」「下地の状態が悪かった」などの理由で、工事中に突然追加費用を求められることがあります。 契約前に詳しく現状を調査し、想定される追加工事の可能性についても事前に検討しておくことが、トラブル対策として重要です。 契約書に「追加工事は事前に書面での見積提示と発注者の承認を必要とする」という一文を明記しておけば、突然の追加請求も防げます。 住民間クレームで工事が中断 騒音やプライバシーなど工事の影響をめぐり、居住者間や近隣住民との間でクレームが発生し、工事が一時中断したり、人間関係が悪化したりするケースは珍しくありません。 こうした状況を解決するためには、迅速かつ丁寧な対応が決め手となります。 クレームが発生したら24時間以内に対応し、問題の状況と対策を記録に残すことが重要です。 初期対応の遅れや不誠実な態度が、クレームをエスカレートさせる主な原因になります。 特に近隣住民からのクレームには、管理組合と施工業者が連携して対応し、必要に応じて工程の一時調整や代替措置をとる柔軟性も重要です。 工事完了後でも発生してしまう2つのトラブル 大規模修繕工事が完了したからといって、すべてが終わりというわけではありません。 工事完了後も、保証やアフターサービスに関するトラブルが発生することがあります。 保証期間内でも不具合対応をしてくれない 工事完了後、保証期間内であるにもかかわらず、施工不良箇所や不具合の修繕を業者に依頼しても、なかなか対応してもらえない、あるいは責任を認めないといったトラブルは少なくありません。 外壁の水ぶくれや塗装の剥離などの不具合が発生しても、「経年劣化」として対応を拒否されるケースがあります。 アフターサービス問題の解決策としてもっとも有効なのは、「詳細な保証条項を契約書へ明記し、第三者保証制度を活用すること」です。 保証範囲、期間、対応期限、免責事項などを契約書に具体的に明記することで、後々の解釈の違いによるトラブルを防げます。 さらに、業者倒産のリスクに備え、第三者保証制度や瑕疵(かし)保険の活用も検討すべきです。 不具合を見つけた際には、写真で記録し、書面で速やかに通知することが重要となります。 定期点検に来ない 契約で定められているはずの定期点検(1年点検、2年点検など)が、業者から連絡がなく実施されない、あるいは形式的な点検で済まされてしまうというトラブルも発生します。 定期点検問題の最適な解決方法は、「点検時期をカレンダーで管理し、管理組合が主導して点検実施を要請すること」です。 業者任せにせず、点検項目のリストアップや立ち会い、記録保持を管理組合側で行うことで、形式的な点検を防ぎ、不具合の早期発見につなげることができます。 なぜトラブルは起きてしまう?「3つの原因」を知ってトラブル防止 ここまでさまざまなトラブル事例と対策を見てきましたが、なぜこうしたトラブルが繰り返し発生するのでしょうか。 「専門家任せ」にしてしまっている 「自分はお金を払うだけで、あとは専門家に任せておけばいい」 この考え方こそが、多くのトラブルの出発点になっています。 国民生活センターの統計によると、外壁塗装関連の相談だけでも年間3,860件(相談全体の28.7%)にのぼります。 「専門家に任せておけば安心」という思い込みが、結果としてトラブルにつながっているのです。 トラブルを起こさないために 大規模修繕は単なるサービスの購入ではなく、あなたの資産を守る「共同プロジェクト」です。マンションの価値を守るのは専門家でも理事会でもなく、区分所有者全員の責任です。定期的な工事確認や質問の機会を設けることで、問題の早期発見が可能になります。「お金を払うだけ」から「共に守る当事者」へ。この意識の転換がトラブル予防の第一歩です。 住民や管理組合、業者とのコミュニケーション不足 多くの大規模修繕トラブルの現場で、もっとも多く聞かれるのが「知らなかった」「聞いていない」という言葉です。 管理組合、住民、業者の間で情報が途絶え、誤解や不信感が生まれることで、計画の遅延や工事中のクレーム多発を招いています。 トラブルを起こさないために 情報を「伝える」だけでなく「伝わる」工夫が必要です。もっとも効果的なのは「多様な情報共有の手段を確保」し、「分かりやすさを徹底する」ことです。掲示板、回覧、メール配信に加え、特に高齢者には紙媒体や対面説明を組み合わせることで、情報から取り残される住民をなくします。また、専門用語を平易な言葉に置き換え、図解や写真を活用することで理解のハードルを下げることが重要です。 問題を「先送り」してコスト増を招いている 建物の劣化は目に見えにくく、気づいた時には手遅れになることが少なくありません。 特に東北地方では、積雪や凍結による劣化の進行が他地域より速いという厳しい現実があります。 トラブルを起こさないために 先送り問題の解決策でもっとも効果的なのは「予防保全の習慣化」です。不具合が大きくなる前に小さな修繕を定期的に行うことで、結果的に総コストを抑えられます。具体的には、年に1回以上の定期点検を行い、専門家による客観的な建物診断を5年ごとに行うことが推奨されます。「修理より予防」という考え方が、マンションの資産価値を長期的に守る鍵となります。 「今は大丈夫」と先送りすると、いずれやってくる大規模修繕時のコストが一気に増加...となる可能性もあります。 今すぐできる小さな対策が、将来の大きな負担を防ぐのです。 それでも困ったら…専門家への相談窓口リスト 大規模修繕工事に関するトラブルは複雑で、自分たちだけでは解決が難しいケースもあります。 そんなときに頼れる専門家や相談窓口を知っておくことは非常に重要です。 以下に、東北地方を中心とした相談窓口をご紹介します。 公的相談窓口 名称 概要/特徴 連絡先 消費者ホットライン 消費生活センターにつながり、消費者トラブル全般の相談が可能 電話:188 消費者ホットライン 公式ホームページ 住まいるダイヤル 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する住宅関連トラブルの相談窓口 電話:0570-016-100 住まいるダイヤル 公式ホームページ 各自治体の建築住宅課 地方自治体ごとに住宅関連の相談窓口があります お住まいの自治体にお問い合わせください 全国自治体マップ検索 専門団体・民間相談窓口 名称 概要/特徴 連絡先 日本マンション管理士会連合会 東北支部 マンション管理に関する専門的アドバイスが受けられます 電話:022-224-3630 住まいるダイヤル 公式ホームページ 住宅リフォーム瑕疵担保責任保険協会 保険に関する相談や施工業者の紹介 電話:03-3580-0236 住宅リフォーム瑕疵担保責任保険協会 公式ホームページ ※各窓口の詳細については各団体の公式ウェブサイトをご確認いただくか、直接お問い合わせください。 トラブルが発生した際は、できるだけ早い段階で専門家に相談することをお勧めします。 相談の際は、契約書や見積書、工事の写真など、具体的な資料を準備しておくと、より適切なアドバイスが受けられます。 まとめ:根本からトラブルを防ぐマンション大規模修繕へ ここまで説明してきたように、マンションの大規模修繕工事ではさまざまなトラブルが発生する可能性がありますが、その多くは事前の準備と適切な対応によって防ぐことができます。 特に重要なのは、「当事者意識の醸成」「効果的なコミュニケーション」「先送りしない予防保全」という3つの根本原因に対する対策です。外壁塗装関連相談の多くは、これらの対策で防げるトラブルなのです。 東北地方の厳しい気象条件に耐え、かつトラブルの起きづらい質の高い大規模修繕を実現するには、地域の特性を熟知した専門家のサポートが不可欠です。 ゆうき総業では、山形や仙台を拠点に、外壁塗装や防水工事など高品質な改修工事を提供し、マンション管理組合様の大規模修繕をトータルにサポートしています。 マンションの資産価値を守るための第一歩として、まずは専門家への相談から始めてみませんか?

受水槽の水漏れは「原因特定」が9割。プロが教える初動と補修の全て

受水槽から水漏れが起きると、普段あまり馴染みのないトラブルだけに、「まず何をすべきか」「どこに頼ればいいのか」と、いざというときの判断に迷うことがあります。 受水槽の水漏れは、放置すると断水や衛生問題に発展しかねず、早めの判断が求められます。 実は、こうしたトラブル解決の鍵は、水漏れの根本原因を正しく見極め、状況に合った方法を提案できる専門家を選ぶことです。 この記事では、被害を最小限に食い止めるため、水漏れが起きた際の初期対応から主な原因、そして信頼できる業者の見分け方まで、具体的な根拠をもとに分かりやすく解説します。 この記事でわかること 水漏れ発見時にまずやるべき初期対応とNG行動 写真で分かる、水漏れの主な3つの原因と劣化のサイン 主な補修方法ごとのメリット・デメリットと費用相場 後悔しないための、信頼できる専門業者の見分け方 仙台市で数多くの雨漏り修理や大規模修繕を手がけてきた、私たちゆうき総業が、そのノウハウを余すところなくお伝えします。 水漏れ発見時の初期対応 受水槽から水漏れが起きた際は、初期対応が被害の拡大を抑え、早期復旧につながります。 安全を最優先し、具体的な手順で行動することが大切です。 被害拡大を防ぐための3ステップ 受水槽からの水漏れを発見した際は、慌てずに行動することが、被害を最小限に抑える鍵です。 まずは安全を確保して状況を把握したうえで、専門家へ連絡しましょう。 具体的な手順は以下の3ステップです。 ステップ1:安全の確保と状況の確認 まずもっとも優先すべきは、ご自身の安全です。 水漏れ箇所周辺にポンプなどの電気設備がないか確認し、漏電の危険がある場合は絶対に近づかないでください。 安全な場所から懐中電灯などを使って、水漏れの発生源や量、受水槽本体のひび割れの有無などを確認します。 このとき、スマートフォンで動画や写真を撮影しておくと、後で専門業者へ状況を正確に伝える際に非常に役立ちます。 ステップ2:応急処置と関係者への連絡 次に、被害の拡大を防ぐための応急処置をおこないます。 漏れている箇所にブルーシートを被せたり、水の受け皿としてバケツを設置したりするとうまくいきます。 それと同時に、マンションの住民やビルのテナント、管理組合といった関係者へ速やかに状況を報告し、協力を求めることが大切です。 ステップ3:信頼できる専門業者への連絡 応急処置は一時的な対策に過ぎません。 根本的な解決には、専門家による診断と補修が欠かせません。 できるだけ早く、受水槽の修理に対応できる専門業者へ連絡しましょう。 事前に撮影した写真や動画を見せると、状況がスムーズに伝わり、迅速な対応につながります。 対応時に避けるべき行動 良かれと思った行動が、かえって状況を悪化させることもあります。 安全かつ確実な復旧のため、以下の行動は避けるようにしてください。 NG行動1:知識なくバルブを操作する 慌てて給水バルブを閉めてしまうと、他の設備に思いがけない不具合を招く恐れがあります。 バルブの操作は、必ず専門業者の指示に従っておこないましょう。 NG行動2:不適切な材料で応急処置をする 市販の防水テープやコーキング剤による補修は、水圧によってすぐに効果がなくなることがほとんどです。 それだけでなく、後の本格的な修理の妨げになることもあるため、使用は避けましょう。 NG行動3:原因を安易に自己判断する 「小さなひびだから大丈夫」といった自己判断は危険です。 目に見えない部分で劣化が進行していることも十分に考えられます。 原因の特定はプロに任せることが、確実な解決への近道です。 受水槽の水漏れ、主な原因は?【劣化症状の写真付き】 水漏れはある日突然起こるように見えますが、その多くは経年劣化によって静かに進行しています。 ここでは、受水槽の水漏れを引き起こす主な3つの原因を、具体的な症状とともに解説します。 原因1:パネル接合部の劣化(パッキン・ボルト) 多くの受水槽は、FRP(繊維強化プラスチック)製のパネルを組み合わせて作られています。 そのパネル同士の隙間を埋めているのが、ゴム製の「パッキン」です。 このパッキンが紫外線や経年劣化で硬化して弾力性を失うと、隙間ができて水漏れの原因となります。 また、パネルを固定しているボルトの錆や腐食、シール材の劣化も水漏れを引き起こします。 劣化のサイン パネルの継ぎ目に沿って水滴が垂れていたり、ボルト周辺にサビ汁の跡があったり、接合部に白い水垢が付着していたりする場合、パッキンやボルトの劣化が疑われます。 原因2:本体のひび割れ(クラック) 受水槽の本体パネルも、長年の使用で劣化します。 特にFRP製のタンクは、紫外線や風雨に晒されることで、表面に無数の微細なひび割れ(クラック)が発生することがあります。 最初は小さなひびでも、地震の揺れや水圧の影響で徐々に深くなり、あるときを境に大きな亀裂となって水漏れを引き起こすこともあります。 劣化のサイン 本体のひび割れは、初期段階では見つけにくいことがあります。 しかし、タンクの外壁に常に濡れたような筋ができていたり、一部分だけが白っぽく変色していたりする場合は、ひび割れから水が滲み出ているサインかもしれません。 原因3:配管接続部や付属部品の不具合 受水槽本体だけでなく、水を供給・排出するための配管との接続部分も、水漏れが起きやすい箇所です。 接続部のパッキン(フランジパッキン)の劣化や、地震などによる配管のズレが原因で、隙間から水が漏れ出してしまいます。 また、タンク内の水位を調整するボールタップなどの付属部品が故障し、水が止まらなくなる(オーバーフロー)ことも、水漏れの一因です。 劣化のサイン 配管の付け根から水が垂れている、タンク上部のオーバーフロー管から常に水が流れ出ている、といった場合は、接続部のパッキンやボールタップの異常が考えられます。 なぜ、受水槽のトラブルは早めの対応が重要なのか 「少しの水漏れだから」と考えてしまうのは危険です。 受水槽のトラブルは、発見から対応までの時間が被害の規模を左右します。 なぜ早い段階での対応が必要なのか、その理由を見ていきましょう。 放置が招く3つのリスク 「少しの水漏れだから」と放置してしまうと、後で大きな問題に発展することがあります。 具体的には、次のようなリスクが考えられます。 リスク1:大規模な断水につながる 漏水が悪化すると、修理のためにタンクを空にする必要が出てきます。 その結果、建物全体が長時間にわたって断水し、住民やテナントの生活・営業に大きな支障をきたすことになりかねません。 リスク2:衛生状態が悪化し健康に影響を及ぼす 受水槽のひび割れから雨水や汚染物質が入り込むと、貯水されている水が汚染される恐れがあります。 汚染された水と知らずに使ってしまうと、健康に影響を及ぼすことも考えられます。 リスク3:建物の資産価値を損なう 水漏れは受水槽だけの問題に留まりません。 漏れた水が建物の基礎や周辺の構造物を腐食させ、耐久性を損なう原因になります。 結果として、建物全体の資産価値を大きく下げることにもつながります。 【特に注意】FRP製タンクに早めの対応が不可欠な理由 多くの建物で採用されているFRP製の受水槽は、特に注意が必要です。 FRPは紫外線に弱いという特性があり、一度劣化が始まると、その進行が加速することがあります。 表面の小さなひび割れが、ある日突然大きな亀裂に発展し、大量漏水につながる危険もあります。 そのため、FRP製のタンクで水漏れが確認された場合は、初期段階での対応が、結果的に被害とコストを抑える鍵です。 受水槽の水漏れ補修方法と費用・工期の目安 水漏れの状況や原因によって、補修方法はさまざまです。 ここでは、代表的な3つの補修方法と、それぞれの特徴、費用や工期の目安を解説します。 主な補修方法3つの比較 受水槽の水漏れ補修には、劣化の状況や予算に応じていくつかの方法があります。 まずは代表的な3つの方法、「シーリング打ち替え」「FRPライニング工法」「パネル交換・本体交換」について、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。 [ここに、各補修方法(シーリング、FRPライニング、パネル交換)のメリット・デメリットをまとめた比較表] この文章はダミーです。文字の大きさ、量、字間、行間等を確認するために入れています。 補修方法 メリット デメリット シーリング打ち替え 費用が比較的安い 工期が短い 応急処置に近い 劣化箇所が多いと効果が薄い 耐久年数が短い FRPライニング工法 タンク全体を防水層で覆うため、耐久性が高い 新品同様の強度を取り戻せる タンク交換より費用を抑えられる シーリングに比べ費用と工期がかかる 施工業者の技術力で品質が左右される パネル交換・本体交換 根本的な解決策 長期間の安心感が得られる 費用が最も高額になる 工期が長く、大規模な断水期間が発生する 設置場所によっては搬入・搬出が困難 補修方法1:シーリング打ち替え シーリング打ち替えは、パネルの接合部など部分的な劣化に対しておこなわれる、もっとも手軽な方法です。 費用と工期を抑えられますが、あくまで応急処置的な側面が強く、タンク全体の劣化が進んでいる場合には根本的な解決になりません。 補修方法2:FRPライニング工法 FRPライニング工法は、受水槽の内側全体をFRPの防水層でコーティングする方法です。 これにより、タンクの強度を高め、新品同様の状態に再生できます。 本体を交換するよりも費用を抑えつつ、高い耐久性を得られるバランスの取れた工法ですが、施工品質が業者の技術力に左右される点には注意が必要です。 補修方法3:パネル交換・本体交換 パネル交換・本体交換は、受水槽そのものを新しくする、もっとも確実な方法です。 長期間にわたる安心感が得られますが、費用はもっとも高額になり、大規模な断水も伴います。 設置場所の状況によっては、部材の搬入・搬出が難しく、大掛かりな工事になることもあります。 【費用相場】補修方法ごとの料金目安と見積もりの内訳 補修費用は、受水槽の大きさや劣化状況、現場の環境によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。 シーリング打ち替え 5万円〜20万円程度 FRPライニング工法 30万円〜150万円程度 パネル交換・本体交換 100万円〜数百万円以上 見積もりを確認する際は、総額だけでなく、その内訳をしっかり確認することが重要です。 特に、補修費用とは別に「足場の設置費用」が必要になるケースが多く、これが高額になることもあります。 業者によっては、この足場代を含めずに安い金額を提示してくることもあるため、注意が必要です。 【業者選びが重要】仙台で信頼できる専門業者を見抜く3つのポイント 受水槽の水漏れ補修は、どの業者に依頼するかで結果が大きく変わることがあります。 高額な交換工事を勧められたり、修理後に再発したりといったトラブルを避けるために、信頼できる専門業者を見抜くための3つのポイントを紹介します。 Point 1:本当の原因を特定する『診断力』があるか 表面的な水漏れ箇所だけを修理しても、根本原因が解決していなければ、再発する可能性があります。 大切なのは、なぜそこから水が漏れたのか、本当の原因を突き止める『診断力』です。 よくある失敗例 水漏れ箇所をシーリングで塞いだだけですぐに再発。実はタンク全体の劣化が原因で、結局、高額なライニング工事が必要になった。 たとえば私たちゆうき総業は、もともと雨漏り調査・修理を専門としてきました。 建物の水の流れを熟知したノウハウを活かし、赤外線サーモグラフィーなどの専門機材も用いて、水漏れの根本原因を丁寧に調査します。 Point 2:コストを抑え、最適な補修方法を導く『提案力』と『技術力』があるか 業者によっては、自社の利益を優先し、高額な「本体交換」を勧めてくることがあります。 本当に必要なのは、建物の状況と予算に合わせた、最善の補修方法を導き出す『提案力』と、それを実現する『技術力』です。 よくある失敗例 「古いから交換しかない」と言われ、数百万円の見積もりを提示された。他の業者に相談したら、半額以下のライニング工法で十分対応できると分かった。 私たちゆうき総業では、必ずしも交換が最善とは考えていません。 実際に、他社で「交換しかない」と診断された受水槽を、FRPライニング工法で再生させ、コストを大幅に抑えた実績も多数あります。 正確な診断にもとづく誠実な提案はもちろん、外壁塗装や防水、足場工事まで自社の職人(多能工)で一貫して対応できるため、中間マージンが発生せず、質の高い工事を適正価格でご提供できます。 Point 3:緊急時に頼れる『機動力』と『責任感』があるか 水漏れは、緊急の対応が必要です。 「すぐに来てほしい」という時に、迅速に対応してくれる『機動力』と、「最後まで自分たちの仕事に責任を持つ」という『責任感』は何よりも重要です。 よくある失敗例 電話をしても「担当者が不在」で話が進まない。下請け業者が施工したため、トラブルが起きても責任の所在が曖昧になった。 ゆうき総業では、自社に多様な専門職人を抱える「多能工体制」を整えています。 外部業者との調整が不要なため、お問い合わせから現地調査、応急処置まですばやく対応できるのが強みです。 診断から施工、アフターフォローまで一貫して自社で管理し、最後まで責任を持って対応します。 まとめ:宮城近隣で受水槽の水漏れにお悩みなら。専門家の診断で根本解決へ この記事では、受水槽の水漏れという一見単純なトラブルの裏に、パネル接合部のパッキン劣化や本体のひび割れといった、専門家でなければ見抜けない多様な原因が潜んでいることを解説しました。 そして、その根本原因を特定する「診断力」こそが、高額な交換工事を避け、最適な補修へとつながる鍵です。 水漏れ発見時の対応: まずは「安全確保」「状況確認」「専門家への連絡」を徹底する。 主な水漏れの原因: 「パネル接合部」「本体のひび割れ」「配管接続部」の経年劣化が考えられる。 放置するリスク: 「断水」「衛生問題」「資産価値の低下」など、より大きな問題に発展する。 業者選びの核心: 表面的な修理ではなく、本当の原因を見抜く『診断力』がもっとも重要です。 私たち、ゆうき総業は、この記事で解説した『診断力』を最大の強みとしています。 雨漏り調査で培った知見を活かし、受水槽トラブルの根本原因を正確に突き止め、建物の資産価値を守る、無駄のない最適な補修方法を提案します。 宮城県内やその近隣県で受水槽の水漏れにお困りなら、まずは一度、私たちの無料診断をご利用ください。 専門スタッフが状況を正確に把握し、最善の補修方法を提案します。

【5分でわかる】マンション大規模修繕とは?費用・期間・工事内容まで完全ガイド

マンションをお持ちの方であれば、 「大規模修繕はいつ頃やるものなの?」 「費用はどれくらい見ておけばいいの?」 「工事中の暮らしはどうなるんだろう?」 といった疑問や不安を感じたことがあるのではないでしょうか。 十数年に一度の大きな出来事ですから、あらかじめ全体像をしっかりつかんでおくことが大切です。 この記事では、マンション大規模修繕の基本的な知識から、費用の相場、工事にかかる期間、具体的な工事内容、さらにはよくあるトラブルを避ける方法まで、管理組合の皆様や区分所有者の方が知っておくべきポイントをひと通り解説します。 計画と準備を適切に行い、安心して大規模修繕を進められるよう、すぐに役立つ情報をお届けします。 この記事でわかること 大規模修繕の費用相場と資金計画 工事の期間とスケジュール 具体的な工事内容と進め方 よくあるトラブルと回避策< 大規模修繕の基本:まず知っておきたいこと マンションの大規模修繕工事とは、ひとことで言えば、マンションの共用部分全体を対象に、十数年ごとに行う計画的な大きな工事のことです。 建物の外壁や屋上、共用廊下や階段、各種設備など、さまざまな箇所が工事の対象となります。 主な目的は、建物の劣化を防いで長く使えるようにし、皆様が安全で快適に暮らせる住環境を保ち、マンション全体の資産価値を守り高めることにあります。 よく似た言葉に「修繕」と「改修」がありますが、これらは意味合いが少し異なります。 修繕: 建物ができた当初の状態に「直す」工事。 改修: 元に戻すだけでなく、性能を「良くする」工事。 例えば、壊れた部分を直すのが「修繕」、より新しい設備に取り替えるのが「改修」と考えると分かりやすいでしょう。 そして、大規模修繕を計画的に進めるためには「長期修繕計画」が絶対に必要です。 これは、将来どのような工事がいつ頃必要になり、どれくらいの費用がかかるのかを長期的に見通す、いわばマンション修繕の設計図のようなもの。 この計画に沿って資金を準備し、適切なタイミングで工事を行うことが、成功への鍵を握ります。 なぜ必要?大規模修繕のタイミングと重要性 マンションは頑丈に造られていますが、日々の雨風や紫外線、気温の変化といった自然の影響を受け、年月とともに少しずつ劣化が進んでいきます。 建物を長く安全に、そして快適に使い続けるためには、この経年劣化のサインを見逃さず、適切な時期にメンテナンスが必要です。 これこそが、大規模修繕が求められる根本的な理由なのです。 建物の劣化サインを見逃すな!放置リスクと【修繕時期】の考え方 マンションの劣化は、外壁のひび割れ、塗装の剥がれや色あせ、屋上やバルコニーの防水層の亀裂、コンクリートの中性化やそれに伴う鉄筋の露出といった形で現れてきます。 これらのサインは、建物の耐久性や安全性に関わる「劣化サイン」です。 もし、これらの劣化を放置してしまうと、雨漏りが発生して室内に被害が及んだり、建物の構造体そのものが腐食して強度が低下したり、最悪の場合、外壁タイルが落下して通行人に危害を加えるといった事故に繋がる可能性も否定できません。 また、見た目の悪化は居住環境の快適性を損ない、防犯性の低下を招くこともあります。 では、大規模修繕はいつ頃行うべきなのでしょうか? 一般的には、新築時から12年~15年周期(国土交通省のデータでは初回の平均は約13年)で実施されることが多いと言われています。 しかし、これはあくまで目安であり、建物の立地条件や使用状況、前回の工事の品質などによって劣化の進み具合は異なります。 そのため、「何年経ったから必ず実施する」というよりも、定期的な建物診断を通じて劣化の状況を正確に把握し、専門家のアドバイスも参考にしながら、最適な【修繕時期】を見極めることが大切です。 大規模修繕を行う最適な時期については以下の記事でも詳しく解説しています。 東北地方は特に注意!凍害・雨漏りと資産価値を守る修繕計画 特に雪深く寒さの厳しい東北地方では、一般的な劣化に加え、特有の現象にも注意が必要です。 例えば、凍結によるコンクリートの傷み(凍害)や、屋根の雪が溶けてそこから雨漏り(東北ではすが漏りとも言います)です。 こうした地域特性を考慮した修繕計画が欠かせません。 大規模修繕は、マンションの「資産価値」を守り、高めるためにも非常に大切です。 劣化を放置すれば資産価値は下がりますが、定期的な修繕や時代に合わせた設備の更新で価値を高めることも可能です。 また、法律で定められた外壁の定期調査や、適切な修繕計画を求める「管理計画認定制度」など、法令も大規模修繕に関わってきます。 これらも踏まえた長期的な計画を立てることが、マンション管理のポイントです。 大規模修繕の費用:相場・資金計画・コスト削減のポイント マンション大規模修繕の中でも、もっとも気になるのは、やはり「費用」ではないでしょうか。 ここでは、費用のざっくりとした全体像とコスト削減の要点を解説します。 最新データで見る!大規模修繕の費用相場と修繕積立金 国土交通省の調査によれば、大規模修繕の総工費は工事回数を重ねるごとに増加する傾向があり、例えば1回目の工事では4,000万円~6,000万円が最も多い価格帯です。 出典:国土交通省 令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査 1戸あたりでは約100万円~150万円が目安となるケースが多いですが、マンションの規模や工事内容によって大きく変動します。 これらの費用は、毎月積み立てる「修繕積立金」で賄われます。 しかし、約4割のマンションで積立金が計画に対し不足しているというデータもあり、長期修繕計画に基づいた適切な積立金額の設定と定期的な見直しが必須です。 大規模修繕の費用相場や追加のコスト、積立金不足についてもさらに詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説しています。 コストを削減するにはどうしたらいい? 大規模修繕の費用は高額になりがちですが、工夫次第でコストを抑えることも可能です。 主なポイントは以下の通りです。 コストを抑える主なポイント 工事の優先順位付けと段階的施工:<SPBR>一度の大きな支出を避け、資金計画に合わせた対応を検討します。緊急度の高い箇所から先行して着手し、支払いを分散させるアプローチです。 工事方法の工夫:<SPBR>足場を組まない「無足場工法(ロープアクセス工法)」は、足場費用を大幅に削減できる可能性があります。 補助金・助成金の活用:<SPBR>国や自治体の制度を利用できないか確認しましょう(対象や時期は要確認)。 複数業者による相見積もり:<SPBR>内容や費用を比較し、適正価格での発注と品質確保を目指します。少なくとも2~3社から見積もりを取得しましょう。 中でも、無足場工法は、仮設費用の20~50%を削減することができ、ゆうき総業の事例では、120万円のコスト削減につながった事例もあります。 詳しくは下記ページで解説していますので、ぜひご確認ください。 補助金や助成金の活用をお考えの方は下記記事で詳しく解説しています。 大規模修繕の期間:計画から完了までの流れ マンションの大規模修繕プロジェクトは、実際に工事が始まってから終わるまでの期間だけでなく、その前の準備段階から数えると、非常に長期にわたるものです。 ここでは、全体のスケジュール感と、工事期間中の生活への影響について、基本的なポイントを解説します。 全体スケジュールと各フェーズの期間目安 大規模修繕プロジェクトは、大きく分けて以下の主要なフェーズで進められます。 ①計画策定・住民説明(準備段階): 現状の建物診断、修繕範囲や内容の検討、予算案の作成、長期修繕計画の見直し、住民への説明会の開催、アンケート実施など。 ②設計監理・業者選定段階: 修繕設計図書の作成、工事仕様の決定、施工業者の公募・選定(見積もり比較、ヒアリングなど)、工事請負契約の締結。 期間目安:数ヶ月程度。 ③工事着工~完了(工事段階): 実際に工事が開始され、完了検査を経て引き渡しが行われるまで。 期間目安:マンションの規模により大きく異なります。大規模なマンションだと1年近くかかることも。 ④完了段階: 工事完了後の報告会、アフター点検の実施など。 重要なポイント 最も時間がかかるのは準備段階(1~2年) 工事期間はマンション規模で大きく変わる(3ヶ月~1年以上) 計画スタートから工事完了まで、トータルで2~3年以上 特に工事期間は、小規模マンション(50戸未満)で3~4ヶ月程度、大規模マンション(100戸以上)では6ヶ月~1年以上と大きく異なります。 また、天候不順などにより工期が延長されることもあるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。 このように、計画スタートから工事完了までトータルで見ると、2年から3年、あるいはそれ以上を要する一大プロジェクトであることがお分かりいただけるかと思います。 各工程の具体的なスケジュールや作業内容は下記ページにて解説しています。併せてご覧ください。 要注意!工事期間中の生活への影響と対策 実際に大規模修繕の工事が始まると、居住者の皆様の日常生活にも様々な影響が出ることが予想されます。 代表的なものとしては、以下のようなキーワードが挙げられます。 騒音・振動: ドリルやハンマーの音、塗料の吹き付け音など。 臭気: 塗料や溶剤のにおい。 足場設置による影響: バルコニーや窓からの景観の悪化、日照不足、防犯面での不安。 バルコニー使用制限: 洗濯物が干せない、エアコンの室外機周りの作業で使用制限があるなど。 プライバシー: 作業員が窓の近くで作業することによる視線。 共用部分の利用制限: エレベーターの養生、廊下や階段の一部通行止めなど。 これらの生活への影響を完全に無くすことは難しいですが、ストレスを少しでも軽減するためには、 管理組合と施工業者が連携し、事前に詳細な工事スケジュールや注意事項を住民に周知徹底すること 工事説明会を丁寧に開催すること 工事に関する問い合わせ窓口を設けること などが重要です。 また、場合によっては仮のワークスペースを共用施設に設けるといった配慮も考えられます。 騒音やエアコンなどそれぞれの具体的な対策より詳しく知りたい方は下記記事もごご覧ください。 大規模修繕の工事内容と進め方のポイント 「大規模修繕では具体的にどんな工事をするの?」「どうやってプロジェクトを進めていけば失敗しないの?」といった疑問は、多くの管理組合様が抱えるところでしょう。 ここでは、主要な工事の種類とその目的、そしてプロジェクトを成功に導くための進め方や住民合意のコツについて、基本的なキーワードを解説します。 何をするの?主な工事の種類と目的・注意点(東北事例含む) 大規模修繕で行われる代表的な工事には、以下のようなものがあります。 外回り工事 外壁塗装工事:美観維持と雨水・紫外線からの保護(塗料選定が重要) 屋上防水工事:雨漏り防止と躯体保護(工法選定が鍵) シーリング打替え工事:目地やサッシ周りの防水・気密性確保 タイル補修工事:浮きや剥がれ補修で落下事故防止 構造・設備工事 下地補修工事:ひび割れやコンクリート欠損の補修 鉄部塗装工事:手すりや階段の錆防止(錆止め処理が不可欠) 給排水管更新・更生工事:漏水や赤水対策(更新か更生かの判断が重要) 共用部改修工事:エントランスや廊下の美観・機能性向上 これらの工事は、マンションの見た目をきれいに保つだけでなく、雨漏りを防いだり、建物の強度を維持したりと、安全で快適な住環境を守るために非常に重要です。 特に外壁や屋上に関する工事は、建物を自然環境から守るという大きな役割があります。 また、給排水管のような設備工事は、日々の生活の質に直結します。 工事を行う際には、その地域の気候特性を十分に考慮することも大切です。 特に雪が多く、寒さの厳しい東北地方では、一般的な劣化に加えて、以下のような点にも注意が必要です。 凍害対策: 冬季の凍結融解によるコンクリートやタイルの劣化を防ぐための材料選定や施工方法の検討。 適切な材料選定: 低温環境下でも性能を維持できる塗料や防水材の選定。 冬季施工の制約: 降雪や低温による作業効率の低下や品質確保の難しさ。 このように、大規模修繕は多岐にわたる工事を含んでおり、それぞれの工事がマンションの維持管理において大切な意味を持っています。 失敗しない!プロジェクトの進め方と住民合意のコツ 大規模修繕という長期間にわたる複雑なプロジェクトを成功させるには、段取りの良い進め方と、何よりも住民の皆様の理解と協力、つまり「合意形成」が不可欠です。 具体的にどのようなステップで進め、どうすれば住民の皆様とスムーズに合意を形成できるのか、その基本的な進め方とポイントを見ていきましょう。 プロジェクトの基本的な進め方 大規模修繕は、一般的に以下のようなステップで進められます。計画から完了まで、管理組合が主体となって着実に進めていきます。 準備・計画段階: <SPBR>修繕委員会の設置、建物診断の実施、長期修繕計画の見直し、工事の基本方針決定 設計・コンサルタント選定段階: <SPBR>設計事務所やコンサルタント会社を選定し、詳細な修繕設計や工事仕様書を作成 施工業者選定段階: <SPBR>複数の施工業者から見積もりを取り、技術力や実績、提案内容などを比較検討して業者を決定 工事実施・監理段階: <SPBR>工事の進捗状況や品質を監理者がチェック。住民への定期的な情報提供 完了・アフターケア段階: <SPBR>完了検査、引き渡し、アフターサービスの確認 これらの各段階を丁寧に進めることが、最終的な工事の品質と満足度につながります。 特に、準備・計画段階での情報収集や方針決定、そして信頼できるパートナー選びが、プロジェクト全体の成否を大きく左右すると言えるでしょう。 住民合意形成のポイント これらのステップを円滑に進める上で、もっとも時間と労力を要し、かつもっとも重要なのが「住民合意形成」です。 大規模修繕は区分所有者全員に関わる大きな事業であり、費用負担も伴うため、全員の納得と協力を得ることが成功の絶対条件となります。 スムーズな合意形成を実現するための大切なポイントは以下の通りです。 情報公開の徹底: <SPBR>劣化診断の結果や修繕計画案、見積もり内容などを透明性を持って公開 丁寧な説明と対話: <SPBR>説明会やアンケート、個別相談などを通じて、住民の疑問や不安に丁寧に対応 意見聴取とフィードバック: <SPBR>住民からの意見や要望を真摯に受け止め、計画に反映できるものは反映し、難しい場合はその理由を説明 段階的な合意形成: <SPBR>一度に全てを決めようとせず、重要なポイントごとに段階的に合意を獲得 これらのポイントを意識し、住民一人ひとりと向き合い、丁寧なコミュニケーションを重ねることが、大規模修繕を成功に導くための鍵となります。 適切な準備と信頼できるパートナーを選択することで、よりスムーズな進行が期待できるでしょう。 ただし、どれだけ丁寧に計画を立て、準備を重ねても、大規模修繕ではさまざまな問題が起こる可能性も残念ながらゼロではありません。 大規模修繕で起こりがちなトラブルとは? マンション大規模修繕は、多くの関係者が関わり、長期間にわたる複雑なプロジェクトです。そのため、残念ながら様々なトラブルが発生する可能性も潜んでいます。 マンション大規模修繕で起こりがちな主なトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。 費用に関する問題(修繕積立金不足、予算オーバー、負担割合の不一致) 工事の品質問題(施工不良、仕上がりの相違) 工事中の生活影響(騒音・振動、プライバシー侵害) 住民間のコミュニケーション不足(情報共有不足、意見対立) 業者選定の失敗(技術力不足、コミュニケーション不良) これらの問題を未然に防ぐためには、透明性のある情報共有と合意形成、事前の十分な調査と計画、円滑なコミュニケーションの確保、信頼できる専門家の選定、適切な工事監理といった基本的な考え方を持つことが重要です。 適切な準備と信頼できるパートナー選びにより、多くのトラブルは回避できます。 マンションの大規模修繕時に起こりがちなトラブルについては、関連記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。 まとめ:大規模修繕は、必ず専門性の高い業者に依頼しよう! ここまで解説してきたように、マンション大規模修繕は費用相場や工期の把握から、具体的な工事内容、そしてトラブル回避まで、多角的な知識が必要な一大プロジェクトです。 1戸あたり100万円を超える費用負担、計画から完了まで2~3年におよぶ長期スケジュール、外壁塗装から防水工事まで多岐にわたる工事内容、そして約40%のマンションが直面する修繕積立金不足の問題など、管理組合が直面する課題は複雑です。 特に東北地方では凍害や雨漏りなど地域特有の劣化にも対応する必要があり、地域の気候特性を理解した専門性の高い業者選定が成功の鍵となります。 私たちゆうき総業は、東北の気候特性を熟知し、無足場工法により最大20%以上のコスト削減実績を持つ大規模修繕の専門家です。 山形本社と仙台支店を拠点に、お客様のマンションに最適な修繕計画をご提案いたします。 まずはお気軽にご相談ください。

マンションの大規模修繕に「火災保険」は適用される?意外な落とし穴を解説!

大規模修繕は建物の価値を維持し、居住者の安全を確保するために欠かせない重要な工事です。 しかし、その際の火災保険の取り扱いについては、意外と見落とされがちな点があります。本記事では、大規模修繕時に知っておくべき火災保険の活用方法について詳しく解説していきます。 マンションの火災保険は「共用・専有部分」で異なる! 大前提、マンションの火災保険は「共用部分と専有部分」で加入方法が異なります。 共用部分の保険は管理組合が加入し、専有部分は各区分所有者が個別に加入するのが一般的です。 共用部分の保険では、建物の構造部分や共用設備が補償対象となり、火災だけでなく、水災や風災などの自然災害も補償範囲に含まれることが多いです。ここからは共用部分と専有部分における保険の違いを解説していきます。 共用部分の保険について そもそも共用部分とは、エントランスや廊下をはじめ、エレベーター、階段、屋上、外壁など、「マンションの居住者全員で共有する部分」のことです。 共用部分の火災保険の加入者はマンションの管理組合で、保険の種類としては、マンション総合保険(マンション管理組合向けの火災保険)です。マンション全体の共用部分を一括して補償してくれるといった特徴があります。 具体的には、 建物の構造部分(躯体) 共用設備(エレベーター、給排水設備など) 共用の動産(ロビーの家具など) 施設賠償責任(共用部分の欠陥による事故の補償) など、一般的な共用部分すべてき適用されるというわけです。 専有部分の保険について 専有部分とは、各居住者が単独で所有する住戸部分(一般的に壁の内側・室内など)です。 専有部分の保険加入者は基本的に「居住者」で、個人向けの火災保険に入ることが一般的です。各住戸の内装や設備を個別に補償が効きます。 専有部分の火災保険は、たとえば内装・造作や、居住者の家財保険・個人賠償責任保険などが該当します。 【よくある間違い】火災保険は“大規模修繕”には適用されない よく「大規模修繕の費用を火災保険でカバーできる」と思われがちですが、これはできないケースがほとんどです。 というのも火災保険というのは、突発的な事故や災害による損害を補償するものであり、計画的な修繕工事には適用されません。そのため「大規模修繕に備えて、保険に入ろう」という考えは誤りだということは前提知識として覚えておきましょう。 一方で、修繕工事中に発生した予期せぬ事故・損害については保険が適用される可能性がありますので、その点もあわせておさえておくと良いでしょう。 もちろん事故や思わぬトラブルの可能性はゼロではありませんが、大前提「しっかりと管理の行き届いた施工をしてくれる修繕業者に頼む」ことがベストですね。 修繕に備えて「保険に入るべきケース」とは? ここからは大規模修繕時などの状況も踏まえて、結局保険に入るべきか?について解説していきます。 結論、火災保険についてはマンションオーナーが任意で加入する or しないを選んでいただければOKですが、特に大規模修繕工事では“一般的な補修”とは異なるリスクが発生するケースがあります。 たとえば足場設置時の盗難リスクや、工事中の事故による物品の破壊などです。このため、工事期間中の補償内容を見直し、必要に応じて特約を追加することが重要です。また、工事業者が適切な保険に加入しているか確認することも、トラブル防止につながります。 大規模修繕に向けた火災保険の準備 大規模修繕を控えている場合、工事開始前に火災保険の内容を見直すことをおすすめします。特に、築年数や過去の修繕履歴によって保険料が変動する可能性があるため、定期的な見直しが重要です。また、マンション管理士やコンサルタントに相談し、適切な保険プランを選択することで、将来的なリスクに備えることができます。 まとめ 大規模修繕時の火災保険活用は、マンションの資産価値を守り、予期せぬ事態に備える上で非常に重要です。本記事で紹介したポイントを参考に、管理組合や専門家と連携しながら、適切な保険対策を講じていただければと思います。

マンション大規模修繕に「周期」はない?時期を決める4つのポイントと季節

マンション大規模修繕、「12年ごと」とよく聞きますが、本当にそれがベストタイミングなのでしょうか? 「もう少し先に延ばせるのでは?」 「費用を抑えつつ資産価値も守りたい」 と、管理組合の理事やオーナー様なら、誰もが悩むポイントです。 時期の見極めは、建物の寿命や将来のコストにも関わる重要な判断です。 この記事では、最適なタイミングを見極めるための具体的な方法を、分かりやすく解説します。 一般的な周期の話だけでなく、法定点検や季節、コスト削減のコツまで網羅。 最適な修繕計画を立てるために、ぜひ最後までお読みください。 この記事でこんな疑問が解決します。 大規模修繕の「周期」の考え方と注意点 最適な時期を見極める4つの重要ポイント 工事に適した季節(メリット・デメリット) 工事期間の目安と短縮する方法(無足場工法含む) 修繕積立金が足りない場合の対策 大規模修繕の周期、12年説は本当?15年・18年への延長も まずは、大規模修繕の周期について基本的な考え方をおさらいしましょう。 一般的に「12年周期」が目安とされる背景には、いくつかの理由があります。 しかし、近年では技術の進歩などにより、修繕周期を延ばす「長周期化」という考え方も出てきています。 12年がマンション大規模修繕の目安と言われる訳 マンション大規模修繕の周期として「12年」が広く認識されるようになった背景には、国土交通省が公開している「長期修繕計画作成ガイドライン」の影響があります。 平成20年版のガイドラインでは、長期修繕計画のモデルケースとして、12年程度で修繕工事を行う例が示されました。 これを参考に多くの管理会社や設計事務所が計画を作成したため、「12年周期」が一般的な目安として定着したのです。 参考:長期修繕計画作成ガイドライン(国土交通省) ただし、この12年という数字はあくまで目安であり、法的な義務ではありません。 また、12年周期が意識されるもう一つの理由として、改正建築基準法による外壁の全面打診調査があります。 竣工・外壁改修後10年を経過したタイル貼りなどのマンションでは、3年以内に外壁の全面的な打診調査等が義務付けられました。 この調査には多くの場合、足場の設置が必要となるため、「どうせ足場を組むなら、大規模修繕も一緒に行おう」と、12年目あたりで実施するケースが多く見られます。 さらに、外壁に使われる塗料やシーリング材などの部材の耐用年数も考慮されています。 一般的な塗料の寿命は8〜12年程度と言われており、この期間を過ぎると塗膜の浮きやひび割れ、剥がれなどが進行し、建物のコンクリート躯体を十分に保護できなくなります。 15年・18年へ修繕周期の延長は本当に得? リスクも確認 近年は、部材の性能向上や診断技術の進化により、修繕周期を15年や18年、あるいはそれ以上に延ばす「長周期化」も選択肢になっています。 高耐久な材料を使い、工事回数を減らして長期的なコスト削減を目指す考え方です。 実際、国土交通省の調査でも、マンション大規模修繕の平均実施周期は13.0年(1回目は平均15.6年)と、12年周期が絶対ではないことが分かります。 参考:令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省) ただし、単に周期を延ばすことはリスクも伴います。 延長を検討する場合は、以下の点を専門家による正確な建物診断に基づいて慎重に判断する必要があります。 建物の状態は良好か?: 日常メンテナンス、立地環境、施工品質、使用材料の耐久性など。 長期修繕計画は見直したか?: 安易な先送りは劣化を進行させ、将来の費用増につながるリスクがあります。60年程度の長期視点での計画が必要です。 部分的な先行補修は必要か?: 全体的な周期を延ばす代わりに、劣化が目立つ箇所の計画的な補修が必要になる場合があります。 管理組合の財政状況も踏まえ、専門家と相談しながら、ご自身のマンションに最適なタイミングを見極めることが重要です。 結局のところマンションの修繕周期は12年・15年・18年といった数字は目安に過ぎません。 最も重要なのは、よくある年数に捉われず、マンション固有の状況(劣化、立地、管理状況など)に基づき、計画的に最適な修繕時期を判断すること。 それが資産価値を守る鍵となります。 周期延長の可否や劣化診断について、以下の記事でより詳しく解説しています。 マンション大規模修繕の「最適な時期」を決める4つの重要ポイント ここまで、大規模修繕の周期はあくまで目安であることがお分かりいただけたと思います。 では、最適な着工時期を決める上で特に重要な4つのポイントを解説します。 ポイント1① 法定点検(外壁打診調査)の時期に合わせる 前述の通り、建築基準法では、竣工または外壁改修から10年を経過したマンション等に対し、3年以内に外壁の全面打診等調査を行い、特定行政庁へ報告することが義務付けられています(※条件により異なります)。 この調査結果は、大規模修繕の必要性や緊急性を判断する重要な材料となります。 多くのマンションでは、この法定調査のタイミング(築11~13年目頃)に合わせて大規模修繕を計画します。 調査で外壁タイルの浮きや剥離などの劣化が確認されれば、安全確保のためにも早めの修繕が必要となるでしょう。 調査結果を踏まえ、専門家のアドバイスを受けながら、具体的な工事内容と時期を検討していくのが一般的な流れです。 ポイント② 管理組合の合意形成(期間目安は約2〜3年) 大規模修繕は、マンション管理組合にとって最大のイベントの一つです。 これをスムーズに進めるには、マンションの所有者である皆さんが、計画や費用についてしっかり話し合い、意見を一つにまとめなくてはいけません。 スムーズに計画を進めるためには、十分な準備期間を見込む必要があります。 マンション大規模修繕の合意形成までの一般的な流れ 修繕委員会の設置: 理事会だけでは負担が大きいため、専門委員会を立ち上げ、情報収集や検討を進めます。(工事開始の2~3年前) アンケート調査・建物診断: 住民の意向調査や専門家による建物診断を実施し、修繕の必要箇所や要望を把握します。(工事開始の1.5~2年前) 基本計画・業者選定: 修繕内容、概算費用、スケジュールなどを盛り込んだ基本計画案を作成し、施工業者やコンサルタントを選定します。(工事開始の1~1.5年前) 説明会の開催: 住民向けの説明会を複数回開催し、計画内容や費用について理解を求めます。(工事開始の半年前~1年前) 総会決議: 管理組合の総会で、修繕工事の実施と予算について決議を得ます。(工事開始の半年前頃) このように、合意形成には検討開始から通常2年~3年程度の期間がかかります。 また、管理組合の決算期や総会の開催時期も考慮に入れる必要があります。 予算案の承認や業者との契約などをスムーズに進めるためにも、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。 ポイント③ 他の工事と同時実施で足場代を節約 大規模修繕の際には、足場を設置するのが一般的です。この足場設置費用は、工事費全体の約20%を占めるとも言われ、大きなコスト要因となります。 もし、近い将来にエレベーターの更新や給排水管の改修など、他の設備更新工事も予定されている場合は、大規模修繕とタイミングを合わせることで、足場を共用し、コストを削減できる可能性があります。 長期修繕計画を見直し、関連する工事の実施時期を調整することも検討してみましょう。 ポイント④ 工事時期の「季節」も重要 工事の品質や工期は季節要因によっても左右されるため、着工時期を決める上での判断材料となります。 一般的に気候の安定する春・秋が好まれますが、工事が集中する繁忙期となる点や、梅雨・台風、厳冬期ならではのリスクも十分に考慮に入れる必要があります。 季節ごとの具体的なメリット・デメリットや注意点については、もう少し詳しくみていきましょう。 工事時期はいつが良い?季節ごとのメリット・デメリット 春・秋が最もおすすめですが、それぞれの季節にメリット・デメリットがあり、工事の品質や工期、居住者の負担にも影響します。 季節 メリット デメリット 春・秋 気候が安定し、作業に適している(品質確保・工期通り進みやすい) 工事が集中する繁忙期(費用が高くなったり、業者を確保しにくくなる可能性) 夏 工事が比較的少なく、費用交渉がしやすい可能性あり 梅雨や台風による工期遅延リスクが高い 猛暑による作業効率低下・品質管理への注意・住民負担の増加 冬  (太平洋側など一部地域)晴天が多く空気が乾燥している場合あり 低温による施工制限や品質リスク(塗料・防水材の硬化不良など) 日照時間が短い、【特に東北など寒冷地】豪雪・凍結による作業中断リスクや安全確保の難しさ 春~初夏:安定気候で工事が順調に進みやすい 一般的に、3月~5月頃の春は、大規模修繕に最も適した季節とされています。 気温・湿度が安定しており、雨も比較的少ないため、塗装や防水工事の品質を確保しやすく、作業もスムーズに進みます。 工期の遅延リスクが低く、計画通りに完了しやすいのが最大のメリットです。 ただし、多くのマンションがこの時期に工事を希望するため、施工業者のスケジュールが埋まりやすく、見積もり費用も高くなる傾向があります。 早めの計画と業者選定が重要になります。 梅雨〜真夏・台風シーズン:費用交渉は有利?でもリスク有り 6月~9月頃は、梅雨や台風の影響を受けやすい時期です。 雨天が続くと、塗装や防水工事、シーリング工事などが中断せざるを得なくなり、工期が大幅に遅れるリスクが高まります。 また、夏場の高温多湿な環境は、作業員の体調管理や、塗料の品質管理(急激な乾燥によるひび割れなど)にも注意が必要です。 窓を開けられないことによる室内の熱気や湿気、エアコン使用による電気代増加など、居住者の生活負担も大きくなりがちです。 一方で、工事が少ない時期であるため、費用交渉がしやすくなります。 真冬:工事しやすいが、低温による施工制限も要注意 12月~2月頃の冬は、地域によって状況が大きく異なります。 太平洋側の一部地域では晴天が多く空気が乾燥し、比較的工事を進めやすい場合もあります。 しかし、気温が低い(一般的に5℃以下)と、塗料や防水材の乾燥・硬化に時間がかかったり、性能が十分に発揮されなかったりする「低温硬化不良」のリスクは共通して存在します。 特に、東北地方など冬の気候が厳しい地域では、より慎重な判断が必要です。 日本海側や山間部を中心に豪雪地帯が多く、降雪や凍結による作業の遅延・中断、安全確保の難しさ、資材搬入の困難さなどが頻繁に発生します。 太平洋側であっても、内陸部では厳しい冷え込みに見舞われ、低温による施工品質への影響は避けられません。 加えて、日照時間が短いことも、1日の作業時間を制限し、工期が延びる大きな要因となります。 冬期間の工事は、季節だけではなく、地域特有のリスクも十分に理解した上で計画する必要があります。 よくある疑問Q&A:マンション大規模修繕の時期・工期・費用 マンション大規模修繕の時期や期間、費用に関して、管理組合様からよく寄せられる質問にお答えします。 Q1:どれくらい前から準備を始めるのが理想? A1:一般的には、工事開始予定の2~3年前から準備を始めるのが理想的です。 例えば、築12年目での工事を目指すのであれば、築10年目を迎える頃には理事会で大規模修繕を議題に上げ、修繕委員会の設置などを検討し始めると良いでしょう。 前述の通り、合意形成には時間がかかります。 建物診断、基本計画策定、業者選定、住民説明会、総会決議といった流れを考慮すると、最低でも1年半~2年は必要です。 余裕を持ったスケジュールで準備を進めることで、住民の理解を得やすくなり、より良い修繕計画を立てられます。 専門家(マンション管理士やコンサルタント)に早期に相談しましょう。 Q2:大規模修繕工事の着工時期、多いのは何月? A2:気候が安定している春(3~5月)や秋(9~11月)に着工するケースが多いです。 先述したように、春や秋は、工事の品質を確保しやすく、工期通りに進めやすいというメリットがあります。 ただし、人気が高い時期は工事が集中するため、希望通りのスケジュールで業者を確保するのが難しかったり、費用が割高になったりする可能性も考慮する必要があります。 あえて繁忙期を避け、夏や冬に実施することで、費用を抑えられる場合もありますが、その際は天候リスクや施工上の注意点を十分に理解しておく必要があります。 Q3:工期はどれくらい?なるべく短くしたいのですが... A3:大規模修繕の工期はマンションの規模によって異なります。 ですが、弊社施工の目安としては5階建て以上のマンションで3ヶ月ほどの施工期間となります。 10階建ての場合は、4ヶ月ほどで時間が倍になることはありません。 ですが、工期が長引くことで居住者の負担や仮設費用が増えるため、可能であれば短縮したいですよね。 工期短縮には効率的な工程管理や天候リスクの少ない時期選びが基本ですが、足場を組まずに作業する「無足場工法(ロープアクセス工法)」という選択肢もあります。 この工法は、足場の設置・解体期間(通常1~2ヶ月)が不要になるため大幅な工期短縮が見込めます。 さらに、足場費用(工事費の約2割)の削減、防犯面での安心感向上、居住者の圧迫感軽減といったメリットもあります。 ただし、高所作業の安全管理がより重要になる点や、建物の形状や工事内容によっては、この工法が使えない場合もあります。 さらに重要な点として、無足場工法は、専門的な技術と経験が求められるため、対応できる業者は限られています。 私たち、ゆうき総業は、この無足場工法を得意としており、多くの実績があります。 🔗ゆうき総業の無足場工法について 工期短縮やコスト削減にご関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 Q4:修繕積立金が不足しています... A4:値上げや一時金徴収、借入、補助金などを検討してください 計画していた大規模修繕の時期が近づいているのに、修繕積立金が不足している、というのは心配ですよね。実際に多くの管理組合で課題となる点です。 その場合の対策としては、主に以下のような方法が検討されます。 計画的な積立金の値上げ 一時金の徴収 金融機関からの借り入れ 滞納者への対応や補助金の活用 いずれの方法も管理組合の状況や合意形成の見込みなどを踏まえて慎重に判断する必要があります。 まとめ:マンション大規模修繕、最適な時期は「状態」と「計画」で見極めよう! マンション大規模修繕の最適な時期は、「築〇年」という画一的な周期だけで決まるものではありません。 建物の劣化状況はもちろん、法定調査のタイミング、管理組合での合意形成に必要な期間、工事に適した季節、他の改修工事との兼ね合いなど、様々な要素を総合的に考慮し、判断することが求められます。 「適切な時期を見極め、計画的に進めたいが、具体的にどう判断すべきか」 「工期やコストを可能な限り最適化したい」 こうした課題をお持ちの管理組合様も多いのではないでしょうか。 特に、工期短縮とコスト削減を両立させる手段として、足場を設置しない無足場工法が挙げられます。 私たちゆうき総業株式会社 仙台店は、仙台・宮城・東北エリアで大規模修繕の豊富な実績を有し、この無足場工法を強みとしております。 個々の建物の状況を正確に把握し、最適な修繕計画をご提案いたします。

マンション大規模修繕でエアコンが使えない?よくあるトラブルと対策を解説

マンションのバルコニー(ベランダ)は専用部分と想いがちですが、実は共用部分です。 大規模修繕では、この共用部分であるバルコニー(ベランダ)も工事の対象となります。そのため、バルコニー(ベランダ)にある室外機の移設が必要になることがあります。そのため、エアコンが使えなくなってしまうのです。 なぜエアコンが使えなくなるのか、どのくらいの期間使えないのか、そしてどうすれば少しでもスムーズに生活できるのか。 この記事では、そんな疑問にお答えしていきます。大規模修繕工事中のエアコン問題について、詳しく見ていきましょう。 マンション大規模修繕時はエアコンが使えない? 結論からお伝えすると、マンションの大規模修繕工事では、一定期間エアコンが使えなくなることがあります。これは主に外壁工事や設備更新作業が原因で、居住者の生活に大きく影響する可能性があります。 もう少し詳しく説明していきます。 エアコンが使えない理由 エアコンが使用できなくなる主な理由は複数あります。 外壁工事の影響 外壁の塗装や補修作業では足場の設置が必要です。この足場がエアコンの室外機と接近し、正常な運転を妨げることがあります。足場が室外機の近くにあると、空気の循環が悪くなり、エアコンの効率が大幅に下がる可能性があります。 塗料や粉塵からの機器保護 外壁塗装時に飛び散る塗料や発生する粉塵は、エアコンの室外機に悪影響を与えかねません。これらが室外機の中に入ると、故障や性能低下の原因になる可能性があります。そのため、工事中は室外機を保護カバーで覆うか、一時的に取り外す必要があります。 バルコニー(ベランダ)工事の実施 防水工事や手すりの交換など、バルコニー(ベランダ)の改修作業では室外機の移動が必要になることがあります。これらの作業中は安全確保と工事の円滑な進行のため、エアコンの使用を控える必要があります。 大規模修繕中の「ベランダの使用制限」に関しては、下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。 配管系統の更新作業 大規模修繕では、建物全体の配管系統を新しくすることもあります。この場合、エアコンの冷媒配管も工事の対象となり、工事期間中はエアコンを使用できません。 電気設備の改修工事 建物の電気設備全体を改修する際には、エアコンへの電力供給を一時的に止める可能性があります。これは安全性の確保と新しい電気系統への円滑な移行に必要な措置です。 これらの理由により、大規模修繕工事中にはエアコンの使用が制限されることがあります。工事の規模や内容によって制限期間は異なりますが、居住者の快適性と工事の効率性のバランスを考慮しながら進められます。 移設の具体的な作業内容 エアコンの室外機の移設作業は、専門的な知識と技術を要する重要な工程です。以下に、一般的な移設作業の流れを説明します。 1. 事前調査と計画 技術者が現場を詳細に調査し、最適な移設方法を決定します。この段階で、新しい設置場所や必要な部材、作業時間の見積もりを行います。 2. 電源の遮断と安全確認 作業開始前に、エアコンの電源を完全に切断します。これは作業者の安全確保と機器の保護のために不可欠な手順です。 3. 冷媒の回収 環境保護と機器の保全のため、配管内の冷媒を専用の回収機で回収します。この作業は、フロン排出抑制法に基づいて適切に行われます。 4. 配管の切断と室外機の取り外し 室内機と室外機を接続している配管を適切な位置で切断し、室外機を固定具から慎重に取り外します。この際、周囲の壁面や他の設備に損傷を与えないよう細心の注意を払います。 5. 新設置場所の準備 新しい設置場所を清掃し、必要に応じて補強や防振処理を施します。これにより、再設置後の安定性と静音性を確保します。 6. 室外機の再設置と配管の接続 新しい場所に室外機を設置し、新規または既存の配管を接続します。この際、気密性を確保するため、接続部分の溶接や締め付けを確実に行います。 7. 真空引きと冷媒の充填 配管内の空気や水分を除去するため真空引きを行い、その後適量の冷媒を充填します。冷媒量は機器の性能を左右する重要な要素であり、メーカー指定の量を厳守します。 8. 動作確認とメンテナンス指導 再設置後、エアコンの動作確認を行います。冷房・暖房機能、ドレン排水、異音の有無などを綿密にチェックします。また、必要に応じて居住者にメンテナンス方法を説明します。 これらの作業は通常、1台あたり半日から1日程度を要します。ただし、建物の構造や作業の複雑さによっては、さらに時間がかかる場合もあります。 移設作業は専門的な技術を要するため、必ず資格を持 った専門業者が行う必要があります。適切な移設作業により、工事後のトラブルを未然に防ぐことができます。 エアコンが使えない日数 大規模修繕工事中のエアコン使用制限期間は、工事の規模や内容、建物の状況によって変わります。 短期間の場合、エアコンが使えない期間は2〜3日程度です。これは主に室外機の移動や保護が必要な軽微な外壁工事の場合や、バルコニー(ベランダ)の小規模な補修工事などが該当します。 中程度の場合、使用制限期間は1週間前後となります。外壁の全面塗装や大規模な補修が必要な場合、あるいは複数の設備更新が同時に行われる場合がこれに当たります。 長期間の場合、2週間以上エアコンが使用できないこともあります。建物全体の大規模な改修工事が行われる場合や、配管系統の全面的な更新、電気設備の大規模改修を伴う場合などが該当します。 全体として、大規模修繕工事の全期間中にエアコン使用が完全に禁止されることはないですが、断続的な制限が発生する可能性があります。 具体的な制限日数は、管理組合や施工会社から提供される工事スケジュールで確認しておきましょう。また、天候や工事の進行状況によっても変動するため、定期的な情報確認も大切です。 エアコンが使えないときの対処法 施工者側と居住者側、それぞれの効果的な対処法を見ていきましょう。 施工者側:作業日程の事前告知をする 施工者は工事開始の遅くとも1ヶ月前までに、詳細な作業スケジュールを居住者に通知します。この通知には、エアコンが使用できない具体的な日程と時間帯、各戸別の工事予定日を明記します。工事の進捗状況や天候による変更がある場合は、掲示板やメール、専用アプリなどを活用して速やかに情報を更新します。こうした丁寧な情報提供をしておくと、居住者の不安や不便を軽減し、工事への理解と協力を得やすくなります。 施工者側:期間短縮が可能な無足場工法を活用する マンションの大規模修繕工事では、無足場工法(ゴンドラ工法)という工法があります。 無足場工法では、建物の外壁に沿って作業を行うため、エアコンの室外機周辺のスペースを確保しやすくなります。これにより、室外機の移動や保護が最小限で済み、エアコンの使用制限期間を大幅に短縮できる可能性があります。結果として、居住者の生活への影響も軽減されます。 また、足場の組み立てや解体が不要なため、全体の工期を短縮できます。通常、足場の設置には数日から1週間程度かかりますが、無足場工法ではこの時間を省略できるため、エアコンの使用制限期間も短くなる傾向があります。 さらに、ゴンドラやロープアクセスを使用することで、各階や各住戸ごとに柔軟に作業を進められます。これにより、エアコン使用制限のタイミングを分散させることが可能になります。例えば、夏季の暑い時期には一部の階のみ作業を行い、他の階は涼しい季節に作業するなどの調整ができ、居住者の負担を軽減できます。 オーナー側の対策:エアコンが必要ない季節を選ぶ エアコンを使わなくてもいい季節を選ぶのも一つの対策です。春季(4月〜5月中旬)や秋季(9月下旬〜11月)は気温が穏やかで、エアコンの需要が低い時期です。これらの季節を選ぶことで、エアコンの使用制限の影響を抑えられます。ただし、季節を選ぶ余地がない場合もあるため、可能であれば選択するといいでしょう。 居住者側の対処法: 事前に日程を把握し、外出の予定を立てるのがおすすめ エアコンが使えない期間は数日程度なので、事前に工事スケジュールを確認し、外出の予定を立てることをおすすめします。 外出することで、工事の騒音やプライバシーの問題なども同時に避けられます。 エアコンに関するその他のトラブルと対策 その他にエアコンでは以下の様なトラブルもあります。 室外機の移動と保護について バルコニー(ベランダ)や外壁の工事に伴い、室外機を一時的に移動させる必要があります。この際、配管や電気配線が損傷するリスクがあり、適切に移設されないと冷媒漏れや故障の原因となります。 対策として、専門の技術者による慎重な移設作業が不可欠です。また、移動中は室外機を保護カバーで覆い、衝撃から守ることが重要です。 室外機の汚れや損傷 塗装工事中には、室外機が塗料で汚れることがあります。施工会社に連絡すれば清掃してもらえることが多いですが、早めの対応が求められます。 予防策として、工事前に室外機全体をビニールシートなどで覆っておきます。万が一汚れてしまった場合は、乾く前に湿った布で軽く拭き取ることで被害を最小限に抑えられます。 冷媒系統の不具合 冷媒ガスの漏れや配管接続不良が原因で、冷暖房が効かなくなることがあります。専門業者に相談し、必要に応じて配管を交換することが推奨されます。 まとめ:無足場工法で工事短縮ならゆうき総業へ 大規模修繕工事中のエアコン使用制限は、居住者にとって大きな課題です。 また、室外機の移動や保護、汚れや損傷への対応、冷媒系統の不具合など、エアコンに関する様々なトラブルにも注意が必要です。適切な業者選びの必要性は言うまでもないでしょう。 ゆうき総業株式会社は、6,000件を超える施工実績を持つ大規模改修・修繕工事のプロ集団です。私たちの強みは、無足場工法でコストと工期を大幅カット、そして多能工チームによる高品質施工にあります。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで、お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。  

大規模修繕の周期は12年→18年に延長できる?建物の劣化状況の診断が大切

大規模修繕の実施時期・周期の目安 一般的に12年周期で実施されることが多いですが、これには国土交通省のガイドラインの影響や、特定建築物定期調査における全面打診調査の義務化、塗膜などの劣化を考慮していることなどが理由として挙げられます。 しかし、大規模修繕の実施時期は、マンションの具体的な劣化状況に応じて前後することがあります。 まずは築10年目に行う初回診断で、正確な劣化状態をしっかり把握し、その後、外壁を中心とした修繕から、内部の付属部位も含めた修繕へと範囲が広がっていきます。25〜30年を超えると、建物全域にわたる修繕や設備の更新、耐震補強なども必要になります。 計画的な修繕を行わないと、劣化が進行し修繕費用も増大してしまいます。 まずは、12年を基本周期としつつも、マンションの個別状況に合わせた調整が大切です。 関連記事 築年数ごとの修繕内容の目安 マンションの大規模修繕では、建物の各部位や設備ごとに修繕・更新の時期の目安があります。築年数に応じたメンテナンスポイントと修繕箇所は以下の通りです。 築4~6年 鉄部塗装などの劣化兆候が現れ始めるため、建物点検報告書を確認し、長期修繕計画の見直しを行います。 築7~10年 大規模修繕工事に向けての準備期間です。建物点検報告書を確認し、建物診断の受診をおすすめします。修繕箇所は鉄部、屋根、屋上、給水ポンプ、雨水排水ポンプなどです。 築11~15年 第1回大規模修繕工事(屋上防水・電気設備)、インターホン等の修繕を実施し、長期修繕計画を見直します。修繕箇所は鉄部、外壁、屋根、屋上、電灯設備、廊下・階段、バルコニー、インターホン、TVアンテナ等、消火栓等、エントランス、集会室等、機械式駐車場、付属施設、車道・歩道・植栽等です。 築16~20年 鉄部塗装・屋上防水、自火報関連、機械式駐車場、給排水ポンプ等の修繕を行います。設備診断の受診をおすすめします。 築21~25年 第2回大規模修繕工事(給水管交換)を実施し、長期修繕計画を見直します。修繕箇所は第1回大規模修繕工事に加え、エレベーター、給水管、雑排水管、給水ポンプ、雨水排水ポンプなどです。 築26~30年 エレベーター交換、インターホンの修繕を行います。 築31~40年 第3回大規模修繕工事(玄関ドア交換、サッシ交換、手摺交換)、排水管更新を実施し、長期修繕計画を見直します。機能・性能・材質面の更新を含む改良工事の検討が必要です。 建物本体では、傾斜屋根、陸屋根・ルーフバルコニー、外壁、雨樋、ベランダ、階段・廊下などの修繕時期の目安は11~15年目となっています。 室内設備では、給湯・バランス釜、エアコン、浴室設備、厨房設備、洗面化粧台、トイレなどの修理の目安が5~10年目、一斉交換の目安が11~15年目となっています。 その他、配管、外部建具、外構、浄化槽、給水設備、エレベーターなどの修繕・更新時期の目安も部位ごとに異なりますので、各劣化状況を定期的にチェックし、適切な時期に修繕・更新を行うことが重要です。 大規模修繕の周期の、建物の種類による違い マンションの大規模修繕の周期は、建物の種類によって異なります。 分譲マンションの場合、修繕委員会などが設置され、ガイドラインに基づいて大規模修繕が実施されます。 一方、商業ビルや賃貸マンションなどの収益ビルの大規模修繕は、オーナーの判断により行われ、具体的な周期を定めたガイドラインはありません。ただし、建物の規模によって1年ごとか3年ごとの定期報告が必要であり、外壁の全面調査も義務付けられています。 収益ビルの大規模修繕の周期 収益ビルの所有者は、適切な補修や修繕を行うことで資産価値を維持し、新技術を導入するリノベーションにより資産価値を向上させる必要があり、これは店舗やオフィスへのリーシングを行う上でも重要な要素となります。 さらに、建物の所有者には管理責任があり、漏水などの事故が発生した場合、店舗への賠償責任が生じる可能性もあるため、安全性の確保は重要です。 収益ビルの大規模修繕の周期は、日常のメンテナンス状況により異なるため、一概に決めることはできません。ただし、建材の平均的な寿命などを参考に、大まかな目安を立てることが重要です。 例えば、屋上防水の耐用年数は、アスファルト防水で15〜25年、シート防水で10〜15年、ウレタン防水で10〜12年となっています。 外壁塗装や屋上防水、エレベーターや給排水管の交換といった様々な箇所の修繕や改修のタイミングや費用を、あらかじめ長期修繕計画として立てておくことが重要です。 この計画をもとに、実際の建物調査により具体的な計画立案を行い、5年程度ごとに見直しを行うことが推奨されます。長期修繕計画を立て、修繕に必要な資金の目安を作り、修繕積立金の額を想定することで、利益の確認もできるようになります。 大規模修繕のタイミングは建物の状況によって異なる 同じ築年数や戸数であっても、建物の形状、構造、環境、管理状況などの要因により、劣化の進行や故障の発生は建物ごとに異なるため、一律に周期や回数を決めることはできません。 大規模修繕の実施については、各管理組合が建物の状況を見極めて判断することが多いです。 一般的な目安としては12~15年程度とされており、大規模修繕工事のタイミングは、長期修繕計画に記載されています。 近年、大規模修繕の周期を延ばす動きも出てきましたが、実施時期は建物の状況に大きく依存します。適切な時期を判断するために、まず建物診断を行い、現状を確認することが重要です。 多くのマンションでは、築10年を超えた頃から情報収集や修繕委員会の立ち上げ、建物診断の実施など、少しずつ準備を始めます。 大規模修繕工事の準備には通常1~2年程度かかるため、工事時期を延ばす場合はさらに検討時間が必要になります。 大規模修繕工事は資金計画とも直結しているため、長期修繕計画は5年ごとに見直し、現状を反映させることが重要です。 大規模修繕の前に建物診断、全面打診調査を実施する マンションの大規模修繕を行う前には、建物の状態を正確に把握するために、建物診断と全面打診調査を実施することが重要です。 建築基準法では、建築物の所有者、管理者、占有者は、建物を常に適法な状態に維持するよう努めなければならないと定められています。 特に、平成20年4月の建築基準法改正により、タイル貼りやモルタル仕上げのマンションは、竣工や改修から10年を経過した場合、3年以内に外壁の全面打診調査を実施することが義務付けられました。 この調査は、外壁のタイル落下事故を防止することを目的としています。 全面打診調査には足場が必要であり、コストがかかるため、大規模修繕工事と同時に全面打診調査を行うのが効率的です。 これが、12年ごとに大規模修繕工事を実施するという考え方が一般的になった理由の一つです。 5~15年ごとの建物診断で修繕の実施時期や修繕範囲を決める 建物診断は、日常点検や定期点検とは別に、概ね5~15年ごとに行われ、長期修繕計画に記載された全ての項目を対象とします。 診断方法には、目視、打診、触診、機械による計測調査などがあり、詳細な調査が行われます。 建物診断の結果は、大規模修繕の実施時期や修繕範囲、修繕仕様を決める根拠となり、おおまかな修繕費用の概算も算出できます。建物診断には無料診断と有料診断の2種類があります。 無料診断は簡易な目視や触診、打診などを行い、一定の劣化や不具合を確認する診断で、一方、有料診断は、目視や触診、打診に加え、機械調査まで行う場合が多く、費用は建物の大きさや形状により数十万円から数百万円程度かかります。 複数の工事会社や調査会社による建物診断や工事見積を受けることで、多様な視点からの診断を受けることができ、見落としリスクの軽減につながります。 大規模修繕は数を重ねるごとに内容や改修箇所が変わる 最初の大規模修繕工事が築後12年頃に行われるとすると、2回目は築後24年頃に実施されますが、2回目以降の工事は、建物の劣化度合いが1回目とは異なるため、改修内容も変わってきます。 1回目の大規模修繕は主に建物の外部を中心に行われますが、2回目では建物内部の付属的な部位やパーツの改修も含まれるようになり、3回目になると、建物内部の主要な設備や部材の更新に加え、耐震補強工事や省エネ化工事といった時代に合わせた工事も求められることがあります。 回を重ねるごとにコストが増大していくことは避けられないため、修繕費用の確保を適切に想定しておく必要があります。 また、新築時には最先端の機能・性能を有していた建物でも、築年数が経てば陳腐化してしまうことがよくあります。居住者のニーズに応じて、大規模修繕と合わせてリフォーム、リニューアル、リノベーションといったグレードアップの工事を実施することも必要となります。 大規模修繕の目的が「維持」から「機能復旧・アップグレート」へ変わっていく 1回目の大規模修繕では建物の維持・保全が主な目的ですが、2回目は機能復旧、3回目では機能復旧に加えてグレードアップが目的となります。 大規模修繕工事は、仮設工事、下地補修工事、タイル補修工事、シーリング工事、外壁塗装工事、鉄部塗装工事、防水工事など、複数のステップに分けて行われますが、2回目以降の工事では、建物の劣化具合に応じてより多くのステップで、踏み込んだ工事が必要となり工事期間も長く、費用も高くなる傾向にあります。 3回目以降になると、排水管やサッシ、電気設備などの工事やバリアフリー設備の増設なども考慮する必要があり、さらなる費用の増加が予想されます。 マンションの大規模修繕工事は、25~30年の長期的スパンで考えるべきものであり、12年周期をひとつの目安として、工事と費用を確保するためのロードマップを作成しておくことが重要です。

マンション大規模修繕でベランダが使えない?日数やトラブル防止の注意点を解説

大規模修繕工事の範囲はエレベーターや廊下などの誰でも使える共用部以外にも「ベランダ」も含まれ、工事中は施工会社の立ち入りが可能となります。 とはいえ、日頃は「自分たちの専用部分」として使用しているため、突然使えなくなることで日常生活に大きな影響があるでしょう。 また、これらの対応に関しては、業者側ではなく居住者側が対応しなくてはいけないのもポイントです。 では、ベランダはどれほど使えなくなるのか?マンションの居住者は、いったい何をしなくてはいけないのか? 本記事では、大規模修繕工事におけるベランダの使用制限とその期間、知っておきたい注意点などを詳しく解説していきます。 これを読めば、「知らなかった」というトラブルも防げるでしょう。 マンション大規模修繕時はベランダが使えない? 結論から言うと、大規模修繕工事期間中は、ベランダの使用に関して様々な制限が設けられます。主な制限として、ベランダへの立ち入りが禁止され、洗濯物を干すことができなくなります。また、ベランダに置いてある私物をすべて片付ける必要もあります。 まずは、ベランダが使えない理由、具体的な作業内容、そして使用制限の期間について詳しく見ていきましょう。 ベランダが使えない理由 まず重要なのは、マンションのバルコニー(ベランダ)が実は共用部分であるという点です。日常の生活では各住戸が自由に使えますが、法的には建物全体の一部として扱われます。そのため、ベランダも大規模修繕工事の対象となるのです。 ベランダが使えなくなる理由は、主に二つあります。足場の設置と安全確保、そして塗装や防水工事の影響です。 まず一つ目は、足場の設置と安全確保です。工事の事故を防ぐため、ベランダに足場を組み立てて、居住者の立ち入りを制限します。 二つ目は、塗装や防水工事の影響です。塗料や防水材を塗って乾かす間は、どうしてもベランダが使えなくなります。 具体的な工事内容 大規模修繕時のベランダ工事では、主に以下の作業が行われます。 防水工事 ベランダの床面に新たな防水層を形成します。ウレタン塗膜、シート防水、FRP防水などの工法が用いられ、状況に応じて最適な方法が選択されます。既存の防水層を撤去し、下地処理を行った後、新しい防水材を施工します。 塗装工事 外壁や手すりの塗り替えを行います。油性塗料、水性塗料、シリコン塗料など、素材や環境に適した塗料を使用します。下地処理、プライマー塗布、上塗りの順で作業が進められ、天候や気温を考慮しながら進めていきます。 鉄部補修工事 手すりやサッシなどの金属部分を補修します。錆びた箇所をワイヤーブラシや電動工具で除去し、防錆剤を塗布します。その後、下塗り、中塗り、上塗りの順で塗装を行います。劣化が著しい場合は、部材の交換も検討されます。 排水管清掃・補修工事 ベランダの排水管を清掃し、必要に応じて補修します。高圧洗浄機を使用して配管内部の汚れや詰まりを除去します。亀裂や破損が見つかった場合は、部分的な補修や配管の交換を行います。排水勾配の調整も必要に応じて実施されます。 ベランダが使えない日数 ベランダが使えない期間は、マンションの規模や工事の内容によって異なります。一般的には2〜4週間程度とされていますが、これはあくまで目安です。 実際の期間は、天候や予期せぬ事態により変動する可能性があります。長雨で工事が遅れたり、予想外の補修箇所が見つかったりすることもあるでしょう。 ただし、工事期間中ずっとベランダが使えないわけではありません。工事の進み具合に応じて、少しずつ使用できる範囲が広がっていきます。例えば、塗装が終わった後の乾燥期間中には、「洗濯物を干すだけなら大丈夫」といった具合に、部分的に使用できるようになることもあります。 トラブル防止!事前に知っておきたい注意点 ベランダが使えない理由や期間について説明しましたが、トラブルを防ぐため、事前に知っておきたい注意点もご説明します。 ベランダの大規模修繕は居住者の同意が不要 先ほどお話した通り、バルコニー(ベランダ)は共用部分に該当するため、大規模修繕の対象となります。それぞれの居住者の意向に関わらず、修繕工事が実施されることを理解しておく必要があります。安全性や建物の維持管理の観点から、「うちのベランダは大丈夫です」と断ることはできないんですね。 私物の移動や処分は居住者の自己負担 工事に先立ち、バルコニーに置かれている私物の移動や処分が必要となります。この作業にかかる費用は、原則として各居住者の自己負担となります。大型の家具や植木鉢、エアコンの室外機など、移動に専門業者が必要な場合も、その費用は居住者が負担することになります。 これらの点を事前に知っておくことで、こんなはずじゃなかったというトラブルを抑えることができます。 ベランダの使用制限への対策と準備すべきこと ここからは、スムーズに工事を進めるためのポイントをご紹介します。 工事スケジュールを把握し、計画的な片づけを ベランダ工事の具体的な日程を確認し、片づけに必要な期間を見積もっておくことで、慌てずに対応できます。一般的に、工事開始の1〜2ヶ月前から準備を始めるのが良いでしょう。特に、大型の植木鉢や家具など、移動に時間がかかるものがある場合は、余裕を持って計画を立てましょう。 休日を利用して少しずつ片づけを進めるなど、自分なりの方法を見つけてみてください。 ベランダの整理と片付け 工事の妨げとなる物品を撤去します。エアコンの室外機、物干し竿、プランターなど、普段ベランダに置いているものを室内や指定の場所に移動させましょう。特に大型の植木鉢や重い家具は、早めに移動しておくと安心です。 室外機の移設とエアコンの使用制限 エアコンの室外機は、大規模修繕の際には一時的に移動が必要になることがあります。この作業は専門業者が行いますので、居住者の方が直接手を加える必要はないのでご安心ください。 ただし、スムーズに作業を進めるために、室外機の上や周りに物を置いている場合は、事前に片付けることをおすすめします。室外機の周囲にはある程度のスペースを確保しておくと、作業員の方が安全に仕事を行えます。 また、移設に伴ってエアコンの使用に制限がある場合は、事前に工事スケジュールを確認し、外出の予定を立てることをおすすめします。 洗濯物の干し場所の確保 工事期間中は外干しが制限されます。洗濯物は室内干しで対応し、難しいようであれば、コインランドリーを活用するなど、事前に検討しておきましょう。 困ったら施工業者と積極的に「コミュニケーション」を取ろう 疑問点や要望があれば、遠慮なく伝えましょう。例えば、バルコニー内の備品の片付けや移動に困った場合、施工業者のスタッフがお手伝いしてくれることもあります。 また、不用品の処分に対応してくれる場合もあるので、積極的に相談してみるのも良いでしょう。施工業者も、コミュニケーションをとってもらった方が助かるので、あまり気を遣わず相談してみましょう! ベランダに関するその他のよくある質問 Q1: ベランダの手すりや床に取り付けた私物はどうすればいいですか? A: 工事の妨げになるため、一時的に取り外す必要があります。工事業者の指示に従い、適切に保管しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q2: ウッドデッキ・タイルはそのままでも大丈夫? A: 基本的に撤去が必要です。工事業者の指示に従い対応しましょう。将来の修繕を考え、着脱が容易なタイプの選択をおすすめします。 Q3: ペットのケージや小屋はどうすればいいですか? A: 室内に移動させるのが基本です。難しい場合は、一時的にペットホテルの利用も検討する必要があるでしょう。 Q4: ベランダの照明器具や防犯カメラはどうなりますか? A: 工事の邪魔になる場合は一時的に取り外します。工事業者と相談しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q5: 工事中にベランダを使用する必要がある場合(例:避難時)はどうすればいいですか? A: 管理組合や工事業者と事前に対応を確認しておきましょう。緊急時の避難経路や連絡方法を把握し、マンション住民全員で共有することが重要です。 まとめ:マンション大規模修繕中のベランダ対策は計画的に! 大規模修繕工事中は、ベランダの使用制限など一時的な不便は避けられないため、事前に準備しておくことが大切です。またそのためには、施工業者からの丁寧な説明や対応も不可欠です。 当社では、施工主や施工業者との強い連携が強みの一つです。 どのような安全確保をおこない、どこまでの工程で、何を保証するのかを事前にしっかり取り決めます。施工主および施工業者と連携しつつ、居住者・利用者の不便にならないよう最大限配慮しながら工事を進めます。 大規模修繕をより円滑に進めるためのアドバイスが必要な方は、ぜひ当社までご相談ください。豊富な実績とご提案で、サポートさせていただきます。 ゆうき総業が選ばれ続ける理由とは?

修繕と改修の違いとは?修理・補修・修復・改良との違いも解説

修繕と改修の違いとは?違いを一覧表で解説 修繕は劣化した建物を元の状態に戻す事であるのに対して、改修は建物をよりアップグレードさせる事である。といった違いがあります。 用語 定義 具体例 修繕 (しゅうぜん) 建物や設備が劣化した際、元の状態またはそれに近い状態へ回復させる工事。 外壁塗装、防水工事 改修 (かいしゅう) 建物の性能や機能をグレードアップさせる工事。 耐震補強、バリアフリー化 補修 (ほしゅう) 即座に必要な部分のみを対応する応急的な措置。 外壁のシーリング打ち替え 修理 (しゅうり) 故障や破損した具体的な部分を直す作業。 機械や家具の破損部分の修正 修復 (しゅうふく) 壊れたり損傷したりしたものを元の状態に戻す作業。 歴史的建造物や芸術作品の復元 改良 (かいりょう) 建物の性能や機能を建設当初の設計を超えて向上させる。 エネルギー効率の改善、最新技術の導入 改修とは 改修は、建物の性能や機能を向上させるために行う工事で、劣化した部分の修繕と同時に、設備やデザインのアップグレードを行います。 改修工事の具体例としては、以下のようなものがあります 断熱性能の向上:古い窓を二重サッシやペアガラスに交換し、外壁に断熱材を追加することで、エネルギー効率を高める。 バリアフリー化:段差の解消、手すりの設置、ドアの幅の拡張などを行い、高齢者や障がい者にとって住みやすい環境を整える。 設備の更新:老朽化した給排水管や電気配線を新しいものに交換し、同時に節水型トイレや省エネ照明などを導入する。 改修工事では、単に古くなった部分を直すだけでなく、現代のニーズに合わせて建物の価値を高めることが重要です。 修繕とは 修繕は、建物を建築当初の状態に戻すことを目的とした工事で、経年劣化により損傷した部分を修理または交換します。 修繕工事の具体例には以下のようなものがあります 屋上防水の張り替え:防水シートの劣化により雨漏りが発生している場合、防水層を全面的に張り替える。 外壁の塗装:塗装の剥がれやひび割れが見られる外壁を、下地の補修を行ってから再塗装する。 設備の部分交換:エレベーターのワイヤーロープの交換や、ボイラーの一部部品の交換など、設備の一部を取り替える。 修繕工事では、できる限り当初と同じ、または同等の材料を使用し、建物の性能を維持することが重要です。 修理とは 修理は、故障や損傷した部分を直して、元の状態に戻すことを指します。建物以外にも、家電製品や車、家具などの修理が一般的です。 修理の具体例としては、以下のようなものがあります 家電製品の修理:洗濯機の故障した部品を交換して、正常に動作するようにする。 車の修理:事故で損傷したボディを元の形に戻し、塗装を施す。 家具の修理:ゆがみや割れが生じた木製の椅子を、補強や接着剤で直す。 修理では、損傷した部分を元通りに直すことが目的で、必ずしも性能や機能の向上は求められません。 補修とは 補修は、劣化や損傷した部分を部分的に直す工事で、建物の機能を維持することを目的とした応急的な処置として行われることが多いです。 補修工事の具体例には以下のようなものがあります: タイルの補修:浴室や台所の壁面で剥がれたタイルを、部分的に張り替える。 配管の補修:水漏れが発生している箇所の配管を一部切り取り、新しい部品を接続する。 床の補修:フローリングの一部が膨らんでいる場合、その部分を切り取って新しい材料を貼り付ける。 補修工事は、部分的な修理に焦点を当てているため、建物全体の修繕と比べると小規模で、費用も抑えられます。 修復とは 修復は、損傷や劣化した部分を元の状態に戻すことを指し、美術品や歴史的建造物などに使われることが多い言葉です。 修復の具体例としては、以下のようなものがあります 絵画の修復:経年劣化で損傷した絵画を、専門家が細部まで元の状態に戻す。 彫刻の修復:戦争や自然災害で壊れた彫刻を、残された部分を元に復元する。 歴史的建造物の修復:城郭や寺院などの歴史的価値のある建物を、当時の技法や材料を用いて本来の姿に戻す。 修復では、専門的な知識と技術が必要とされ、できる限り元の状態に近づけることが重要視されます。 改良とは 改良は、既存の物を良くすることを目的とした行為や工事で、建物に関しては、設備や機能を向上させることで居住性や利便性を高めることを指します。改良工事の具体例には以下のようなものがあります: エレベーターの改良:従来のエレベーターをより速く、静かで、省エネルギーなものに取り替える。 セキュリティシステムの導入:オートロックやカメラ監視システムを導入し、住民の安全性を高める。 給湯システムの改良:ガス給湯器からヒートポンプ式給湯器に切り替え、エネルギー効率を上げる。 改良工事は、改修工事の中でも特に性能や機能の向上に重点を置いたものと言えます。 関連記事

【知っておきたい】マンション大規模修繕のゴミトラブルと6つの防止策

マンションの大規模修繕工事といえば、騒音や振動、工期の長期化が気になりますよね。でも、意外と見落とされがちな問題があります。それが「ゴミトラブル」です。 大規模修繕工事中は、普段とは違うゴミの問題が出てくることがあります。例えば、工事で出る特殊な廃棄物の処理や、工事に伴う騒音・臭い、さらにはゴミが飛び散ってしまうことなど、様々な問題が起こる可能性があります。 これらのゴミに関連したトラブルは、工事がスムーズに進まなくなるだけでなく、近所の方との関係が悪くなったり、法律違反になってしまうリスクまであります。しかし、きちんと対策を立てれば、こういった問題は十分に避けられます。 この記事では、大規模修繕工事中によく起こるゴミトラブルの種類や、その予防策、さらにトラブルが起きてしまった時の対処法について、詳しく解説していきます。 大規模修繕では大量の「ゴミ」が出る! 大規模修繕工事は、10〜15年に一度行われる大がかりな工事であり、その規模と期間の長さから、通常の建物維持管理と比べて廃棄物の量も増加します。 具体的には、建物の老朽化した部分を新しい材料に交換するために出た古い建材や、工事過程で様々な種類の廃棄物が生じます。例えば、塗料缶、養生材、コンクリート片、金属くず、木くずなどが挙げられます。 また、建設工事から出るゴミは産業廃棄物として扱われ、一般ゴミとは異なる処理方法が必要となります。そのため、適切な廃棄物管理と処理が工事において重要な側面となります。 知っておくべきゴミ処理に関するトラブルは? ここからは大規模修繕時によくある「ゴミ処理トラブル」について詳しく解説していきます。 ケース①:「産業廃棄物」の分別・処理不足によるトラブル 大規模修繕工事では多種多様な廃棄物が大量に発生します。これらは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとは異なる処理方法が必要です。しかし、現場では分別が不徹底になりがちで、トラブルの原因となることがあります。 具体的には、塗料缶や接着剤の容器、古い建材などが混在した状態で排出されるケースが見られます。特に注意が必要なのは、塗料缶や接着剤の容器に内容物が残っている場合です。これらは有害物質を含む特別管理産業廃棄物として扱う必要がありますが、一般の産業廃棄物と一緒に処理されてしまうことがあります。 また、無許可業者への委託や不法投棄といった深刻な問題も起こり得ます。 これらは法律違反となる可能性が高いため、元請業者が責任を持って適切な処理業者を選定し、廃棄物の分別や処理過程を厳密に管理することが重要です。 また、マンション管理組合や住民の皆様も、適切な処理が行われているを確認し、疑問点があれば、遠慮なく工事業者や管理組合に確認を取ることをお勧めします。 適切な産業廃棄物の管理は、単なる法令遵守にとどまらず、環境保護や企業の社会的責任を果たすことにもつながります。 ケース②:一時的なゴミ置き場の確保不足によるトラブル 理想的には、工事現場から直接廃棄物処理施設へ運ぶことが望ましいのですが、やむを得ず一時的な保管が必要になることもあります。その際、保管場所の確保が課題となります。特に雨天時には廃棄物が濡れないよう、適切な保管場所を設ける必要があります。 また、野ざらしで置かれた廃棄物から錆や塗料が流れ出し、周辺を汚染する可能性もあります。さらに、保管が長期化すると不法投棄とみなされるリスクもあるため、保管期間の管理も重要です。 これらの問題を防ぐには、保管基準を遵守し、囲いや掲示板の設置など、適切な管理を徹底することが求められます。 ケース③:騒音・臭気による近隣トラブル 大規模修繕工事中、騒音や臭気が近隣とのトラブルのもとになることがあります。 騒音は主に廃材の処理や運搬作業から発生します。重機の使用や資材の移動、作業員の声が予想以上に大きな音を出すことも。特に早朝や夜間の作業は、近隣の方々の生活に直接影響を与えやすいです。 臭気の問題は主に塗料や接着剤の使用が原因です。これらの化学物質の強い匂いは風に乗って広がり、長時間不快感を与えることも。特に暑い季節や風の弱い日は臭いがこもりやすくなります。 こうした問題は近隣からの苦情につながり、最悪の場合、工事の中断や計画変更を余儀なくされることも。工期の遅れや追加費用が発生する可能性もあります。 マンションの住民にとっても、騒音や臭気は大きなストレスです。長期の工事で快適な生活が損なわれると、管理組合や工事業者への不満が高まるかもしれません。 このように、騒音や臭気の問題は工事の進行だけでなく、マンション全体の雰囲気にも影響します。適切な対策を取らないと、長期的な信頼関係を築くのが難しくなる可能性があります。 ケース④:ゴミの飛散によるトラブル 軽量な廃材やゴミが風に乗って飛散することが発生することがあります。 飛散したゴミは、周辺の敷地や公共スペースに落ちることで、住民や近隣の方々が普段以上に掃除をしなければならなくなり、不満の原因となることがあります。 また、駐車中の車両にゴミが付着すると、塗装を傷つける恐れもあります。これは、特に新車や大切に手入れされている車両の所有者にとっては深刻な問題です。 周囲の環境への影響も気になるところです。飛散したゴミが植栽や水路に入り込むと、マンション周辺の景観を損ねたり、小さな環境問題を引き起こしたりします。マンションの近くに緑地や水辺がある場合は、特に注意が必要です。 このようなゴミの飛散は、工事現場の管理が行き届いていない場合や、急な強風が吹いた時に起こりやすくなります。天候の変化への対策不足や、作業員の注意不足が原因になることもあります。 その他、大規模修繕工事で起こりうる「近隣トラブル」については、下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください! ゴミのトラブルを予防する方法は? ここからは先ほど挙げたトラブルを回避するために、業者やマンションオーナーの皆様がやるべき予防法について詳しく解説します! 産業廃棄物の適切な分別と処理を徹底する 現場での徹底した分別を実施し、作業員への教育を行うことが重要です。特に、塗料缶や接着剤の残留物などの特別管理産業廃棄物には細心の注意を払いましょう。 具体的な対策として、工事現場に複数の分別用コンテナを設置し、廃棄物の種類ごとに分けることが効果的です。例えば、「木くず」「金属くず」「廃プラスチック類」「がれき類」などのカテゴリーごとにコンテナを用意し、明確な表示を行います。これにより、作業員が迷うことなく適切に分別できる環境を整えることができます。 一時的なゴミ置き場を適切に設置・管理する ゴミ置き場を設ける場合は、法令に基づいた保管基準を守ることが重要です。具体的には、囲いや掲示板の設置が必要です。加えて、雨対策として防水シートの使用や屋根付き保管場所の確保も欠かせません。 さらに、廃棄物の種類ごとに保管場所を分け、混ぜないようにすることが大切です。そして、定期的な清掃と点検を行い、周辺環境への影響を抑えましょう。最後に、保管期間をしっかり管理し、できるだけ早く処理施設へ運び出す計画を立てることが重要です。 騒音・臭気対策を実施し、近隣への配慮を忘れない 騒音や臭いによる近隣トラブルを防ぐには、まず作業時間の制限が効果的です。加えて、低騒音・低振動型の機械を使用しましょう。特に早朝や夜間の作業は控えめにし、必要に応じて防音シートを設置するのも良い方法です。 臭気対策としては、低臭気型の塗料や接着剤を選び、使用時は換気をしっかり行います。また、作業員には不必要な騒音を出さないよう指導することも大切です。このような近隣への配慮が、スムーズな工事につながります。 ゴミの飛散防止に努める ゴミの飛散を防ぐ第一歩として、工事現場の周りに防護ネットやシートを設置しましょう。次に、廃材やゴミの保管場所をしっかり管理し、蓋付きのコンテナを使用するのも効果的です。 さらに、天候にも注意を払い、強風が予想される日は飛散しやすい作業を避けるなど、柔軟な作業計画を立てることが重要です。加えて、定期的に周辺の清掃を行い、万が一飛んでしまったゴミはすぐに回収することを心がけましょう。 住民とのコミュニケーションを強化する 住民トラブルで一番問題となるのが、「そもそも話をしていない・聞いていない」というクレームです。 大規模修繕工事を成功させる第一歩は、関係者全員の理解と協力を得ることです。そのためには、マンション住民はもちろん、近隣住民への丁寧な説明が欠かせません。 工事説明会の開催や詳細な資料の配布、定期的な進捗報告など、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。また、苦情窓口を設置し、問題が生じた際に迅速に対応できる体制を整えることも重要です。 このような丁寧なコミュニケーションが、トラブルの防止につながります。 信頼できる業者を選定する 業者の実績、資格、評判を十分に調査し、特に産業廃棄物処理の許可を持つ業者を選びましょう。 見積もりの内容を細かくチェックし、ゴミ処理の計画が適切か確認します。複数の業者を比較検討するのも良い方法です。選んだ業者とはマニフェスト管理を徹底し、定期的に処理状況を確認しましょう。信頼できる業者との協力で、適正な廃棄物処理が実現し、トラブルのリスクを減らせます。 これらの対策を総合的に行うことで、ゴミ処理トラブルのリスクを大きく減らせます。同時に、環境への配慮や地域との良好な関係づくりにもつながり、結果としてスムーズな工事進行が期待できます。 まとめ:すべては、マンションにお住まいの住民の皆様の安心・安全のため! 本記事でも紹介した通り、マンションの修繕は避けて通れないものですが、「お住まいの住民の皆様が安心・安全に暮らせるか?」が第一に考えるべき点です。 特にゴミや騒音は、「住民トラブルに繋がる+法的罰則に繋がりやすい」部分ですので、まずは施工業者やマンションオーナー様から住民の理解を得ておくことがマストなのです。 当社はこれまで【6,000件】以上の施行実績をもとに、お客様とのトラブルを極力減らす配慮のもと、マンションの大規模修繕を行っています。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。 大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >無料相談はこちらから!

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