某博物館屋上防水改修工事|アスファルト防水断熱工法|山形県
大規模修繕の工事内容
屋上緑地面のアスファルト防水層撤去しアスファルト防水で改修 断熱工法、通気工法
施工のポイントや特徴
アスファルト防水は歴史が長く一番信頼性が高い防水工法です。
ただ工法の種類も様々で、用途や箇所によって多く存在しています。
今回はAI-1という断熱工法とD-1という露出工法で施工しています。
浴室に使われるアスファルト防水はE-1と言ったり、普通の屋上の露出であればA-1だったりと仕様名称が異なります。
複雑ではありますが、防水屋としては必ず覚える項目となります。
ちなみに浴室にはE-1以外信頼できません。
工事の詳細
所在地 | 山形県 |
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施工内容 | アスファルト防水 1130㎡ 既存防水層撤去 躯体補修など |
構造・階数 | 3階 |
工事期間 | 3か月 |
この記事を書いた人
結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他
現場レポート
アスファルト防水 既存防水層撤去
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施工前 元々は緑化になっている防水層の改修です。 まずは緑地面を全面撤去します。
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施工中 緑地面を撤去したら既存のアスファルト防水も撤去します。
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施工中 解体するだけでも一苦労です。
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施工中 既存防水層撤去中 ピックなどを使って丁寧にはがしていきます。
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施工中 既存防水層撤去中
アスファルト防水 AI-1 アスファルトプライマー塗布
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施工中 既存防水層を撤去したら高圧洗浄で綺麗にします。 その後アスファルトプライマーを塗布します。
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施工中 アスファルトプライマー塗布中
アスファルト防水 AI-1 アスファルトルーフィング・ストレッチルーフィング張り
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施工中 今回はアスファルト防水のAI-1と言う仕様です。 アスファルトルーフィング張り1層目 ハイコートMというアスファルト材を窯で溶かし、それを流しながらシートを張っていきます。
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施工中 立上り面のアスファルトルーフィング張り 巻き上げながら貼っていきます。
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施工中 ストレッチルーフィング2層目
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施工中 アスファルトルーフィング張り3層目 このように繰り返し4層貼っていきます。
アスファルト 防水AI-1 断熱材敷き
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施工中 シートが貼り終わったら全面にハイコートを塗り広げ、断熱材を敷いていきます。
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施工中 断熱材敷き
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施工中 断熱材敷き完了 ここまでの工程としましては ①アスファルトプライマー塗布 ②アスファルトルーフィング1層目貼り ③ストレッチルーフィング2層目貼り ④アスファルトルーフィング3層目貼り ⑤ストレッチルーフィング4層目貼り ⑥断熱材敷き となります。
アスファルト防水 AI-1 金物取付・トップコート・絶縁シート
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施工中 立上りに端末のアルミ金物を取り付けます。
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施工中 金物の取り合いはシーリング充填
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施工中 立上り面トップコート 立上り面は露出となりますのでトップコートを塗って完了となります。
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施工中 トップコート完了
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施工中 最後に植栽が戻るので絶縁シートを張って完了となります。 この面はAI-1と言う仕様でした。
アスファルト防水 D-1 アスファルトプライマー塗布
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施工中 また違う面はアスファルト防水のD-1と言う仕様です。 まずアスファルトプライマー塗布
アスファルト防水 D-1 穴あきルーフィング・ストレッチルーフィング張り等
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施工中 続いて穴あきルーフィングというシートを張ります。 これは通気層をつくるために必要なシートです。
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施工中 穴あきルーフィングシート貼り付け中
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施工中 ストレッチルーフィング貼り1層目 今回の工程は ①アスファルトプライマー塗布 ②穴あきルーフィング貼り1層目 ③ストレッチルーフィング2層目 ④ストレッチルーフィング3層目 ⑤アスファルトルーフィング4層目 ⑥砂付きルーフィング5層目 ⑦トップコート と言う仕様です。
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施工中 砂付きルーフィング貼り5層目 完了後
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施工中 最後にトップコートを塗って完了となります。 5層も貼ると厚み的には2~3センチくらいになっており、たまに図面に出てるレベルが狂う事もあります。 設計屋さん、アスファルト防水の矩計図作るときはご注意を。 アスファルト防水は歴史が長い、一番信頼できる工法です。 施工してて思うのは「こんなの漏れるわけない!」と言う事です(笑) 防水工事してて一番注意するのが雨漏りですが、ほかのどの工法よりもアスファルト防水だけは自信をもって施工出来ます。
担当者からのコメント
屋上には緑化されており防水改修するには緑地部分をすべて撤去してからの工事となります。
緑地は土工屋さんで処理して頂き防水改修へ至りました。
アスファルト防水は4~5層貼りと工程が多いため、資材の搬入も時間が掛かります。
それと溶融窯でハイコートを溶かして使用しますが、排煙があるので設置場所も悩みの一つです。
今回は公共施設だったので、資材箇所の確保や作業員の出入りに留意しました。
最終的に大きな事故やクレームも無く完了できました。