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【ホテル向け】外壁タイルの剥落は他人事ではない!休館せず費用を抑える対策とは?

【ホテル向け】外壁タイルの剥落は他人事ではない!休館せず費用を抑える対策とは? | タイル修繕

「うちのホテルはまだ大丈夫…」そう思って、外壁タイルの点検を後回しにしていませんか?

実は、外壁タイルの「浮き」は、放置すると剥落し、人身事故や損害賠償といった深刻な問題に発展する可能性があります。

この記事では、ホテルで外壁タイルが浮いたり剥がれたりする原因から、営業を止めずに行う補修の具体的手法までを分かりやすくまとめました。

大掛かりな工事が必要になってしまう前に、ぜひ参考にしてみてください。

ホテルのタイル剥落事故は他人事ではない!

ホテルの外壁タイル剥がれは決して他人事ではありません。

実際に、全国各地で外壁が剥がれ落ち、歩行者が死傷する痛ましい事故も発生しています。

外壁の落下事故の事例

外壁の落下事故と聞くと、古くて管理の行き届いていない建物で起こる特殊なケースと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

築年数が浅い建物や、人通りの多い場所で発生している事例も多く、いつどこで起こるか予測が難しいという点も、他人事ではないと感じるべき理由の一つです。

発生年 発生場所 発生日 概要 主な原因
2016年 山形県内の飲食店 2016年5月5日 2階部分の外壁モルタル落下、通行人が重傷 外壁モルタルの経年劣化による収縮、クラックからの水の侵入、強風、定期検査・日常点検の未実施
2016年 大阪府内の地上9階建てビル 2016年7月7日 6階部分から2丁掛けタイルとモルタルが剥がれ落ち、通行人が頭部を裂傷 経年劣化による2丁掛けタイルの剥落、直射日光、風雨、温度変化などの環境要因
2017年 北海道内の2階建て店舗 2017年2月4日 外壁の一部が落下し、通行人2名が死傷 店舗周辺の水辺環境の影響で鉄板下地が腐食、釘抜け、定期検査・日常点検の未実施
2017年 茨城県内の体育館 2017年3月17日 屋根の破風の一部が落下し、通行人が重傷 屋根の劣化による雨水の侵入、錆の発生、メタルラスシートの固定不良、モルタル剥離、日常点検の未実施
2019年 マンション (具体的な場所不明) 2019年 11階から外壁タイルが剥落、走行中の車の運転者と同乗者が負傷 地震による外壁タイルの浮きやひび、雨水の侵入、強風
2019年 共同住宅 (具体的な場所不明) 2019年 外壁タイルが剥落、通行人1名が軽傷 モルタルなどの下地材が雨水にさらされて腐食、地上4mからタイル剥落
2019年 京都府舞鶴市役所 2019年9月30日 市役所の外壁が落下 (詳細不明)
2020年 群馬県館林市役所 2020年7月6日 市役所庁舎3階の外壁タイルが落下 (詳細不明)
2020年 群馬県前橋市のマンション 2020年7月19日 マンションの外壁が歩道に落下 (詳細不明)

築年数に関係なく、どんなホテルでもタイル剥がれのリスクはあります。

タイル剥落がもたらす4つのリスク

タイル剥がれを放置することは、人命に関わる事故はもちろんのこと、ホテル経営にも大きな打撃を与えます。

  1. 人身事故のリスク

    剥がれたタイルが落下し、宿泊客や通行人に重大な怪我を負わせる可能性があります。最悪の場合、死亡事故につながることもあります。

  2. 損害賠償のリスク

    事故が発生した場合、ホテル側は被害者に対して高額な損害賠償を支払う責任を負います。

  3. 評判低下のリスク

    タイル剥がれはホテルの美観を損ね、「管理が行き届いていないホテル」という悪い評判につながります。お客様が離れていく可能性も高まります。

  4. 営業停止のリスク

    最悪の場合、行政指導により営業停止処分を受ける可能性があります。ホテルの信頼失墜は避けられません。

タイル剥がれは、ホテル経営に深刻なダメージを与える可能性があることを、まずはご理解ください。

ホテルの外壁でタイル浮きが起こる原因とは?

では、なぜホテルでもタイル剥落が起こりうるのでしょうか?

ここでは、その原因となる「タイル浮き」について詳しく見ていきましょう。

宿泊施設特有の要因

外壁タイルは、長年にわたって雨風や寒暖差の影響を受けながら、徐々に下地との接着が弱まっていきます。

施工段階での下地処理の不備や、モルタルの圧着不足といった問題があれば、築年数が浅くても、早期にタイル浮きが発生する可能性も否定できません。

さらに、ホテルならではの環境要因が、劣化を加速させてしまうことも少なくありません。

  • 大浴場や厨房の排気:温度や湿度が高く、外壁へ熱や水分が伝わりやすい
  • 沿岸リゾート地での塩害:海風による塩分が下地を痛め、タイルの浮きを加速
  • 山間・寒冷地での凍結融解:昼夜の温度差が大きく、素材の膨張・収縮を繰り返す
  • メンテナンスの不足:ホテルは営業優先でメンテナンスが後回しになりやすい

こうした要因が複合的に作用することで、ホテルでは一般的な建物に比べてタイル浮きが発生しやすい環境にあると言えるでしょう。

だからこそ、タイル浮きは早期発見・早期対策が非常に重要となるのです。

タイル剥落の初期サイン

タイルが剥がれ落ちる前には、いくつかの前兆が現れます。

特に次のようなポイントを見落とさないようにしましょう。

  1. 目地部分のひび割れ・欠け

    コーキングが劣化し、浮きや剥がれの入り口になることがあります。

  2. タイル表面の剥離や浮き感

    軽く触れたり、叩いたりすると“空洞音”がする場合は要注意です。

  3. 雨水や汚れの染み跡が目立つ

    防水機能が失われている可能性が高く、内部劣化の進行が疑えます。

少しでも気になる症状を見つけたら、ご自身で判断して放置せず、専門業者に相談することを強くおすすめします。

定期点検は建築基準法で「義務」として定められている

マンション大規模修繕

建築基準法第8条では、「建築物の所有者、管理者または占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。

つまり、建物を常に安全な状態に保つことは、所有者や管理者の法的な義務なのです。

建築基準法のポイント

建築基準法第12条では、外壁タイルの状態を定期的に確認し、剥落の危険がある場合には速やかに修理や補修を行うことも含まれます。

さらに、ホテルなど、以下のいずれかの条件に当てはまる「特定建築物」には、建築基準法に基づく定期点検と報告の義務が課せられています。

  • ホテル、旅館、共同住宅、寄宿舎などの用途で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの

  • 3階以上の階を上記の用途(ホテル、旅館など)に供するもの

上記に該当する特定建築物は、3年ごとの外観点検、そして10年ごとのより詳細な調査(全面打診等)が義務付けられています。

  • 3年点検:主に目視によりひび割れや浮きの有無をチェック
  • 10年点検:打診や赤外線などの手法を用いて剥離リスクまで徹底的に確認

この結果は自治体へ報告され、不備があれば補修などの改善措置が求められます。

点検を怠ると罰金も!違反した場合のペナルティ

もし点検を怠れば、行政指導や法律上の罰則を科される可能性があります。

また、タイル落下事故によって通行人や宿泊客がけがを負った場合、ホテル側は高額な損害賠償責任を負うことにもなります。

  • 最大100万円の罰金:定期報告を怠るなどの違反行為には罰金が科される可能性があります。
  • 民法717条による賠償責任:建物の設置管理の不備として責任を問われ、損害賠償義務が生じることも。

このような事態を避けるためにも、ホテルの管理者様は、計画的に点検を実施し、安全を最優先に考えた維持管理を行う義務があることを、改めて認識していただきたいと思います。

ホテル運営者が知っておきたいメリットと費用対効果

冒頭でも触れた通り、外壁タイルの浮きをそのままにしておくと、後から大きな出費になりかねません。

逆に早めの対策を行えば、安全面だけでなく、経営にもプラスの効果が生まれます。

顧客満足度・ホテルブランドの向上にもつながる

ホテルにとって、「外観の美しさ」と「安心・安全」は何よりも重要です。

外壁に痛みがあると「このホテルは管理が行き届いていないのでは?」という不安をお客様に与えてしまいます。

一方、常にメンテナンスされている建物は、美観も保たれて宿泊者の満足度やリピート率向上にもつながります。

早期対策が一番のコスト削減

タイルが剥落する前の「浮き」の段階で早期に補修を行えば、大掛かりな工事を避けられる可能性が高まります。

具体的には、浮いている範囲が小さければ、足場を組まずに、樹脂注入やピンポイントの張り替えのみで対応できるかもしれません。

「まだ大丈夫だろう」と問題を先延ばしにするのではなく、小さな異変を見逃さずに、早めに対策を行うことが、ホテル経営を守ることにつながるのです。

ホテル営業を止めないための具体的な対策

ホテルの場合、工事による騒音や振動、外観の変化は、お客様の満足度に大きく影響します。

「できる限り休館せず、通常営業を続けながら工事をしたい」というご要望にお応えできる、いくつかの施工方法をご紹介します。

まずは外壁を調査:「打診調査」と「赤外線調査」

外壁タイルの浮き・剥落リスクを調べる代表的な方法には「打診調査」と「赤外線調査」があります。

項目 打診調査 赤外線調査
調査方法 ハンマーや棒で外壁を叩き、音の変化で劣化状態を判断 赤外線カメラ(ドローン含む)で温度差を検知し、浮き部分を特定
騒音・営業への影響 叩く音が発生しやすく、高所では足場作業も必要なため、営業と時間調整が必要 非接触のため騒音が少なく、広範囲を短期間で調べやすい
費用目安 1㎡あたり約240~450円(足場費用別途) 1㎡あたり約120~350円(規模や機材により変動)

打診調査とは

打診調査とは

人の耳で音を聞き分ける方法で、熟練した技術者であれば、わずかな剥がれも見逃しにくいというメリットがあります。

一方、どうしても打音や振動が発生してしまうため、ホテルが稼働している時間帯は、施工エリアを制限したり、深夜や早朝に作業時間を調整したりする必要があります。

赤外線調査とは

赤外線調査は、赤外線カメラを用いて外壁の温度差を測定し、浮きや剥がれを推定する方法です。

騒音が発生しにくく、作業もスピーディーに進められる点がメリットですが、天候や日射の条件によっては、測定結果に影響が出る場合もあるため、調査を行う時期や時間帯を選ぶ必要があります。

 

どちらの調査方法にも一長一短があるため、可能であれば両方の調査を併用し、互いの弱点を補い合うのが理想的です。

調査の精度やコスト、作業時間を比較し、状況に応じた最適な方法を選びましょう。

外観や景観を維持!「無足場工法」という選択肢

ホテルの外壁改修では、足場を組まない「無足場工法」が注目を集めています。

この工法には、以下のメリットがあります。

  • 足場費を節約:足場代の削減で全体コストを2割以上抑えられる可能性も
  • 工期短縮:足場設置・撤去の手間を省くことで、工期を短縮しやすい
  • 景観を維持:外観を覆うシートや大掛かりな仮設物が不要で、景観を損ねない

「無足場工法」については、下記記事で詳しく紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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夜間施工や分割施工も検討を!

調査・補修いずれの工程でも、ホテルの営業への影響を抑えるためには、夜間施工分割施工という選択肢もあります。

  • 夜間施工
    宿泊客が少ない深夜から早朝にかけて調査・施工を行い、騒音や振動によるクレームを最小限に抑える方法です。
    ただし、施工スタッフのシフト調整や照明設備の追加などが必要となる場合があります。

  • 分割施工
    一度に全館を工事するのではなく、フロアやエリアごとに区切って実施する方法です。
    ある程度は稼働しながら工事ができる一方、工程が増えるため時間と費用が割高になる可能性があります。

ホテルの構造や周辺環境によって最適な方法は異なるため、まずは信頼できる専門業者に相談し、自社の状況に合わせて計画しましょう。

営業を続けながらでも、十分に安全対策ができるケースは多くあります。

ゆうき総業が「休館ゼロ」を実現する理由

ゆうき総業株式会社では、ホテルなど大規模施設の外壁タイル補修を「休館ゼロ」で進めるノウハウを蓄積しています。

足場を組む必要がない無足場工法を活用することで、工事期間中も通常営業を続けながら、安全かつ効率的に外壁のリニューアルを行うことが可能です。

1. 無足場工法でコスト削減&景観維持

ゆうき総業は、東北エリアでは数少ない「無足場工法」を積極的に採用する大規模改修業者です。

従来の足場を必要としないため、足場設置費用がかからず、大掛かりな工事でも比較的低コストで済む点が大きな魅力です。

また、建物の外観を覆う足場がないため、工事期間中もホテルの景観を損ねることがありません。

2. ホテル稼働率を下げない柔軟な工事計画

宿泊客の多い時間帯を避けて夜間や早朝に作業する、フロアごとに施工エリアを区切りながら進めるなど、施設側と緊密に打ち合わせを重ね、稼働率をできるだけ維持できるよう調整します。

お客様の快適性を損なわずに外壁タイルの改修を行うことで、ホテル運営者様からも高評価をいただいています。

3. 多能工によるワンストップ対応

ゆうき総業には塗装、防水、左官など複数分野の国家資格を持つ職人が在籍しています。

外壁タイル補修だけでなく、防水処理やシーリング打ち替えなどを一括で行えるため、複数業者を手配する手間やスケジュール調整の負担がかかりません。

作業全体をスムーズに進められる点も「休館ゼロ」を可能にする大きな理由です。

4. 安心のアフターフォロー

使用したタイルや塗料、防水材などを可能な限り在庫として管理し、万が一のトラブル発生時にも迅速に対応できる体制を整えています。

また、ホテル特有の事情を熟知した「お抱え業者」として、定期的なメンテナンスから、数枚のタイル補修のような小規模な改修まで、幅広く対応可能です。

「休館せずに改修やリニューアルを行いたい」「工期と費用を抑えたい」などのご要望に真摯に向き合う姿勢が、ゆうき総業の強みです。

お客様の大切な資産を守りながら、営業への影響を最小限にする施工を今後も追求し続けていきます。

>>>ホテル・旅館のオーナー向けページ

ホテルのタイル浮き、放置せずに今すぐ対策を!

外壁タイルの浮きや剥落は、ほんの数枚のタイルの不具合から始まることもあります。

それが重大事故につながり、大切なホテルのブランドイメージや経営を一気に揺るがすリスクになるかもしれません。

だからこそ、早めの調査と適切な工法での補修が不可欠なのです。

ゆうき総業は、無足場工法をはじめとした専門技術で、ホテルの営業を止めずに外壁補修を行うノウハウを持っています。

外壁点検から大規模修繕、防水工事まで幅広く対応し、長期的なサポート体制も整えています。

「休館せずにタイル剥落対策をしたい」「まずは費用感を知りたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。

お客様の安全と、ホテルの評価を守るために、最適なプランをご提案させていただきます。

この記事を書いた人

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結城 伸太郎

職歴:27年

得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務

保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他

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