マンション「外壁工事」の費用はいくら?東北での相場と4つの費用削減術

東北地方でマンション外壁工事をお考えの方で、
「一体どのくらいの費用がかかるのだろう」
「修繕積立金で足りるか心配…」
といった費用面での心配をしている方も多いのではないでしょうか。
特に、雪深く厳しい冬を越す東北のマンションは、本州の他の地域とは少し事情が違うかもしれません。
マンションの外壁工事は決して安くはないからこそ、事前にしっかりとした費用の目安を知っておくことが大切です。
この記事では、そんな東北のマンションオーナーの皆さんのために、
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「結局、うちのマンションだといくらくらいなの?」というリアルな費用相場
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「そのお金、何に使われるの?」という詳しい費用の内訳
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「少しでも安くできないかな…」というコストダウンの秘訣
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「失敗しないために気をつけることは?」という計画時の注意点
といった、皆さんが本当に知りたい情報を、東北の事情に合わせて、とことん分かりやすく解説していきます。
目次
【結論】東北(山形・宮城)でのマンション外壁工事、費用相場はこれくらい!
マンション外壁工事の費用相場は、修繕前の状態や補修項目によって大きく変わります。
まずは全国的な相場感と、東北地方での費用目安をご紹介します。
戸あたり・平米(㎡)単価の目安【最新公的データ】
国土交通省が発表している「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」というデータがあります。
マンション大規模修繕工事回数と戸あたり工事金額の割合
これによると、全国のマンション大規模修繕工事にかかる平均費用は、一戸あたり100万円~125万円が最も多くなっています。
マンション大規模修繕工事の回数別工事金額の割合
マンション大規模修繕工事における工事別金額のうち、外壁工事が含まれる「建築系工事」の割合は60.3%でした。
建築系工事の費用のうち、外壁工事とされる「外壁塗装」「外壁タイル」「シーリング工事」それぞれの割合が「外壁塗装 24.5%」、「外壁タイル 12.9%」、「シーリング工事 12.0%」であり、合算すると建築系工事のうち49.4%、実に費用の半分近くを外壁工事が占めています。
大規模修繕工事全体で見ると
60.3%(建築系工事の費用割合)×49.4%(外壁工事の建築系工事における費用割合)=29.8%
大規模修繕工事の3割近くが外壁工事の費用です。
それを踏まえると大体1戸あたりの外壁工事費用は単純計算すると30〜38万円程度かかると見ることができます。
しかし、東北地方の場合、寒冷地特有の凍害対策や塩害対策の必要性を加味すると、実際の費用は一戸当たり40万円とやや高めになる傾向があります。
また、平米(㎡)あたりの単価で考えると、
全国的には床面積(㎡)あたり1.0~1.5万円の割合が最も高く、
外壁全体の補修と塗装を行う場合で、おおよそ1.1〜1.7万円/㎡というのが、東北での現実的な価格帯と言えるでしょう。
マンション規模別(30/60/100戸目安)費用シミュレーション【東北版】
マンションの規模に合わせて、もう少し具体的なイメージが湧くように、外壁工事の戸数別の費用シミュレーションをしてみました。
先述した東北地方のマンション大規模修繕費用が1戸あたりの外壁工事費用がおおよそ30~38万円だとすると以下のようになります。
マンション規模 | 全国平均費用相場 | 東北地方費用相場 |
---|---|---|
小規模(30戸) | 900万円〜1,140万円 | 990万円 〜 1,254万円 |
中規模(60戸) | 1,800万円〜2,280万円 | 1,980万円 〜 2,500万円 |
大規模(100戸) | 3,000万円〜3,800万円 | 3,300万円 〜 4,180万円 |
これはあくまで一般的な目安であり、東北地方の実際の費用は建物の状態や工事内容によって変動します。
凍害対策など含めると東北地方が若干他の地域よりも高くなる傾向にあります。
なぜ高い?マンション外壁工事費用の「内訳」と費用が決まる仕組み
マンションの外壁工事費用が高額になる理由は、様々な工程と材料が必要となるからです。
一般的なマンション外壁工事では、足場の設置から高圧洗浄、下地処理、塗装、足場の撤去まで多くの作業工程があり、それぞれに専門的な技術と人件費、材料費がかかります。
特に東北地方では、寒冷地特有の凍害対策や耐久性の高い塗料選定が必要となるため、全国平均よりも費用が高くなる傾向があります。
費用の大部分を占める「足場代」と「塗装代」とは?
工事費用の中で、特に大きな割合を占めるのが、この2つ。
「足場代」と「塗装代」だけで、工事全体の半分以上を占めることも珍しくありません。
足場代とは、外壁工事を行うために建物の周囲に設置する仮設の作業用足場にかかる費用です。
この足場代は外壁工事費用全体の20〜30%を占め、一般的な10階建て中規模マンションでは300〜600万円程度かかります。
足場は建物の高さ、形状、立地条件によって種類や規模が決まり、それに応じて費用も変わります。

マンション足場費用はなぜ高い?仮設費用の20~50%を削減する方法
マンションの大規模修繕を検討する際、多くの管理組合様やオーナー様が驚かれるのが、想像以上に高額となる「足場費用」です。 実は、足場の費用が高額になるのには、いくつかのハッキリとした理由があります。 建物の特性や現場の環境、そして安全基準の変化など、様々な要因が絡み合って費用を押し上げているのです
また、塗装代についても固定ではなく使用する塗料の種類によって大きく変動します。
一般的な相場は以下の通りです。
- シリコン系塗料:1,500〜2,000円/㎡(標準的な耐久性)
- ラジカル制御型塗料:2,000〜3,000円/㎡(優れた耐候性)
- フッ素系塗料:3,000〜4,000円/㎡(最高レベルの耐久性)
東北の厳しい気候を考えると、少し値段が高くても、雨風や紫外線に強い、長持ちする塗料を選ぶのがおすすめ。
初期費用はかさみますが、塗り替えの頻度を減らせるので、長い目で見れば経済的ということも多いのです。
その他の主な費用項目(洗浄・補修・諸経費)
外壁工事には、足場と塗装以外にも様々な費用が発生します。
項目 | 単価費用目安 | 戸数費用目安 | 説明 |
---|---|---|---|
高圧洗浄費 |
150〜300円/㎡ |
30戸/120,000円〜240,000円 |
外壁の汚れや古い塗膜を除去する作業 |
下地補修費 |
ひび割れ: |
30戸/1,280,000円〜1,920,000円 |
クラックや欠損部分の補修、表面の平滑化 |
タイル補修 | 500〜1,000円/箇所 |
30戸/40,000円〜80,000円 |
タイル部の浮きや剥がれの補修・張り替え |
鉄部塗装 | 1,000〜2,000円/㎡ |
30戸/40,000〜80,000円 |
手すりなどの鉄部のサビ落とし・塗装 |
諸経費 | 工事費の10〜15% |
30戸/990,000円〜1881,000円 |
現場管理費や一般管理費などの間接的な費用 |
特に東北では、先述した凍害による壁のダメージ補修が、この「下地補修費」としてしっかり計上されることが多いです。
見た目では分からなくても、壁の内部で傷みが進行していることもあるため、専門家によるしっかりとした診断が欠かせません。
マンションの「規模」や「劣化状況」で費用が変わる理由
建物の高さや延床面積が大きいほど、必要な材料や作業時間が増え、費用が高くなります。
特に高層マンションでは、足場の組み方や安全対策もより大掛かりになるため、コストアップは避けられません。
また、建物の形状が複雑だったり、隣の建物との隙間が狭いといった立地条件も、作業の難易度を上げ、費用増につながることがあります。
そして何より重要なのが、「現在の外壁の傷み具合」です。
一般的に、軽い劣化なら標準費用の-15%程度、劣化が激しい場合は+15%程度の費用増となるケースが多いです。
東北地方特有の要因としては、以下が挙げられます。
- 凍害によるクラック(ひび割れ)の発生と補修
- 海岸近くの物件における塩害対策用の高耐久塗料の使用
- 地震による微細なクラックやタイルの浮きに対する補修
また、これらの要因は放置してしまうとさらなる費用の増加につながってしまいますので、発見したらなるべく早く補修を依頼することをおすすめします。
【東北版】外壁工事の費用を抑える4つの秘訣
外壁工事はどうしても高額になってしまうと思われがちですが、いくつかの方法で費用を抑えらえます。
特に東北地方でのマンション外壁工事に効果的な費用削減策をご紹介します。
足場代を大幅削減!「無足場工法」で費用を抑える
無足場工法とは、従来の足場を使わずにロープアクセスなどの技術を用いて作業を行う方法です。
対応できる業者は限られていますが、足場費用が工事全体の20〜30%を占めることを考えると、この工法の採用は大きなコスト削減につながります。
- 足場費用を20〜30%削減できる(一般的な大規模修繕に比べて120万円程度安くなった例も)
- 工期を10〜20%短縮できる
- 足場がないため住民のプライバシーや防犯面での不安が少ない
- 狭小地や複雑な形状の建物でも対応しやすい
ただし、建物の状況や高さによっては適用できない場合もあるため、専門業者への相談が必要です。
ゆうき総業では無足場工法(ロープアクセス工法)に対応していますので、お気軽にご相談ください。
無足場工法については以下のページでも詳しく解説しています。

無足場工法(ゴンドラ)について
【6,000棟以上の施工実績】宮城県仙台市で旅館・ホテルの大規模改修・修繕工事はゆうき総業株式会社(本社:山形県上山市)へ。無足場工法により足場設置費用の削減と工期短縮を実現。マンションやビルの外壁・屋根工事、防水工事におすすめです。
東北(山形・宮城)の補助金・助成金を最大限活用する
東北地方各自治体では、マンションの修繕工事に活用できる補助金制度があります。
特に注目したい制度は以下の通りです。
- アスベスト除去等事業補助金
- 耐震改修費用補助金
- 分譲マンション計画修繕調査支援制度
補助金は定期的に制度が変更されるため、最新情報は各自治体のホームページでご確認いただくか、ゆうき総業にお問い合わせください。
申請には条件がありますので、工事計画の初期段階での確認をおすすめします。
補助金・助成金や申請方法ついては以下の記事でも詳しく解説しています。

【マンションオーナー向け】補助金・助成金で大規模修繕費を軽減
大規模修繕工事の費用は、「補助金」で負担軽減が主流! マンションの大規模修繕工事は、建物の老朽化や劣化を防ぎ、住環境を維持・向上させるために必要不可欠です。しかし、その費用は高額になることが多く、管理組合にとって大きな負担となります。 そこで、補助金や助成金の活用が重要となります。これらの資金援
東北の気候を考慮!「工事時期の選定」で無駄な費用増を防ぐ
意外と見落としがちなのが、工事を行う「時期」です。
東北地方は、季節ごとの気候変動が大きいですよね。
この気候を考慮して工事時期を選ぶことで、余計な費用増を防ぐことができます。
- おすすめ期間:4〜6月、9〜10月(気温が安定し、雨も比較的少ない)
- 注意が必要な時期:11〜3月(気温5℃未満で塗装不可、降雪リスク大)
- 検討が必要な時期:7〜8月(梅雨・台風時期は雨養生のコスト増)
また、繁忙期(4〜5月)を避けることで、見積もりが5〜10%下がるケースもあります。
計画段階で業者とよく相談し、東北の気候条件やマンションの状態と状況を考慮した最適な工事時期を見極めましょう。
適正価格を見抜く「見積もり」の比較・チェック
最後に、最も基本的かつ重要なのが、複数の業者から見積もりを取って比較検討する「相見積もり」です。
これにより、価格の相場感をつかむことができ、適正価格の判断がしやすくなります。
ただ、見積書をもらっても、どこを見ればいいか分からない…という方も多いはず。
見積書をチェックする際は、以下のポイントに気を付けたいです。
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工事項目に抜け漏れはない? (洗浄、下地補修、塗装の種類、シーリング、足場、諸経費など、必要な工程が全て含まれているか)
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数量の根拠は明確? (塗装面積(㎡数)や補修箇所数などが、どのように算出されたか説明があるか)
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保証内容と期間はハッキリ書かれている? (どんな工事に何年間の保証が付くのか)
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追加工事が発生した場合の条件は? (どんな場合に、いくらくらいの追加費用がかかる可能性があるのか)
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使用する塗料の種類・メーカー・商品名・単価は具体的? (「シリコン塗料一式」のような曖昧な書き方ではなく、具体的に記載されているか)
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足場の種類と設置範囲は明確?
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諸経費の内訳と割合は妥当? (一般的には工事費全体の10~15%が目安)
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東北の気候や建物の状況を考慮した提案になっている?
相見積もりを取る際は、必ず同じ工事範囲・仕様で見積もりを依頼することが比較の鉄則です。
また、極端に安い見積もりには注意が必要です。材料や工程が省略されている可能性があります。
費用が変動しやすいポイントを抑えておこう!
費用が変動しやすいポイントを事前に確認しておくことも、想定外の出費を防ぐうえで大切です。
特に東北地方で注意すべきポイントをご紹介します。
建物の形状や立地条件は事前に確認を
マンションの形状が複雑だったり、敷地が狭かったり、隣の建物との距離が近いといった条件は、足場の設置や作業の効率に影響し、費用が上がりやすくなることがあります。
例えば、仙台市中心部の物件では、隣との隙間がギリギリで、足場設置費が通常より10〜15%増加した事例があります。
計画時に現地状況を業者と一緒に確認し、立地条件による影響を事前に把握しておきましょう。
場合によっては、足場を使わない「無足場工法」という選択肢も考えられるかもしれませんね。
見積もり外の劣化・補修が発生する可能性も考慮
特に築年数が古いマンションでは、工事が始まってから想定以上の劣化が見つかることがあります。
東北地方では、冬の厳しい寒さによる凍害(とうがい)で、外壁のひび割れ(クラック)が、見た目では分からない壁の内部にまで進んでいることもあります。
特に2000年より前に建てられているような、築30年以上のマンションでは、追加補修の発生率が15〜25%増加することもあります。
そのため、見積もり時に「追加補修が発生した場合の費用目安」も確認しておくと安心です。
また、予備費として総額の10%程度を見込んでおくといいでしょう。
仕様変更・追加工事は費用増に直結、計画段階での検討が重要
工事が始まってから、仕様変更や追加工事を行い、費用アップにつながってしまうことがよくあります。
例えば、工事途中での塗料グレード変更(シリコン→フッ素)により30〜40%の費用増加、外壁の色を変えて足場延長で5日分の人件費増加、なんてこともあります。
最終決定前に、仕様について十分に話し合い、計画段階でしっかり固めることが重要です。
特に色選びは実際のサンプルで確認し、全員が納得した上で決定しましょう。
まとめ:マンション外壁工事なら無足場工法も検討してみよう!
ここまでご説明してきたように、東北地方でのマンション外壁工事の費用相場は一戸あたり15〜28万円、平米単価で6,000〜15,000円が目安となります。
ただし、建物の状況や工事内容によって大きく変動するため、正確な費用把握と適切な業者選びが重要です。
マンション・ビルの大規模修繕において最も重要なのは、コストと品質のバランスです。
物価や人件費の高騰を受け、従来の10年サイクルから、高品質な無機塗料による長期耐久性重視へとスタンダードが変化しています。
マンション外壁工事の成功は、地域の気候特性を理解し、コスト削減技術を持つ業者との出会いから始まります。
ゆうき総業では、足場を組まない「無足場工法」や防水性能を重視した塗装技術により、コスト削減と品質向上を同時に実現。
屋上防水から外壁塗装、タイル工事まで全工程に精通したプロ集団として、東北地方で適正価格かつ高品質な施工をご提案しています。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
この記事を書いた人

結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他