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「養生」は塗装工事で最も重要な工程|養生の費用や注意点などを解説 | 外壁工事

「養生」は塗装工事で最も重要な工程|養生の費用や注意点などを解説

外壁塗装の養生(ようじょう)とは 養生とは、塗料の飛散を防ぎ、建物を保護するために、家屋をビニールシートやメッシュシートで覆う作業のことを指し、外壁塗装を行う際には欠かせない作業工程です。養生の出来が塗装の仕上がりを左右すると言っても過言ではありません。 塗料は液体であるため、塗装する際に周りに飛散しやすく、塗らなくてよい部分まで塗ってしまう可能性があるため、外壁塗装を行う前には、あらかじめ養生を済ませておく必要があります。 外壁塗装の養生が必要な理由 養生とは、塗装の対象ではない部分を保護し、塗料の飛び散りや汚れから守るための作業のことを指します。 1. 塗料飛散防止と周囲の保護 塗装工事中は、塗料が飛び散ってしまうことがあります。養生を行うことで、庭の植物や花壇、隣家などへの塗料の飛散を防ぎ、周囲への迷惑を防ぐことができます。 2. きれいな仕上がりの実現 窓枠などの塗装が不要な部分にテープを貼ることで、塗装とそうでない部分の境目をきれいに仕上げることができます。養生を怠ると、境目が曲がったりガタガタになったりしてしまい、美観を損ねる可能性があります。 3. 居住者の快適性の確保 窓などをビニールで覆う養生は、居住者にとって息苦しさを感じさせることがあります。特に夏場のクーラーが苦手な家庭では、風通しの良い養生方法を採用することで、居住者の快適性を確保することが大切です。 養生の費用相場 外壁塗装工事における養生の費用相場は、一般的に1平方メートルあたり300~500円程度です。30坪の一般的な住宅の場合、養生費用はおおよそ40,000~60,000円ほどが目安となります。 1. 養生費用の計上方法 多くの塗装業者は、見積書に養生費用を別途計上せず、施工費に含めている場合が多いです。ただし、車や植栽などの特別な養生が必要な場合は、別途費用が発生する可能性があります。 2. 事前に要望を伝えることが大切 見積もりを依頼する前に、養生に関する要望を業者に伝えておくことが大切です。 汚したくないものの種類や量によって、養生の範囲や方法が変わり、費用に影響を与える可能性があるためです。 3. 養生は費用をかけてしっかりやる 一部の業者は「養生費用無料」をうたっていますが、実際には必ず費用が発生しています。養生は外壁塗装工事に不可欠な工程であり、施工面積に応じた費用が必要となります。 適切な養生は外壁塗装の仕上がりや安全性に直結するため、費用面だけでなく、業者の養生に対する姿勢や方法も確認しておくことが重要です。見積もりの段階で養生についてしっかりと話し合い、適切な費用で質の高い養生を行ってくれる業者を選ぶようにしましょう。 養生が必要な箇所と期間 窓・ドア周りと植栽 |4~8日間 窓やドア周りは、マスカーと呼ばれるテープ付きビニールシートを使用して養生します。植栽も同様に、大きさに応じて適切な養生材を使用して保護します。 これらの養生は、高圧洗浄後から片付け前までの4~8日間必要です。 エアコン室外機 |約8日間 室外機カバーを使用して、エアコンの室外機を養生します。 カバーは空気の流れを妨げないように設計されているため、工事中もエアコンを使用できます。 室外機の養生期間は、高圧洗浄後から片付け前までの約8日間です。 車両 |約3日間 施主や近隣の車両を保護するために、カーシートを使用します。高圧洗浄日や車両に近い場所を塗装する際に、約3日間の養生が必要です。 玄関・ベランダ・下屋根 |8~9日間 人が通る場所には、滑りにくく破れにくいノンスリップマスカーを使用します。これらの養生は、高圧洗浄後から片付け前までの8~9日間必要です。 塗り分け部分 |約7日間 仕上がりの美しさを確保するために、マスキングテープを使用します。 塗装作業中に随時使用し、使用した当日中に除去されます。 建物全体 |約11日間 足場に取り付けられた飛散防止ネットは、足場の架設から解体までの約11日間、建物全体を養生します。 塗料・資材置き場と通路 |約9日間 ブルーシートを使用して、塗料や資材置き場、通路を養生します。 高圧洗浄後から片付けの時までの約9日間、これらの場所を保護します。 適切な養生は、外壁塗装工事の品質と安全性を確保するために欠かせません。養生箇所と期間を理解し、業者と協力して適切に実施することが大切です。 養生で使用する道具 外壁塗装工事における養生には、目的に応じて様々な道具が使用されます。 養生用ポリシートとマスキングテープ 窓枠の養生に使用される大型のビニールシートと、粘着力の弱いマスキングテープのセット。 窓枠全体をポリシートで覆い、マスキングテープで固定します。 マスカー 養生用ポリシートとマスキングテープの機能が一体化した道具。 貼るだけで養生が完了するため、作業時間を大幅に短縮できます。 ノンスリップマスカー 滑り止め機能付きのマスカー。 施工者の足元の安全を確保するため、玄関周りやベランダなどで使用されます。 ブルーシートと布カバー 足元に敷く養生に使用される大型のシート。 ブルーシートは滑りやすいが、布カバーは滑りにくいという特徴があります。 カーカバーと室外機カバー 車全体を覆うカーカバーには、厚手から薄手までの種類があります。 室外機カバーは、メッシュ機能を持つ特殊タイプとマスカーで作るオリジナルタイプがあります。 布テープ 粘着力が強いため直接使用することはありませんが、長尺のビニールの継ぎ足しや補強に活躍します。 飛散防止ネット 家全体を覆うメッシュシート。通気性を持ちながら、風の影響も考慮されています。 足場の設置と同時に施され、ひもでくくって固定するタイプが主流です。 これらの養生道具を適材適所で使用することで、塗料の飛散防止や周囲の保護、施工者の安全確保など、外壁塗装工事における養生の目的を効果的に達成することができます。 養生の手順 適切な材料選択と手順で丁寧に養生を行うことは、美しい仕上がりにつながります。 1. 窓の養生 窓の大きさに合わせてマスカーを選択し、上と左右にマスカーを貼ります。 下部はガムテープのみで張ることで、ピンと張られた美しい仕上がりになります。 掃き出し窓などの大型窓には、550mmや1100mmのマスカーを使い分けます。 2. バルコニーの養生 エアコンの室外機がある場合、使用中は養生シートを上に巻いておきます。 塗装直前に養生シートを下ろし、塗装後すぐに再び上に巻き上げます。 最近は通気性の良い繊維状の室外機専用カバーも活用されています。 3. 湯沸かし器や給湯器の養生 煙突となる部分を塞がないように注意が必要です。 ビニールで巻くと熱で溶けてしまうため、アルミホイルを使用することもあります。 作業する瞬間だけ巻き、使用中は外しておきます。 4. その他の注意点 養生シートやマスカーの無駄を減らすために、適切な大きさや使い方を心がけます。 お客様の生活に配慮し、エアコンや給湯器などの使用に影響がないように養生します。 養生の注意点 1. 窓の開閉ができない 養生中は窓が開けられなくなるため、換気がしたい場合は事前に業者に相談しましょう。業者と相談することで、ビニールに穴を空けて換気することも可能です。 2. 植物への影響 植物を長期間養生すると、酸素や日照不足により枯れる原因になります。大切な庭木などは、塗料を使う期間の3日程度に養生期間を絞ってもらうことをおすすめします。 3. 不適切な養生によるトラブル 養生が適当だと、塗料の汚れや仕上がりの不満足、工期の延長など、大きなトラブルの原因になります。養生の役割と重要性を理解している業者を選ぶことが大切です。 4. その他の注意点 エアコンの使用制限や洗濯物が外に干せないなど、生活への影響があります。ボイラーの煙突や排気口を塞がないように注意が必要です。 業者との打ち合わせ・相談が重要! 養生に関する問題を防ぐために、業者との打ち合わせや相談が非常に重要です。工事前、工事中、工事後のそれぞれの段階で、以下のような点を確認・相談しましょう。 養生してほしい箇所や期間 エアコンの使用や窓の開閉の可否 植物の養生期間 養生材の剥がし忘れや片付け忘れの確認 養生中も快適に過ごせるようにする方法 外壁塗装工事中は、養生のために窓が開けられなくなるなど、生活に影響が出ることがあります。しかし、事前の準備と業者との適切なコミュニケーションにより、養生中も快適に過ごすことができます。以下に、快適に過ごすためのポイントをまとめます。 1. 開閉したい窓やドアは事前に伝えておく キッチンや浴室の窓など、できるだけ開けたい窓がある場合は、あらかじめ業者に伝えましょう。毎日の作業後に養生を外してもらうことで、窓を開けることが可能になります。 工事を行っていない夜間は、基本的に窓を開けることができます。 2. 養生中もエアコンや換気扇は使用できる 窓を開けられない期間は、エアコンや換気扇の使用が必要になる場合があります。メッシュカバーなどで室外機を覆うことで、外壁塗装中もエアコンや給湯器を使用できます。 エアコンや換気扇を使用したい旨を事前に業者に伝えておくことが大切です。 3. 洗濯物の干し方を工夫する 養生ネットで家全体を覆っている場合、外に洗濯物を干すことができません。室内干しや近隣のコインランドリーを利用するなど、洗濯物の干し方を工夫しましょう。 4. 植物への水やりは業者に依頼する 養生ネットがかかっている期間、植物に十分な日光が当たらない可能性があります。植物の水やりを業者に依頼するなど、枯れないための対策を講じましょう。 外壁塗装工事中も、業者とのコミュニケーションを密にとることで、快適な生活を維持することができます。養生の必要性を理解しつつ、生活への影響を最小限に抑えるための方法を、業者と一緒に考えることが大切です。

マンション大規模修繕でベランダが使えない?日数やトラブル防止の注意点を解説 | 大規模修繕

マンション大規模修繕でベランダが使えない?日数やトラブル防止の注意点を解説

大規模修繕工事の範囲はエレベーターや廊下などの誰でも使える共用部以外にも「ベランダ」も含まれ、工事中は施工会社の立ち入りが可能となります。 とはいえ、日頃は「自分たちの専用部分」として使用しているため、突然使えなくなることで日常生活に大きな影響があるでしょう。 また、これらの対応に関しては、業者側ではなく居住者側が対応しなくてはいけないのもポイントです。 では、ベランダはどれほど使えなくなるのか?マンションの居住者は、いったい何をしなくてはいけないのか? 本記事では、大規模修繕工事におけるベランダの使用制限とその期間、知っておきたい注意点などを詳しく解説していきます。 これを読めば、「知らなかった」というトラブルも防げるでしょう。 マンション大規模修繕時はベランダが使えない? 結論から言うと、大規模修繕工事期間中は、ベランダの使用に関して様々な制限が設けられます。主な制限として、ベランダへの立ち入りが禁止され、洗濯物を干すことができなくなります。また、ベランダに置いてある私物をすべて片付ける必要もあります。 まずは、ベランダが使えない理由、具体的な作業内容、そして使用制限の期間について詳しく見ていきましょう。 ベランダが使えない理由 まず重要なのは、マンションのバルコニー(ベランダ)が実は共用部分であるという点です。日常の生活では各住戸が自由に使えますが、法的には建物全体の一部として扱われます。そのため、ベランダも大規模修繕工事の対象となるのです。 ベランダが使えなくなる理由は、主に二つあります。足場の設置と安全確保、そして塗装や防水工事の影響です。 まず一つ目は、足場の設置と安全確保です。工事の事故を防ぐため、ベランダに足場を組み立てて、居住者の立ち入りを制限します。 二つ目は、塗装や防水工事の影響です。塗料や防水材を塗って乾かす間は、どうしてもベランダが使えなくなります。 具体的な工事内容 大規模修繕時のベランダ工事では、主に以下の作業が行われます。 防水工事 ベランダの床面に新たな防水層を形成します。ウレタン塗膜、シート防水、FRP防水などの工法が用いられ、状況に応じて最適な方法が選択されます。既存の防水層を撤去し、下地処理を行った後、新しい防水材を施工します。 塗装工事 外壁や手すりの塗り替えを行います。油性塗料、水性塗料、シリコン塗料など、素材や環境に適した塗料を使用します。下地処理、プライマー塗布、上塗りの順で作業が進められ、天候や気温を考慮しながら進めていきます。 鉄部補修工事 手すりやサッシなどの金属部分を補修します。錆びた箇所をワイヤーブラシや電動工具で除去し、防錆剤を塗布します。その後、下塗り、中塗り、上塗りの順で塗装を行います。劣化が著しい場合は、部材の交換も検討されます。 排水管清掃・補修工事 ベランダの排水管を清掃し、必要に応じて補修します。高圧洗浄機を使用して配管内部の汚れや詰まりを除去します。亀裂や破損が見つかった場合は、部分的な補修や配管の交換を行います。排水勾配の調整も必要に応じて実施されます。 ベランダが使えない日数 ベランダが使えない期間は、マンションの規模や工事の内容によって異なります。一般的には2〜4週間程度とされていますが、これはあくまで目安です。 実際の期間は、天候や予期せぬ事態により変動する可能性があります。長雨で工事が遅れたり、予想外の補修箇所が見つかったりすることもあるでしょう。 ただし、工事期間中ずっとベランダが使えないわけではありません。工事の進み具合に応じて、少しずつ使用できる範囲が広がっていきます。例えば、塗装が終わった後の乾燥期間中には、「洗濯物を干すだけなら大丈夫」といった具合に、部分的に使用できるようになることもあります。 トラブル防止!事前に知っておきたい注意点 ベランダが使えない理由や期間について説明しましたが、トラブルを防ぐため、事前に知っておきたい注意点もご説明します。 ベランダの大規模修繕は居住者の同意が不要 先ほどお話した通り、バルコニー(ベランダ)は共用部分に該当するため、大規模修繕の対象となります。それぞれの居住者の意向に関わらず、修繕工事が実施されることを理解しておく必要があります。安全性や建物の維持管理の観点から、「うちのベランダは大丈夫です」と断ることはできないんですね。 私物の移動や処分は居住者の自己負担 工事に先立ち、バルコニーに置かれている私物の移動や処分が必要となります。この作業にかかる費用は、原則として各居住者の自己負担となります。大型の家具や植木鉢、エアコンの室外機など、移動に専門業者が必要な場合も、その費用は居住者が負担することになります。 これらの点を事前に知っておくことで、こんなはずじゃなかったというトラブルを抑えることができます。 ベランダの使用制限への対策と準備すべきこと ここからは、スムーズに工事を進めるためのポイントをご紹介します。 工事スケジュールを把握し、計画的な片づけを ベランダ工事の具体的な日程を確認し、片づけに必要な期間を見積もっておくことで、慌てずに対応できます。一般的に、工事開始の1〜2ヶ月前から準備を始めるのが良いでしょう。特に、大型の植木鉢や家具など、移動に時間がかかるものがある場合は、余裕を持って計画を立てましょう。 休日を利用して少しずつ片づけを進めるなど、自分なりの方法を見つけてみてください。 ベランダの整理と片付け 工事の妨げとなる物品を撤去します。エアコンの室外機、物干し竿、プランターなど、普段ベランダに置いているものを室内や指定の場所に移動させましょう。特に大型の植木鉢や重い家具は、早めに移動しておくと安心です。 室外機の移設とエアコンの使用制限 エアコンの室外機は、大規模修繕の際には一時的に移動が必要になることがあります。この作業は専門業者が行いますので、居住者の方が直接手を加える必要はないのでご安心ください。 ただし、スムーズに作業を進めるために、室外機の上や周りに物を置いている場合は、事前に片付けることをおすすめします。室外機の周囲にはある程度のスペースを確保しておくと、作業員の方が安全に仕事を行えます。 また、移設に伴ってエアコンの使用に制限がある場合は、事前に工事スケジュールを確認し、外出の予定を立てることをおすすめします。 洗濯物の干し場所の確保 工事期間中は外干しが制限されます。洗濯物は室内干しで対応し、難しいようであれば、コインランドリーを活用するなど、事前に検討しておきましょう。 困ったら施工業者と積極的に「コミュニケーション」を取ろう 疑問点や要望があれば、遠慮なく伝えましょう。例えば、バルコニー内の備品の片付けや移動に困った場合、施工業者のスタッフがお手伝いしてくれることもあります。 また、不用品の処分に対応してくれる場合もあるので、積極的に相談してみるのも良いでしょう。施工業者も、コミュニケーションをとってもらった方が助かるので、あまり気を遣わず相談してみましょう! ベランダに関するその他のよくある質問 Q1: ベランダの手すりや床に取り付けた私物はどうすればいいですか? A: 工事の妨げになるため、一時的に取り外す必要があります。工事業者の指示に従い、適切に保管しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q2: ウッドデッキ・タイルはそのままでも大丈夫? A: 基本的に撤去が必要です。工事業者の指示に従い対応しましょう。将来の修繕を考え、着脱が容易なタイプの選択をおすすめします。 Q3: ペットのケージや小屋はどうすればいいですか? A: 室内に移動させるのが基本です。難しい場合は、一時的にペットホテルの利用も検討する必要があるでしょう。 Q4: ベランダの照明器具や防犯カメラはどうなりますか? A: 工事の邪魔になる場合は一時的に取り外します。工事業者と相談しましょう。工事後の再設置方法も確認しておくとよいでしょう。 Q5: 工事中にベランダを使用する必要がある場合(例:避難時)はどうすればいいですか? A: 管理組合や工事業者と事前に対応を確認しておきましょう。緊急時の避難経路や連絡方法を把握し、マンション住民全員で共有することが重要です。 まとめ:マンション大規模修繕中のベランダ対策は計画的に! 大規模修繕工事中は、ベランダの使用制限など一時的な不便は避けられないため、事前に準備しておくことが大切です。またそのためには、施工業者からの丁寧な説明や対応も不可欠です。 当社では、施工主や施工業者との強い連携が強みの一つです。 どのような安全確保をおこない、どこまでの工程で、何を保証するのかを事前にしっかり取り決めます。施工主および施工業者と連携しつつ、居住者・利用者の不便にならないよう最大限配慮しながら工事を進めます。 大規模修繕をより円滑に進めるためのアドバイスが必要な方は、ぜひ当社までご相談ください。豊富な実績とご提案で、サポートさせていただきます。 ゆうき総業が選ばれ続ける理由とは?

【85%削減事例も】工場の大規模修繕費用を抑える方法を教えます | 大規模修繕

【85%削減事例も】工場の大規模修繕費用を抑える方法を教えます

工場の大規模修繕費用は、製造業の経営者のみなさまにとって重要な検討事項です。この費用は工場の規模や状態によって大きく異なり、数千万円から数億円に及ぶことがあります。 たとえば、1,000㎡規模の工場で外壁塗装と屋根修理を行う場合、概算で3,000万円~5,000万円程度の費用が見込まれます。さらに、設備更新や耐震補強などの追加工事が必要な場合、総額が倍増する可能性も十分にあります。 このような大規模な投資を決断する際は、費用の内訳を理解し、コスト削減策がないかを検討する必要があるでしょう。本記事では、以下の4つの観点から大規模修繕費用について詳しく解説していきます。 大規模修繕の主要項目別費用の目安 費用を左右する要因 コスト削減のための具体的な方策 生産活動への影響を最小限に抑える修繕計画の立て方 この記事を通じて大規模修繕費用の全体像を把握し、自社の状況に合った最適な修繕を検討するヒントにしていただければと思います。それでは、具体的な費用の内訳から見ていきましょう。 工場の大規模修繕の費用の内訳は? 工場の大規模修繕の費用は工場の規模や状態、修繕の範囲によって大きく変動しますが、主な項目とその相場を把握しておくことで、計画を立てやすくなります。 以下では、各項目ごとの費用を順に解説します。 外壁関連工事 外壁の修繕は、大規模修繕工事の中で最も大きな割合を占めます。具体的には以下のような費用が発生します。 外壁塗装:3,000~7,000円/㎡ 補修工事:1,500~6,500円/㎡ 鉄部の防錆工事:1,000~3,000円/㎡ 工場の規模別に見積もった場合の例は以下の通りです。 面積 外壁塗装 補修工事 鉄部の防錆工事 1,000㎡ 300~700万円 150~650万円 100~300万円 5,000㎡ 1,500~3,500万円 750~3,250万円 500~1,500万円 10,000㎡ 3,000~7,000万円 1,500~6,500万円 1,000~3,000万円 工場の規模によっては、外壁関連工事だけで数百万円から数千万円の費用がかかる可能性があります。 屋根工事 屋根の修繕も重要な項目です。工法や使用する材料によって費用が変わりますが、一般的な相場は以下の通りです。 屋根塗装(ウレタン塗料):80万円~(50坪の場合) 屋根塗装(シリコン塗料):100万円~(50坪の場合) 屋根材交換(カバー工法):5,000~15,000円/㎡ 屋根材交換(葺き替え):10,000~50,000円/㎡ 工場の規模別に見積もった場合の例は以下の通りです。 面積 屋根塗装(ウレタン塗料) 屋根塗装(シリコン塗料) 屋根材交換(カバー工法) 屋根材交換(葺き替え) 1,000㎡ 480万円 600万円 500~1,500万円 1,000~5,000万円 5,000㎡ 2,400万円 3,000万円 2,500~7,500万円 5,000万円~2.5億円 10,000㎡ 4,800万円 6,000万円 5,000万円~1.5億円 1億円~5億円 屋根材の交換の有無により、費用に大きな差が出ることが分かります。 設備更新 給排水管や電気設備の更新も大規模修繕の重要な要素です。これらの費用は、工場の規模や設備の状態によって大きく異なります。また、給排水管の更新方法には「更新工事」と「更生工事」があり、工法によっても費用が変動します。 具体的な相場を把握するためには、修繕業者に個別の見積もりを依頼しましょう。 仮設工事費 見落としがちですが、足場の設置や養生など、実際の修繕作業を行うための準備にも全体の費用の大きな割合を占めます。これらの仮設工事費は、総工事費の約20%程度を考えておくといいでしょう。 その他の費用 上記以外にも、以下のような費用が発生する可能性があります。 内部共用部の補修 省エネ対策工事 耐震補強工事 設計・監理費用 これらの費用を含めると、工場の大規模修繕の総費用は、規模にもよりますが、数千万円から1億円以上になることも珍しくありません。 ゆうき総業の工事費用の事例 当社での実際の金額もお伝えしておきましょう。 直近でゆうき総業が実施した工場の大規模修繕では、約4000㎡の屋根の修繕で、おおよそ4千万円ほどでした。 ここまで紹介した費用相場は、あくまで試算による概算であり、塗料や資材・現地調査などにより金額は異なりますので、詳しくは業者にお問い合わせくださいね。 具体的な費用について確認したところで、続いてはこれらの費用を抑えるための効果的な方法について詳しく解説していきます。 工場の修繕費用を抑える方法を教えます 工場の大規模修繕は多額の費用がかかりますが、コストを抑えつつ効果的な修繕を行うことは可能です。ここでは、修繕費用を削減するための実践的な方法をご紹介します。 【限られた業者のみ施工可能】「無足場工法」で足場代金の節約を 物理的に足場が組めない場合や3階以上の建物で局所的に行う工事なら、足場を使用しない「無足場工法」が最適です。仮設費用の20~50%を削減可能です。弊社の実績でも、過去には、足場の設置を含め1,000万円かかると言われた工事が、無足場工法によりなんと、150万円で済んだ事例もあります。 ただし、条件によっては足場を組まなくてはいけないケースもあるため、施工業者に確認してみるといいでしょう。 対応できる業者は限られていますので、仙台を中心とした東北6県および首都圏で無足場工法を採用したい場合は、弊社までお問い合わせください。 >>>弊社の無足場工法について 建物に合った工法を選択する 修繕費用の削減には、建物や劣化状況に合った工法を選択することが重要です。例えば、屋根の修繕では、全面的な葺き替えではなく「カバー工法」を採用することで、大幅なコスト削減が可能となります。 カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる方法で、撤去費用を抑えられるだけでなく、工期も短縮できます。 また、外壁の修繕では、全面塗装ではなく部分補修を行うことで費用を抑えながら修繕効果を得ることが可能です。劣化の程度に応じて適切な工法を選択することが、コスト削減の鍵となります。 計画して修繕を実施する 突発的な修繕は往々にして高コストになりがちです。計画的に修繕を実施することで、突然の高額出費を抑えることができ、全体的なコスト削減が可能となります。 定期的な点検を行い、劣化の兆候を早期に発見することで、小規模な修繕で済む段階で対処できます。 また、複数の修繕工事を同時に行うことで、足場の設置費用など共通の経費を削減できます。例えば、屋根の修繕と外壁の塗装を同時に行うことで、足場の設置費用を一度で済ませることができます。 適切な業者を選定する 修繕費用を抑える上で、適切な業者選定も欠かせません。単に見積もり金額の安さだけで判断するのではなく、実績や技術力、アフターフォローの充実度なども考慮して総合的に評価することが大切です。 信頼できる業者は、無駄な工事を提案せず、必要最小限の修繕内容を提案してくれます。また、高品質な施工により、修繕後の耐久性も向上し、結果的に長期的なコスト削減につながります。 工場大規模修繕に最適な業者の選び方については、後日、別記事で詳しく解説予定です。 省エネ効果のある設備を導入する 初期投資は多少高くなりますが、長期的な視点で見ると省エネ効果のある設備の導入は修繕費用の削減につながります。 たとえば、高効率の空調システムやLED照明の導入は、エネルギー消費量を大幅に削減し、運用コストの低減に貢献します。また、遮熱塗料を使用した外壁塗装は、建物内部の温度上昇を抑制し、空調効率を向上させます。これにより、エネルギーコストの削減だけでなく、設備の負荷軽減にもつながり、長期的な修繕費用の抑制にも効果があります。   以上のような方策を組み合わせることで、工場の大規模修繕費用を効果的に抑えつつ、建物の機能と価値を維持・向上させることが可能です。 続いては、修繕のタイミングと効果的な計画について詳しく解説していきます。適切な時期に適切な修繕を行うことで、さらなるコスト削減と工場の長寿命化が期待できます。 早期対応で費用削減!修繕が必要な時期を見極めるポイント 先ほど説明した通り、工場の大規模修繕において、適切なタイミングでの対応は長期的な費用削減の鍵となります。早期発見・早期対処により、大規模修繕や緊急対応のリスクを軽減できるのです。修繕が必要な時期を見極めるポイントには 主に以下の3つがあります。 劣化のサイン:外壁のひび割れや設備の不具合など、目に見える症状 法定点検のスケジュール:建築基準法に基づく定期点検結果の活用 耐用年数の考慮:各部位の一般的な寿命を踏まえた計画的な修繕 これらのポイントを押さえつつ、効果的な修繕計画を立てることが重要です。具体的には、現状調査に基づく優先順位の設定、長期的視点での計画立案、そして適切な予算策定と資金計画が必要となります。 大規模修繕を行う最適な周期の見極め方については、下記記事で紹介していますので、併せてご覧ください。 工場の生産停止を最小限にする方法 費用削減だけではなく、生産活動への影響も懸念点の一つでしょう。 しかし、適切な計画と工夫により、生産への影響を最小限に抑えながら修繕を進めることが可能です。 長期休業期間の活用、生産の閑散期を狙った修繕、大規模修繕の段階的実施など、様々な方法があります。また、季節要因を考慮し、工事に適した時期を選ぶことも重要です。 これらの方法を活用し、工場の稼働を維持しつつ、必要な修繕を効率的に行うことができます。生産性を保ちつつ修繕を進めることは、経営的にも大きなメリットがあります。 工場の生産を止めずに修繕を行う具体的な方法については、下記で紹介していますので、あわせてご覧ください。 まとめ 工場の大規模修繕は、適切な計画と工法により、長期的なコスト削減と施設の価値向上につながります。本記事では、修繕費用の内訳、コスト削減方法、適切な修繕タイミング、そして生産停止を最小限に抑える方法について解説しました。 ゆうき総業では、これらの課題に対して、無足場工法を活用した効率的な修繕や、生産活動への影響を最小限に抑える工事計画など、独自の解決策を提供しています。 豊富な経験と高度な技術を持つ当社のスタッフが、お客様の工場に最適な修繕プランをご提案いたします。工場の大規模修繕をお考えの方は、ぜひゆうき総業にご相談ください。専門家による無料診断と詳細なお見積もりを通じて、効果的かつ経済的な修繕計画をサポートいたします。 工場・倉庫の担当者様向けのページもご用意していますので、併せてご覧ください。

外壁タイルの防水が必要な理由|タイルはメンテナンスフリーではない? | タイル修繕

外壁タイルの防水が必要な理由|タイルはメンテナンスフリーではない?

外壁タイルに防水が必要な理由 外壁タイルは耐候性、耐傷性、耐水性に優れた素材ですが、約10年に一度はメンテナンスが必要です。その理由は以下の通りです。 1. モルタルの目地や下地の劣化 湿式工法では、モルタルが硬化することで伸縮への追従性がなくなり、目地にひびや割れが発生しやすくなります。これがタイルの浮きや剥がれ、雨漏りにつながります。 2. 目地のコーキングの劣化 タイル目地のコーキングは、紫外線や雨風、温度差により3〜7年程度で劣化し、ひびや亀裂、裂けが発生します。コーキングの劣化は、建物の耐久性低下や雨漏りの原因となります。 3. タイルの浮きや剥がれ 昼夜の寒暖差や雨風により、タイルの付着力が低下し、浮きや剥がれが発生します。寒冷地では、浸入した水分の凍結・融解により、さらに剥がれが進行します。 4. タイル自体のひびや割れ 外部からの強い衝撃により、タイル自体にひびや割れ、欠けが生じることがあります。損傷部分から水分が浸入し、タイルの剥がれにつながります。 タイル目地や下地を水の浸入から守り、防水効果を持続させることで、長期的なメンテナンスコストの削減につながります。 タイル壁はメンテナンス不要といわれる理由 タイル壁は、その高い耐久性と汚れにくさから、メンテナンスフリーと言われることがあります。その理由は以下の通りです。 1. タイルは無機物であるため耐候性に優れている タイルは、土や石、砂といった自然素材を高温で焼き成形した無機質の外壁材です。無機物は劣化することなく自然界に存在し続けることができるため、タイル自体も紫外線や雨風の影響を受けにくく、変色や劣化を起こしにくい特性を持っています。 2. 高温で焼き固められたタイルは耐傷性が高い タイルは約1300度の高温で焼き固められるため、非常に固い素材となっています。通常の電動ドリルのビットでは穴があけられないほどの硬さを持ち、砂やほこりといった外的要因による傷つきを防ぐ優れた耐傷性を有しています。 3. JIS規格で高耐水性が証明されている タイルはJIS規格により、吸水率によってⅠ類(3.0%以下)、Ⅱ類(10.0%以下)、Ⅲ類(50.0%以下)に分類されます。外壁材に使用されるタイルはⅠ類とⅡ類であり、非常に低い吸水率を示します。このため、タイル自体が吸水することによる雨漏りのリスクや、凍害による劣化の心配がありません。 4. タイルの耐用年数は40年以上 日本の住宅の平均寿命は約27年と言われていますが、サイディングやモルタルなどの外壁材の耐用年数は約10年ごとに外壁塗装を行って30年程度です。一方、タイルは素材自体が強く、耐用年数は40年以上と言われています。この高い耐久性から、外壁タイルはメンテナンスフリーと称されることがあるのです。 ただし、タイル壁がメンテナンス不要というわけではありません。タイルの目地部分のコーキングや下地のモルタルは劣化するため、定期的な点検と補修が必要です。また、タイル自体に損傷があった場合は、適切に交換する必要があります。タイル壁の長期的な美観と性能を維持するためには、適切なメンテナンスが欠かせません。 外壁タイルの防水方法 撥水材の塗布:外壁タイルに撥水材を塗布することで、水を弾き、目地からの水の浸入を防ぐことができます。ただし、撥水材の効果は水が留まりにくくなるだけで、台風や大雨などの高い水圧には対応できない場合があります。 防水材の塗布:アクリル系の防水材を外壁タイルに塗布することで、高い防水効果が得られます。防水材の塗膜でタイルと目地が覆われ、水の浸入を確実に防ぐことができます。防水材は「水を通さない」という点が重要なポイントです。 剥落防止材の塗布:剥落防止材を外壁タイルに塗布することで、タイルの剥がれ落ちを防止できます。剥落防止材に含まれるウレタンが防水効果を持っているため、防水と剥落防止の両方の効果が得られます。ウレタンは耐久性も高いため、長期的な効果が期待できます。 シートによる外壁の覆い(シート工法):外壁タイルの上から、リアルな石調を再現したなシートを貼り付けて、外壁全体を覆う方法もあります。この方法では、雨水だけでなく、紫外線や乾燥など様々な外的要因から外壁を保護することができます。ただし、この方法では外装がタイル張りではなくなってしまいます。 外壁タイルの防水工事は、タイルの美観を維持しつつ、建物の長寿命化を図るために重要です。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、外壁タイルの性能を長期間維持することができます。外壁タイルの防水工事は、専門的な知識と技術が必要とされるため、経験豊富な施工業者に依頼することをお勧めします。 外壁タイルの防水の手順 タイル壁の点検:防水工事を始める前に、壁面の状態を入念に点検します。タイルのひび割れや欠損、目地の劣化などがないかを確認し、必要に応じて補修を行います。 タイルの洗浄:タイル表面の汚れや付着物を取り除くために、高圧洗浄機やタイル専用の洗剤を使って洗浄します。洗浄後は、タイル表面を完全に乾燥させます。 下地処理:タイルの下地が健全であることを確認し、必要に応じて補修や補強を行います。下地の平坦性を確保し、クラックや欠けがある場合はシーリング処理を施します。 防水材の選定と塗布:使用する防水材を選定し、タイル壁に塗布していきます。一般的な手順は以下の通りです。 プライマー(下塗り)の塗布 タイルと防水材の密着性を高めるために、プライマーを塗布します。  防水材(中塗り)の塗布 選定した防水材を、ローラーやハケを使って2回重ね塗りします。均一な塗膜を形成するように注意します。  トップコート(上塗り)の塗布 防水材の上に、保護用のトップコートを2回重ね塗りします。トップコートには、光沢の有無などの仕上がりの選択肢があります。 検査と確認:防水工事が完了したら、塗布面の状態を入念に検査します。塗膜の厚さや均一性、仕上がりの美観などを確認し、必要に応じて手直しを行います。 外壁タイルの防水工事は、建物の耐久性と美観を左右する重要な工程です。専門的な知識と技術が必要とされるため、経験豊富な施工業者に依頼することをお勧めします。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、外壁タイルの長期的な性能を維持することができます。 外壁タイル防水工事の注意点 1. 専門業者への相談と適切な防水材・工法の選択 外壁タイルの防水工事は、専門的な知識と技術が必要とされる作業です。防水材の選定や施工方法については、経験豊富な専門業者に相談し、建物の状況に合わせた最適な提案を受けることが重要です。信頼できる業者を選ぶことで、工事の品質と保証を確保できます。 2. 下地の入念な点検と補修 防水工事を行う前に、タイルの下地の状態を入念に点検する必要があります。下地にひび割れや欠損がある場合は、適切に補修を行ってから防水工事を進めます。下地の不備は、防水性能の低下や工事後の不具合につながる可能性があるため、慎重に対処することが求められます。 3. 目地部分の処理 タイルの目地は、水の浸入経路となりやすい部分です。防水工事の際には、目地部分の清掃と補修を十分に行う必要があります。古い目地材を完全に除去し、新しい目地材を適切に充填することで、目地からの水の浸入を防ぐことができます。 4. 防水材の均一な塗布と十分な乾燥時間の確保 防水材を塗布する際は、均一な塗膜を形成するように注意が必要です。ムラのない塗布を心がけ、特に角や継ぎ目などの部分は入念に施工します。また、防水材の乾燥時間を十分に確保することが重要です。気温や湿度などの環境条件に応じて、適切な乾燥時間を設けることで、防水性能の発揮と塗膜の定着を図ります。 5. 定期的な点検とメンテナンス 防水工事後も、定期的な点検とメンテナンスを行うことが大切です。外壁タイルは、風雨や紫外線などの外的要因によって劣化が進行します。定期的に外壁の状態を確認し、タイルの欠損やひび割れ、目地の劣化などを早期に発見・補修することで、防水性能の維持と建物の長寿命化につなげることができます。 6. 適切な施工時期の選定 外壁タイルの防水工事は、気象条件の安定した時期に行うことが望ましいです。雨天時や湿度の高い時期は避け、乾燥した天候の下で施工するようにします。適切な施工時期を選ぶことで、防水材の性能を最大限に発揮させ、工事の品質を確保することができます。 防水工事に使用する浸透性撥水剤とは? 浸透性撥水剤は、主にモルタルやコンクリートの表層に浸透し、空隙を埋めることで緻密な「吸水防止層」を形成する材料です。コンクリートやモルタルは、拡大して見ると細かな隙間があり、そこから水が浸透することで凍結によるクラックや、内部からの白華(エフロレッセンス)の発生などの問題が起こります。 浸透性撥水剤は、これらの隙間に入り込み、内部の密度を高めることで、表面からの水の侵入を防ぐ働きをします。主な用途としては、コンクリート打ちっぱなし面に多く使用されますが、タイル面の保護にも使用されることがあります。 ただし、浸透性撥水剤はクラックを埋めることはできません。新築時や外壁タイルが傷む前に施工することで、目地のモルタルの劣化を防ぐ効果は期待できますが、クラックが発生した後では、隙間を埋めるには不十分です。浸透性撥水剤は、非常に細かい隙間で効果を発揮するため、ミリ単位の隙間を埋めることは困難です。 外壁タイルへの浸透性撥水剤の施工は、軽度な保護的な用途として使用されます。タイル自体は高温で焼き固められているため、水の浸入はほとんどありませんが、目地部分とタイル表面全体に塗布することで、不要な水溜まりを防ぐ効果があります。また、目に見えないようなミクロな亀裂に浸透することで、軽度な破損による水の浸入を防ぐこともできます。 しかし、外壁タイルの本格的な防水対策としては、浸透性撥水剤だけでは不十分な場合があります。外壁タイルの状態に合わせて、適切な防水工事の方法を選択することが重要です。

【知っておきたい】マンション大規模修繕のゴミトラブルと6つの防止策 | 大規模修繕

【知っておきたい】マンション大規模修繕のゴミトラブルと6つの防止策

マンションの大規模修繕工事といえば、騒音や振動、工期の長期化が気になりますよね。でも、意外と見落とされがちな問題があります。それが「ゴミトラブル」です。 大規模修繕工事中は、普段とは違うゴミの問題が出てくることがあります。例えば、工事で出る特殊な廃棄物の処理や、工事に伴う騒音・臭い、さらにはゴミが飛び散ってしまうことなど、様々な問題が起こる可能性があります。 これらのゴミに関連したトラブルは、工事がスムーズに進まなくなるだけでなく、近所の方との関係が悪くなったり、法律違反になってしまうリスクまであります。しかし、きちんと対策を立てれば、こういった問題は十分に避けられます。 この記事では、大規模修繕工事中によく起こるゴミトラブルの種類や、その予防策、さらにトラブルが起きてしまった時の対処法について、詳しく解説していきます。 大規模修繕では大量の「ゴミ」が出る! 大規模修繕工事は、10〜15年に一度行われる大がかりな工事であり、その規模と期間の長さから、通常の建物維持管理と比べて廃棄物の量も増加します。 具体的には、建物の老朽化した部分を新しい材料に交換するために出た古い建材や、工事過程で様々な種類の廃棄物が生じます。例えば、塗料缶、養生材、コンクリート片、金属くず、木くずなどが挙げられます。 また、建設工事から出るゴミは産業廃棄物として扱われ、一般ゴミとは異なる処理方法が必要となります。そのため、適切な廃棄物管理と処理が工事において重要な側面となります。 知っておくべきゴミ処理に関するトラブルは? ここからは大規模修繕時によくある「ゴミ処理トラブル」について詳しく解説していきます。 ケース①:「産業廃棄物」の分別・処理不足によるトラブル 大規模修繕工事では多種多様な廃棄物が大量に発生します。これらは産業廃棄物として扱われるため、一般ゴミとは異なる処理方法が必要です。しかし、現場では分別が不徹底になりがちで、トラブルの原因となることがあります。 具体的には、塗料缶や接着剤の容器、古い建材などが混在した状態で排出されるケースが見られます。特に注意が必要なのは、塗料缶や接着剤の容器に内容物が残っている場合です。これらは有害物質を含む特別管理産業廃棄物として扱う必要がありますが、一般の産業廃棄物と一緒に処理されてしまうことがあります。 また、無許可業者への委託や不法投棄といった深刻な問題も起こり得ます。 これらは法律違反となる可能性が高いため、元請業者が責任を持って適切な処理業者を選定し、廃棄物の分別や処理過程を厳密に管理することが重要です。 また、マンション管理組合や住民の皆様も、適切な処理が行われているを確認し、疑問点があれば、遠慮なく工事業者や管理組合に確認を取ることをお勧めします。 適切な産業廃棄物の管理は、単なる法令遵守にとどまらず、環境保護や企業の社会的責任を果たすことにもつながります。 ケース②:一時的なゴミ置き場の確保不足によるトラブル 理想的には、工事現場から直接廃棄物処理施設へ運ぶことが望ましいのですが、やむを得ず一時的な保管が必要になることもあります。その際、保管場所の確保が課題となります。特に雨天時には廃棄物が濡れないよう、適切な保管場所を設ける必要があります。 また、野ざらしで置かれた廃棄物から錆や塗料が流れ出し、周辺を汚染する可能性もあります。さらに、保管が長期化すると不法投棄とみなされるリスクもあるため、保管期間の管理も重要です。 これらの問題を防ぐには、保管基準を遵守し、囲いや掲示板の設置など、適切な管理を徹底することが求められます。 ケース③:騒音・臭気による近隣トラブル 大規模修繕工事中、騒音や臭気が近隣とのトラブルのもとになることがあります。 騒音は主に廃材の処理や運搬作業から発生します。重機の使用や資材の移動、作業員の声が予想以上に大きな音を出すことも。特に早朝や夜間の作業は、近隣の方々の生活に直接影響を与えやすいです。 臭気の問題は主に塗料や接着剤の使用が原因です。これらの化学物質の強い匂いは風に乗って広がり、長時間不快感を与えることも。特に暑い季節や風の弱い日は臭いがこもりやすくなります。 こうした問題は近隣からの苦情につながり、最悪の場合、工事の中断や計画変更を余儀なくされることも。工期の遅れや追加費用が発生する可能性もあります。 マンションの住民にとっても、騒音や臭気は大きなストレスです。長期の工事で快適な生活が損なわれると、管理組合や工事業者への不満が高まるかもしれません。 このように、騒音や臭気の問題は工事の進行だけでなく、マンション全体の雰囲気にも影響します。適切な対策を取らないと、長期的な信頼関係を築くのが難しくなる可能性があります。 ケース④:ゴミの飛散によるトラブル 軽量な廃材やゴミが風に乗って飛散することが発生することがあります。 飛散したゴミは、周辺の敷地や公共スペースに落ちることで、住民や近隣の方々が普段以上に掃除をしなければならなくなり、不満の原因となることがあります。 また、駐車中の車両にゴミが付着すると、塗装を傷つける恐れもあります。これは、特に新車や大切に手入れされている車両の所有者にとっては深刻な問題です。 周囲の環境への影響も気になるところです。飛散したゴミが植栽や水路に入り込むと、マンション周辺の景観を損ねたり、小さな環境問題を引き起こしたりします。マンションの近くに緑地や水辺がある場合は、特に注意が必要です。 このようなゴミの飛散は、工事現場の管理が行き届いていない場合や、急な強風が吹いた時に起こりやすくなります。天候の変化への対策不足や、作業員の注意不足が原因になることもあります。 その他、大規模修繕工事で起こりうる「近隣トラブル」については、下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください! ゴミのトラブルを予防する方法は? ここからは先ほど挙げたトラブルを回避するために、業者やマンションオーナーの皆様がやるべき予防法について詳しく解説します! 産業廃棄物の適切な分別と処理を徹底する 現場での徹底した分別を実施し、作業員への教育を行うことが重要です。特に、塗料缶や接着剤の残留物などの特別管理産業廃棄物には細心の注意を払いましょう。 具体的な対策として、工事現場に複数の分別用コンテナを設置し、廃棄物の種類ごとに分けることが効果的です。例えば、「木くず」「金属くず」「廃プラスチック類」「がれき類」などのカテゴリーごとにコンテナを用意し、明確な表示を行います。これにより、作業員が迷うことなく適切に分別できる環境を整えることができます。 一時的なゴミ置き場を適切に設置・管理する ゴミ置き場を設ける場合は、法令に基づいた保管基準を守ることが重要です。具体的には、囲いや掲示板の設置が必要です。加えて、雨対策として防水シートの使用や屋根付き保管場所の確保も欠かせません。 さらに、廃棄物の種類ごとに保管場所を分け、混ぜないようにすることが大切です。そして、定期的な清掃と点検を行い、周辺環境への影響を抑えましょう。最後に、保管期間をしっかり管理し、できるだけ早く処理施設へ運び出す計画を立てることが重要です。 騒音・臭気対策を実施し、近隣への配慮を忘れない 騒音や臭いによる近隣トラブルを防ぐには、まず作業時間の制限が効果的です。加えて、低騒音・低振動型の機械を使用しましょう。特に早朝や夜間の作業は控えめにし、必要に応じて防音シートを設置するのも良い方法です。 臭気対策としては、低臭気型の塗料や接着剤を選び、使用時は換気をしっかり行います。また、作業員には不必要な騒音を出さないよう指導することも大切です。このような近隣への配慮が、スムーズな工事につながります。 ゴミの飛散防止に努める ゴミの飛散を防ぐ第一歩として、工事現場の周りに防護ネットやシートを設置しましょう。次に、廃材やゴミの保管場所をしっかり管理し、蓋付きのコンテナを使用するのも効果的です。 さらに、天候にも注意を払い、強風が予想される日は飛散しやすい作業を避けるなど、柔軟な作業計画を立てることが重要です。加えて、定期的に周辺の清掃を行い、万が一飛んでしまったゴミはすぐに回収することを心がけましょう。 住民とのコミュニケーションを強化する 住民トラブルで一番問題となるのが、「そもそも話をしていない・聞いていない」というクレームです。 大規模修繕工事を成功させる第一歩は、関係者全員の理解と協力を得ることです。そのためには、マンション住民はもちろん、近隣住民への丁寧な説明が欠かせません。 工事説明会の開催や詳細な資料の配布、定期的な進捗報告など、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。また、苦情窓口を設置し、問題が生じた際に迅速に対応できる体制を整えることも重要です。 このような丁寧なコミュニケーションが、トラブルの防止につながります。 信頼できる業者を選定する 業者の実績、資格、評判を十分に調査し、特に産業廃棄物処理の許可を持つ業者を選びましょう。 見積もりの内容を細かくチェックし、ゴミ処理の計画が適切か確認します。複数の業者を比較検討するのも良い方法です。選んだ業者とはマニフェスト管理を徹底し、定期的に処理状況を確認しましょう。信頼できる業者との協力で、適正な廃棄物処理が実現し、トラブルのリスクを減らせます。 これらの対策を総合的に行うことで、ゴミ処理トラブルのリスクを大きく減らせます。同時に、環境への配慮や地域との良好な関係づくりにもつながり、結果としてスムーズな工事進行が期待できます。 まとめ:すべては、マンションにお住まいの住民の皆様の安心・安全のため! 本記事でも紹介した通り、マンションの修繕は避けて通れないものですが、「お住まいの住民の皆様が安心・安全に暮らせるか?」が第一に考えるべき点です。 特にゴミや騒音は、「住民トラブルに繋がる+法的罰則に繋がりやすい」部分ですので、まずは施工業者やマンションオーナー様から住民の理解を得ておくことがマストなのです。 当社はこれまで【6,000件】以上の施行実績をもとに、お客様とのトラブルを極力減らす配慮のもと、マンションの大規模修繕を行っています。 外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。 大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >無料相談はこちらから!

工場の修繕 | 業者はどうやって選ぶ?信頼できる業者の選び方と注意点 | 大規模修繕

工場の修繕 | 業者はどうやって選ぶ?信頼できる業者の選び方と注意点

工場の大規模修繕は、マンションなどの一般的な建物とは異なり、特有の設備や安全管理や生産ラインに与える影響、高くなりがちな費用など、考慮すべきことが複数あります。 こういった理由から、業者選定が非常に重要になってくるため、悩ましい問題かと思います。 しかし、避けたいのは、「費用が安いから」という理由だけで選んでしまうことです。 弊社でも、85%のコスト削減を実現できた事例もありますが、それにはしっかりとした理由があり、適正価格をしっかり見極める必要があります。 本記事では、どのようにして業者を選定すべきか、その選定基準や比較の方法、失敗しないための手順を解説します。工場特有の注意点やリスクを抑え、最適な業者選びに活かしましょう。 業者を選ぶための契約方法(入札方式) | 工場特有の違いはある? まずは基礎知識として、どのように選定するかを見ていきましょう。工場の大規模修繕に用いられる入札方式には、「競争入札」「指名入札」「随意契約」の3つがあります。 工場ではマンションの修繕とは異なり、コストだけでなく技術力や安全性、生産ラインへの影響も考慮するため、指名入札や随意契約が多く選ばれる傾向があります。 特に工場特有のニーズに対応できる業者を慎重に選ぶことが重要です。 工場の大規模修繕における一般的な選定方式 選定方式 特徴 メリット デメリット 競争入札 広く業者を募集し、最も良い条件を提示した業者を選定 透明性が高く、コスト削減が期待できる 最低価格を重視しすぎると品質低下の安全面への対応のリスクがある 指名入札 指定した業者のみで競争を行う ・信頼性が高く、技術力に優れた業者を選べる ・長期的な信頼関係を築きやすい ・競争入札よりも迅速に進められる ・競争が限定されるため、コストが高くなる可能性がある ・新しい技術や手法を持つ業者を見逃す可能性がある ・指名基準の透明性確保が必要 随意契約 特定の業者と直接交渉して契約 ・迅速な契約締結が可能 ・工場の特殊性に精通した業者と直接交渉できる ・コストの透明性が低くなる可能性がある ・競争原理が働かないため、価格が高くなる可能性がある ・特定業者への依存度が高まるリスクがある 競争入札方式 複数の業者が競い合って入札し、最も条件の良い業者を選ぶ方式です。コスト削減や透明性を確保するのに有効な手法です。 ただし、工場の修繕では、単に価格だけでなく、業者の技術力や工場特有のニーズへの対応力も考慮する必要があるため、価格重視の競争入札だけではリスクが伴う場合があります。価格が低すぎる業者が選ばれた場合、後で追加費用が発生するリスクや、工事の質が低くなる可能性があります。 指名入札方式 特定の信頼できる業者を指名して入札を行う方式です。工場の特有の修繕には、過去の実績や工場設備に精通した業者が求められます。この方式では、信頼できる業者を絞り込むことで、技術力や安全性が確保されやすいというメリットがあります。 また、過去に取引経験がある業者を指名できるため、長期的な関係性を維持しやすいのも利点です。 随意契約方式 特定の業者と直接交渉して契約する方式で、競争入札などを経ずにスピーディーに進められます。 特に、修繕を急ぐ必要がある場合や、生産ラインを止めないために速やかな対応が求められることがあります。時間が限られている場合は、すでに信頼関係のある業者と直接契約を結ぶことで、素早く対応することができます。 工場とマンションの大規模修繕における方式との違い マンション修繕では、特にコストの透明性を確保するために競争入札が多用されますが、工場修繕ではコストだけではなく、技術力や安全性、生産への影響が重視されます。そのため、工場では指名入札や随意契約が比較的多く使われる傾向があります。 契約方法(入札方式)のまとめ 少し難しい話だったかと思いますので、まとめてみましょう。 工場の大規模修繕では、コスト重視ではなく業者の実績や技術力重視になるため、指名入札や随意契約が多い。 どんな業者に依頼する?工事の進め方に関する方式 続いて、業者がどうかかわるかについてお話しします。 3つの工事進行方式を解説 工場の修繕には、「直接契約方式」「ゼネコン方式」「専門業者による分業方式」の3つの方式があり、それぞれのメリットとデメリットを理解しておくことが求められます。 方式 特徴 メリット デメリット 直接契約方式 特定の業者と直接契約し、修繕を進める方式 ・コストを抑えやすく、柔軟な対応が可能 ・各工程の専門業者を直接選定できる ・工場側の管理負担が大きくなる場合がある ・トラブル発生時の責任所在が不明確になりやすい ゼネコン方式 ゼネコンが全体の修繕を一括管理 ・統一された管理で複数の業者を調整できる ・責任の所在が明確 ・直接契約方式と比べてコストが高くなる傾向 ・柔軟性に欠ける場合がある 専門業者による分業方式 各工程ごとに異なる専門業者を選定し分業 ・各工程で高度な専門性を活かせる ・コスト面で直接契約とゼネコン方式の中間的な位置づけ ・工場特有のニーズに応じた業者選定が可能 ・スケジュール管理や調整、契約管理が難しくなる場合がある ・責任の所在が不明確になるリスクがある どんな業者に依頼するか(工事進行方式)の判断基準は? どんな業者に依頼するか(工事進行方式)は、以下の基準を考慮して判断することが重要です。 工事の規模と複雑さはどうか? 工場の特殊性に対応できるか? 予算と費用対効果は適切か? 工期と生産への影響を最小限にできるか? 自社のマネジメント能力は十分か? リスク管理はできているか? 過去の実績と信頼性はどうか? 1. 直接契約方式が適している場合 コストを抑えたい場合 工事範囲が比較的狭い場合 スケジュールや対応力に柔軟性が必要な場合 直接契約方式は、費用を抑えつつ、柔軟に対応したい工場に適しています。特に、修繕範囲が限定されており、すでに信頼できる業者がいる場合に有効です。 2. ゼネコン方式が適している場合 修繕範囲が広い場合 管理が複雑な大規模修繕の場合 一括して工事管理を任せたい場合 ゼネコン方式は、広範囲かつ複雑な修繕を必要とする工場に向いています。全体管理をゼネコンに一任でき、品質や進行管理を統一的に行いたい場合に有効です。 3. 専門業者による分業方式が適している場合 工場特有の修繕が多岐にわたる場合 高い技術力や専門性が必要な場合 工場側でしっかりと管理できる場合 専門業者による分業方式は、各分野で高度な専門知識が求められる修繕に適しています。工場側が管理能力を持ち、個別の業者を効果的に選定したい場合に有効です。 どんな業者に依頼するか(工事進行方式)のまとめ ここまでの内容をまとめると、以下のような判断基準になります。 判断基準 選定方式 規模が小さく、コストを抑えたい場合 直接契約方式 修繕範囲が広く、一括管理したい場合 ゼネコン方式 特定分野に精通した専門業者が必要な場合 専門業者による分業方式 これらの基準を総合的に評価し、自社の工場の状況や修繕の目的にもっともあった業者選びをしましょう。 工場大規模修繕工事の契約形態(依頼方式) 工場の大規模修繕を進めるにあたっては、工事の契約形態も重要です。 2つの契約形態を解説 主な契約形態には、「一括請負方式」と「パートナー契約方式」があります。以下の表で、それぞれの特徴、メリット、デメリットを比較してみましょう。 契約形態 特徴 メリット デメリット 一括請負方式 1社の業者がすべての工事を一括して請け負い、特定の工事期間内で契約を結ぶ ・責任の所在が明確 ・全体を一貫して管理できる ・発注者側の管理負担が少ない ・コストが高くなる可能性がある ・専門的な工事に対応できない場合がある ・柔軟な変更対応が難しい場合がある パートナー契約方式 長期的に信頼できる業者と定期的な修繕を行う契約 ・工場の特性や設備に精通した対応が可能 ・長期的な視点での修繕計画が立てやすい ・緊急時の速やかな対応が期待できる ・競争原理が働きにくく、コスト面で不利になる可能性がある ・特定の業者への依存度が高まるリスクがある どちらの契約形態にするかの判断基準は? 契約形態を選ぶ際には、以下の基準を考慮するとよいでしょう。 修繕頻度はどうか? 長期的な関係を重視するか? 予算とコスト管理のしやすさはどうか? トラブル発生時の対応能力は十分か? 一括請負方式が適している場合 一度にすべての修繕を終わらせたい場合 管理の手間を減らしたい場合 短期間での修繕を望む場合 一括請負方式は、修繕全体を1社に一任して、一度に完了させたい場合に最適です。管理の手間を減らし、工事全体の進行がスムーズになります。 パートナー契約方式が適している場合 定期的なメンテナンスと突発的な修繕の両方に速やかに対応する必要がある工場 生産設備の状態が製品品質に直接影響する業種で、継続的な保守管理が重要な場合 工場の特殊性を理解し、長期的な視点で設備の改善や更新を提案できるパートナーが必要な場合 パートナー契約方式は、工場の長期的な運営を見据え、メンテナンスを定期的に行いたい場合に適しています。信頼できる業者と長期的な関係を築くことで、安定した修繕が期待できます。 どちらの契約形態にするかのまとめ ここまでの内容をまとめると、以下のような判断基準になります。 判断基準 選定方式 一度にすべての修繕を終わらせたい場合 一括請負方式 長期的なメンテナンスを重視したい場合 パートナー契約方式 これらの基準を総合的に評価し、工場の状況や運営方針に合った契約形態を選びましょう。 信頼できる修繕業者を選ぶポイント 次に、工場大規模修繕に適した業者を選ぶための具体的な手順について説明します。選定の手順や重要な確認事項に焦点を当てて進めましょう。 1. 自社ニーズを明確にする まず、自社の修繕ニーズを具体的にリストアップしましょう。修繕が必要な箇所や工事内容、工期や予算、安全性といった優先順位を決定することが重要です。工場の特殊性(24時間稼働、清浄環境など)も考慮に入れましょう。 2. 工場修繕の実績・口コミを確認する 同業種や同規模の工場での大規模修繕実績を確認します。過去の顧客からの評価や、工場特有の環境や設備に対応できるかどうかをチェックしましょう。実績のある業者に依頼することで、安心して工事を任せることができます。 3. 見積もり内容を詳細に確認する 見積もりには、修繕に必要な全作業が含まれているか、特殊設備や安全対策費用が正しく反映されているかを確認します。追加費用が発生する可能性のある項目がないか、見積もりを精査しましょう。 4. 工期の見積もりが現実的か確認する 提示された工期が現実的か、工場の生産ラインに影響を与えないかを確認します。特に、短期間での修繕を求める場合、工期が無理に短縮されていると、後に品質低下や追加費用が発生する可能性があるため注意しましょう。 5. 安全管理体制の確認 安全管理は工場修繕の最優先事項です。業者が適切な安全管理体制を持っているか、労働安全や衛生基準を守っているか確認してください。安全管理が甘い業者には依頼しないことが大切です。 6. 資格や許可を持っているか確認する 電気工事、機械修繕、建築物特定部分の資格を確認します。高所作業や危険物取扱いなど、工場特有の作業に関する資格も重要です。必要な免許や資格の有無を必ずチェックしましょう。 7. 現地調査の徹底度を確認する 業者が事前に現地調査をしっかり行っているかどうかも重要なポイントです。工場の特殊な設備や作業環境に合わせて対応できる業者かを確認するために、詳細な調査内容を確認しましょう。 8. 契約内容を細かく確認する 契約時には、追加費用や工期延長に関する条項、瑕疵担保責任の範囲と期間、機密情報取扱いの規定を確認してください。特に追加費用の発生条件や工期遅延時の対応が明記されているか注意しましょう。 9. アフターサポートやメンテナンス体制の確認 修繕工事が完了した後も、アフターサポートやメンテナンス体制が整っているかを確認します。定期的なメンテナンス計画、緊急時の対応体制、保証内容と期間を確認します。長期的な視点でのサポート体制が整っているか、メンテナンス契約の可能性も含めて評価しましょう。 大規模修繕で失敗しないための注意点 業者を選定する際や契約時に避けるべきリスクや、事前に気を付けるべきポイントについても紹介していきます。 安価すぎる業者は要注意 コスト削減は重要ですが、極端に安い業者を選ぶと品質低下や追加費用発生のリスクがあります。 実績や信頼性を確認し、技術力と価格のバランスを取ることが重要です。複数の業者から見積もりを取り、相場を理解したうえで、安さに惑わされないよう注意しましょう。 工事範囲が曖昧な契約内容 契約内容が不明確だと、予期せぬ追加工事や費用増加につながる可能性があります。 事前に契約書をしっかり確認し、工事範囲を具体的に定義することが大切です。また、追加工事が発生した際の手続きや費用についても、契約時に取り決めておくことで、トラブルを未然に防ぎます。 安全管理の不備 工場特有の危険要素を考慮せず、安全対策が不十分だと重大な事故につながるリスクがあります。 業者の安全管理体制を事前に確認し、工場内の特定の危険を洗い出して、適切な対策を取ることが必要です。安全対策が整っていない業者には、依頼を避けるのが賢明です。 過度な工期短縮要求 無理な工期設定は、品質の低下や安全性の軽視を招きかねません。 現実的な工期を設定し、工程ごとのチェックポイントを設けることで、品質を確保しつつも安全に作業を進められるようにします。予備日を確保することで、突発的な問題にも対応できる体制を整えておくことが重要です。 コミュニケーション不足 発注者と業者の意思疎通が不足していると、工事の遅延や品質問題を引き起こすリスクがあります。契約前に業者のコミュニケーション能力を確認し、打ち合わせを通じて要望がしっかり伝わっているかを見極めましょう。 まとめ:信頼性と実績のある業者を見つけたらまずは相談してみましょう この記事では、工場の大規模修繕における業者選定のポイントや注意点を解説しました。特に、コスト管理、安全対策、工期の現実性、そして信頼性の高い業者を選定するための手順を強調しました。 これらの要素をしっかりと把握することで、修繕の成功につながります。 当社ゆうき総業では、無足場工法を活用した革新的な大規模修繕サービスを提供しています。 コスト削減と短納期を実現し、工場の稼働を最小限に抑えながら高品質な修繕工事を行います。豊富な実績と専門知識を持つ当社のスタッフが、お客様の工場に最適な修繕プランをご提案いたします。 工場・倉庫の担当者様向けのページもご用意していますので、併せてご覧ください。 >>工場・倉庫の担当者様へ

建設現場の足場の種類は何がある?足場の費用相場や注意点を解説 | 大規模修繕

建設現場の足場の種類は何がある?足場の費用相場や注意点を解説

足場の種類と特徴 くさび式足場(ビケ足場) くさび式足場は、鋼管を支柱として一定間隔で立て、水平材や斜材をくさび状の金具で固定する足場です。低層から中層の建物に適しており、組み立てや解体が比較的容易で、複雑な形状の建物にも対応できるのが特徴です。また、コストパフォーマンスにも優れています。ただし、設置にはある程度のスペースが必要となります。 枠組み足場 枠組み足場は、溶接された鉄製の建枠を主要部材とし、ジャッキやジョイント、筋交いなどの部材を組み合わせて構成される、最も一般的な足場です。軽量で高強度、組み立て・解体も比較的簡単という利点があります。また、ハンマーを使わないため騒音が少ないのも特徴です。15階建て程度までの高層建築物にも使用可能ですが、大掛かりな足場となるため設置スペースや搬入路の確保が必要です。 単管足場 単管足場は、直径48.6mmの鋼管をクランプで接続して組み立てる足場で、歴史が最も古いタイプです。形状の自由度が高く、狭い場所でも設置できるのが利点ですが、組み立てと解体に時間がかかります。また、作業床がないため安全面では注意が必要です。最近はDIYでも使われることがありますが、高所作業には適していません。 吊り足場 吊り足場は、建物の上部から作業床を吊り下げて設置する特殊な足場です。橋梁やプラントなど、地上から組み上げるのが難しい場所で使用されます。ただし、落下のリスクが高いため慎重な施工が求められ、足場の組立て等作業主任者の配置が必要となります。 移動式足場(ローリングタワー) 移動式足場は、下部にキャスターが付いており移動可能な足場です。組み立てた後に移動させられるため、効率的な作業が可能で、高さ調整もできるため天井や壁の仕上げ工事に適しています。ただし、作業中の移動は危険なため、ブレーキの使用など注意が必要です。 各足場には一長一短があるため、現場の状況に合わせて適切な足場を選定することが重要です。また、安全性を最優先に、正しい手順で組み立て・使用することが求められます。近年は、従来の規格を見直した次世代足場も登場しており、作業性と安全性のさらなる向上が期待されています。 次世代足場 次世代足場は、従来の足場の規格を安全面、施工面、管理面から見直し、改善を加えた新しいタイプの足場です。現代の作業者の身長増加に対応し、より広く作業しやすい空間を確保しています。また、安全性の強化として、部材の抜け防止機能を向上させています。 次世代足場は、くさび式足場と比較して大幅な軽量化を実現しており、作業員の負担軽減と作業効率の改善が期待できます。枠組み足場やくさび式足場と比べても優れた性能を持ち、今後の主流になる可能性が高い足場です。 単管ブラケット足場 単管足場にブラケットと床板を取り付けて安全性と作業性を高めた足場です。単管足場よりも安定性があり、狭い場所や低層の建物の工事に適しています。ただし、ブラケットを一つずつ取り付けるため、設置・解体に時間がかかります。 脚立足場 脚立を支柱として使用し、その間に足場板を渡して作られる簡易的な足場です。主に屋内の壁や天井の小規模な作業で使用されます。組み立てが容易で、DIYでもよく利用されています。   足場の部位ごとの名前 主要な足場の種類である枠組み足場、単管足場、そして全ての足場に共通する部材の名称と特徴を紹介します。 枠組み足場の主要部材 脚部(ベース金物):ジャッキベース 足場の最下部に使用され、地面の凹凸を調整して足場全体の水平を保つ役割を果たします。また、足場の重量を広範囲に分散させ、地面への圧力を均等にすることで、柔らかい地面や沈下の恐れがある場所での使用に適しています。 支柱(建地材):建枠(たてわく) 鳥居型建枠と梯子型建枠があります。あらかじめ組み立てられた枠を現場に運び、組み立てることで時間の短縮と効率化が図れますが、形状が固定されているため、現場の条件によっては適応が難しい場合もあります。 布材:下桟(げざん) 足場の水平方向の安定性を確保し、作業員や資材の重量を支持して地面へと伝達する役割を果たします。これにより、足場の安全性が確保されます。 筋交い(ブレス材) 足場の横方向の動きを抑制し、風圧や作業中の荷重による揺れを防ぐことで、足場の倒壊リスクを軽減します。また、三角形の構造を形成することで足場の強度を向上させ、作業中の安全性を高めます。 作業床材:アンチ 枠組み足場でもアンチが使用されます。滑りにくい特性を持つアンチは、作業員の安全を確保するために重要な役割を果たします。 単管足場の主要部材 脚部(ベース金物):固定ベース 足場の最下部に配置され、支柱が直接地面に接触することを防ぎ、足場全体の安定性を保ちます。また、広い面積を持つことで、荷重を分散させ、地面の沈下による足場の傾きを防ぎます。 支柱・布材・筋交い:単管パイプ 足場の基本構造を形成し、荷重を地面に伝達する役割を果たします。また、単管パイプを使って足場の床を作り、水平方向と斜め方向の安定性を確保します。筋交いとして使用される単管パイプは、風圧や重荷に対する足場の安定性を高めます。 作業床材:足場板 強度と耐久性を持ち、作業員の重量や資材の重量に耐えられるように設計されています。単管パイプに簡単に取り付けられ、位置の調整も容易であるため、作業床の面積を柔軟に変更できます。 全ての足場に共通する部材 クランプ 足場のパイプ同士を固定するための部品で、ネジを締めることでパイプ同士をしっかりと固定し、足場の安定性を保ちます。 ジョイント 異なる部分や角度のパイプをつなげるための部品で、足場の形状を自由に組み立てることができます。 昇降階段 足場の異なる高さの階層間を移動するための階段で、作業員の安全な上下移動を可能にします。 ブラケット 足場の外側に取り付けて作業スペースを拡張する部分で、作業員がより広いエリアで作業できるようにします。 壁つなぎ 足場を建物の壁に固定するための部品で、足場の安定性を高め、作業員の安全を確保します。 ネット・シート 足場の周りに取り付けて落下物を防止したり、風雨から保護したりするために使用され、作業の安全性と快適性を向上させます。 足場の設置費用の相場 足場の組み立て・解体・運搬にかかる費用は、一般的に1㎡あたり600~1,000円程度が相場となっています。例えば、30坪程度の一般的な家の外壁を全面的に施工する場合、足場費用だけで15万円前後が必要になります。 足場費用の計算方法 ご自宅の足場にかかる概算費用は、建物の外周から計算することができます。まず、以下の計算式で「足場架面積」を求めます。 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m) 家の高さの目安は、1階建て=3.5m、2階建て=6m、3階建て=8.5mです。 次に、求めた足場架面積から足場設置費用を計算します。 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (600~1,000円) 例えば、外周20メートルの2階建ての家に、平米単価1,000円で足場を組む場合、(外周20m + 8m) × 家の高さ6m ×平米単価1,000円 = 168,000円 となります。   ただし、傾斜地や狭い路地での工事、隣接建物が近接している場合、ガードマンを依頼する必要がある場合などは、さらなるコストが発生する可能性があります。 「足場代無料」は要注意 一部の業者が「足場代無料」をうたっていることがありますが、実際には足場費用を他の施工費に上乗せしている可能性が高いです。 足場の設置には、部材の運搬費、施工・解体費、人件費など、全施工費の約20%を占める費用が発生するため、無料で提供することは業者にとって損失となり、「足場代無料」をうたう業者の提示する見積もりには注意が必要です。 足場費用は、外壁・屋根リフォームを行う上で必要不可欠な経費であることを理解し、適正な価格で依頼することが重要です。 足場の施工をする時の注意点 足場の施工は、高所での作業を伴うため、安全性を最優先に考える必要があります。 悪天候時や自然災害発生時は作業を中止 足場での作業は屋外で行われるため、悪天候や自然災害が発生した場合、作業を中止しなければなりません。労働安全衛生規則では、高さ2m以上の足場での作業を中止するケースを以下のように定めています。 強風:10分間の平均風速が毎秒10メートル以上 大雨:1回の降雨量が50ミリメートル以上 大雪:1回の降雪量が25センチメートル以上 中震以上の地震:震度階数4以上 暴風:瞬間風速が毎秒30メートルを超える風 また、悪天候や自然災害が発生しない場合でも、足場の倒壊リスクは常に存在します。そのため、施工現場では足場を入念に固定したり、強風が予想される場合は足場に負荷をかける養生シートを畳んだりするなど、二次被害を防ぐ対策を徹底することが重要です。 足場の組み立てには国家資格が必要 安全衛生法施行令第6条により、高さ5m以上の足場を組み立てる際には、「足場の組立て等作業主任者」という国家資格を有する者を管理者として選任することが義務付けられています。また、労働安全衛生法第88条では、高さが10m以上で組立から解体までの期間が60日以上の足場を組む場合、労働基準監督署への事前申請が必須とされています。 さらに、平成27年の労働安全衛生法の改正により、足場の組立てを行う全作業員が特別教育を受講するよう定められました。 安全規制と法的要件の遵守 足場工事には、大きな事故のリスクが伴います。そのため、足場設置時には適切な安全規制と法的要件に従って作業を行う必要があります。 作業員は安全帯の着用が義務付けられており、足場の耐荷重を確認し、荷重を超えないように注意しなければなりません。また、足場の高さが2m以上になる場合は、安全フェンスの設置が必要です。 法的要件としては、建築物の高さや地盤の状態に応じて、足場の構造・強度に関する規制があります。これらに適合するように足場を設置し、国土交通省が定める足場工事の技術基準に準拠することが求められます。 足場の業者を選ぶ時のポイント 足場工事を依頼する際、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。 1. 保険加入の確認 足場の設置・解体工事では、事故のリスクを完全に排除することはできません。そのため、業者が請負業者賠償責任保険に加入しているかどうかを必ず確認しましょう。保険に加入していない業者に事故が発生した場合、支払い能力が不足し、トラブルに発展する可能性があります。また、業者が加入している保険の保証内容についても事前に確認することをおすすめします。 2. 適正な見積もりかどうか 「足場代無料」など、不当に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。相場よりも著しく低い価格の見積もりは、後から追加料金を請求されるなどのトラブルにつながる可能性があります。適正な価格で見積もりを提示する業者を選ぶようにしましょう。 3. 丁寧な事前打ち合わせと相談ができるか 初めて足場の設置を依頼する場合、不安や不明点が多いものです。契約前に、打ち合わせを丁寧に行い、質問にも親身に対応してくれる業者を選ぶことが大切です。誠実な対応は、業者への信頼感を高め、安心して工事を任せることができます。 4. 豊富な施工経験と実績があるか 足場工事では、施工経験と実績が非常に重要な要素となります。豊富な実績を持たない業者は、過去に事故やトラブルを起こしている可能性があります。施工経験が豊富で、事故の履歴がない業者を選ぶことで、正確で安全な施工を期待できます。 以上の4つのポイントを踏まえて、足場業者を慎重に選ぶことが、安全で円滑な工事の実現につながります。信頼できる業者を見つけるために、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することをおすすめします。

外観が見えない…!大規模修繕でよくある「景観トラブル」のお話 | 大規模修繕

外観が見えない…!大規模修繕でよくある「景観トラブル」のお話

特にマンションの大規模修繕では、足場設置や外壁塗装などにより、マンションの景観(外観)が一時的に変化します。 本記事では、大規模修繕で起こりがちな景観トラブルとその対策について解説していきます。 大規模修繕では「景観(外観)」が損なわれがち…その理由は? 大規模修繕中に景観が損なわれてしまう理由としては、工期中にマンション全体を足場や防音ネットで覆ってしまうことが大きな理由です。 これらの構造物は、作業員の安全確保や周辺環境への配慮のために必要不可欠です。 足場は作業員が安全に移動できるスペースになりますし、防音ネットは騒音・粉塵の飛散を抑制し、近隣住民への影響を最小限に抑える役割があります。 しかし、これらの保護材によってマンションの外観が完全に覆われてしまうため、建物本来の姿が見えなくなってしまうのです。 景観(外観)が隠れると何がいけないの? 1. 「意図したデザインになっているか?」を確認しづらい 大規模修繕工事中に景観が損なわれる理由の一つが「工期中の仕上がりの確認が難しいこと」です。 先ほどもお話した通り、工事中は足場や養生シートなどで建物の外観が覆われることが多く、最終的な仕上がりを正確に把握することが難しくなります。 そのため工事完了後に、「外壁の色彩・質感が思ったイメージと違う…」といった、意図しないデザインに気づき遅れるケースが稀にあるのです。 2. 入居検討者に「物件価値」を伝えづらい 足場や養生シートで覆われるということは、建物本来の姿が“一時的に隠れてしまう”ということ。 特に入居先を検討している方というのは、随時通りかかるマンションをチェックする傾向にあるので、修繕期間中はその「物件価値」を伝えられなくなってしまうというわけです。 景観トラブルを防ぎつつ、大規模修繕は行えないのか? 上記のように、大規模修繕では少なからず景観トラブルが起こってしまいがちですが、業者の「施工方法」によってはトラブルを回避できるのもまた事実。 ここからは景観トラブルを防ぎつつ、大規模修繕を行う2つの方法について詳しく解説していきます! 【方法1】“外観シミュレーション”で、ざっくりイメージを掴んでおく まずは事前に「外観シミュレーション」を活用する方法。 これは、コンピューターグラフィックスを用いて修繕後のマンションの外観を視覚化する手法です。 外観シミュレーションを利用することで、工事前に修繕後の姿をリアルに再現できますし、マンションオーナーの皆様も、工事が始まる前に「改修後のイメージ」をより具体的に把握できます。 また周辺環境との調和や街並みへの影響も事前に確認できますので、完成後に「イメージと違うんだけど…」というトラブルを回避できるわけです。 【方法2】「足場設置・撤去」を部分的に進めてもらう(工期中の見える化) もし可能であれば、「足場設置・撤去を“部分的”に進めてもらう」というのもいいでしょう。 基本的に工事中は、建物全体を一度に足場で覆ってしまうため、長期間にわたって外観が見えなくなってしまいます。 ただもし部分的にでも外観をチェックできるようであれば、「完全に終わってからチェックする」よりも、施工後の相違を防げますし、入居検討者にもデザインを見せることができるわけです。 ただし実際問題、足場を部分的にかけるのは難しいものですので、修繕内容を踏まえて業者の方に「部分的に確認する方法はありますか?」と確認すると良いでしょう。 足場隠れのない“無足場工法”なら、景観トラブルをまるっと解決! 本記事では、大規模修繕における「景観・外観トラブル」について紹介しましたが、結論、景観トラブルが起こってしまう大きな要因は「足場・ネットで見えなくなること」です。 当社では足場をかけない「無足場工法」を活用することで、常に外観を確認いただけるのはもちろん、マンションの景観を損なわず作業を実施しています。 また足場の設置&撤去作業もないため、工期全体も短縮できるというわけです。 ゆうき総業株式会社は、これまで【6,000件】以上の施工実績をもとに、外壁・屋根工事はもちろん、内装・設備工事まで、幅広い工事をトータルでお引き受けしています。 宮城・仙台を拠点に、東北全域から首都圏まで事業を広げてきました。お客様のご要望をしっかり聞き取り、最適な提案と施工で、建物の見た目と機能性を向上させ、長持ちさせるお手伝いをします。 大規模改修・修繕工事でお悩みの際は、ぜひゆうき総業株式会社にご相談ください。 >大規模修繕のご依頼・無料相談はこちらから! 大規模修繕で起こりうるその他のトラブルについては、下記記事で解説していますので、あわせてご覧ください!

工場の大規模修繕 | その安全対策は十分?工場特有のリスクを徹底解説 | 大規模修繕

工場の大規模修繕 | その安全対策は十分?工場特有のリスクを徹底解説

工場の大規模修繕工事は、通常の建物工事とは異なり、生産活動を続けながら行うため、工場特有のリスクや複雑さがあります。その中でも特に重要なのが「安全対策」です。 工場内では重機械や有害物質が稼働しているため、修繕作業中に作業員や従業員の安全を確保しなければなりません。また、生産ラインが稼働している場合には、その影響を最小限に抑えることも重要です。 この記事では、工場オーナーのみなさまに、安全対策の重要性と具体的な実施方法についてご紹介します。 工場の大規模修繕工事で安全対策が重要な理由   まず大前提として、建設業は他の業種に比べ、労働災害が発生しやすい職種であることが知られています。 2023年の厚生労働省のデータによれば、建設現場での死亡者数は223人に上り、全産業の約30%を占めています。また、2024年8月の速報値では、前年と比較して15.4%増加し、120人が命を落としていることが確認されています。このように、建設現場は高リスクな環境であり、安全対策は不可欠です。 また、工場では、重機や化学物質など危険性の高い設備が常に稼働しています。このため、工場の大規模修繕工事では、単なる建物のメンテナンス以上に慎重な安全対策が求められます。 たとえば、工場内の稼働を止めることなく修繕作業を行う場合、作業員と従業員の安全を同時に確保する必要があります。特に生産ラインが稼働し続ける場合、工事と安全対策のバランスが重要です。こうした工場特有のリスクを把握した上で、安全対策を徹底することが、事故を防ぐカギとなります。 「施工者」が行うべき安全対策とは?工場オーナーが知っておくべきポイント 工場の大規模修繕工事において、施工者が適切な安全対策を行うことが大切です。工場オーナーのみなさまには、以下のポイントを押さえ、施工者が安全対策をしっかりと行っているか確認することが求められます。 工場特有の危険への対応策 施工者は、工場特有の危険に対応するための安全対策を行う必要があります。例えば、有害物質の飛散防止策や、重機使用時の安全措置など、工場独自のリスクに応じた保護具や設備の設置が必須です。 また、機械の可動部分や高電圧設備周辺での作業には特別な注意が求められます。工場オーナーは、こうした対策が適切に実施されているかをしっかり確認することが重要です。 工場稼働中の作業に対する安全確保 多くの工場では、生産ラインを維持しながら修繕工事を行う必要があります。そのため、施工者は稼働中の機械や設備周辺での作業に対する特別な安全対策を行わなければなりません。 施工者は、工事エリアを従業員の作業区域から明確に分けて、安全区域を設定することが重要です。また、騒音や振動などが生産に与える影響を最小限に抑える対策も必要です。 工場の稼働スケジュールに合わせて工事を計画する 施工者は、工場の運営に支障をきたさないよう、工場の稼働スケジュールに合わせて工事を計画する必要があります。可能であれば、ピーク稼働時を避け、稼働が低い時間帯や休日に工事を集中させることで、工場運営への影響を抑えつつ、安全対策も強化できます。 「従業員」の安心を確保する安全対策 大規模修繕工事中も工場の稼働を継続する場合、従業員の安全確保は最優先事項です。工場オーナーと施工者が協力し、従業員が安心できる安全対策を実施することが求められます。 従業員にとって安全な作業環境の確保 騒音や臭いなど、居ながらの工事は思ったよりも従業員の負担になります。そのため工事中でも従業員が安全に作業できる環境づくりが不可欠です。具体的には、以下の対策が効果的です。 工事エリアと生産エリアの明確な区分け 適切な安全標識や防護柵の設置 粉じん、騒音、振動などの作業環境要因の管理 例えば、工事エリアと生産エリアの間に頑丈な仮設壁を設置し、粉じんの飛散を防ぐことで、従業員の安全と製品品質の両方を守ることができます。 作業スケジュールの共有 工事の進行状況や作業時間を従業員と共有することで、安全性を確保しつつ、日常業務への影響を最小限に抑えることができます。工場全体のスムーズな運営が可能になります。 従業員とのコミュニケーション コミュニケーションは、作業を円滑に、かつ安全に進めるためのすべてのカギを握ると言ってもいいでしょう。 ヒヤリハットはリスクマネジメントでの基本的な考え方ですが、従業員にも安全に対して不安に思っていることはないかを確認し、小さなリスクのうちに対策を取ります。 安全対策の効果を最大化するために、従業員との密接なコミュニケーションをとることで、従業員にも工事を「ジブンゴト化」してもらい、安全意識向上と不安解消につなげます。 工場オーナーのみなさまには、これらの対策を積極的に行い、従業員が安心して働ける環境づくりに努めることが重要です。 安全対策を実現しトラブルを未然に防ぐには? ここまで説明してきた安全対策は実現できて初めて安全を確保できます。そこで、これらの安全対策を実現し、トラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。 信頼できる施工業者を選ぶ 工場特有の危険要因に対応できる施工業者を選ぶには、過去の実績や安全対策に関する経験が豊富な業者を選定することが重要です。また、業者がリスクアセスメントを適切に行っているかどうかも確認のポイントです。 工場の大規模修繕を依頼する際に、業者選定で見るべきポイントについては、下記で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 従業員と積極的にコミュニケーションを取る たとえば、想像してみてください。自宅の隣で作業員が入れ代わり立ち代わりやって来て、挨拶などもなく作業をしていたら、どうでしょうか。 安全面はもちろん、コミュニケーションがないと、不満の蓄積にもつながりやすいですよね。また何かあった際にも、適切な対応を取ることが出来ません。 これは工場でも同様です。 従業員の不安解消と安全意識向上に役立つのはもちろん、クレームの防止にもつながります。 工事中の影響を最小限に抑えるためのスケジュール管理 工場の稼働スケジュールに合わせ、工事のタイミングを適切に調整することが不可欠です。ピーク時間を避けるなどの工事計画で、生産活動への影響を最小限に抑えることができます。 工場大規模修繕の期間を短縮するポイントについては、下記で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 リスクアセスメントと安全計画の徹底 工場の大規模修繕では、特殊な機械や有害物質が関わるため、工事前に徹底的なリスクアセスメントを実施し、潜在的な事故やトラブルを事前に洗い出すことが重要です。これに基づき、安全計画書を作成し、具体的なリスク軽減策をとることで、工事中の事故やトラブルを防ぐことができます。 緊急時対応の準備 工事中には、予期せぬ事態が発生する可能性があります。そのため、緊急時対応の計画をあらかじめ整備しておくことが重要です。オーナーと施工業者は、緊急連絡体制や行動計画を共有し、従業員と施工者の双方が速やかにに対応できるよう準備しておきましょう。 まとめ:安全対策を徹底した業者選びを! 工場の大規模修繕工事における安全対策の重要性について解説してきました。マンションの大規模修繕とは異なり、工場特有のリスクへの対応、稼働中の安全確保、従業員とのコミュニケーション、そして緊急時対応の準備など、多岐にわたる対策が必要です。 ゆうき総業は、業界トップクラスと言っても過言ではない技術力と経験があり、機械、金属、鉄鋼など多くの業界の工場・倉庫改修・修繕を成功させてきました。 また、すべての工程での確認と共有で、安全管理、工程管理、品質管理も徹底しているため安心してお任せいただけます。 工場の大規模修繕工事にお悩みの方は、ぜひゆうき総業までご相談ください。 工場・倉庫の担当者様向けのページもご用意していますので、併せてご覧ください。 >>工場・倉庫の担当者様へ

マンション大規模修繕の「足場費用」はどのくらい?内訳や計算方法まで解説! | 大規模修繕

マンション大規模修繕の「足場費用」はどのくらい?内訳や計算方法まで解説!

足場の費用の相場 外壁塗装の足場の単価は、一般的に1㎡あたり700円から1,500円程度が相場となっています。数年前は1,200円/㎡以上かかるのが一般的でしたが、最近では少しずつ安くなってきています。 足場にかかる費用は、建物の外周から概算することができます。まず、足場架面積を以下の式で求めます。 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m) そして、求めた足場架面積から足場設置にかかる費用を計算します。 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (700~1,500円) 例えば、外周20メートルの2階建ての家に、平米単価1,000円で足場を組む場合、(20m + 8m) × 6m ×1,000円 = 168,000円となります。つまり、一般的な30坪程度の家の外壁を施工する場合、足場費用だけでも15万円以上が必要になります。 ただし、以下のような場合は足場費用が高くなることがあります。 傾斜地や狭い路地奥にある建物の場合 隣の建物が近く足場を建てるスペースが極端に狭い場合 ガードマンを依頼する必要がある場合 2階建てと3階建ての足場費用の相場 2階建ての場合 平均的な大きさである延べ床30坪の2階建ての住宅の場合、足場面積は外壁塗装工事のみで228㎡程度となり、足場代は16~23万円が相場です。 3階建ての場合 施工単価が2階建てと比べて100円程度高くなることがあります。また、自宅の階数が高くなる分、足場面積も広くなります。 平均的な大きさである延べ床30坪の3階建ての住宅の場合、足場面積は外壁塗装工事のみで325㎡程度となり、足場代は23~36万円が相場です。 足場費用は外壁塗装工事費の約20%を占めるため、無料にすることはほぼ不可能です。「足場代は無料」と言う業者は、別の費用に足場代を上乗せしている可能性があるので注意が必要です。 マンション大規模修繕の足場費用の相場 マンション大規模修繕における足場費用は、工事全体の予算の中でも大きな割合を占める重要な項目です。足場の設置面積は、マンションの外周に数メートルを加えた長さに高さをかけて算出しますが、その単価は地域や施工業者によって異なるのが実情です。 一般的な相場としては、1平方メートルあたり700円から1,500円程度と言われています。仮に外周200m、高さ20mのマンションを例にとると、足場の設置面積は約4,160平方メートルになり、単価を800円とした場合の足場費用は約340万円と見積もられます。 ただし、この金額には飛散防止シートの設置費用が含まれていない可能性があるため、施工業者に確認が必要です。また、足場のレンタル期間が長くなればその分だけ費用も増大しますし、解体作業にも別途費用がかかります。 国土交通省の調査によると、大規模修繕の1戸あたりの費用相場は75〜125万円で、その内の約20%が仮設工事に充てられているそうです。つまり、40戸のマンションなら仮設工事だけで600〜1,000万円程度の費用が見込まれる計算になります。 近年は、足場を使わない「無足場工法」や「ロープブランコ工法」といった新しい手法も登場し、コスト削減に寄与しています。とはいえ、マンションの規模や状況によって最適な工法は異なるため、管理組合では専門家のアドバイスを参考にしながら、慎重に検討を進めることが肝要です。 以上を総合すると、マンション大規模修繕における足場費用の相場は、250万円から800万円程度が目安になります。ただし、あくまで相場であって、実際の費用は物件の特性によって大きく変動します。修繕積立金の状況を見極めつつ、居住者全員が納得できる形で工事を進めていくことが何より大切だと言えるでしょう。 足場費用が高くなるケース 建物が3階建て以上の場合 3階建て以上の建物では、足場を強固に組むために必要な材料が増え、作業時間や労力も増えるため、足場設置費用が2階建て以下の建物よりも200〜300円/㎡ほど高くなる傾向があります。また、3階建て以上の物件では、軒高が10mを超える可能性が高いため、クサビ式足場ではなく枠組み足場を使用する必要があります。枠組み足場の単価はクサビ式足場と比べて300円/㎡ほど高いため、足場費用が相場よりも高くなります。 敷地が狭い場合 敷地が狭く、特に隣接する建物や物件がある場合、足場設置の際の作業スペースが限られるため、手間と時間がかかります。その分をカバーするために職人の人数が増え、足場の単価に人件費が上乗せされることで、足場費用が相場よりも高くなる可能性があります。ただし、敷地が狭い場合でも、クサビ式足場より単価が安い単管足場を利用することがあるので、必ずしも足場費用が高くなるとは限りません。 運搬車が現場に入れない場合 足場材料の運搬車が現場に入れない場合、手作業で材料を運ぶ必要があるため、運搬費が別途で追加されます。運搬車が入れない道路沿いの現場や、狭い路地に面した現場では、足場費用が相場よりも高くなる可能性があります。また、道路と家の高低差がある場合や掘りこみ式ガレージがある場合も、外回りの階段を昇降しなければならないため、運搬費が別途かかります。 足場費用の内訳 足場費用の内訳を理解することで、適正な価格かどうかを判断することができます。 足場費用の主な内訳は、人件費、交通費、足場会社の運営費、中間マージンの4つです。 人件費と交通費の相場 人件費は、足場の設置と解体作業に対して発生するもので、一般的な2階建て住宅の場合、設置に2名、解体に2名の合計4名で行われます。1人あたりの人件費は1日2万円が相場なので、設置と解体を合わせた人件費の総額は8万円となります。 交通費も設置と解体作業に対して発生し、往復で1万円が相場です。したがって、設置時と解体時の交通費を合わせると、交通費の総額は2万円となります。 足場会社の運営費と中間マージンの相場 足場会社の運営費は、人件費と交通費以外に必要な経費で、2万円から5万円が相場です。これは、足場会社の事務所の維持費や保険料などが含まれます。 中間マージンは、外壁塗装を行う塗装業者が足場専門業者に足場の設置・解体作業を依頼する際に発生する手数料です。中間マージンの相場は公表されていませんが、一般的な住宅の足場費用相場から人件費、交通費、足場会社の運営費の総額を引くことで、おおよその金額を推測できます。一般的な住宅の足場費用相場が16万円から23万円で、人件費、交通費、足場会社の運営費の総額が12万円から15万円なので、中間マージンの相場は4万円から11万円程度と考えられます。 ただし、足場の設置・解体作業を自社施工できる塗装業者に依頼する場合や、施主が直接足場専門会社に発注する場合は、中間マージンが発生しないので、足場費用を抑えることができます。 足場費用の計算方法 足場架面積を求める 足場費用を自分で計算するためには、まず足場架面積を求める必要があります。足場架面積は、以下の計算式で求めることができます。 足場架面積の計算方法:(家の外周+4m)×軒高=足場架面積(㎡) ここで、家の外周は家の横幅と奥行を2倍することで算出できます。軒高は、2階建ての場合は6.3m、3階建ての場合は8.5mが目安となります。また、「4m」は足場を設置するために必要な外壁面からの後退距離を表しています。 例えば、家の外周が30mの2階建て住宅の場合、足場架面積は以下のように計算できます。 (30m+4m)×6.3=214㎡ 足場架面積から足場費用を求める 足場架面積が求まったら、次は足場費用を計算します。足場費用は、以下の計算式で求めることができます。 足場費用の計算方法:足場架面積×単価=足場費用 足場の単価は、地域や業者によって異なりますが、一般的には700円/㎡から1,500円/㎡程度が相場です。 先ほどの例で、足場の単価を700円/㎡とすると、足場費用は以下のように計算できます。 214㎡×700円=149,800円 ただし、屋根の工事を同時に行う場合は、足場架面積がより広くなるため、軒高に8~10mほどの高さを加算して計算する必要があります。 このように、足場架面積と単価を掛け合わせることで、足場費用を概算することができます。ただし、実際の足場費用は、地域や業者、工事内容によって異なるため、正確な金額は見積もりを取る必要があります。 足場費用の計算方法を理解することで、見積もりの妥当性を判断する材料にもなるでしょう。 足場代を安くするには 足場費用を安くするポイントは、自社で足場を保有し、自社で設置できる業者に工事を依頼することです。 業者が自社で足場を保有していて、自社で足場を設置することができれば、足場の設置を外注に委託しないために外注費用が発生せず、安く足場を設置することができます。 ただし、優良な会社であれば足場を協力会社に依頼したとしても、お客様から不当に高く費用を取ることはありません。 足場費用を節約する2つの方法 足場費用を節約する方法は、相見積もりを取ることと、足場を保有している業者に依頼することの2つがあります。 相見積もりを取る際は、3社ほどの業者から見積もりを取り、比較することが重要です。業者によって料金体系は異なり、同じ作業でも費用に差が出ることがあるからです。複数の業者から見積もりを取ることで、最も費用対効果の高い業者を選ぶことが可能になります。ただし、あまりにも相場とかけ離れた金額を提示された場合は、悪徳業者である可能性があるので注意が必要です。 足場を自社保有している業者に依頼すると、足場のレンタル費用を節約できるため、その分を顧客へのコスト軽減に反映させることができます。足場を保有しているかどうかは、業者のホームページや問い合わせで確認することができます。  「足場費用は無料」がありえない理由 「足場費用は無料」と宣伝している業者が稀にいますが、原則として足場費用が無料になることはあり得ません。 足場設置には足場材料の調達費用、設置作業にかかる人件費など様々な費用がかかり、工事費全体の約20%を占めるほどです。そのため、多額の足場費用をゼロにすることは簡単にはできません。 仮に業者が「足場費用は無料」と主張しても、それは本来の無料とは異なり、他の費用に足場費用が上乗せされているだけと考えられます。「足場費用が無料」と宣伝する業者には、十分注意しましょう。 足場工事を依頼する際の注意点 足場を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。 足場業者を選ぶためには、施工実績が豊富であること、足場費用が相場に近いこと、口コミが良いことなどを注目しましょう。 施工実績が豊富な業者は、様々な状況に対応してきた経験と知識を持っているため、新たな現場でも適切に対応できる可能性が高いです。また、足場費用が相場から大きく逸脱している業者は、適切な価格設定ができていない可能性があります。相場に近い費用を提示している業者は、市場の動向を理解し、適切な価格設定をしていると推測できます。さらに、良い口コミを持つ業者は、顧客からの信頼を勝ち得ていることが多く、そのサービスの質も保証されていることが一般的です。 相場より安すぎる場合は注意が必要 足場の組み立てや解体は慎重に行うべき作業なのに、1日に何本も詰めて過密な工程になっている可能性があります。 その場合、事故やトラブルを誘発しやすい環境となり、結局はお客様が嫌な思いをすることになりかねません。 安すぎる価格は、トラブルやミスが起きる可能性が大きいため、安いからと言ってすぐには飛びつかず、なぜその価格になるのかを考えて見積書を見ることが大切です。 足場が無料と言われた場合 一部の業者、特に訪問販売で多いのが、足場を無料にすることでお得感を出し契約を急かす手法です。しかし、足場が無料になっているわけではなく、他の項目を高くして足場代分を取っているだけで、最終的な総工事費用は変わらないと考えましょう。 足場の設置は安全かつ質の高い外壁塗装をする上で必ず必要で、一般的な30坪ほどの家で15~20万円程度するものです。この分を無料にするのはあり得ない話なので、「キャンペーンでいまなら足場代が無料」などの売り文句には惑わされないようにしてください。

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