投稿日:2024.11.26 最終更新日:2025.03.26
工場の屋根の劣化をそのままにしないで!コスト増を防ぐための修繕の目安を解説

工場や倉庫の屋根は、一般的な建物と比べてダメージを受けやすく、劣化が進みやすい特性があります。
台風や強風、積雪などの自然環境に加え、年数を経るごとに防水性や耐久性が低下し、放置すると雨漏りや建物内部の損傷といった深刻な問題に繋がる可能性もあります。
実際に、修繕のタイミングを逃したがゆえに、屋根全体の葺き替えが必要になり、費用が大きくなってしまった、というケースが弊社の事例にもあります。
この記事では、工場や倉庫の屋根修繕におけるポイント、必要性の判断基準や工法の違いなどを交えて詳しく解説します。
目次
実は工場の屋根は特にダメージを受けやすい!
工場や倉庫の屋根は、他の建物と比べても劣化しやすい環境にさらされているのをご存知でしょうか?
例えば、マンションや商業施設では屋上部分がコンクリートで保護されていますが、工場や倉庫には屋上がないので屋根は直接外部環境にさらされることが多いのです。
そのため、台風や豪雨、積雪などによるダメージが大きく、さらに金属部分が錆びやすいという特徴があります。
また、多くの工場や倉庫では屋根の修繕が後回しにされる傾向があり、問題が明らかになる頃には劣化が進行してしまっているケースもよく見られます。
これにより修繕費用がかさむだけでなく、工場の稼働にも影響が出てしまうことがあります。
そのため、早期の対応が何よりも重要です。
そもそも「工場や倉庫の屋根」に必要な役割とは?
工場や倉庫の屋根は建物全体を守るだけでなく、実は様々な役割を持っているのです。
以下に、工場や倉庫の屋根が果たす具体的な役割を紹介します。
1. 防水性
工場では、大量の機械や製品が保管されており、雨漏りが起こると大きな被害を与えます。
特に食品や精密機械を扱う場合、わずかな水滴でも生産工程や品質に悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、防水性能の高い屋根が求められます。
2. 防風性
工場は大きな建物であるため、台風や強風の影響を受けやすい構造をしています。
特に広い屋根は風圧に弱く、損傷や屋根材の飛散が起こると、生産を一時的に止めざるを得ないこともあります。
風に強い構造や屋根材を採用することで、こうした自然災害によるリスクを最小限に抑えることができます。
3. 光の取り入れ
工場の照明コストは、運営費の大きな部分を占めます。特に広いフロアを持つ工場では、十分な明るさを確保するために多くの電力が必要です。
自然光を取り入れる設計の屋根を採用することで、昼間の照明を減らし、省エネを実現できます。
環境負荷の低減にもつながるため、サプライチェーン全体で求められるSDGsへの取り組みなどでもメリットになるでしょう。
4. 温度調整
広い空間を持つ工場は、夏の暑さや冬の寒さが内部に直接影響します。
特に金属製の屋根は外気の影響を受けやすく、断熱性能がない屋根だと空調コストが高くなります。
断熱性の高い屋根材を使用することで、室温を一定に保ち、冷暖房の効率を上げることができます。
これは従業員の作業環境改善にもつながります。
5. 遮音性
工場は、機械の稼働音や作業音が大きくなることが一般的です。周辺住民への配慮や作業効率の向上のため、外部と内部の騒音を軽減する屋根材が必要です。
6. 耐久性
工場の屋根は、風雨や紫外線といった自然環境に長期間さらされます。
そのため、屋根材が劣化しやすく、頻繁な修繕が必要になることがあります。
耐久性の高い屋根材を選ぶことで、修繕の手間を減らし、結果的に長期的なコスト削減につながります。
7. 環境対応
近年、環境への配慮が求められる中で、工場の屋根にも新たな役割が期待されています。
例えば、ソーラーパネルを設置して自家発電することで、エネルギーコストを削減し、二酸化炭素の排出量を抑えることができます。
また、リサイクル可能な素材を使用することで、企業全体の環境負荷を減らすことにもつながります。
いかがでしょうか。実に様々な役割を果たしていることがお分かりいただけたと思います。
修繕や葺き替えを検討すべきタイミングの目安
そうはいっても、「じゃあどういったタイミングで検討すればいいのか?」修繕タイミングを見極めるのは難しいかもしれません。
以下のようなサインが見られた場合は屋根の防水性や耐久性が低下している可能性があり、要注意です。
早めの対応を検討しましょう。
- 錆び:屋根材の表面に赤や茶色の錆が広がっている。
- ひび割れ:屋根材に細かな亀裂が入っている。
- 変色や退色:屋根の色が薄くなったり、不自然な変色がある。
- 雨漏り:屋根の隙間から水が入り、室内でシミが見える。
これらのサインが見られたら、早めに専門業者へ点検を依頼することが、コストを最小限に抑え、工場の安定した運営を維持するために欠かせません。
工場や倉庫の屋根の3つの改修方法
タイミングが分かったら、どんな修繕が必要かを判断します。
工場や倉庫の屋根を改修する方法は、大きく分けて「屋根塗装」「屋根カバー工法」「葺き替え」の3つがあります。順番に説明していきます。
屋根塗装
屋根塗装は、既存の屋根に塗料を塗り直して防水性や耐久性を回復させる方法です。
錆や退色を補修しながら外観も整えることができ、屋根材に大きな問題がなければ、低コストで短期間で施工できます。
ただし、劣化が進みすぎている場合は、塗装だけでは十分な効果が得られないため、事前に屋根の状態を正確に把握することが重要です。
屋根カバー工法
屋根カバー工法は、既存の屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねる方法です。既存の屋根を活用できるため、廃材処理のコストや工事中の騒音を抑えることができます。
また、断熱性や防音性を高める材料を追加することで建物の性能を向上させることも可能です。
ただし、既存の屋根が重い場合や建物が老朽化している場合には適用が難しいため、専門家による診断が必要です。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に取り替える、もっとも大がかりな改修方法です。
屋根材だけでなく内部構造も確認できるため、劣化が激しい場合や内部に損傷がある場合に適しています。
新しい屋根材を使用することで耐久性や防水性を大幅に向上させ、屋根全体の寿命を延ばすことができます。
ただし、工期が長く費用も高くなるため、長期的な計画が必要です。
それぞれの改修方法は、屋根の状態や目的によるので、まずは専門家に相談しましょう。
修繕時にあわせて検討したい改修とは?
工場や倉庫の屋根を修繕する際には、単なる修復だけではなく、先ほどお伝えした「役割」も考慮して、どうせならコスト削減や運用効率あげるための改修を同時に検討するのがおすすめです。
以下に、その例を紹介します。
ソーラーパネルの設置
屋根の修繕や葺き替えに合わせてソーラーパネルを設置することで、電力コストの削減が期待できます。
広い屋根面積を持つ工場では十分な発電量を確保しやすく、運用コストの削減に役立ちます。
また、環境に配慮した取り組みとして企業のイメージ向上にもつながります。
遮熱材・断熱材の追加
遮熱材・断熱材を追加することで、夏の暑さや冬の寒さによる空調負荷を減らせます。
これにより、空調費を抑えられるだけでなく、作業環境が快適になり、従業員の働きやすさも改善されます。

工場修繕で取り入れるべき遮熱対策!その効果とよく選ばれる方法とは?
夏場の猛暑が続く中、工場内の温度上昇は大きな課題です。特に大型の工場では、屋根や壁が熱をため込み、内部の温度が45℃から50℃に達することもあります。このような環境は従業員にとっては非常に過酷で、熱中症のリスクが高まるだけでなく、冷房設備への負担も増え、光熱費の上昇を招きます。 こうした問題を解決
採光パネルの導入
屋根の一部に採光パネルを取り付けると、自然光を効果的に取り入れることができます。これにより、昼間の照明にかかる電力を削減できるほか、明るい作業環境が生まれ、作業効率が上がることが期待できます。
よりよい環境にするために、こうした改修を組み合わせるのも検討するといいでしょう。
定期的なメンテナンスこそリスクもコストも減らせる
ここまでお伝えした通り、劣化を放置しすぎると修繕費用が高額になるだけでなく、工場の運営に支障をきたす可能性もあります。そのため、「定期的メンテナンス」が重要になってくるわけです。
屋根の劣化は、初期の段階であれば塗装や軽微な修繕で対応できることがほとんどですが、時間が経つほど錆や腐食が進み、広範囲の修繕や場合によっては葺き替えが必要になります。実際、弊社でも塗装の依頼を受けた現場調査で、錆がひどく、葺き替え以外の選択肢がないケースがありました。こうした事態を防ぐには、劣化が進む前に定期的な点検を行うことが不可欠です。
点検を行うことで、屋根の小さな問題を早期に発見し、コストを抑えながら屋根の寿命を延ばすことができます。点検費用は比較的安価で済むため、大規模な修繕に比べて経済的負担も軽減されます。
ぜひ定期的なメンテナンスを心がけてみてください。
信頼できる修繕・葺き替え業者を選ぶポイント
施工面積が広い工場や倉庫は、修繕費用も高額になりがちなため、信頼できる業者選びが重要になってきます。業者の選定では、以下の点を基本的な基準としてチェックしておきましょう。
- 実績と信頼性の確認:工場や倉庫の修繕経験が豊富かどうか。安定した経営基盤があるか。
- 丁寧な診断と提案:屋根の状態を正確に把握し、適切なプランを提示できるか。
- アフターフォロー:施工後のメンテナンスやサポート体制が整っているか。
これらのポイントを押さえることで、施工の質や長期的なメンテナンス体制も確保できます。詳しくは以下で解説しています。

工場の修繕 | 業者はどうやって選ぶ?信頼できる業者の選び方と注意点
工場の修繕は、マンションなどの一般的な建物とは異なり、特有の設備や安全管理や生産ラインに与える影響、高くなりがちな費用など、考慮すべきことが複数あります。 こういった理由から、業者選定が非常に重要になってくるため、悩ましい問題かと思います。 しかし、避けたいのは、「費用が安いから」という理由だけ
屋根の修繕・葺き替えの費用について
ここまで見てきて、気になるのはどれほどの費用が必要になるのか?という点ですよね。
工場や倉庫の屋根修繕にかかる費用は、工法や建物の規模、屋根の状態によって異なります。
以下のポイントを押さえておくと、費用の検討がスムーズに進みます。
- 工法による違い:屋根塗装は低コストで済む場合が多い一方、葺き替えは費用が高くなりがちです。
- 規模と状態:屋根の広さや劣化の程度が、費用に大きく影響します。
- 見積もりの重要性:複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することで適切な工法と費用を見極めることができます。
詳しい費用の目安や見積もりの注意点については、下記の記事をご覧ください。
工場の大規模修繕費用は、製造業の経営者のみなさまにとって重要な検討事項です。この費用は工場の規模や状態によって大きく異なり、数千万円から数億円に及ぶことがあります。
たとえば、1,000㎡規模の工場で外壁塗装と屋根修理を行う場合、概算で3,000万円~5,000万円程度の費用が見込まれます。さらに
【85%削減事例も】工場の大規模修繕費用を抑える方法を教えます
まずは現場調査の相談を!
工場や倉庫の屋根は、他の建物と比べてダメージを受けやすく、劣化が進みやすいという特徴があります。
修繕を定期的に考えることで、コストを抑えることもできます。
また、工場の屋根に必要とされる役割を考慮して、コスト削減や運用効率あげるための改修を同時に検討するのがおすすめです。
この記事では、工場の屋根修繕におけるポイント、必要性の判断基準や工法の違いなどについて解説しましたが、最適な対応を選ぶには、まず専門業者に現場調査を依頼することが重要です。
ゆうき総業では、従業員の方々に迷惑をかけないよう、ゴールデンウィークや夏季休暇中に施工を計画するなど、工場や倉庫の稼働を最優先に考えた工事を行っています。
機械、金属、鉄鋼など多くの業界の工場・倉庫修繕実績をもとに、ご依頼の施設に適したご提案をいたします。
仙台を中心とした東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)および首都圏(千葉県、神奈川県、埼玉県、東京都)にて、無料の現場調査とお見積りを実施しております。
お悩みやご相談があれば、ぜひお気軽にゆうき総業までお問い合わせください。
この記事を書いた人

結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他