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大規模修繕で「無足場工法」が選ばれる理由は?従来工法との比較も解説!

無足場工法のゴンドラ

近年、建物の大規模修繕工事において注目を集めている「無足場工法」。この革新的な工法は、従来の足場を使用する方法とは一線を画す効率性と安全性を兼ね備えています。
弊社、ゆうき総業は、高層ホテルやマンションが多く、同時に敷地の余裕が少ない仙台市で数少ない無足場工法を取り扱える施工業者で、他社では断られたような難工事も、豊富な経験・ノウハウと独自のアイデアで解決策を導いています。

本記事では、そんな当社だからこそお伝えできる無足場工法のいろはを、実際の施工事例を交えて包括的に解説していきます。

修繕・塗装工事における「無足場工法」とは?

皆さんは「無足場工法」という言葉を聞いたことがありますか?大規模修繕工事において、この工法が注目を集めています。簡単に言えば、無足場工法とは文字通り足場を組まずに建物の外壁などを修繕する方法です。

従来の工事では、建物の周りに足場を組み立てるのが一般的でした。しかし、無足場工法では、主に2つの方法で作業を行います。

  1. ロープアクセス工法:専門の技術者が建物の屋上からロープを使って降下し、壁面で作業を行います。
  2. ゴンドラ工法:建物の屋上や壁面に設置したレールに吊るしたゴンドラから、作業員が修繕を行います。

これらの方法により、足場を組む手間と時間を大幅に削減できるだけでなく、居住者の日常生活への影響も最小限に抑えることができます。また、足場を組むスペースが限られている場所でも、効率的に作業を進められるのが大きな利点です。

このように、無足場工法は、高層マンションや複雑な構造の建物の修繕において、特に有効な選択肢となっています。

次は、この工法がもたらす具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。

「無足場工法」の4つのメリット!事例を交えて紹介

大規模修繕工事において、無足場工法の採用が増えています。この工法には、従来の足場を使用する方法と比べて、いくつもの優れた点があります。ここでは、その主なメリットについて詳しく見ていきましょう。

足場の設置・撤去が不要で、「コスト」を大幅カットできる

無足場工法の最大の利点は、コスト削減と工期短縮にあります。足場の設置・撤去が不要なため、その分の費用と時間を大幅に削減できます。

例えば、ある事例では総工費を20%以上抑えることができたという報告もあります。また、工期も通常の3分の2程度に短縮されることが多く、居住者への影響を最小限に抑えられる点も見逃せません。

下記に、弊社、ゆうき総業が担当した工事の中でも、大幅なコスト削減のため、無足場工法が採用された具体的な事例をご紹介します。

「病院の外壁塗装」でのコスト削減事例

 

10階建ての病院では、最上階にある塔屋の外壁塗装の依頼がありました。屋上への足場搬入のために、さらに足場を設置しなければならず、莫大なコストがかかることが予想されました。
そこで、ゴンドラを吊る無足場工法を提案しました。ゴンドラはエレベーターで搬入が可能なため、昇降用足場やラフターなどの費用もすべてカットし、コストを大幅に抑えることができました。

工事期間を最大1週間短縮可能に

従来の工法では、作業開始前に足場の組み立てが必要でした。これには通常2〜3日かかり、作業終了後の解体にも同程度の時間を要します。
無足場工法では、この足場の設置・撤去作業が完全に省略されるため、工事期間を最大で一週間短縮することが可能になります。これは、特に短期間での完了が求められる場合や、天候に左右されやすい時期の施工において大きな利点となります。

さらに、足場設置のための準備期間も不要となるため、工事の日程をより柔軟に設定できます。急を要する補修や改修工事にも迅速に対応できるのです。

安全性や景観を損ねることなく営業が継続可能

無足場工法では足場や養生ネットが不要なため、建物の外観をほぼそのまま保つことができます。特に、ホテルや商業施設など、外観が重要な役割を果たす建物では、最大のメリットと言えるでしょう。

また、外観だけでなく、建物への出入りもスムーズになり、営業活動や日常生活への影響を最小限に抑えられます。工事中でも顧客や住民は通常通りに建物を利用でき、ビジネスの継続性が保たれます。

さらに、自然光の遮断も避けられ、室内環境の快適性も維持されるため、オフィスや住宅などでも、工事中の生活の質を高く保つことができるのです。

足場が設置できない「狭く複雑」な場所でも工事ができる

無足場工法は、狭い場所や複雑な構造の建物でも効率的に作業ができる点も特筆すべきです。
従来の足場では設置が困難だった狭小地や、建物の形状が複雑な箇所でも、ゴンドラや特殊な機材を使用することで柔軟に対応できます。これにより、都市部の狭小マンションなど、これまで改修が難しかった物件でも効率的な工事が可能になりました。

足場を組むことが難しい箇所で、無足場工法が採用された具体的な弊社の事例をご紹介します。

「足場設置が困難な老舗旅館」の事例

ある老舗旅館では、建物直下に大きな川が流れており、足場を組むことが不可能でした。このため、どの塗装業者にも断られていました。

しかし、無足場工法を採用することで、ゴンドラや高所作業車を併用しながら外壁塗装と内部の大規模修繕工事を行うことができました。

「足場設置が困難な集合テナントビル」の事例

8階建ての集合テナントビルでは、隣地にある民家の屋根が原因で足場を組むことができませんでした。
このため、無足場工法を採用し、民家の屋根に養生を施し、着地するための許可も得ました。足場では重量に耐えられなかったであろうこの現場でも、無足場工法が大いに活躍しました。

無足場工法は、このように多くのメリットを持つ革新的な工法です。しかし、すべての状況に適しているわけではありません。次は、この工法のデメリットについても検討し、どのような場合に最適な選択となるのかを見ていきましょう。

「無足場工法」にデメリットはあるの?

大規模修繕工事における無足場工法は、多くの利点がある一方で、いくつかの課題も存在します。ここでは、無足場工法の主な課題とその対策について詳しく見ていきましょう。

無足場工法では作業に制限が出る場合も

無足場工法は、建物の形状や屋上のスペースによって作業が制限されることがあります。例えば、三角屋根や建物の一部が突出している場合、ロープやゴンドラの設置が難しくなることがあります。また、ゴンドラに乗車できる人数が限られているため、少人数での作業となり、場合によっては効率が低下して工期が長引く可能性もあります。

この問題を解決するためには、事前に建物の形状を詳細に調査し、無足場工法が適用可能かを確認することが重要です。また、特殊な器具やアンカーを使用することで、これらの制限を克服できる場合もあります。また、ゴンドラを使用する場合でも、効率的な作業計画を立てることで、少人数での作業を補うことが可能です。

施工後の確認が困難

無足場工法では、施工後の確認作業が困難な場合があります。特に、居住者や施主が自分の目で施工後の状態を確認したい場合、この点がデメリットとなります。

この問題に対しては、ドローンを使用して高所の作業を監視し、施工後の確認作業を行うことで、チェック体制を強化することができます。

また、作業の進捗に応じて定期的に点検を行い、品質管理を徹底することも重要です。さらに、高性能カメラやセンサーを活用することで、詳細な検査と記録が可能になります。

ドローン点検については下記記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

大規模修繕で「無足場工法」が選ばれる理由は?従来工法との比較も解説! | 大規模修繕
大規模修繕でのドローン点検のメリットとは?従来の点検とも比較!

近年、建築物の大規模修繕において、ドローンを活用した点検作業が急速に普及しています。従来の高所点検における課題を解決し、効率的かつ安全な点検を可能にするドローン技術。その魅力と課題について、詳しく見ていきましょう。 大規模修繕で「ドローン点検」が大注目! 大規模修繕の現場で、ドローンを活用した点検作業が注目を集めています。この背景には、ドローン技術の進化と従来の高所点検における課題の解決があります。高性能カメラやセンサーを搭載したドローンの登場により、建物の細部まで鮮明に撮影できるようになりました。さらに、AI技術の発展で、撮影画像から建物の劣化状況を効率的に分析することが可能になりました。 従来の高所点検では、安全面での懸念や高額な費用、時間の制約といった課題がありました。足場の設置やゴンドラの使用には転落事故のリスクが伴い、多大な時間とコストがかかっていたのです。また、足場の設置が難しい場所では点検自体を断念せざるを得ないケースもありました。 ドローン点検は、これらの課題を効果的に解決します。人が直接アクセスしにくい場所でも、安全かつ迅速に点検を行えるようになりました。足場の設置が不要になることで、コストと時間の大幅な削減にもつながります。 さらに、短時間で広範囲を撮影できるため、より詳細かつ網羅的な点検が可能になりました。 このような理由が、大規模修繕におけるドローン点検の急速な普及を後押ししているのです。 「ドローン点検」って何がすごい? マンションやビルの大規模修繕点検。従来の方法では、時間とコストがかかり、作業員の安全性にも課題がありました。しかし、ドローン技術の進歩により、これらの問題を一気に解決できる可能性が出てきています。 ここではは、大規模修繕点検にドローンを活用するメリットについて従来の方法と比較しながら、詳しく見ていきましょう。 従来の点検方法との比較: 項目 ドローン点検 従来の点検 安全性 ○ × コスト ○ △ 作業時間 ○ × データの正確性 ○ △ アクセス性 ○ △ データの利用 ○ × 〇: 優れている △: 一部の改善が必要 ×: 課題が多い 「危険な場所」も安全かつ詳細に点検できる ドローンの活用により、高所作業や危険な場所での点検が不要となります。これまで作業員が直接アクセスしなければならなかった場所も、ドローンが安全に撮影し、詳細なデータを収集します。足場の設置や特殊な安全装備も最小限に抑えられるため、作業員の安全性が大幅に向上します。建物の所有者や管理者にとっても、安全管理の負担が軽減されるという大きなメリットがあります。 「点検費用」を大幅カットでき、修繕工事に費用を充てられる ドローンを使用することで、足場の設置や専門作業員の長期雇用が不要となり、点検にかかるトータルコストを大幅に削減できます。従来の方法では、足場の設置だけでも多額の費用がかかっていましたが、ドローンならその費用を抑えられます。 また、点検期間の短縮により、人件費も削減できます。この結果、限られた予算をより効果的に活用し、修繕工事自体により多くの資金を充てることが可能になります。 「作業時間」も大幅カットで、コストを節約できる ドローンを使用した点検は、従来の方法と比べて驚くほど迅速です。数日かかっていた点検作業が、わずか数時間で完了することも珍しくありません。この時間短縮は、建物の使用者や居住者への影響を最小限に抑えるだけでなく、点検結果の早期取得により、修繕計画の立案や実施をスピーディに進められるというメリットもあります。時間の節約は、すなわちコストの節約にもつながります。 人間よりも「正確で詳細」な点検ができる 高解像度カメラや各種センサーを搭載したドローンは、人間の目では見落としがちな微細な損傷や劣化も捉えることができます。これにより、より正確で詳細な点検が可能になります。さらに、収集したデータはデジタル化されているため、過去のデータとの比較や、AIを活用した分析も容易になります。このような高精度なデータ取得は、長期的な建物管理において非常に有用です。 また、動画撮影が可能なので、iPadなどでお客様に動画をご覧いただくことも可能になります。普段見られない部分を見られるため、喜ばれることが多いです。 ドローンを活用した大規模修繕点検は、建物管理の未来を大きく変える可能性を秘めています。安全性の向上、コスト削減、作業時間の短縮、そして高精度なデータ取得。これらのメリットは、建物の所有者や管理者、そして居住者にとって大きな価値をもたらします。 「ドローン点検」は簡単に導入できるわけではない? ドローン技術の進化により、様々な産業で点検作業の効率化が進んでいます。しかし、その導入には克服すべき課題もあります。ここでは、ドローン点検導入に関する主要な3つの課題と、それぞれの効果的な対応策について詳しく解説します。 バッテリー寿命が短く、天候にも左右されやすい ドローン点検の実用化に向けて、技術面での課題解決が不可欠です。特に重要なのが、バッテリー寿命の延長と気象条件への対応です。 しかし、最新のリチウムイオンバッテリーの採用や、効率的な飛行ルートの設計により、長時間の運用が可能になってきました。また、防水・防塵性能の向上や、強風下での安定飛行技術の開発により、より幅広い気象条件下での運用が実現しています。 これらの技術革新により、ドローン点検の信頼性と実用性が大きく向上しています。 法規制があり、商用利用には「許可や証明」が必要 ドローンの商用利用には、各国の法規制への厳格な対応が求められます。日本では、改正航空法に基づく飛行許可の取得や、操縦者の技能証明が必要となる場合があります。 また、プライバシー保護や情報セキュリティに関する配慮も不可欠です。これらの法的要件を満たすため、専門知識を持つ人材の育成や、社内規定の整備が重要になります。 適切な対応により、安全かつ合法的なドローン運用が可能となり、社会的信頼も獲得できます。 「ドローンのみ」で完結できるわけではない ドローン点検を導入する際、従来の点検方法を完全に置き換えるのではなく、両者を適切に組み合わせることで、より効果的な点検体制を構築できます。例えば、ドローンによる広範囲の初期スクリーニングを行い、詳細な調査が必要な箇所を特定した上で、人による精密点検を実施するといったアプローチです。 このような統合的なアプローチにより、点検の効率性と精度を両立させ、コスト削減と安全性向上の両面でメリットを享受することが可能となります。 「ドローン点検」による大規模修繕の変化に期待大! ドローン点検は、大規模修繕における革新的なソリューションとして急速に普及しています。安全性の向上、コスト削減、作業時間の短縮、そして高精度なデータ取得など、多くのメリットをもたらす一方で、技術面や法規制面での課題も存在します。 しかし、これらの課題に対する解決策も着実に進展しており、ドローン点検の可能性はますます広がっています。従来の点検方法とドローン技術を適切に組み合わせることで、より効果的かつ効率的な建物管理が実現できるでしょう。 ドローン点検は、大規模修繕の未来を大きく変える可能性を秘めています。建物所有者、管理者、そして居住者の皆様にとって、より安全で快適な環境を維持するための強力なツールとなることでしょう。

そもそも「対応できる業者」が少ない

無足場工法には高度な技術と豊富な経験が必要であり、対応できる業者が限られています。
現在、無足場工法に対応できる技術者を育成するための研修や教育プログラムを業界全体で導入し、技術力の向上を図ることが求められているのが現状です。このため、業者選定の際には、過去の実績や技術力を重視し、信頼できる業者を慎重に選ぶことが重要です。

無足場工法は、特定の条件下では非常に効果的な工法ですが、これらの課題を十分に理解し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

特に東北エリアでは、無足場工法の取り扱い業者が少ないと言われていますが、その中でもゆうき総業では無足場工法の施工実績が圧倒に多くあり、これらの課題に対して適切なご提案ができる強みがあります。

それでは、実際にどのような場合に、無足場工法が活躍するのかご紹介します。

「無足場工法」の向いている建物は?従来工法との違い
雨漏り修繕工事

大規模修繕工事において無足場工法の採用が増えていますが、すべての建物で適用できるわけではありません。では、どのような条件で無足場工法が効果を発揮し、またどのような場合に適さないのでしょうか。

ここでは、無足場工法と、従来から広く使われている足場付き工法を比較し、それぞれの特徴や適用シーンについて詳しく見ていきましょう。

主な項目の比較

無足場工法と従来の足場付き工法には、それぞれ独自のメリットとデメリットがあります。以下の表で、主要な項目について比較してみましょう。

項目 無足場工法 足場付き工法
コスト 低い 高い
工期 短い 長い
安全性 高い やや低い
適用範囲 限定的 広範囲

この表から、無足場工法は特にコストと工期の面で優位性があることがわかります。一方で、足場付き工法は適用範囲が広いという特徴があります。

「無足場工法」が向いている建物タイプ

無足場工法は、特に以下のような建物や状況で活躍します。

  • 20階以下の高層マンション
  • 安全確保が最優先
  • 周辺に十分なスペースがない都市部の建築物
  • 足場の設置が困難な特殊な形状の建物
  • 短期間でかかる費用をできる限り安くしたい

これらのケースでは、従来の足場を組む方法と比べて、工期の短縮やコスト削減、居住者の負担軽減などの利点が顕著に現れます。

「無足場工法」の適用が難しいケース

一方で、以下のような状況では無足場工法の適用が難しく、従来の足場を使用する必要があります。

  • 大規模な構造補修が必要な場合
  • 20階以上の高層ビル(20階以上)
  • 建物の構造上、ゴンドラの設置が困難な場合
  • 曲線や凹凸が多いデザイン
  • 法規制によりゴンドラの使用が制限される地域

工法の選択は、建物の特性や工事の目的、予算、スケジュールなど、様々な要因を総合的に考慮して決定する必要があります。専門家と相談しながら、最適な工法を選択することが重要です。

仙台を中心とした東北・首都圏エリアで「無足場工法」は、ゆうき総業までご相談を

無足場工法は、従来の工法では対応が困難だった現場や状況において、その真価を発揮します。コスト削減、工期短縮、安全性向上など、多くのメリットを持つこの工法は、今後の大規模修繕工事において重要な選択肢となるでしょう。

とはいえ、これはすべての施工業者が取り扱えるわけではありません。当社のお客様にも「どこの塗装工事店にも断られて…」とご相談いただくケースが多く、まだ主流でない施工方法だからこそ、確かな技術力と実績を備えた信頼できる業者を選定することが重要です。

当社では、東北・仙台および首都圏エリアで「無足場工法を取り扱える施工業者」として大規模改修・修繕工事を施工しております。無足場工法をご検討のオーナー様はぜひ一度お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

大規模修繕で「無足場工法」が選ばれる理由は?従来工法との比較も解説! | 大規模修繕

結城 伸太郎

職歴:27年

得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務

保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他

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