ホテルや旅館の大規模改修で消防設備の改修は義務?同時に必要な修繕とは

ホテルや旅館の経営者様、施設の消防設備は万全でしょうか?
消防法で定められた設備の設置・改修は、お客様の安全を守るために、とても大切なことです。
しかし、消防設備は普段あまり使わないので、
「消防設備って、どんな設備がいるの?」
「消防設備への投資は、本当に必要なのだろうか?費用対効果に見合うのか?」
「消防設備だけでなく、建物全体の老朽化も気になる。」
など、気になる点も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ホテル・旅館の消防設備改修について、知っておくべき法律のポイントや必要な設備、そして合わせて大規模修繕を行った方がいい理由を、分かりやすく解説します。
目次
なぜ重要?ホテル・旅館に消防設備改修が必要な理由
まずは、法律を守ること、そして何よりお客様の安全のために、なぜ消防設備改修が大切なのかを具体的にご説明します。
ホテル・旅館の消防設備の設置は「義務」
ホテルや旅館は、消防法で「特定防火対象物」というものに指定されています。
これは、多くの人が利用し、火災が起きた時に人命の危険性が高い施設、ということです。
消防法第17条では、特定防火対象物の関係者(オーナーなど)に対して、消防用設備の設置・維持管理を義務付けています。
具体的には、消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備(火災報知器)、誘導灯などを設置する必要があります。
これらの設備は、火災の早期発見はもとより、初期消火からスムーズな避難まで、被害を最小限に抑えるためになくてはならないものです。
第17条 消防用設備等の設置維持義務等
学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従って、設置し、及び維持しなければならない。
(消防法第17条より引用)
消防設備の老朽化と法改正に合わせて改修を
消防設備は、使っていてもいなくても、時間の経過とともに老朽化し、性能が落ちてしまいます。
そのため、定期的な点検で何か問題が見つかった時はもちろん、耐用年数に合わせて計画的に改修することが大切です。
また、消防法の改正により、既存設備が新基準を満たさなくなる可能性もあります。
最近では、2024年4月に消防法が改正され、防火規制に関する基準が厳しくなったため、対応が必要となりました。
改修を怠ると、火事が起きた時に被害が大きくなるだけでなく、消防法違反で罰せられたり、損害賠償責任を負ったりする可能性もあります。
最悪の場合は、営業停止になることもあります。
なので、ホテルや旅館の運営にとって、消防設備の改修は、決して後回しにできないことなのです。
ホテル・旅館に必要な消防設備と改修ポイント
ホテル・旅館に設置が義務付けられている消防設備は、大きく分けて「消火設備」「警報設備」「避難設備」「消防活動用設備」の4つがあります。
消火設備
消火器、スプリンクラー、屋内消火栓など、火災が起きた時に、初期消火をするための設備です。それぞれの場所に合った設備を選び、定期的な点検で古くなった設備を新しくすることが重要です。
警報設備
自動火災報知設備、非常ベル、放送システムなど、火災を早期に感知し、すぐに警報を発するための設備です。誤作動を防ぐため、設置場所や感知器の種類の見直しも検討が必要です。
避難設備
避難はしご、誘導灯、避難口誘導標識など、火災発生時に安全な避難経路を確保するための設備です。特に、停電時にも点灯する非常電源付き誘導灯など、安全・安心な避難環境の整備が求められます。
消防活動用設備
排煙設備、連結送水管、非常コンセントなど、消防隊の活動を支援するための設備です。これらの設備は、火災発生時の被害拡大を防止するため、確実な機能維持が求められます。
ホテル・旅館では、これら4つの消防設備を常に万全な状態にしておく必要があります。
定期的な点検は欠かさず、特に消防法が改正された場合は、新しい基準に適合しているか確認し、必要であれば速やかに改修を行いましょう。
消防設備は専門業者に依頼が必要
消防設備の設置や改修には、専門的な知識と技術が必要です。
消防法や建築基準法などで細かく定められているため、適切な設備を正しく設置・改修するには、「消防設備士」という国家資格を持つ専門業者に依頼する必要があります。
建物の構造や用途、利用人数などに合わせて、最適な消防設備を提案・設置してくれます。
改修工事は必ず専門業者に依頼し、法律を守り、安全を最優先に考えた計画を立ててもらいましょう。
また、改修工事後も、消防設備士による定期的な点検とメンテナンスを徹底しましょう。
同時に老朽化対策の改修・修繕が必須!その理由とは?
現代の宿泊業界は、新規ホテルやリブランドが次々と実施され、競争が激化しています。
お客様は、常に最新かつ快適な設備を求めており、部分的な改善だけではもはや選ばれる施設にはなりません。
消防設備の改修はもちろん重要ですが、それと同時に施設全体の老朽化対策は、現在の宿泊業界の背景を考えるともはや必須と言えます。
実際に、消防設備だけでなく、建物全体の老朽化対策も同時に行うと、多くのメリットがあります。
- コスト削減
大規模修繕と消防設備改修を同時に行う最大のメリットは、コスト削減です。足場設置、仮設工事、養生、清掃、現場管理など、共通して発生する費用を大幅に削減できます。個別に工事を行う場合に比べ、総費用を10%~20%程度抑えられるケースも珍しくありません。 - 耐震性能の向上
求められるのは防火基準だけでなく、耐震基準もクリアしなくてはいけません。最新の耐震基準に対応した改修を同時に行うことで、地震などの災害に対する安全性を大幅に向上。人命と建物を守ります。 - 資産価値の向上
消防設備だけでなく、外壁、屋上防水などもまとめて改修することで、建物全体の美観・機能性が向上。建物の寿命を延ばし、資産価値を維持します。 - 顧客満足度のアップ
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ゆうき総業なら、大規模修繕のプロとしてトータルサポート
ゆうき総業は、ホテル・旅館の大規模修繕・改修工事で豊富な実績を持つ専門業者です。
大規模修繕のプロとして、以下の工事を得意としています。
-
外壁塗装工事: 建物の美観を保ち、寿命を延ばします。
-
防水工事: 雨漏りを防ぎ、建物の構造体を守ります。
-
左官工事: 内外装の壁を美しく仕上げます。
-
内装リノベーション: 客室や共用スペースを快適で魅力的な空間に生まれ変わらせます。
もちろん、消防設備に関してもご相談ください。
内装から外装まで、幅広い工事を自社で完結
ゆうき総業は、塗装、防水、左官、内装リフォームなど、建物の内装から外装まで、幅広い工事を自社施工で行います。
専門の職人チームが、客室内の木部塗装から聚楽壁(じゅらくへき)の塗り替えまで、細部にわたって丁寧に仕上げます。
下請け業者を使わないため、品質管理を徹底し、お客様のご要望にも柔軟に対応。工期の短縮も実現します。
トラブル時も安心!「お抱え業者」としてスピーディーな対応
ゆうき総業は、ホテル・旅館の設備や内装を熟知した「お抱え業者」として、万が一のトラブルにも、スピーディーに対応します。
「壁のタイルが剥がれた」「雨漏りが発生した」など、緊急を要する修理も、使用材料を在庫管理しているため、すぐに対応可能です。
無足場工法で、営業しながらの工事も可能
ゆうき総業が得意とする無足場工法は、足場を組まずにゴンドラや高所作業車で作業を行うため、ホテル・旅館の営業を妨げません。
お客様は、いつもと変わらず窓からの景色を楽しめ、ホテル・旅館の美観も損ないません。
足場を組む費用や時間も削減できるため、コストと工期を抑えたいお客様にもおすすめです。
また、他社では実現できない、足場を組むことが出来ないような難工事にも対応可能です。
ホテル・旅館の消防設備工事は改修工事と一緒に検討を!
ここまでご説明してきたように、ホテル・旅館の消防設備改修は、法令遵守やお客様の安全確保のため「義務」であることはもちろんですが、「老朽化対策の一部」です。
消防設備改修だけでなく、耐震工事など他の老朽化対策のための改修工事も同時に検討しましょう。
同時に行うことで、以下の様なメリットが得られます。
- コスト削減
- 耐震性能の向上
- 資産価値の向上
- 顧客満足度のアップ
- 災害時の安心感
「ゆうき総業」は、ホテル・旅館の大規模修繕・改修で豊富な実績を持つ、専門業者です。
- 国家資格を有する専門性の高い職人が多数在籍
- 内装から外装まで、大規模修繕を一貫して対応可能
- 「無足場工法」により、ホテルの景観を損ねず、営業への影響も最小限に
東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)で、ホテルや旅館の大規模改修・修繕でお悩みの際は、ぜひゆうき総業にご相談ください。
この記事を書いた人

結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他