専門家が教えるマンション大規模修繕の9つのトラブルと対策
マンションの大規模修繕工事の工事期間中は日常生活に様々な影響が出ます。騒音や振動、プライバシーの問題、そして予期せぬトラブルもあります。
しかし、こうした問題に対処するためには、まずどんなトラブルが起こり得るのかを把握し、その対策を事前に知っておくことが重要です。
この記事では、大規模修繕工事中によく起こるトラブルとその対策について、具体的に見ていきます。工事を前にして不安を感じている方も、これから計画を立てる方も、ぜひ参考にしてください。
目次
マンションに必要不可欠な「大規模修繕工事」とは?
大規模修繕工事は、マンションの長寿命化と資産価値の維持向上を目的とした重要な取り組みです。通常12〜15年ごとに行われるこの工事は、建物全体に足場を組み、数ヶ月かけて実施されます。
主な目的は、建物の寿命延長、資産価値の維持・向上、そして居住者の快適性と安全性の確保です。
具体的な工事内容は多岐にわたり、外壁塗装やタイルの補修、防水工事、鉄部の塗装、給排水管の更新、共用部分の設備更新などが含まれます。
これらの作業により、マンションの経年劣化に伴う建物や設備の劣化を防ぎ、住環境の質を保つことができます。
大規模修繕工事は、マンションを長く快適に使い続けるための必要不可欠な投資と言えるでしょう。
居住者の皆さまにとって、この工事は一時的な不便を伴うかもしれませんが、長期的にはマンションの価値を守り、快適な住まいを維持するための重要な取り組みです。
計画的に実施することで、将来にわたって安心して暮らせる住環境を確保できるのです。
マンションの大規模修繕とは?工事内容や費用・期間などを徹底解説
マンションの大規模修繕工事とは? 大規模修繕工事とは、建物の経年劣化を防ぐための大掛かりな工事のことを指します。 特に「マンションの」大規模修繕工事では、共有部分の外壁や屋根の防水処理、給排水管の交換などが主な対象となります。マンションでは、多くの住民が共同で所有しているため、計画的な修繕積立金の運用と合意形成が重要です。これにより、建物の価値を長期間にわたり維持することが可能になります。 大規模修繕工事は工期が長く、費用も高額になるため、計画性を持って実施することが重要です。 ちなみに修繕と改修の違いは何? 「修繕」と「改修」は似た言葉ですが、意味合いが異なります。 修繕は建築当時の水準まで機能・性能を回復させることを目的とした工事で、不具合箇所の修理や部材の取り替えなどを行います。 これに対し、改修は機能の維持や回復だけでなく、建物全体の機能・性能面を進化させ、住みよいマンションにしていくことを目的とする工事です。 設備や材料の進歩を取り入れ、現在の水準に見合うようにマンションをグレードアップすることで、暮らしやすさと資産価値の維持向上を図ります。 関連記事: マンションで大規模修繕工事が必要な理由 例えばマンションは頑丈な造りではありますが、風雨や日射の影響を受け、年月とともに経年劣化が進みます。 建物を長く安全に使っていくためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。 特に重要なのは、コンクリート内部の劣化を抑制することで、ひび割れや防水層の亀裂などから水や空気がコンクリート内部に入り込むと、鉄筋がさびて建物の強度が弱くなります。 この内部に至る深刻な劣化を予防するには、劣化が軽度のうちに発見し、修繕することが大切です。 大規模修繕工事では、壁の補修などで足場を設置し、その際に足場が必要な工事をまとめて行うため、大掛かりな工事になります。 また、適切な時期に大規模修繕工事を行うことは、マンションなどの資産価値の維持にも繋がります。 経年劣化を放置すれば、見た目や快適性の面で差が広がり、防犯設備の強化やバリアフリー化など新しいライフスタイルに対応した改修工事も、資産価値を高めることに役立ちます。 マンションの大規模修繕工事にかかる費用 マンションの大規模修繕工事にかかる費用は、戸あたり130~150万円程度が目安とされていますが、これはあくまでも目安であり、マンションの規模によって異なります。 総額では数千万から億単位になることもあります。しかし、区分所有者が一括で支払うことはほとんどありません。 通常、管理組合が「修繕積立金」として毎月徴収し、積み立てているからです。 国土交通省の平成29年の調査によると、大規模修繕の一戸あたりの費用は、75万円~100万円が最も多く(30.6%)、次いで100万円~125万円(24.7%)、50万円~75万円(13.8%)となっています。 つまり、最も多いケースで一戸あたり約100万円かかることになり、総戸数100戸のマンションでは、大規模修繕の総費用は約1億円にもなります。 関連記事: マンション所有者は修繕積立金を積み立てます 区分所有者は、この高額な費用を賄うために、毎月一定の修繕積立金を積み立てています。 平成30年度の調査では、修繕積立金の平均金額は1万1243円でした。 ただし、この平均金額は上昇傾向にあり、積立額が計画に比べて不足しているマンションも34.8%存在しています。 修繕積立金の支払いが難しくなった場合は、滞納する前に管理会社や管理組合に相談することが大切です。 滞納が続くと、最悪の場合、給与や口座の差し押さえなどの事態に発展する可能性があります。 支払いが厳しい状況では、早めに売却を検討するのも一つの選択肢と言えるでしょう。 関連記事: マンションの大規模修繕工事にかかる期間 マンションの大規模修繕工事の期間は、「計画から着工まで」と「着工から工事完了まで」の2つに分けられます。 「計画から着工まで」は、工事計画の作成、住民への説明会開催、同意取得などの過程を経るため、一般的に1~2年程度かかります。 「着工から工事完了まで」は、マンションの規模によって異なります。目安としては、以下の通りです 小規模マンション(総戸数50戸未満):3~4ヵ月 中規模マンション(総戸数50~100戸):4~6ヵ月 大規模マンション(総戸数100戸以上、団地、超高層タワーマンションなど):6ヵ月~1年以上 工事期間中は、建物周囲に足場が建ち、作業員や車両の頻繁な出入りがあります。また、洗濯物干しや窓開け、バルコニーの使用などに制限がかかることもあるため、日常生活へのストレスを極力抑える工夫が必要です。 2回目以降の大規模修繕工事では、修繕する工事項目が多くなり、工事内容も手間がかかるため、1回目よりも工事期間が長くなる傾向があります。 マンションの大規模修繕工事は、計画から完了まで、トータルで2~3年程度を要する大きなプロジェクトと言えるでしょう。 マンションの大規模修繕工事の周期と回数 マンションの大規模修繕工事の実施時期や回数に決まりはありませんが、一般的には12~15年周期で行われることが多いです。 これは、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」や、新築時の建材の保証期間が10年程度であることが理由の一つとされています。 近年は、耐久性や防汚効果に優れた製品を使用することで、次回の修繕までの周期を15年・18年と延ばし、修繕費用を抑える工夫を検討するマンションも増えてきています。 実際に修繕に取り掛かるかどうかは、建物の状態から総合的に判断する必要がありますが、前回の修繕から10年を超えた頃から、大規模修繕の実施について協議を始めるマンションが多いようです。 関連記事: 工事の内容は、回数・劣化具合で変わる 1回目は主に外壁を中心に行われますが、2回目は外壁だけでなく、玄関ドアやアルミサッシなど、建物内側の付属的な部位も含めて修繕工事が行われ、より広範囲になることが多いです。 築後25年目から30年以上経過した頃に行われる3回目の工事では、建物のほぼ全域を対象とした大規模修繕工事が行われ、法律などに基づき、その時代に合わせた設備や部材の更新、耐震補強工事、省エネ化などの工事が付随して行われることが多くなります。 建物を長持ちさせ、マンションに長く快適に住むためには、定期的な修繕や改修を行い、マンションの機能や性能を維持・向上させていくことが重要です。 関連記事: マンションの大規模修繕工事の内容・進め方 大規模修繕工事を実施するためには、まず管理組合内で体制づくりが必要です。 理事会が主導する場合もありますが、修繕委員会などの専門委員会を設置することもあります。 修繕委員は計画段階から工事完了まで務めるのが一般的で、継続的な対応が可能になり、理事の負担軽減にもつながります。 体制が固まったら、「現状調査」を実施し、その結果に基づいて「予算や修繕計画の立案」を行います。 修繕箇所の優先順位をつけて予算を振り分け、実施計画を作成することが大切ですが、専門知識を持った人のアドバイスを取り入れながら計画案を作成することをお勧めします。 その後、施工会社を選定し、住人向けの工事説明会を開催して着工に移ります。 工事の主なステップ 仮設工事:足場や現場事務所などの仮設設備を設置 下地補修工事:壁や天井などのひび割れを補修 タイル補修工事:浮いたり、ひび割れたタイルを補修 シーリング工事:外壁のつなぎ目やサッシ廻りのシーリング材を打ち替え 塗装工事(外壁):外壁の塗装を塗り重ねるか、塗料を除去して塗装し直す 塗装工事(鉄部):扉や外部階段、手すりなどの鉄部の錆を落として塗装 防水工事:屋上やバルコニー、廊下などに防水工事を実施 そのほか、エントランスの改修工事、玄関扉やサッシの交換工事、給排水管の更新・更生工事など、必要に応じて付随工事を行います。大規模修繕工事の際、劣化個所の補修に加えて機能改善や時代に合わせた設備を取り入れることで、快適性や安全性を高めることができます。 マンションの大規模修繕工事のよくあるトラブルと対策 大規模修繕工事においては、管理組合が中心となって工事を進める過程で、様々なトラブルが発生し得ます。 これらの問題を避けるためには、事前の準備と組織内のコミュニケーションが不可欠です。 まず、管理組合内での意見の不一致を解消するためには、透明性のある広報活動と組合員全体での意見の共有が重要です。 また、工事開始後に予想外の追加工事が必要になる場合がありますが、これを防ぐためには、事前の建物診断を徹底し、適切な計画を立てることが重要です。 管理組合内の意見がまとまらない 理事会や修繕委員会が組合員に向けた説明会を開催し、途中経過や経緯の説明、意見聴取など広報活動を重ねることが大切です。公平性や透明性を保ち、管理組合全体で方向性を共有できるようにしましょう。 工事開始後に施工箇所が増え、予算を大幅に超える 事前にきちんと建物診断を行い、現在の建物の状態を踏まえ、適切な補修と機能向上が図れるよう資金面とのバランスも考えながら工事の内容を計画していくことが大切です。 仕上がりが思っていたのと違う 事前に材料のサンプルを確認し、実際の使用環境で色味や質感を確かめましょう。また、工事が始まる前に本番と同じ材料や工法で部分的に「試験施工」を行うことも有効です。 トラブルを防ぐための対策 施工会社など工事の窓口となっている人に相談し、関係する業者とは綿密にコミュニケーションをとりながら進めていくことが大切です。 修繕委員会のメンバーは、専門知識の有無にこだわらず、性別や年代、家族構成などさまざまな立場の人からバランスよく選出することが大切です。 近隣のマンションや同じデベロッパーの物件の管理組合、同じ管理会社に管理を委託しているマンションの管理組合などと情報交換するのも有効です。 管理組合が主体的に取り組み、管理会社や施工会社、工事監理の会社に任せっきりにせず、進捗状況を定期的に確認することが必要です。 関連記事:
居住者の協力が必須!よくあるトラブル「9つ」と対策
1. 費用負担で生じる住民間の対立
マンションの大規模修繕工事では、費用負担をめぐって住民間で対立が生じることがあります。これは主に、各住民の経済状況や修繕に対する考え方の違いが原因です。この問題を解決するためには、以下の対策が効果的です:
- 修繕の必要性や費用内訳を明確に説明し、情報を共有する
- 長期修繕計画を立て、計画的に積立金を積み立てる
- 分割払いなど、柔軟な支払い方法を用意する
- 中立的な専門家の意見を取り入れる
- 定期的な集会や個別面談で、住民間の対話を促進する
これらの対策を通じて、住民全体で「共に暮らす」という意識を持ち、マンションの長期的な価値維持・向上の重要性を理解することが大切です。管理組合は中立的な立場で、合意形成に向けた調整役を果たすことが求められます。
2. エアコン室外機の移設問題
大規模修繕工事では、外壁塗装や防水作業のために足場を組む必要があります。その際、ベランダに設置されているエアコンの室外機が工事の妨げになることがよくあります。
工事期間中は室外機の一時的な移設が必要となりますが、これには予想以上の手間とコストがかかる可能性があります。移設作業自体の費用だけでなく、保管場所の確保や電気工事などの追加費用も発生するかもしれません。
さらに、移設によってエアコンの効きが悪くなるなどの問題が起こる可能性もあるため、事前の十分な説明と対策が欠かせません。
居住者の理解と協力を得るためにも、これらの潜在的な問題点を早めに共有し、適切な対応策を講じることが重要です。
「エアコン室外機のトラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
マンション大規模修繕でエアコンが使えない?よくあるトラブルと対策を解説
マンションのバルコニー(ベランダ)は専用部分と想いがちですが、実は共用部分です。 大規模修繕では、この共用部分であるバルコニー(ベランダ)も工事の対象となります。そのため、バルコニー(ベランダ)にある室外機の移設が必要になることがあります。そのため、エアコンが使えなくなってしまうのです。 なぜエアコンが使えなくなるのか、どのくらいの期間使えないのか、そしてどうすれば少しでもスムーズに生活できるのか。 この記事では、そんな疑問にお答えしていきます。大規模修繕工事中のエアコン問題について、詳しく見ていきましょう。 マンション大規模修繕時はエアコンが使えない? 結論からお伝えすると、マンションの大規模修繕工事では、一定期間エアコンが使えなくなることがあります。これは主に外壁工事や設備更新作業が原因で、居住者の生活に大きく影響する可能性があります。 もう少し詳しく説明していきます。 エアコンが使えない理由 エアコンが使用できなくなる主な理由は複数あります。 外壁工事の影響 外壁の塗装や補修作業では足場の設置が必要です。この足場がエアコンの室外機と接近し、正常な運転を妨げることがあります。足場が室外機の近くにあると、空気の循環が悪くなり、エアコンの効率が大幅に下がる可能性があります。 塗料や粉塵からの機器保護 外壁塗装時に飛び散る塗料や発生する粉塵は、エアコンの室外機に悪影響を与えかねません。これらが室外機の中に入ると、故障や性能低下の原因になる可能性があります。そのため、工事中は室外機を保護カバーで覆うか、一時的に取り外す必要があります。 バルコニー(ベランダ)工事の実施 防水工事や手すりの交換など、バルコニー(ベランダ)の改修作業では室外機の移動が必要になることがあります。これらの作業中は安全確保と工事の円滑な進行のため、エアコンの使用を控える必要があります。 大規模修繕中の「ベランダの使用制限」に関しては、下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。 配管系統の更新作業 大規模修繕では、建物全体の配管系統を新しくすることもあります。この場合、エアコンの冷媒配管も工事の対象となり、工事期間中はエアコンを使用できません。 電気設備の改修工事 建物の電気設備全体を改修する際には、エアコンへの電力供給を一時的に止める可能性があります。これは安全性の確保と新しい電気系統への円滑な移行に必要な措置です。 これらの理由により、大規模修繕工事中にはエアコンの使用が制限されることがあります。工事の規模や内容によって制限期間は異なりますが、居住者の快適性と工事の効率性のバランスを考慮しながら進められます。 移設の具体的な作業内容 エアコンの室外機の移設作業は、専門的な知識と技術を要する重要な工程です。以下に、一般的な移設作業の流れを説明します。 1. 事前調査と計画 技術者が現場を詳細に調査し、最適な移設方法を決定します。この段階で、新しい設置場所や必要な部材、作業時間の見積もりを行います。 2. 電源の遮断と安全確認 作業開始前に、エアコンの電源を完全に切断します。これは作業者の安全確保と機器の保護のために不可欠な手順です。 3. 冷媒の回収 環境保護と機器の保全のため、配管内の冷媒を専用の回収機で回収します。この作業は、フロン排出抑制法に基づいて適切に行われます。 4. 配管の切断と室外機の取り外し 室内機と室外機を接続している配管を適切な位置で切断し、室外機を固定具から慎重に取り外します。この際、周囲の壁面や他の設備に損傷を与えないよう細心の注意を払います。 5. 新設置場所の準備 新しい設置場所を清掃し、必要に応じて補強や防振処理を施します。これにより、再設置後の安定性と静音性を確保します。 6. 室外機の再設置と配管の接続 新しい場所に室外機を設置し、新規または既存の配管を接続します。この際、気密性を確保するため、接続部分の溶接や締め付けを確実に行います。 7. 真空引きと冷媒の充填 配管内の空気や水分を除去するため真空引きを行い、その後適量の冷媒を充填します。冷媒量は機器の性能を左右する重要な要素であり、メーカー指定の量を厳守します。 8. 動作確認とメンテナンス指導 再設置後、エアコンの動作確認を行います。冷房・暖房機能、ドレン排水、異音の有無などを綿密にチェックします。また、必要に応じて居住者にメンテナンス方法を説明します。 これらの作業は通常、1台あたり半日から1日程度を要します。ただし、建物の構造や作業の複雑さによっては、さらに時間がかかる場合もあります。 移設作業は専門的な技術を要するため、必ず資格を持 った専門業者が行う必要があります。適切な移設作業により、工事後のトラブルを未然に防ぐことができます。 エアコンが使えない日数 大規模修繕工事中のエアコン使用制限期間は、工事の規模や内容、建物の状況によって変わります。 短期間の場合、エアコンが使えない期間は2〜3日程度です。これは主に室外機の移動や保護が必要な軽微な外壁工事の場合や、バルコニー(ベランダ)の小規模な補修工事などが該当します。 中程度の場合、使用制限期間は1週間前後となります。外壁の全面塗装や大規模な補修が必要な場合、あるいは複数の設備更新が同時に行われる場合がこれに当たります。 長期間の場合、2週間以上エアコンが使用できないこともあります。建物全体の大規模な改修工事が行われる場合や、配管系統の全面的な更新、電気設備の大規模改修を伴う場合などが該当します。 全体として、大規模修繕工事の全期間中にエアコン使用が完全に禁止されることはないですが、断続的な制限が発生する可能性があります。 具体的な制限日数は、管理組合や施工会社から提供される工事スケジュールで確認しておきましょう。また、天候や工事の進行状況によっても変動するため、定期的な情報確認も大切です。 エアコンが使えないときの対処法 施工者側と居住者側、それぞれの効果的な対処法を見ていきましょう。 施工者側:作業日程の事前告知をする 施工者は工事開始の遅くとも1ヶ月前までに、詳細な作業スケジュールを居住者に通知します。この通知には、エアコンが使用できない具体的な日程と時間帯、各戸別の工事予定日を明記します。工事の進捗状況や天候による変更がある場合は、掲示板やメール、専用アプリなどを活用して速やかに情報を更新します。こうした丁寧な情報提供をしておくと、居住者の不安や不便を軽減し、工事への理解と協力を得やすくなります。 施工者側:期間短縮が可能な無足場工法を活用する マンションの大規模修繕工事では、無足場工法(ゴンドラ工法)という工法があります。 無足場工法では、建物の外壁に沿って作業を行うため、エアコンの室外機周辺のスペースを確保しやすくなります。これにより、室外機の移動や保護が最小限で済み、エアコンの使用制限期間を大幅に短縮できる可能性があります。結果として、居住者の生活への影響も軽減されます。 また、足場の組み立てや解体が不要なため、全体の工期を短縮できます。通常、足場の設置には数日から1週間程度かかりますが、無足場工法ではこの時間を省略できるため、エアコンの使用制限期間も短くなる傾向があります。 さらに、ゴンドラやロープアクセスを使用することで、各階や各住戸ごとに柔軟に作業を進められます。これにより、エアコン使用制限のタイミングを分散させることが可能になります。例えば、夏季の暑い時期には一部の階のみ作業を行い、他の階は涼しい季節に作業するなどの調整ができ、居住者の負担を軽減できます。 オーナー側の対策:エアコンが必要ない季節を選ぶ エアコンを使わなくてもいい季節を選ぶのも一つの対策です。春季(4月〜5月中旬)や秋季(9月下旬〜11月)は気温が穏やかで、エアコンの需要が低い時期です。これらの季節を選ぶことで、エアコンの使用制限の影響を抑えられます。ただし、季節を選ぶ余地がない場合もあるため、可能であれば選択するといいでしょう。 居住者側の対処法: 事前に日程を把握し、外出の予定を立てるのがおすすめ エアコンが使えない期間は数日程度なので、事前に工事スケジュールを確認し、外出の予定を立てることをおすすめします。 外出することで、工事の騒音やプライバシーの問題なども同時に避けられます。 エアコンに関するその他のトラブルと対策 その他にエアコンでは以下の様なトラブルもあります。 室外機の移動と保護について バルコニー(ベランダ)や外壁の工事に伴い、室外機を一時的に移動させる必要があります。この際、配管や電気配線が損傷するリスクがあり、適切に移設されないと冷媒漏れや故障の原因となります。 対策として、専門の技術者による慎重な移設作業が不可欠です。また、移動中は室外機を保護カバーで覆い、衝撃から守ることが重要です。 室外機の汚れや損傷 塗装工事中には、室外機が塗料で汚れることがあります。施工会社に連絡すれば清掃してもらえることが多いですが、早めの対応が求められます。 予防策として、工事前に室外機全体をビニールシートなどで覆っておきます。万が一汚れてしまった場合は、乾く前に湿った布で軽く拭き取ることで被害を最小限に抑えられます。 冷媒系統の不具合 冷媒ガスの漏れや配管接続不良が原因で、冷暖房が効かなくなることがあります。専門業者に相談し、必要に応じて配管を交換することが推奨されます。 まとめ:無足場工法で工事短縮ならゆうき総業へ 大規模修繕工事中のエアコン使用制限は、居住者にとって大きな課題です。 また、室外機の移動や保護、汚れや損傷への対応、冷媒系統の不具合など、エアコンに関する様々なトラブルにも注意が必要です。適切な業者選びの必要性は言うまでもないでしょう。 ゆうき総業株式会社は、6,000件を超える施工実績を持つ大規模改修・修繕工事のプロ集団です。私たちの強みは、無足場工法でコストと工期を大幅カット、そして多能工チームによる高品質施工にあります。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで、お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。
3. ベランダ使用制限によるトラブル
大規模修繕工事を滞りなく進めるためには、ベランダの片付けが不可欠です。しかし、これが思わぬトラブルの種になることがあります。
長年使用していない物や大型の家具などが置かれていることも多く、居住者の協力が得られないケースが少なくありません。
また、植物や洗濯物干し場の移動など、日常生活に直接影響が出ることへの不満も生じやすいものです。
このようなトラブルを避けるためには、工事の必要性と片付けの重要性について、事前に丁寧な説明を行うことが大切です。居住者一人ひとりの理解と協力を得ることが、工事をスムーズに進める鍵となります。
必要に応じて、一時的な収納スペースの提供など、居住者の負担を軽減する対策も検討しましょう。
「ベランダのトラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
マンション大規模修繕でベランダが使えない?日数やトラブル防止の注意点を解説
大規模修繕工事の範囲はエレベーターや廊下などの誰でも使える共用部以外にも「ベランダ」も含まれ、工事中は施工会社の立ち入りが可能となります。 とはいえ、日頃は「自分たちの専用部分」として使用しているため、突然使えなくなることで日常生活に大きな影響があるでしょう。 また、これらの対応に関しては、業者側ではなく居住者側が対応しなくてはいけないのもポイントです。 では、ベランダはどれほど使えなくなるのか?マンションの居住者は、いったい何をしなくてはいけないのか? 本記事では、大規模修繕工事におけるベランダの使用制限とその期間、知っておきたい注意点などを詳しく解説していきます。 これを読めば、「知らなかった」というトラブルも防げるでしょう。 マンション大規模修繕時はベランダが使えない? 結論から言うと、大規模修繕工事期間中は、ベランダの使用に関して様々な制限が設けられます。主な制限として、ベランダへの立ち入りが禁止され、洗濯物を干すことができなくなります。また、ベランダに置いてある私物をすべて片付ける必要もあります。 まずは、ベランダが使えない理由、具体的な作業内容、そして使用制限の期間について詳しく見ていきましょう。 ベランダが使えない理由 まず重要なのは、マンションのバルコニー(ベランダ)が実は共用部分であるという点です。日常の生活では各住戸が自由に使えますが、法的には建物全体の一部として扱われます。そのため、ベランダも大規模修繕工事の対象となるのです。 ベランダが使えなくなる理由は、主に二つあります。足場の設置と安全確保、そして塗装や防水工事の影響です。 まず一つ目は、足場の設置と安全確保です。工事の事故を防ぐため、ベランダに足場を組み立てて、居住者の立ち入りを制限します。 二つ目は、塗装や防水工事の影響です。塗料や防水材を塗って乾かす間は、どうしてもベランダが使えなくなります。 具体的な工事内容 大規模修繕時のベランダ工事では、主に以下の作業が行われます。 防水工事 ベランダの床面に新たな防水層を形成します。ウレタン塗膜、シート防水、FRP防水などの工法が用いられ、状況に応じて最適な方法が選択されます。既存の防水層を撤去し、下地処理を行った後、新しい防水材を施工します。 塗装工事 外壁や手すりの塗り替えを行います。油性塗料、水性塗料、シリコン塗料など、素材や環境に適した塗料を使用します。下地処理、プライマー塗布、上塗りの順で作業が進められ、天候や気温を考慮しながら進めていきます。 鉄部補修工事 手すりやサッシなどの金属部分を補修します。錆びた箇所をワイヤーブラシや電動工具で除去し、防錆剤を塗布します。その後、下塗り、中塗り、上塗りの順で塗装を行います。劣化が著しい場合は、部材の交換も検討されます。 排水管清掃・補修工事 ベランダの排水管を清掃し、必要に応じて補修します。高圧洗浄機を使用して配管内部の汚れや詰まりを除去します。亀裂や破損が見つかった場合は、部分的な補修や配管の交換を行います。排水勾配の調整も必要に応じて実施されます。 ベランダが使えない日数 ベランダが使えない期間は、マンションの規模や工事の内容によって異なります。一般的には2〜4週間程度とされていますが、これはあくまで目安です。 実際の期間は、天候や予期せぬ事態により変動する可能性があります。長雨で工事が遅れたり、予想外の補修箇所が見つかったりすることもあるでしょう。 ただし、工事期間中ずっとベランダが使えないわけではありません。工事の進み具合に応じて、少しずつ使用できる範囲が広がっていきます。例えば、塗装が終わった後の乾燥期間中には、「洗濯物を干すだけなら大丈夫」といった具合に、部分的に使用できるようになることもあります。 トラブル防止!事前に知っておきたい注意点 ベランダが使えない理由や期間について説明しましたが、トラブルを防ぐため、事前に知っておきたい注意点もご説明します。 ベランダの大規模修繕は居住者の同意が不要 先ほどお話した通り、バルコニー(ベランダ)は共用部分に該当するため、大規模修繕の対象となります。それぞれの居住者の意向に関わらず、修繕工事が実施されることを理解しておく必要があります。安全性や建物の維持管理の観点から、「うちのベランダは大丈夫です」と断ることはできないんですね。 私物の移動や処分は居住者の自己負担 工事に先立ち、バルコニーに置かれている私物の移動や処分が必要となります。この作業にかかる費用は、原則として各居住者の自己負担となります。大型の家具や植木鉢、エアコンの室外機など、移動に専門業者が必要な場合も、その費用は居住者が負担することになります。 これらの点を事前に知っておくことで、こんなはずじゃなかったというトラブルを抑えることができます。 ベランダの使用制限への対策と準備すべきこと ここからは、スムーズに工事を進めるためのポイントをご紹介します。 工事スケジュールを把握し、計画的な片づけを ベランダ工事の具体的な日程を確認し、片づけに必要な期間を見積もっておくことで、慌てずに対応できます。一般的に、工事開始の1〜2ヶ月前から準備を始めるのが良いでしょう。特に、大型の植木鉢や家具など、移動に時間がかかるものがある場合は、余裕を持って計画を立てましょう。 休日を利用して少しずつ片づけを進めるなど、自分なりの方法を見つけてみてください。 ベランダの整理と片付け 工事の妨げとなる物品を撤去します。エアコンの室外機、物干し竿、プランターなど、普段ベランダに置いているものを室内や指定の場所に移動させましょう。特に大型の植木鉢や重い家具は、早めに移動しておくと安心です。 室外機の移設とエアコンの使用制限 エアコンの室外機は、大規模修繕の際には一時的に移動が必要になることがあります。この作業は専門業者が行いますので、居住者の方が直接手を加える必要はないのでご安心ください。 ただし、スムーズに作業を進めるために、室外機の上や周りに物を置いている場合は、事前に片付けることをおすすめします。室外機の周囲にはある程度のスペースを確保しておくと、作業員の方が安全に仕事を行えます。 また、移設に伴ってエアコンの使用に制限がある場合は、事前に工事スケジュールを確認し、外出の予定を立てることをおすすめします。 洗濯物の干し場所の確保 工事期間中は外干しが制限されます。洗濯物は室内干しで対応し、難しいようであれば、コインランドリーを活用するなど、事前に検討しておきましょう。 困ったら施工業者と積極的に「コミュニケーション」を取ろう 疑問点や要望があれば、遠慮なく伝えましょう。例えば、バルコニー内の備品の片付けや移動に困った場合、施工業者のスタッフがお手伝いしてくれることもあります。 また、不用品の処分に対応してくれる場合もあるので、積極的に相談してみるのも良いでしょう。施工業者も、コミュニケーションをとってもらった方が助かるので、あまり気を遣わず相談してみましょう! ベランダに関するその他のよくある質問 Q1: ベランダの手すりや床に取り付けた私物はどうすればいいですか? A: 工事の妨げになるため、一時的に取り外す必要があります。工事業者の指示に従い、適切に保管しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q2: ウッドデッキ・タイルはそのままでも大丈夫? A: 基本的に撤去が必要です。工事業者の指示に従い対応しましょう。将来の修繕を考え、着脱が容易なタイプの選択をおすすめします。 Q3: ペットのケージや小屋はどうすればいいですか? A: 室内に移動させるのが基本です。難しい場合は、一時的にペットホテルの利用も検討する必要があるでしょう。 Q4: ベランダの照明器具や防犯カメラはどうなりますか? A: 工事の邪魔になる場合は一時的に取り外します。工事業者と相談しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q5: 工事中にベランダを使用する必要がある場合(例:避難時)はどうすればいいですか? A: 管理組合や工事業者と事前に対応を確認しておきましょう。緊急時の避難経路や連絡方法を把握し、マンション住民全員で共有することが重要です。 まとめ:マンション大規模修繕中のベランダ対策は計画的に! 大規模修繕工事中は、ベランダの使用制限など一時的な不便は避けられないため、事前に準備しておくことが大切です。またそのためには、施工業者からの丁寧な説明や対応も不可欠です。 当社では、施工主や施工業者との強い連携が強みの一つです。 どのような安全確保をおこない、どこまでの工程で、何を保証するのかを事前にしっかり取り決めます。施工主および施工業者と連携しつつ、居住者・利用者の不便にならないよう最大限配慮しながら工事を進めます。 大規模修繕をより円滑に進めるためのアドバイスが必要な方は、ぜひ当社までご相談ください。豊富な実績とご提案で、サポートさせていただきます。 ゆうき総業が選ばれ続ける理由とは?
4. 工事廃棄物の管理不足によるゴミ問題
大規模修繕工事では、古い外壁材や防水材、足場材など、大量の廃棄物が発生します。これらの廃棄物の適切な処理と管理が、意外と大きな課題となることがあります。
分別が不十分だったり、一時的な保管場所の確保ができないと、マンションの美観を損ねたり、悪臭や衛生面での問題が発生する可能性があります。また、居住者の日常的なゴミ出しにも影響が出かねません。
これらのトラブルを防ぐためには、工事業者と管理組合が連携して、適切なゴミ処理計画を立てることが重要です。
リサイクル可能な材料の分別や、効率的な廃棄物の搬出スケジュールの策定など、環境に配慮しつつコストを抑える工夫が求められます。
「ゴミのトラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
【知っておきたい】マンション大規模修繕のゴミトラブルと6つの防止策
マンションの大規模修繕工事といえば、騒音や振動、工期の長期化が気になりますよね。でも、意外と見落とされがちな問題があります。それが「ゴミトラブル」です。 大規模修繕工事中は、普段とは違うゴミの問題が出てくることがあります。例えば、工事で出る特殊な廃棄物の処理や、工事に伴う騒音・臭い、さらにはゴミが飛び散ってしまうことなど、様々な問題が起こる可能性があります。 これらのゴミに関連したトラブルは、工事がスムーズに進まなくなるだけでなく、近所の方との関係が悪くなったり、法律違反になってしまうリスクまであります。しかし、きちんと対策を立てれば、こういった問題は十分に避けられます。 この記事では、大規模修繕工事中によく起こるゴミトラブルの種類や、その予防策、さらにトラブルが起きてしまった時の対処法について、詳しく解説していきます。 大規模修繕では大量の「ゴミ」が出る! 大規模修繕工事は、10〜15年に一度行われる大がかりな工事であり、その規模と期間の長さから、通常の建物維持管理と比べて廃棄物の量も増加します。 具体的には、建物の老朽化した部分を新しい材料に交換するために出た古い建材や、工事過程で様々な種類の廃棄物が生じます。例えば、塗料缶、養生材、コンクリート片、金属くず、木くずなどが挙げられます。 また、建設工事から出るゴミは産業廃棄物として扱われ、一般ゴミとは異なる処理方法が必要となります。そのため、適切な廃棄物管理と処理が工事において重要な側面となります。 知っておくべきゴミ処理に関するトラブルは? ここからは大規模修繕時によくある「ゴミ処理トラブル」について詳しく解説していきます。 ケース①:「産業廃棄物」の分別・処理不足によるトラブル 大規模修繕工事では多種多様な廃棄物が大量に発生します。これらは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとは異なる処理方法が必要です。しかし、現場では分別が不徹底になりがちで、トラブルの原因となることがあります。 具体的には、塗料缶や接着剤の容器、古い建材などが混在した状態で排出されるケースが見られます。特に注意が必要なのは、塗料缶や接着剤の容器に内容物が残っている場合です。これらは有害物質を含む特別管理産業廃棄物として扱う必要がありますが、一般の産業廃棄物と一緒に処理されてしまうことがあります。 また、無許可業者への委託や不法投棄といった深刻な問題も起こり得ます。 これらは法律違反となる可能性が高いため、元請業者が責任を持って適切な処理業者を選定し、廃棄物の分別や処理過程を厳密に管理することが重要です。 また、マンション管理組合や住民の皆様も、適切な処理が行われているを確認し、疑問点があれば、遠慮なく工事業者や管理組合に確認を取ることをお勧めします。 適切な産業廃棄物の管理は、単なる法令遵守にとどまらず、環境保護や企業の社会的責任を果たすことにもつながります。 ケース②:一時的なゴミ置き場の確保不足によるトラブル 理想的には、工事現場から直接廃棄物処理施設へ運ぶことが望ましいのですが、やむを得ず一時的な保管が必要になることもあります。その際、保管場所の確保が課題となります。特に雨天時には廃棄物が濡れないよう、適切な保管場所を設ける必要があります。 また、野ざらしで置かれた廃棄物から錆や塗料が流れ出し、周辺を汚染する可能性もあります。さらに、保管が長期化すると不法投棄とみなされるリスクもあるため、保管期間の管理も重要です。 これらの問題を防ぐには、保管基準を遵守し、囲いや掲示板の設置など、適切な管理を徹底することが求められます。 ケース③:騒音・臭気による近隣トラブル 大規模修繕工事中、騒音や臭気が近隣とのトラブルのもとになることがあります。 騒音は主に廃材の処理や運搬作業から発生します。重機の使用や資材の移動、作業員の声が予想以上に大きな音を出すことも。特に早朝や夜間の作業は、近隣の方々の生活に直接影響を与えやすいです。 臭気の問題は主に塗料や接着剤の使用が原因です。これらの化学物質の強い匂いは風に乗って広がり、長時間不快感を与えることも。特に暑い季節や風の弱い日は臭いがこもりやすくなります。 こうした問題は近隣からの苦情につながり、最悪の場合、工事の中断や計画変更を余儀なくされることも。工期の遅れや追加費用が発生する可能性もあります。 マンションの住民にとっても、騒音や臭気は大きなストレスです。長期の工事で快適な生活が損なわれると、管理組合や工事業者への不満が高まるかもしれません。 このように、騒音や臭気の問題は工事の進行だけでなく、マンション全体の雰囲気にも影響します。適切な対策を取らないと、長期的な信頼関係を築くのが難しくなる可能性があります。 ケース④:ゴミの飛散によるトラブル 軽量な廃材やゴミが風に乗って飛散することが発生することがあります。 飛散したゴミは、周辺の敷地や公共スペースに落ちることで、住民や近隣の方々が普段以上に掃除をしなければならなくなり、不満の原因となることがあります。 また、駐車中の車両にゴミが付着すると、塗装を傷つける恐れもあります。これは、特に新車や大切に手入れされている車両の所有者にとっては深刻な問題です。 周囲の環境への影響も気になるところです。飛散したゴミが植栽や水路に入り込むと、マンション周辺の景観を損ねたり、小さな環境問題を引き起こしたりします。マンションの近くに緑地や水辺がある場合は、特に注意が必要です。 このようなゴミの飛散は、工事現場の管理が行き届いていない場合や、急な強風が吹いた時に起こりやすくなります。天候の変化への対策不足や、作業員の注意不足が原因になることもあります。 その他、大規模修繕工事で起こりうる「近隣トラブル」については、下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください! ゴミのトラブルを予防する方法は? ここからは先ほど挙げたトラブルを回避するために、業者やマンションオーナーの皆様がやるべき予防法について詳しく解説します! 産業廃棄物の適切な分別と処理を徹底する 現場での徹底した分別を実施し、作業員への教育を行うことが重要です。特に、塗料缶や接着剤の残留物などの特別管理産業廃棄物には細心の注意を払いましょう。 具体的な対策として、工事現場に複数の分別用コンテナを設置し、廃棄物の種類ごとに分けることが効果的です。例えば、「木くず」「金属くず」「廃プラスチック類」「がれき類」などのカテゴリーごとにコンテナを用意し、明確な表示を行います。これにより、作業員が迷うことなく適切に分別できる環境を整えることができます。 一時的なゴミ置き場を適切に設置・管理する ゴミ置き場を設ける場合は、法令に基づいた保管基準を守ることが重要です。具体的には、囲いや掲示板の設置が必要です。加えて、雨対策として防水シートの使用や屋根付き保管場所の確保も欠かせません。 さらに、廃棄物の種類ごとに保管場所を分け、混ぜないようにすることが大切です。そして、定期的な清掃と点検を行い、周辺環境への影響を抑えましょう。最後に、保管期間をしっかり管理し、できるだけ早く処理施設へ運び出す計画を立てることが重要です。 騒音・臭気対策を実施し、近隣への配慮を忘れない 騒音や臭いによる近隣トラブルを防ぐには、まず作業時間の制限が効果的です。加えて、低騒音・低振動型の機械を使用しましょう。特に早朝や夜間の作業は控えめにし、必要に応じて防音シートを設置するのも良い方法です。 臭気対策としては、低臭気型の塗料や接着剤を選び、使用時は換気をしっかり行います。また、作業員には不必要な騒音を出さないよう指導することも大切です。このような近隣への配慮が、スムーズな工事につながります。 ゴミの飛散防止に努める ゴミの飛散を防ぐ第一歩として、工事現場の周りに防護ネットやシートを設置しましょう。次に、廃材やゴミの保管場所をしっかり管理し、蓋付きのコンテナを使用するのも効果的です。 さらに、天候にも注意を払い、強風が予想される日は飛散しやすい作業を避けるなど、柔軟な作業計画を立てることが重要です。加えて、定期的に周辺の清掃を行い、万が一飛んでしまったゴミはすぐに回収することを心がけましょう。 住民とのコミュニケーションを強化する 住民トラブルで一番問題となるのが、「そもそも話をしていない・聞いていない」というクレームです。 大規模修繕工事を成功させる第一歩は、関係者全員の理解と協力を得ることです。そのためには、マンション住民はもちろん、近隣住民への丁寧な説明が欠かせません。 工事説明会の開催や詳細な資料の配布、定期的な進捗報告など、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。また、苦情窓口を設置し、問題が生じた際に迅速に対応できる体制を整えることも重要です。 このような丁寧なコミュニケーションが、トラブルの防止につながります。 信頼できる業者を選定する 業者の実績、資格、評判を十分に調査し、特に産業廃棄物処理の許可を持つ業者を選びましょう。 見積もりの内容を細かくチェックし、ゴミ処理の計画が適切か確認します。複数の業者を比較検討するのも良い方法です。選んだ業者とはマニフェスト管理を徹底し、定期的に処理状況を確認しましょう。信頼できる業者との協力で、適正な廃棄物処理が実現し、トラブルのリスクを減らせます。 これらの対策を総合的に行うことで、ゴミ処理トラブルのリスクを大きく減らせます。同時に、環境への配慮や地域との良好な関係づくりにもつながり、結果としてスムーズな工事進行が期待できます。 まとめ:すべては、マンションにお住まいの住民の皆様の安心・安全のため! 本記事でも紹介した通り、マンションの修繕は避けて通れないものですが、「お住まいの住民の皆様が安心・安全に暮らせるか?」が第一に考えるべき点です。 特にゴミや騒音は、「住民トラブルに繋がる+法的罰則に繋がりやすい」部分ですので、まずは施工業者やマンションオーナー様から住民の理解を得ておくことがマストなのです。 当社はこれまで【6,000件】以上の施行実績をもとに、お客様とのトラブルを極力減らす配慮のもと、マンションの大規模修繕を行っています。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。 大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >無料相談はこちらから!
5. 騒音・振動によるストレス
大規模修繕工事中は、避けられない騒音や振動が発生します。足場の組み立てや解体、外壁の高圧洗浄、ドリル音やハンマー音、重機の稼働音など、様々な音が日中続くことになります。
これは、居住者にとって大きなストレスとなる可能性があります。
特に、在宅勤務や育児中の家庭、高齢者などにとっては大きな問題です。
振動に関しても同様で、特に高層階の住戸では、下層階での工事の影響が予想以上に伝わることがあります。
このようなトラブルを最小限に抑えるためには、工事の時間帯や騒音の大きさについて事前に十分な説明を行い、可能な限り居住者の生活リズムに配慮した工程を組むことが重要です。
また、一時的な代替住居の提供や、騒音の少ない共用スペースの確保など、居住者への配慮も検討する必要があります。工事業者と管理組合が協力して、きめ細かな対応を心がけることが大切です。
「騒音トラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
マンション大規模修繕で起こる騒音トラブル | 対策はあるのか?
大規模修繕は、一般的に10年から15年ごとに行われる大がかりな工事です。外壁の塗り替えや防水工事、設備の更新など、建物全体をきれいにして機能を回復させるうえで欠かせません。 ただ、工事期間中は騒音が発生します。「うるさいんじゃないか」「工事期間中の生活への影響は?」「騒音で仕事に集中できるかな」「子どもの昼寝の時間はどうしよう」など、様々な不安が頭をよぎるかもしれません。 この記事では、大規模修繕で起こりうる騒音の種類や、その影響、そして可能な範囲で実施できる対策までお伝えします。 大規模修繕で発生する主な騒音の種類 大規模修繕中に耳にする音は、工事の種類によって様々です。具体的にどんな音が聞こえてくるのか、主な騒音の種類を見ていきましょう。 足場設置・撤去時の音 足場を設置したり撤去したりする際には、金属製の資材がぶつかり合う「ガチャガチャ」という音や、ハンマーで叩く「カンカン」という音が響きます。この作業では、特に「壁つなぎ」と呼ばれる部材を取り付ける際にドリルを使用するため、大きな音が生じます。 外壁補修の音 外壁補修では、タイル剥がしや補修作業が行われます。これにはサンダーやハンマードリルが使われ、「ガリガリ」「ドドド」といった音が発生します。特にタイルを剥がす際には、電動カッターによる金属音が大きく響きます。 高圧洗浄機によるエンジン音 外壁洗浄には高圧洗浄機が使用されます。この機械からは「ブオーン」というエンジン音と、「シャー」という水を噴射する音が聞こえてきます。洗浄作業は広範囲にわたるため、この音は長時間続くことがあります。 作業員や警備員の声 作業員や警備員の声も騒音の一因です。工事を安全かつ円滑に進めるためには、声を掛け合うことが必要です。特に資材搬入時には、警備員がトラックの誘導を行うため、大きな声で指示を出すことがあります。このような声は工事現場近くに住む方々にとっては気になる要素です。 マンションの大規模修繕での騒音対策 大規模修繕工事中の騒音は避けられず「うるさい」と感じてしまうこともありますが、その影響をできるだけ小さくすることはできます。ここでは、施工業者、オーナー(管理組合)、そして住民の皆さんそれぞれの立場から、騒音を軽減するための対策をご紹介します。 施工業者の視点からの対策 足場の騒音対策をする 足場には、主に「単管足場」と「くさび緊結式足場」、「枠組み足場」がありますが、最も大きな音が出るのでは、ハンマーで叩いて固定させる「くさび緊結式足場」です。「枠組み足場」は「くさび緊結式足場」に比べて組立時の金属音が少なくなります。 現場の状況によるため、必ず採用できるとは限りませんが、「単管足場」や「枠組み足場」を活用するのも一つの対策です。 また、弊社が得意領域とする「無足場工法」では、足場に代わって、ゴンドラや高所作業車などの吊り具を使用するため、組み立て・解体の作業が発生せず、静かに作業を進めることができるのが大きな特徴です。しかし、この工法を取り扱える施工業者は多くはありません。 防音シートや吸音材を活用する 足場に防音シートを張ったり、作業場所に吸音材を設置したりすることで、音の広がりを抑えます。これは、大きな毛布で音を包み込むようなイメージです。 静音機器を使用する 最近では、従来の機器よりも音の小さい「低騒音型」や「超低騒音型」の機械が開発されています。例えば、通常のコンプレッサーの音が洗濯機程度だとすると、低騒音型は冷蔵庫くらいの音で済みます。 オーナー(管理組合)の視点からの対策 事前にしっかりと情報共有をする 工事のスケジュールや、特に騒音が大きくなる日時を事前にマンション住民にお知らせします。例えば、「来週の水曜日は外壁の高圧洗浄を行うので、午前中は特に音が大きくなります」といった具合です。チラシや掲示板なども積極的に活用し情報発信をしましょう。 工事スケジュールが決まっている場合は、入居前の方にも伝えておくのも大切です。 施工業者と密に連携する 住民の生活パターンやテナントの営業時間などに配慮し、施工業者と調整できないか相談するといいでしょう。例えば、小さなお子さんが多い棟では、お昼寝の時間を避けて作業を行うなどの配慮ができるかもしれません。 また、住民からの要望や苦情があった場合は、施工業者に伝え、必要に応じて対策を講じてもらいます。 近隣にも配慮し事前説明を行う 近隣に学校や保育園がある場合には、送迎時間帯や試験期間中など、特別な配慮が必要な場面があります。そのため、これらの時間帯に工事を避けるよう施工業者と調整し、近隣住民(オーナー)にもその旨を知らせることが大切です。 万が一に備えて、苦情窓口を設置する 近隣住民からの問い合わせや苦情に対応するための専用窓口を設置し、迅速かつ丁寧な対応を心がけましょう。 法的な対策(騒音規制法) 修繕工事には、「騒音規制法」と呼ばれる、法律による規制も存在します。工事現場や工場から出る騒音から、人々の快適な暮らしを守ることを目的としています。 規制の方法: 音の大きさに上限を設けています(例:昼間は85デシベル以下) 音を出してよい時間を決めています(例:7時から19時までのうち10時間まで) 日曜日および祝日の作業は原則として禁止されています 地域ごとの規制: 住宅地や商業地域など、場所によって許される音の大きさが違います。 届出の義務: 大きな音が出る工事をする時は、事前に役所に届け出る必要があります。 罰則: 基準を超える騒音が発生している場合、改善を求められたり、罰金を払わなければならないことがあります。 住民の視点からの対策 大きい音が発生する時間帯は、割り切って外出を 事前に、大きい音が発生する日や時間帯が分かっている場合は、割り切って外出してしまうのはいかがでしょうか。スーパーへの買い物の時間を、この時間帯にあてるのも手かもしれません。 コミュニケーションを大切に 実はとても大切なのが、管理組合や工事関係者とのコミュニケーションです。騒音で困ったことがあれば、遠慮なく管理組合や施工業者に相談してみましょう。「こんな時間帯は特に静かにしてほしい」など、具体的な要望を伝えることで、予想以上に柔軟な対応をしてくれることがあります。 まとめ:騒音対策はゆうき総業にご相談を 大規模修繕工事中の騒音は避けられませんが、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることができます。施工業者による低騒音機器の使用、管理組合による丁寧な情報共有など、出来ることはいくつかありますが、やはり一番大事なのは、「人」、つまりコミュニケーションではないでしょうか。 ゆうき総業では、こうした騒音対策に加え、無足場工法という画期的な方法を採用しています。無足場工法では、足場を組み立てる際の騒音を大幅に削減できるだけでなく、工期の短縮やコスト削減も実現できます。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで、お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。
6. マンションの「外観」、室内からの「景観」に関する問題
大規模修繕工事では、外壁の色や素材が変更されることがあります。これにより、マンションの外観が大きく変わる可能性があり、居住者の中には不安や不満を感じる人もいるでしょう。
長年慣れ親しんだ景観が変わることへの抵抗感や、個人の好みと合わない色彩への不満が生じることは珍しくありません。また、工事中は室内からの眺望が足場によって一時的に遮られることへの不満も予想されます。
このようなトラブルを避けるためには、事前に複数のデザイン案を提示し、居住者の意見を積極的に取り入れるなど、丁寧な合意形成のプロセスを踏むことが重要です。
専門家のアドバイスを交えながら、居住者全体で議論を重ね、より多くの人が納得できる選択をすることが大切です。
「景観トラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
外観が見えない…!大規模修繕でよくある「景観トラブル」のお話
特にマンションの大規模修繕では、足場設置や外壁塗装などにより、マンションの景観(外観)が一時的に変化します。 本記事では、大規模修繕で起こりがちな景観トラブルとその対策について解説していきます。 大規模修繕では「景観(外観)」が損なわれがち…その理由は? 大規模修繕中に景観が損なわれてしまう理由としては、工期中にマンション全体を足場や防音ネットで覆ってしまうことが大きな理由です。 これらの構造物は、作業員の安全確保や周辺環境への配慮のために必要不可欠です。 足場は作業員が安全に移動できるスペースになりますし、防音ネットは騒音・粉塵の飛散を抑制し、近隣住民への影響を最小限に抑える役割があります。 しかし、これらの保護材によってマンションの外観が完全に覆われてしまうため、建物本来の姿が見えなくなってしまうのです。 景観(外観)が隠れると何がいけないの? 1. 「意図したデザインになっているか?」を確認しづらい 大規模修繕工事中に景観が損なわれる理由の一つが「工期中の仕上がりの確認が難しいこと」です。 先ほどもお話した通り、工事中は足場や養生シートなどで建物の外観が覆われることが多く、最終的な仕上がりを正確に把握することが難しくなります。 そのため工事完了後に、「外壁の色彩・質感が思ったイメージと違う…」といった、意図しないデザインに気づき遅れるケースが稀にあるのです。 2. 入居検討者に「物件価値」を伝えづらい 足場や養生シートで覆われるということは、建物本来の姿が“一時的に隠れてしまう”ということ。 特に入居先を検討している方というのは、随時通りかかるマンションをチェックする傾向にあるので、修繕期間中はその「物件価値」を伝えられなくなってしまうというわけです。 景観トラブルを防ぎつつ、大規模修繕は行えないのか? 上記のように、大規模修繕では少なからず景観トラブルが起こってしまいがちですが、業者の「施工方法」によってはトラブルを回避できるのもまた事実。 ここからは景観トラブルを防ぎつつ、大規模修繕を行う2つの方法について詳しく解説していきます! 【方法1】“外観シミュレーション”で、ざっくりイメージを掴んでおく まずは事前に「外観シミュレーション」を活用する方法。 これは、コンピューターグラフィックスを用いて修繕後のマンションの外観を視覚化する手法です。 外観シミュレーションを利用することで、工事前に修繕後の姿をリアルに再現できますし、マンションオーナーの皆様も、工事が始まる前に「改修後のイメージ」をより具体的に把握できます。 また周辺環境との調和や街並みへの影響も事前に確認できますので、完成後に「イメージと違うんだけど…」というトラブルを回避できるわけです。 【方法2】「足場設置・撤去」を部分的に進めてもらう(工期中の見える化) もし可能であれば、「足場設置・撤去を“部分的”に進めてもらう」というのもいいでしょう。 基本的に工事中は、建物全体を一度に足場で覆ってしまうため、長期間にわたって外観が見えなくなってしまいます。 ただもし部分的にでも外観をチェックできるようであれば、「完全に終わってからチェックする」よりも、施工後の相違を防げますし、入居検討者にもデザインを見せることができるわけです。 ただし実際問題、足場を部分的にかけるのは難しいものですので、修繕内容を踏まえて業者の方に「部分的に確認する方法はありますか?」と確認すると良いでしょう。 足場隠れのない“無足場工法”なら、景観トラブルをまるっと解決! 本記事では、大規模修繕における「景観・外観トラブル」について紹介しましたが、結論、景観トラブルが起こってしまう大きな要因は「足場・ネットで見えなくなること」です。 当社では足場をかけない「無足場工法」を活用することで、常に外観を確認いただけるのはもちろん、マンションの景観を損なわず作業を実施しています。 また足場の設置&撤去作業もないため、工期全体も短縮できるというわけです。 ゆうき総業株式会社は、これまで【6,000件】以上の施工実績をもとに、外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。 大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >大規模修繕のご依頼・無料相談はこちらから! 大規模修繕で起こりうるその他のトラブルについては、下記記事で解説していますので、あわせてご覧ください!
7. 近隣住民とのトラブル
大規模修繕工事は、マンションの居住者だけでなく、周辺住民にも少なからず影響を与えます。工事車両の出入りによる交通障害、騒音や粉塵の飛散、日照や電波障害など、様々な問題が発生する可能性があります。
これらのトラブルを未然に防ぐためには、工事の概要や期間、予想される影響などについて、事前に丁寧な説明を行い、近隣住民の理解と協力を得ることが不可欠です。また、工事中も定期的にコミュニケーションを取り、苦情や要望に迅速に対応することで、良好な関係を維持することができます。近隣住民への配慮は、工事の円滑な進行だけでなく、マンションの評判や資産価値にも影響を与える重要な要素です。管理組合と工事業者が協力して、きめ細かな対応を心がけましょう。
「近隣トラブル」について、入居者目線・施工側目線に分けて詳しく解説していますので、下記記事もあわせてご覧ください!
【オーナー必見】大規模修繕の近隣トラブル&解決方法をプロが解説!
マンションの大規模修繕では居住者だけでなく、近隣住民への負担も心配されます。 本記事では、大規模修繕で起こりうる近隣トラブルとその対策についてご紹介します! 大規模修繕で起こりがちな「3つ」の近隣トラブル 大規模修繕工事は建物の維持に欠かせませんが、同時に近隣との関係に影響を与える可能性もあります。 工事期間中に発生しやすい3つの主要なトラブルについて、その概要と対策をご紹介します。 トラブル①:工事の「騒音・振動」によるクレーム 大規模修繕工事で最も頻繁に問題となるのが、騒音と振動です。 足場の設置や解体時の金属音、電動工具の使用音、コンクリート穿孔時の振動などが、居住者だけでなく近隣住民の生活に影響を与えることがあります。 騒音トラブルの原因と対処法については、下記記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください! トラブル②:近隣のご家庭まで粉塵が舞う 外壁塗装や防水工事に伴う強い臭いや粉塵も、しばしば苦情の対象となります。 塗料やシーリング材の臭い、サンディングや研磨作業による粉塵、洗浄作業時の水しぶきなどは近隣住宅まで影響し、窓を開けられなくしたり、洗濯物を外に干せなくしたりと、日常生活に直接的な影響を及ぼすことがあります。 トラブル③:工事車両が通行妨害になるケースも… これは「工事」全般で起こりがちなトラブルです。 大規模修繕工事では、資材の搬入出や作業車両の駐車のため、一時的に近隣道路を使用するため、工事車両による交通渋滞や通行障害、路上駐車による近隣住民とのトラブルになることも。 業者側が公道利用に配慮することが重要ですが、ごく稀に「狭い・通りづらい」といった声をいただくケースが発生してしまいます。 トラブルを防ぐための事前対策は? トラブルを防ぐために、マンションオーナー(施主)の皆様は、工事の事前告知を行うようにしましょう。 少なくとも工事開始の1〜2ヶ月前には、居住者や近隣住民に対して工事の概要、期間、予想される騒音や振動などの影響について、文書の配布、掲示板への掲示など、複数の手段を用いて情報を周知することが望ましいです。 一方、私たち「施工業者」としては、以下の点に特に注意を払っています。 【騒音・振動の低減】防音シートなどを使用し、騒音・振動対策を徹底します。特に早朝や夜間の作業は避け、休日作業が必要な場合は事前に十分な説明を行います。 【粉塵対策】養生シートの使用や散水など、粉塵の飛散を最小限に抑える対策を徹底します。 【交通安全と駐車場の確保】工事車両の出入りによる交通障害を防ぐため、誘導員を配置し、適切な駐車スペースを確保します。 【定期的な情報提供】工事の進捗状況や今後の予定について、定期的に情報を提供し、透明性を確保します。 【緊急時の対応体制】事故や災害時の対応マニュアルを整備し、迅速かつ適切な対応ができるよう準備します。 【環境への配慮】廃棄物の適切な処理や、可能な限りの再利用・リサイクルを心がけます。 これらの取り組みを通じて、私たち施工業者は、マンションオーナーと協力しながら、居住者や近隣住民の皆様の理解と協力を得つつ、円滑に工事を進めることを目指しています。大規模修繕は建物の価値を維持・向上させる重要な工事であり、同時に地域社会との良好な関係を保つことも私たちの重要な責務だと考えています。 まとめ 大規模修繕では住居者だけでなく、近隣にお住まいの方にも配慮しなければなりません。 本記事でも解説した通り、マンションオーナー様の協力はもちろん、施工業者も近隣とのコミュニケーションを取ることが不可欠なのです。 ゆうき総業株式会社は、これまで【6,000件】を超える施行実績をもとに、お客様に安心いただけるマンション大規模修繕をお受けしています。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >無料相談はこちらから 「住居者の方とのトラブル」については、こちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください!
8. プライバシーに関する問題
大規模修繕工事中は、足場の設置や作業員の出入りにより、居住者のプライバシーに関する問題も発生します。対策として、工事説明会などで作業中はカーテンを閉めるようにお願いしておきましょう。定期的な注意喚起も必要です。また、作業員の配慮も重要です。プライバシーに配慮が必要な作業のスケジュールも事前に説明しておくといいでしょう。
9. 工期延長と生活への影響
工期延長は、マンション居住者の日常生活に大きな影響を及ぼします。生活リズムの乱れや長期的な不便さへの対応、予定外の追加費用発生の可能性など、様々な課題が生じます。また、不動産取引の計画変更を余儀なくされることもあります。
これらの問題に対処するには、管理会社や施工会社などに任せっきりにせず、定期的なコミュニケーションがを取ることが重要です。工期が延びればそれだけ費用が必要になるので、関係各社としっかりと話し合って進めましょう。
また、施工ミスや見積もり不足による延長を防ぐためにも、実績のある業者を選定することも非常に重要です。
まとめ
大規模修繕工事は、マンションの価値を維持・向上させるために不可欠な取り組みですが、同時に多くのトラブルが発生する可能性があります。
これらのトラブルを最小限に抑えるためには、事前の十分な準備と情報共有、居住者間の協力、そして専門家のアドバイスが重要です。
工事中は、居住者の生活に配慮しつつ、柔軟な対応と定期的なコミュニケーションを心がけることが大切です。
また、近隣住民への配慮も忘れてはいけません。適切に計画され、実施された大規模修繕工事は、マンションの価値と居住環境を大きく向上させる重要な投資となります。
トラブルを恐れるのではなく、それらを適切に管理し、乗り越えていくことで、より快適で安全な住まいを実現できるのです。
この記事を書いた人
結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他