ホテルや旅館の改修工事の周期は何年?築年数や箇所ごとの目安を解説

「そろそろ、うちのホテルや旅館も、どこか手を入れる時期かな?」
そうお考えのオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。
ホテルや旅館を経営する上で、建物の改修・修繕は、お客様に気持ちよく過ごしていただき、長く愛される宿であり続けるために、とても大切なことです。
しかし、「いつ実施すべきか」というタイミングは、多くの方が頭を悩ませるポイントではないでしょうか。
この記事では、ホテル・旅館のリニューアル工事・改修工事について、最適なタイミングや箇所ごとの目安を、分かりやすくご説明します。
費用対効果を高めつつ、お客様に「また来たい!」と思っていただける、そんな改修・修繕計画を一緒に考えていきましょう。
目次
なぜホテルや旅館に定期的な改修・修繕が必要?
ホテルや旅館にとって、定期的な改修・修繕は、なぜ大切なのでしょうか?
それは、建物の老朽化や設備の劣化が、お客様の快適性や安全性、そしてホテルの収益に、直接的に影響するからです。
人でいうと健康診断のようなもの。
時間の経過とともに、建物は少しずつ傷み、設備も古くなって使い勝手が悪くなるのは、ある程度避けられないことです。
実は、日本のホテルや旅館は、築年数が経過している施設が多いのです。
デロイト トーマツ グループの調査によると、国内の既存ホテルの約60%以上が築30年を超えており、これらの施設では収益の低下がみられるというデータもあります。(出典:デロイト トーマツ グループ)これは、建物の老朽化が、競争上不利になる要因の一つになっていることを示しています。
具体的なリスクと、定期的な改修・修繕の必要性については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【ホテル・旅館向け】集客を最大化する戦略的「大規模改修」とは?
施設の老朽化が進む中、安全性や快適性を保ち、資産価値を維持することは、ホテルや旅館にとって欠かせない課題です。しかし、大規模改修や修繕工事を計画する際には、工事のタイミングや費用、営業中の対応策など、クリアすべきポイントが多くありますよね。 そこでこの記事では、他ではまだ語られていない、集客力向上に直結する【戦略的な大規模改修】の考え方を初公開いたします。 宿泊業界の最新トレンドを踏まえ、老朽化したホテル・旅館に大規模改修がなぜ今必要なのか、その理由を深掘りします。 さらに、競争が激化する市場で勝ち抜くための戦略的な改修ポイント、最適な実施タイミング、そして弊社独自の改修方法まで、ホテル・旅館の大規模改修を成功に導くための「すべて」を徹底解説いたします。 ホテル・旅館の大規模改修の目的は?どんなことをする? ホテルや旅館の大規模改修とは、建物全体にわたる工事のことで、単に古くなった部分を直すだけでなく、安全性や快適性を向上させ、お客様に選ばれる施設へと再生するために行われます。 (ちなみに、「修繕」は、劣化した建物や設備を元の状態へ回復させる工事のことを言います。) 一般的に、以下のような工事内容が挙げられます。 工事の種類 目的 具体例 外装工事 建物の老朽化を防ぎ、安全性と外観の美しさを維持する 外壁のひび割れ補修、防水工事、屋根の修繕 設備更新 快適な環境を維持し、設備故障やトラブルを未然に防ぐ 老朽化した空調の交換、給排水設備や電気配線の更新 耐震補強工事 地震による建物の崩壊リスクを軽減し、災害時の安全性を高める 耐震診断をもとにした建物の構造補強工事 バリアフリー対応 高齢者や車椅子利用者にも優しい施設として、利便性と快適性を向上させる エレベーターの設置、段差の解消、手すりの取り付け エネルギー効率改善 光熱費削減と環境負荷軽減を両立し、持続可能な運営を実現する LED照明の導入、高効率な空調システムや省エネ給湯設備の設置 内装リニューアル 空間のデザイン性を高め、顧客満足度とリピーター率を向上させる 客室やロビーの壁紙・床材の張り替え、家具や設備の更新、新しい内装デザインの導入 大規模改修や修繕は、施設全体の機能性や安全性を高めると同時に、顧客満足度の向上や運営コストの削減にもつながります。具体的な工事内容を明確にし、計画的に進めることで、施設の魅力を大幅にアップさせることができるのです。 ホテルや旅館に大規模改修が求められる理由と背景とは? ホテルや旅館は、施設としての魅力や安全性を維持するために、定期的な大規模改修が不可欠です。特に近年、建物の老朽化や法的要件の変更、そしてお客様のニーズの多様化により、改修の必要性がさらに高まっています。 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。 1. 建物の老朽化や設備の劣化が与える影響 老朽化が進んだ施設は、見た目や機能性の面で新しいホテルに劣り、顧客満足度に直接的な影響を及ぼします。 外観や内装の老朽化:外壁の汚れや塗装の剥がれ、古びたデザインの内装は、施設の魅力を損なう要因となり、顧客に「時代遅れ」という印象を与えることがあります。 設備の劣化による不便さ:エアコンや給排水設備などのトラブルは、宿泊者の快適な滞在を阻害し、施設の評価を低下させる一因となります。 競争力の低下:新しい設備やデザインを備えた施設が増える中、老朽化したホテルは顧客の選択肢から外れやすくなります。 これらの問題に対処するためには、大規模改修による抜本的な改善が欠かせません。 2. インバウンド需要の増加とお客様ニーズの変化 インバウンド需要の高まりに伴い、海外からの宿泊客が増加しています。訪日観光客は、日本独自の文化を体験したいと望む一方で、快適性や機能性も重視しています。そのため、和の伝統美と現代的な快適さを融合させた「和モダン」な内装が求められています。 和モダンな内装の導入: 伝統的な和の要素を取り入れつつ、現代的なデザインや機能性を加えることで、外国人観光客にも受け入れられやすい空間を提供できます。例えば、和風の客室にベッドを設置するなどの工夫が考えられます。 これは、従来のスタイルからニーズが変化した日本国内の観光客にも言えます。 環境に配慮した設備の導入: 省エネ性能の高い設備や再生可能エネルギーの活用、廃棄物削減のためのシステムを導入することで、環境意識の高い外国人観光客の期待に応えることができます。 3. 法的要件や安全基準の変更への対応 建築基準法やバリアフリー法などの規制は定期的に改正されており、施設運営者は最新の基準に適合させる必要があります。特に以下のような項目が重要です。 消防設備の改善:スプリンクラーや非常口など、防災設備の設置が義務付けられる場合があります。 耐震基準の強化:日本の地震多発地域において、最新の耐震基準に適合する建物であることは必須です。 4. バリアフリー、省エネ、SDGsなどへの対応 現代の宿泊施設には、社会の要請に応える改修が求められます。これには以下が含まれます。 バリアフリー対応:段差の解消や車椅子用トイレの設置など、すべての宿泊客が快適に利用できる施設づくり。 省エネ設備の導入:LED照明や高効率空調システム、太陽光発電設備を導入することで、エネルギー使用量を削減しつつランニングコストも削減。 SDGs対応:環境に配慮した施設運営は、持続可能な観光地としての評価を高めます。 5. ブランドイメージの向上と集客力増強 大規模改修は、施設の外観や内装を一新し、ブランドイメージを向上させる絶好の機会です。時代に合ったデザインや最新設備を取り入れることで、宿泊客の満足度が高まり、リピーターの増加や新規顧客の獲得につながります。 また、改修後のリニューアルオープンを積極的にアピールすれば、施設の注目度が上がり、競合との差別化も実現します。改修工事を経営戦略の一環として捉えることが、集客力強化の鍵となります。 大規模改修のタイミングは「戦略的」な視点で考えよう! 大規模改修を検討する際には、「内装や設備の劣化のサインがみられる」というのが基本的な判断材料になりますが、実はそれは本質的なものではありません。 大規模改修は、頻繁に行えるものではありません。そのため、単に古さを解消するだけでなく、長期的な視点で"選ばれる理由を作り上げる"ことが重要なのです。 このような観点を考慮した上で、改修のタイミングを見極める必要があります。 1. 顧客満足度(口コミ)に施設の古さや劣化のレビューが目立つ場合 口コミサイトなどで施設の古さや劣化に関する低評価が増えてきた場合は、大規模改修を検討すべき時期です。特に、リピート客からの指摘は、施設の改善が必要である明確なサインとなります。 例えば、「空調が古い」「設備が使いにくい」などの意見が増えると、新規顧客だけでなく、リピーター離れにもつながります。これらの声に素早く対応することで、施設の評価を向上させることができます。 2. 業界トレンドに遅れを感じる場合 近年の宿泊業界では、環境への配慮やデジタル化など、顧客ニーズの多様化が進んでいます。例えば、省エネ設備の導入やスマートキーシステムの採用などが求められるケースが増えています。これらのトレンドに遅れると、競争環境での優位性を失う可能性があります。 また、内装デザインをトレンドに合わせて刷新することで、施設のイメージアップや新規顧客の獲得につながります。 3. ソフト面だけでは、激化する競合と差別化出来ない場合 ホテル業界は新規参入が非常に多く、競争が激しくなっています。 ソフト面での改善、例えばサービスの質の向上や顧客対応の強化でなんとかしようとする旅館・ホテルも多いですが、現在の宿泊業界においては、もはやソフト面の改善だけでは競争優位性を確保することは難しくなっています。 そのため、ソフト面だけで競合との差別化が図れない場合は、ハード面を変えることを検討する必要があります。顧客が求める「宿泊体験」を提供するためには、施設そのものの改修が必要不可欠なのです。 4. 事業承継やM&Aのタイミング 事業承継やM&Aの後、新しいオーナーが経営戦略を立て直すために大規模改修を行うことは、事業価値の向上に直結します。特に、老朽化した施設では、改修を通じて顧客の期待に応える現代的な設備や内装を導入することで、競争力を強化し、経営の再スタートを円滑に進められる環境を整えることができます。 また、これにより施設のブランド価値が向上し、将来的な成長基盤を確立することが可能となります。 5.法規制や安全基準の変更 建築基準法や消防法、バリアフリー法などの法規制は、時代とともに改正されることがあります。 求められる耐震・防火基準を素早く満たすこと、いちはやく安全・安心な環境をつくることは、 お客様からの安心・信頼を獲得し、ひいては、選ばれる理由となります。 また、災害時の地域の安全拠点としても、信頼を獲得できます。 6.収益性や資金調達のタイミング 改修・修繕には多額の費用がかかるため、収益状況や資金調達のタイミングも、実施時期を決める上での重要なポイントとなります。 例えば、低金利の融資制度を利用できる時期や、国や地方自治体の補助金・助成金制度を活用できるタイミングに合わせて、改修・修繕計画を立てれば、費用負担を減らせます。 また、改修・修繕による投資対効果(ROI)を考慮し、5〜10年で初期投資を回収できるような、無理のない計画を立てることが大切です。 ホテル・旅館の大規模改修工事の進め方と期間 ホテルや旅館の大規模改修工事は、施設運営を続けながら工事を進める必要があるため、事前の計画や調整が特に重要です。また、マンションや工場などの大規模改修と異なり、改修そのものが経営に大きく直結するため、戦略的な改修計画が必要です。 ここでは、改修工事の進行ステップと工事期間について詳しく解説します。 計画から完了までのステップ 一般的に、改修工事は以下のようなステップで進められます。 現状調査と問題点の把握 施設の現状を徹底的に調べ、建物や設備の問題点を洗い出します。この段階では、外壁の劣化や設備の故障箇所など、改修が必要な部分を明確にすることが大切です。 リブランディングと戦略の策定 改修後の施設がどのような価値を提供するのかを明確にする工程です。改修後の目標やコンセプトを設定し、顧客層や提供するサービスの方向性をリブランディングを通じて決定します。これにより、単なる修繕ではなく、施設全体の競争力を高める改修計画を進める基盤を作ります。 改修計画の策定 現状調査と戦略の結果をもとに、改修の優先順位や施工範囲、スケジュールを決めます。また、工事に必要な予算についても、この段階で大まかな見積もりを立てます。 設計と業者の選定 改修内容に基づいて詳細な設計図を作成し、施工する業者を選びます。選ぶ際には、工法や実績、コスト面を総合的に検討しましょう。 施工準備 工事を始める前に、宿泊されているお客様への影響を最小限に抑えるための施工計画を立てます。騒音や振動への対策、工事中の安全管理体制の整備もこの段階で行います。 工事の実施 実際の工事は、内装リニューアル、外壁補修、防水工事、設備更新などの各工程に分かれて進められます。進行状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を修正します。 完工と検査 工事が完了したら、仕上がりを確認するための検査を行います。問題が見つかった場合は、速やかに修正対応を実施します。 工事期間の目安 改修工事にかかる期間は、規模や内容によって異なりますが、一般的には以下を目安としてください。 小規模改修(客室や共用部の内装リニューアルなど):約1ヶ月~3ヶ月 中規模改修(外壁補修、防水工事など):約3ヶ月~6ヶ月 大規模改修(建物全体の改修や設備更新など):6ヶ月以上 工事期間は、施設の稼働状況や季節要因も考慮して調整する必要があります。特に、繁忙期の工事は避け、稼働率が下がる時期を選ぶのが一般的です。 営業中のホテル・旅館は「お客様への配慮」が最優先! ホテルや旅館の場合、営業を続けながら改修工事を行うことが求められる場合が多いです。その際に大切なのが、宿泊されているお客様への配慮です。具体的には、以下のような工夫が求められます。 騒音・振動対策:工事の時間を宿泊客が少ない時間帯に設定したり、防音設備を活用したりします。 景観への配慮:外装工事の場合、目立たない工法(例:無足場工法など)を採用します。 進行状況を明確に:工事のスケジュールや進捗をお客様にお知らせし、不安を軽減します。 これらの対応を徹底することで、工事中でもお客様の満足度を維持しながら改修を進められます。 ホテル・旅館の改修費用はどれくらい? 大規模改修にかかる費用は、その規模や内容によって大きく異なります。たとえば、客室や共用部の内装リニューアルといった小規模改修であれば数百万円から数千万円程度、外壁補修や防水工事などの中規模改修では数千万円規模、大規模な設備更新や建物全体の改修では1億円を超える場合もあります。 予算管理のポイント 工事範囲と優先順位を明確にする: 改修の目的を明確にし、優先順位をつけることで無駄を省きます。 事前調査を徹底する: 隠れた劣化箇所を把握し、追加費用の発生を防ぎます。 複数の見積もりを比較する: 信頼できる業者を選定するために、複数の見積もりを取得しましょう。 段階的な工事を検討する: 予算に応じて、段階的に進める方法も有効です。 費用削減の工夫 補助金や助成金を活用することで、費用負担を軽減できます。省エネ設備の導入や耐震補強など、適用可能な補助金について事前に調査しましょう。 宿泊客に負担をかけない!ゆうき総業の「無足場工法」による改修とは? ホテルや旅館の改修工事では、施設の営業を続けながら工事を進めることが求められます。 オーナーの皆様が最も懸念されるのは、宿泊者への影響や施設の景観維持ではないでしょうか。工事中の騒音や視覚的な障害は、ゲストの快適さを損ない、施設の評価にも影響を及ぼす可能性があります。 宿泊客・利用客のクレームゼロへ!無足場工法の活用 これらの課題を解決する手段として、「無足場工法」という工事方法があります。この工法では、従来のような足場を組まずに、ゴンドラや高所作業車を活用して施工を行います。その結果、以下のメリットが得られます。 足場設置の時間とコストを削減: 足場を組むための作業が不要なため、工事期間を短縮でき、費用も軽減されます。 騒音トラブルを回避: 足場設置や解体に伴う騒音や振動がないため、ゲストの滞在中でも快適さを維持できます。 景観を保ちながら工事可能: 建物を足場で覆わないため、施設の外観を損なうことなく工事が進められます。 狭いスペースや高層建築にも対応: 従来の工法では難しい現場にも柔軟に対応できます。 無足場工法は限られた業者のみが対応可能 しかし、無足場工法を安全かつ効果的に実施するには、高度な技術と経験が求められます。そのため、この工法に対応できる業者は限られているのが現状です。 当社、ゆうき総業は、無足場工法による豊富な施工実績を持ち、旅館やホテルの改修において多くの成功事例があります。他社が断るような難工事も、無足場工法を中心に、独自のアイデア・提案で解決しています。 >>>ゆうき総業の無足場工法について >>>ゆうき総業の「旅館・ホテル」の施工事例 まとめ:景観・宿泊者・コストすべてに配慮した工事ならゆうき総業へ ホテルや旅館の大規模改修は、単なる修繕ではなく、施設の価値を高める絶好のチャンスです。 この記事では、計画の立て方や工事の進め方、費用感について簡潔にお伝えしました。特に、顧客満足度を向上させ、競争力を強化するには、リブランディングや戦略的な改修が欠かせません。 ゆうき総業では、無足場工法によるコスト削減と短期間での工事を実現し、宿泊客・利用客のクレームゼロを目指した工事計画をご提案しています。さらに、6,000件以上の実績や多能工による高品質なサービスなど、圧倒的な強みで、選ばれ続けています。 ホテルや旅館の大規模改修・修繕でお悩みの際は、ぜひゆうき総業にご相談ください。 >>>旅館・ホテルのオーナー向けページ
ホテルや旅館の改修工事、周期はどれくらい?
必要性が分かったところで、では「いつ実施すべき」なのでしょうか?
ここでは、一般的な改修工事の周期についてご説明します。
「築年数」で見る改修工事周期の目安
一般的に、建物は年数が経つにつれて劣化が進み、改修・修繕が必要になってきます。
特に、築10年、20年、30年は、大きな改修を考える時期の目安と言われています。
- 築10年頃: 外壁や屋上の防水、共用部分の内装などの劣化状況を確認し、必要に応じて修繕を検討しましょう。
- 築20年頃: 外装だけでなく、給排水や電気設備など、建物内部のインフラ部分の改修も検討する時期です。
- 築30年以降: 耐震補強を含めた大規模な改修を検討する時期と言えるでしょう。
ただし、これらは一般的な目安です。実際の建物の状態、予算などを考慮して、最適な時期を判断することが大切です。
「建物内部」の改修工事周期の目安
建物の内装は、お客様の快適性や満足度に直接影響を与える部分です。
箇所 | 改修周期の目安 | ポイント |
---|---|---|
客室 | 5年~10年 | 壁紙、カーペット、家具など、消耗品の定期的な交換で、お部屋の清潔感と快適さを保ちましょう。 |
共用部 | 3年~5年 | ロビーやエントランスは、ホテルの第一印象を左右します。デザインを新しくすることも検討しましょう。 |
建物内部の改修で大切なのは、お客様が長い時間を過ごす客室の清潔感と快適さを保つことです。
壁紙、カーペット、家具といった消耗品は、汚れや傷みが目立つ前に交換するよう心がけましょう。
また、ロビーやエントランスなどの共用部は、ホテルの「顔」です。
デザイントレンドを取り入れるなど、時代に合わせたリニューアルで、常に新鮮な印象を与えることが重要です。
「建物外部」の改修工事周期の目安
建物の外装も、外観の美しさを保つだけでなく、建物を長持ちさせるために大切な部分です。
箇所 | 改修周期の目安 | ポイント |
---|---|---|
外壁塗装 | 5年~7年 | 塗料の種類によって耐久年数は異なります。ひび割れや剥がれが見られる場合は、早めに専門家に相談しましょう。 |
屋上・外壁防水 | 10年~15年 | 防水機能が低下すると、雨漏りなどの原因となり、建物内部が腐食してしまうことも。専門家による点検を定期的に行いましょう。 |
シーリング工事 | 5年~10年 | 外壁の目地やサッシ周りなどのシーリング材(ゴム状の部材)の劣化を放置すると、雨漏りの原因となります。 |
外壁や屋上の防水機能が低下すると、雨漏りなどが発生し、建物内部の劣化につながります。
特に、普段あまり見る機会がない屋上は、状態の確認を忘れがちです。
「まだ大丈夫」と放置せず、外壁塗装やシーリング工事とあわせて、定期的な点検・メンテナンスを専門家に依頼し、防水機能をきちんと維持することが重要です。
また、外壁のひび割れ、剥がれ、シーリング材のひび割れ、やせ細りなど、目で見て確認できる劣化症状がある場合は、目安の年数に関わらず、早めに専門家に相談することをおすすめします。
特に、台風や大雨などの後は、建物がダメージを受けている可能性があるため、注意深く点検するようにしましょう。
「設備」の改修工事周期の目安
ホテルや旅館の快適な空間を維持するためには、各種設備の定期的なメンテナンスと更新も欠かせません。
項目 | 更新周期の目安 | ポイント |
---|---|---|
空調設備 | 10〜15年 | 客室用エアコン、業務用エアコンなど。定期的なメンテナンスと、最新の省エネ型への更新を検討。 |
エレベーター・昇降機 | 約20年 | 工事期間中は利用不可。利用客への影響を最小限に抑えるための対策を。 |
電気設備 | 15〜20年 | 受変電設備、分電盤、照明など。LED化で省エネ効果、空間演出効果も。 |
給排水・衛生設備 | 約15年 | 配管は材質や使用状況によって異なるため、定期的な点検と、必要に応じた交換・補修が必要。 |
消防設備 | 法令に基づく点検・メンテナンス | 非常口、消火器などは、法令で定められた点検とメンテナンスを確実に行い、安全性を確保しましょう。 |
設備は、お客様の目に直接触れることは少ないですが、ホテルや旅館の快適性を支える重要な役割を担っています。
空調設備の省エネ化や、照明のLED化は、快適性を高めつつ、コスト削減にもつながるため、特におすすめです。
また、エレベーターの更新や、給排水・衛生設備の点検・補修は、安全・安心な環境を維持するために欠かせません。
そして、消防設備は、お客様と従業員の命を守るための要。法令点検を確実に実施しましょう。

ホテルや旅館の大規模改修で消防設備の改修は義務?同時に必要な修繕とは
ホテルや旅館の経営者様、施設の消防設備は万全でしょうか? 消防法で定められた設備の設置・改修は、お客様の安全を守るために、とても大切なことです。 しかし、消防設備は普段あまり使わないので、 「消防設備って、どんな設備がいるの?」 「消防設備への投資は、本当に必要なのだろうか?費用対効果に見合うのか?」 「消防設備だけでなく、建物全体の老朽化も気になる。」 など、気になる点も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、ホテル・旅館の消防設備改修について、知っておくべき法律のポイントや必要な設備、そして合わせて大規模修繕を行った方がいい理由を、分かりやすく解説します。 なぜ重要?ホテル・旅館に消防設備改修が必要な理由 まずは、法律を守ること、そして何よりお客様の安全のために、なぜ消防設備改修が大切なのかを具体的にご説明します。 ホテル・旅館の消防設備の設置は「義務」 ホテルや旅館は、消防法で「特定防火対象物」というものに指定されています。 これは、多くの人が利用し、火災が起きた時に人命の危険性が高い施設、ということです。 消防法第17条では、特定防火対象物の関係者(オーナーなど)に対して、消防用設備の設置・維持管理を義務付けています。 具体的には、消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備(火災報知器)、誘導灯などを設置する必要があります。 これらの設備は、火災の早期発見はもとより、初期消火からスムーズな避難まで、被害を最小限に抑えるためになくてはならないものです。 第17条 消防用設備等の設置維持義務等 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従って、設置し、及び維持しなければならない。 (消防法第17条より引用) 消防設備の老朽化と法改正に合わせて改修を 消防設備は、使っていてもいなくても、時間の経過とともに老朽化し、性能が落ちてしまいます。 そのため、定期的な点検で何か問題が見つかった時はもちろん、耐用年数に合わせて計画的に改修することが大切です。 また、消防法の改正により、既存設備が新基準を満たさなくなる可能性もあります。 最近では、2024年4月に消防法が改正され、防火規制に関する基準が厳しくなったため、対応が必要となりました。 改修を怠ると、火事が起きた時に被害が大きくなるだけでなく、消防法違反で罰せられたり、損害賠償責任を負ったりする可能性もあります。 最悪の場合は、営業停止になることもあります。 なので、ホテルや旅館の運営にとって、消防設備の改修は、決して後回しにできないことなのです。 ホテル・旅館に必要な消防設備と改修ポイント ホテル・旅館に設置が義務付けられている消防設備は、大きく分けて「消火設備」「警報設備」「避難設備」「消防活動用設備」の4つがあります。 消火設備 消火器、スプリンクラー、屋内消火栓など、火災が起きた時に、初期消火をするための設備です。それぞれの場所に合った設備を選び、定期的な点検で古くなった設備を新しくすることが重要です。 警報設備 自動火災報知設備、非常ベル、放送システムなど、火災を早期に感知し、すぐに警報を発するための設備です。誤作動を防ぐため、設置場所や感知器の種類の見直しも検討が必要です。 避難設備 避難はしご、誘導灯、避難口誘導標識など、火災発生時に安全な避難経路を確保するための設備です。特に、停電時にも点灯する非常電源付き誘導灯など、安全・安心な避難環境の整備が求められます。 消防活動用設備 排煙設備、連結送水管、非常コンセントなど、消防隊の活動を支援するための設備です。これらの設備は、火災発生時の被害拡大を防止するため、確実な機能維持が求められます。 ホテル・旅館では、これら4つの消防設備を常に万全な状態にしておく必要があります。 定期的な点検は欠かさず、特に消防法が改正された場合は、新しい基準に適合しているか確認し、必要であれば速やかに改修を行いましょう。 消防設備は専門業者に依頼が必要 消防設備の設置や改修には、専門的な知識と技術が必要です。 消防法や建築基準法などで細かく定められているため、適切な設備を正しく設置・改修するには、「消防設備士」という国家資格を持つ専門業者に依頼する必要があります。 建物の構造や用途、利用人数などに合わせて、最適な消防設備を提案・設置してくれます。 改修工事は必ず専門業者に依頼し、法律を守り、安全を最優先に考えた計画を立ててもらいましょう。 また、改修工事後も、消防設備士による定期的な点検とメンテナンスを徹底しましょう。 同時に老朽化対策の改修・修繕が必須!その理由とは? 現代の宿泊業界は、新規ホテルやリブランドが次々と実施され、競争が激化しています。 お客様は、常に最新かつ快適な設備を求めており、部分的な改善だけではもはや選ばれる施設にはなりません。 消防設備の改修はもちろん重要ですが、それと同時に施設全体の老朽化対策は、現在の宿泊業界の背景を考えるともはや必須と言えます。 実際に、消防設備だけでなく、建物全体の老朽化対策も同時に行うと、多くのメリットがあります。 コスト削減 大規模修繕と消防設備改修を同時に行う最大のメリットは、コスト削減です。足場設置、仮設工事、養生、清掃、現場管理など、共通して発生する費用を大幅に削減できます。個別に工事を行う場合に比べ、総費用を10%~20%程度抑えられるケースも珍しくありません。 耐震性能の向上 求められるのは防火基準だけでなく、耐震基準もクリアしなくてはいけません。最新の耐震基準に対応した改修を同時に行うことで、地震などの災害に対する安全性を大幅に向上。人命と建物を守ります。 資産価値の向上 消防設備だけでなく、外壁、屋上防水などもまとめて改修することで、建物全体の美観・機能性が向上。建物の寿命を延ばし、資産価値を維持します。 顧客満足度のアップ 内装リニューアルや最新設備導入も同時に行えば、より快適な空間を提供でき、リピーター獲得・新規顧客開拓に貢献。競争力も強化します。 災害時の安心感 耐震補強や非常用設備も整備することで、災害時には地域の安全拠点としての役割も。地域貢献とホテルの信頼性向上につながります。 ゆうき総業なら、大規模修繕のプロとしてトータルサポート ゆうき総業は、ホテル・旅館の大規模修繕・改修工事で豊富な実績を持つ専門業者です。 消防設備工事自体は直接手掛けていませんが、大規模修繕のプロとして、以下の工事を得意としています。 外壁塗装工事: 建物の美観を保ち、寿命を延ばします。 防水工事: 雨漏りを防ぎ、建物の構造体を守ります。 左官工事: 内外装の壁を美しく仕上げます。 内装リノベーション: 客室や共用スペースを快適で魅力的な空間に生まれ変わらせます。 内装から外装まで、幅広い工事を自社で完結 ゆうき総業は、塗装、防水、左官、内装リフォームなど、建物の内装から外装まで、幅広い工事を自社施工で行います。 専門の職人チームが、客室内の木部塗装から聚楽壁(じゅらくへき)の塗り替えまで、細部にわたって丁寧に仕上げます。 下請け業者を使わないため、品質管理を徹底し、お客様のご要望にも柔軟に対応。工期の短縮も実現します。 トラブル時も安心!「お抱え業者」としてスピーディーな対応 ゆうき総業は、ホテル・旅館の設備や内装を熟知した「お抱え業者」として、万が一のトラブルにも、スピーディーに対応します。 「壁のタイルが剥がれた」「雨漏りが発生した」など、緊急を要する修理も、使用材料を在庫管理しているため、すぐに対応可能です。 無足場工法で、営業しながらの工事も可能 ゆうき総業が得意とする無足場工法は、足場を組まずにゴンドラや高所作業車で作業を行うため、ホテル・旅館の営業を妨げません。 お客様は、いつもと変わらず窓からの景色を楽しめ、ホテル・旅館の美観も損ないません。 足場を組む費用や時間も削減できるため、コストと工期を抑えたいお客様にもおすすめです。 また、他社では実現できない、足場を組むことが出来ないような難工事にも対応可能です。 ホテル・旅館の消防設備工事は改修工事と一緒に検討を! ここまでご説明してきたように、ホテル・旅館の消防設備改修は、法令遵守やお客様の安全確保のため「義務」であることはもちろんですが、「老朽化対策の一部」です。 消防設備改修だけでなく、耐震工事など他の老朽化対策のための改修工事も同時に検討しましょう。 同時に行うことで、以下の様なメリットが得られます。 コスト削減 耐震性能の向上 資産価値の向上 顧客満足度のアップ 災害時の安心感 「ゆうき総業」は、ホテル・旅館の大規模修繕・改修で豊富な実績を持つ、専門業者です。 国家資格を有する専門性の高い職人が多数在籍 内装から外装まで、大規模修繕を一貫して対応可能 「無足場工法」により、ホテルの景観を損ねず、営業への影響も最小限に 東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)で、ホテルや旅館の大規模改修・修繕でお悩みの際は、ぜひゆうき総業にご相談ください。 >>>ホテル・旅館のオーナー向けページ
周期はあくまで目安!リニューアル・改修工事のタイミングは戦略的に!
とはいえ、ホテルや旅館の改修・修繕は、先ほど紹介した一般的な周期だけでなく、それぞれの施設の状況や外部環境の変化によって、周期やタイミングが異なります。
その際、ただ「そろそろかな…」と改修するのではなく、改修工事を経営戦略の一環として捉えることが大切です。
以下の様な視点で、改修のタイミングを見極めましょう。
- 顧客満足度(口コミ)に施設の古さや劣化のレビューが目立つ場合
- 業界トレンドに遅れを感じる場合
- ソフト面だけでは、激化する競合と差別化出来ない場合
- 事業承継やM&Aのタイミング
- 法規制や安全基準の変更
- 収益性や資金調達のタイミング
集客を最大化するための戦略的な大規模改修について、以下で詳しく解説しています。
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【ホテル・旅館向け】集客を最大化する戦略的「大規模改修」とは?
施設の老朽化が進む中、安全性や快適性を保ち、資産価値を維持することは、ホテルや旅館にとって欠かせない課題です。しかし、大規模改修や修繕工事を計画する際には、工事のタイミングや費用、営業中の対応策など、クリアすべきポイントが多くありますよね。 そこでこの記事では、他ではまだ語られていない、集客力向上に直結する【戦略的な大規模改修】の考え方を初公開いたします。 宿泊業界の最新トレンドを踏まえ、老朽化したホテル・旅館に大規模改修がなぜ今必要なのか、その理由を深掘りします。 さらに、競争が激化する市場で勝ち抜くための戦略的な改修ポイント、最適な実施タイミング、そして弊社独自の改修方法まで、ホテル・旅館の大規模改修を成功に導くための「すべて」を徹底解説いたします。 ホテル・旅館の大規模改修の目的は?どんなことをする? ホテルや旅館の大規模改修とは、建物全体にわたる工事のことで、単に古くなった部分を直すだけでなく、安全性や快適性を向上させ、お客様に選ばれる施設へと再生するために行われます。 (ちなみに、「修繕」は、劣化した建物や設備を元の状態へ回復させる工事のことを言います。) 一般的に、以下のような工事内容が挙げられます。 工事の種類 目的 具体例 外装工事 建物の老朽化を防ぎ、安全性と外観の美しさを維持する 外壁のひび割れ補修、防水工事、屋根の修繕 設備更新 快適な環境を維持し、設備故障やトラブルを未然に防ぐ 老朽化した空調の交換、給排水設備や電気配線の更新 耐震補強工事 地震による建物の崩壊リスクを軽減し、災害時の安全性を高める 耐震診断をもとにした建物の構造補強工事 バリアフリー対応 高齢者や車椅子利用者にも優しい施設として、利便性と快適性を向上させる エレベーターの設置、段差の解消、手すりの取り付け エネルギー効率改善 光熱費削減と環境負荷軽減を両立し、持続可能な運営を実現する LED照明の導入、高効率な空調システムや省エネ給湯設備の設置 内装リニューアル 空間のデザイン性を高め、顧客満足度とリピーター率を向上させる 客室やロビーの壁紙・床材の張り替え、家具や設備の更新、新しい内装デザインの導入 大規模改修や修繕は、施設全体の機能性や安全性を高めると同時に、顧客満足度の向上や運営コストの削減にもつながります。具体的な工事内容を明確にし、計画的に進めることで、施設の魅力を大幅にアップさせることができるのです。 ホテルや旅館に大規模改修が求められる理由と背景とは? ホテルや旅館は、施設としての魅力や安全性を維持するために、定期的な大規模改修が不可欠です。特に近年、建物の老朽化や法的要件の変更、そしてお客様のニーズの多様化により、改修の必要性がさらに高まっています。 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。 1. 建物の老朽化や設備の劣化が与える影響 老朽化が進んだ施設は、見た目や機能性の面で新しいホテルに劣り、顧客満足度に直接的な影響を及ぼします。 外観や内装の老朽化:外壁の汚れや塗装の剥がれ、古びたデザインの内装は、施設の魅力を損なう要因となり、顧客に「時代遅れ」という印象を与えることがあります。 設備の劣化による不便さ:エアコンや給排水設備などのトラブルは、宿泊者の快適な滞在を阻害し、施設の評価を低下させる一因となります。 競争力の低下:新しい設備やデザインを備えた施設が増える中、老朽化したホテルは顧客の選択肢から外れやすくなります。 これらの問題に対処するためには、大規模改修による抜本的な改善が欠かせません。 2. インバウンド需要の増加とお客様ニーズの変化 インバウンド需要の高まりに伴い、海外からの宿泊客が増加しています。訪日観光客は、日本独自の文化を体験したいと望む一方で、快適性や機能性も重視しています。そのため、和の伝統美と現代的な快適さを融合させた「和モダン」な内装が求められています。 和モダンな内装の導入: 伝統的な和の要素を取り入れつつ、現代的なデザインや機能性を加えることで、外国人観光客にも受け入れられやすい空間を提供できます。例えば、和風の客室にベッドを設置するなどの工夫が考えられます。 これは、従来のスタイルからニーズが変化した日本国内の観光客にも言えます。 環境に配慮した設備の導入: 省エネ性能の高い設備や再生可能エネルギーの活用、廃棄物削減のためのシステムを導入することで、環境意識の高い外国人観光客の期待に応えることができます。 3. 法的要件や安全基準の変更への対応 建築基準法やバリアフリー法などの規制は定期的に改正されており、施設運営者は最新の基準に適合させる必要があります。特に以下のような項目が重要です。 消防設備の改善:スプリンクラーや非常口など、防災設備の設置が義務付けられる場合があります。 耐震基準の強化:日本の地震多発地域において、最新の耐震基準に適合する建物であることは必須です。 4. バリアフリー、省エネ、SDGsなどへの対応 現代の宿泊施設には、社会の要請に応える改修が求められます。これには以下が含まれます。 バリアフリー対応:段差の解消や車椅子用トイレの設置など、すべての宿泊客が快適に利用できる施設づくり。 省エネ設備の導入:LED照明や高効率空調システム、太陽光発電設備を導入することで、エネルギー使用量を削減しつつランニングコストも削減。 SDGs対応:環境に配慮した施設運営は、持続可能な観光地としての評価を高めます。 5. ブランドイメージの向上と集客力増強 大規模改修は、施設の外観や内装を一新し、ブランドイメージを向上させる絶好の機会です。時代に合ったデザインや最新設備を取り入れることで、宿泊客の満足度が高まり、リピーターの増加や新規顧客の獲得につながります。 また、改修後のリニューアルオープンを積極的にアピールすれば、施設の注目度が上がり、競合との差別化も実現します。改修工事を経営戦略の一環として捉えることが、集客力強化の鍵となります。 大規模改修のタイミングは「戦略的」な視点で考えよう! 大規模改修を検討する際には、「内装や設備の劣化のサインがみられる」というのが基本的な判断材料になりますが、実はそれは本質的なものではありません。 大規模改修は、頻繁に行えるものではありません。そのため、単に古さを解消するだけでなく、長期的な視点で"選ばれる理由を作り上げる"ことが重要なのです。 このような観点を考慮した上で、改修のタイミングを見極める必要があります。 1. 顧客満足度(口コミ)に施設の古さや劣化のレビューが目立つ場合 口コミサイトなどで施設の古さや劣化に関する低評価が増えてきた場合は、大規模改修を検討すべき時期です。特に、リピート客からの指摘は、施設の改善が必要である明確なサインとなります。 例えば、「空調が古い」「設備が使いにくい」などの意見が増えると、新規顧客だけでなく、リピーター離れにもつながります。これらの声に素早く対応することで、施設の評価を向上させることができます。 2. 業界トレンドに遅れを感じる場合 近年の宿泊業界では、環境への配慮やデジタル化など、顧客ニーズの多様化が進んでいます。例えば、省エネ設備の導入やスマートキーシステムの採用などが求められるケースが増えています。これらのトレンドに遅れると、競争環境での優位性を失う可能性があります。 また、内装デザインをトレンドに合わせて刷新することで、施設のイメージアップや新規顧客の獲得につながります。 3. ソフト面だけでは、激化する競合と差別化出来ない場合 ホテル業界は新規参入が非常に多く、競争が激しくなっています。 ソフト面での改善、例えばサービスの質の向上や顧客対応の強化でなんとかしようとする旅館・ホテルも多いですが、現在の宿泊業界においては、もはやソフト面の改善だけでは競争優位性を確保することは難しくなっています。 そのため、ソフト面だけで競合との差別化が図れない場合は、ハード面を変えることを検討する必要があります。顧客が求める「宿泊体験」を提供するためには、施設そのものの改修が必要不可欠なのです。 4. 事業承継やM&Aのタイミング 事業承継やM&Aの後、新しいオーナーが経営戦略を立て直すために大規模改修を行うことは、事業価値の向上に直結します。特に、老朽化した施設では、改修を通じて顧客の期待に応える現代的な設備や内装を導入することで、競争力を強化し、経営の再スタートを円滑に進められる環境を整えることができます。 また、これにより施設のブランド価値が向上し、将来的な成長基盤を確立することが可能となります。 5.法規制や安全基準の変更 建築基準法や消防法、バリアフリー法などの法規制は、時代とともに改正されることがあります。 求められる耐震・防火基準を素早く満たすこと、いちはやく安全・安心な環境をつくることは、 お客様からの安心・信頼を獲得し、ひいては、選ばれる理由となります。 また、災害時の地域の安全拠点としても、信頼を獲得できます。 6.収益性や資金調達のタイミング 改修・修繕には多額の費用がかかるため、収益状況や資金調達のタイミングも、実施時期を決める上での重要なポイントとなります。 例えば、低金利の融資制度を利用できる時期や、国や地方自治体の補助金・助成金制度を活用できるタイミングに合わせて、改修・修繕計画を立てれば、費用負担を減らせます。 また、改修・修繕による投資対効果(ROI)を考慮し、5〜10年で初期投資を回収できるような、無理のない計画を立てることが大切です。 ホテル・旅館の大規模改修工事の進め方と期間 ホテルや旅館の大規模改修工事は、施設運営を続けながら工事を進める必要があるため、事前の計画や調整が特に重要です。また、マンションや工場などの大規模改修と異なり、改修そのものが経営に大きく直結するため、戦略的な改修計画が必要です。 ここでは、改修工事の進行ステップと工事期間について詳しく解説します。 計画から完了までのステップ 一般的に、改修工事は以下のようなステップで進められます。 現状調査と問題点の把握 施設の現状を徹底的に調べ、建物や設備の問題点を洗い出します。この段階では、外壁の劣化や設備の故障箇所など、改修が必要な部分を明確にすることが大切です。 リブランディングと戦略の策定 改修後の施設がどのような価値を提供するのかを明確にする工程です。改修後の目標やコンセプトを設定し、顧客層や提供するサービスの方向性をリブランディングを通じて決定します。これにより、単なる修繕ではなく、施設全体の競争力を高める改修計画を進める基盤を作ります。 改修計画の策定 現状調査と戦略の結果をもとに、改修の優先順位や施工範囲、スケジュールを決めます。また、工事に必要な予算についても、この段階で大まかな見積もりを立てます。 設計と業者の選定 改修内容に基づいて詳細な設計図を作成し、施工する業者を選びます。選ぶ際には、工法や実績、コスト面を総合的に検討しましょう。 施工準備 工事を始める前に、宿泊されているお客様への影響を最小限に抑えるための施工計画を立てます。騒音や振動への対策、工事中の安全管理体制の整備もこの段階で行います。 工事の実施 実際の工事は、内装リニューアル、外壁補修、防水工事、設備更新などの各工程に分かれて進められます。進行状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を修正します。 完工と検査 工事が完了したら、仕上がりを確認するための検査を行います。問題が見つかった場合は、速やかに修正対応を実施します。 工事期間の目安 改修工事にかかる期間は、規模や内容によって異なりますが、一般的には以下を目安としてください。 小規模改修(客室や共用部の内装リニューアルなど):約1ヶ月~3ヶ月 中規模改修(外壁補修、防水工事など):約3ヶ月~6ヶ月 大規模改修(建物全体の改修や設備更新など):6ヶ月以上 工事期間は、施設の稼働状況や季節要因も考慮して調整する必要があります。特に、繁忙期の工事は避け、稼働率が下がる時期を選ぶのが一般的です。 営業中のホテル・旅館は「お客様への配慮」が最優先! ホテルや旅館の場合、営業を続けながら改修工事を行うことが求められる場合が多いです。その際に大切なのが、宿泊されているお客様への配慮です。具体的には、以下のような工夫が求められます。 騒音・振動対策:工事の時間を宿泊客が少ない時間帯に設定したり、防音設備を活用したりします。 景観への配慮:外装工事の場合、目立たない工法(例:無足場工法など)を採用します。 進行状況を明確に:工事のスケジュールや進捗をお客様にお知らせし、不安を軽減します。 これらの対応を徹底することで、工事中でもお客様の満足度を維持しながら改修を進められます。 ホテル・旅館の改修費用はどれくらい? 大規模改修にかかる費用は、その規模や内容によって大きく異なります。たとえば、客室や共用部の内装リニューアルといった小規模改修であれば数百万円から数千万円程度、外壁補修や防水工事などの中規模改修では数千万円規模、大規模な設備更新や建物全体の改修では1億円を超える場合もあります。 予算管理のポイント 工事範囲と優先順位を明確にする: 改修の目的を明確にし、優先順位をつけることで無駄を省きます。 事前調査を徹底する: 隠れた劣化箇所を把握し、追加費用の発生を防ぎます。 複数の見積もりを比較する: 信頼できる業者を選定するために、複数の見積もりを取得しましょう。 段階的な工事を検討する: 予算に応じて、段階的に進める方法も有効です。 費用削減の工夫 補助金や助成金を活用することで、費用負担を軽減できます。省エネ設備の導入や耐震補強など、適用可能な補助金について事前に調査しましょう。 宿泊客に負担をかけない!ゆうき総業の「無足場工法」による改修とは? ホテルや旅館の改修工事では、施設の営業を続けながら工事を進めることが求められます。 オーナーの皆様が最も懸念されるのは、宿泊者への影響や施設の景観維持ではないでしょうか。工事中の騒音や視覚的な障害は、ゲストの快適さを損ない、施設の評価にも影響を及ぼす可能性があります。 宿泊客・利用客のクレームゼロへ!無足場工法の活用 これらの課題を解決する手段として、「無足場工法」という工事方法があります。この工法では、従来のような足場を組まずに、ゴンドラや高所作業車を活用して施工を行います。その結果、以下のメリットが得られます。 足場設置の時間とコストを削減: 足場を組むための作業が不要なため、工事期間を短縮でき、費用も軽減されます。 騒音トラブルを回避: 足場設置や解体に伴う騒音や振動がないため、ゲストの滞在中でも快適さを維持できます。 景観を保ちながら工事可能: 建物を足場で覆わないため、施設の外観を損なうことなく工事が進められます。 狭いスペースや高層建築にも対応: 従来の工法では難しい現場にも柔軟に対応できます。 無足場工法は限られた業者のみが対応可能 しかし、無足場工法を安全かつ効果的に実施するには、高度な技術と経験が求められます。そのため、この工法に対応できる業者は限られているのが現状です。 当社、ゆうき総業は、無足場工法による豊富な施工実績を持ち、旅館やホテルの改修において多くの成功事例があります。他社が断るような難工事も、無足場工法を中心に、独自のアイデア・提案で解決しています。 >>>ゆうき総業の無足場工法について >>>ゆうき総業の「旅館・ホテル」の施工事例 まとめ:景観・宿泊者・コストすべてに配慮した工事ならゆうき総業へ ホテルや旅館の大規模改修は、単なる修繕ではなく、施設の価値を高める絶好のチャンスです。 この記事では、計画の立て方や工事の進め方、費用感について簡潔にお伝えしました。特に、顧客満足度を向上させ、競争力を強化するには、リブランディングや戦略的な改修が欠かせません。 ゆうき総業では、無足場工法によるコスト削減と短期間での工事を実現し、宿泊客・利用客のクレームゼロを目指した工事計画をご提案しています。さらに、6,000件以上の実績や多能工による高品質なサービスなど、圧倒的な強みで、選ばれ続けています。 ホテルや旅館の大規模改修・修繕でお悩みの際は、ぜひゆうき総業にご相談ください。 >>>旅館・ホテルのオーナー向けページ
ホテルや旅館を周期的にリニューアル・改修するメリット
これまで、ホテルや旅館の改修・修繕について、場所や設備ごとの周期の目安、そして定期的なメンテナンスの重要性についてお伝えしてきました。
「リニューアルや改修工事が必要なのは分かっているけど、まとまった費用や時間がかかると思うと、なかなか踏み出せない…」
そんな風に感じていらっしゃるオーナー様も、少なくないのではないでしょうか。
改修・修繕は、まとまった費用も時間も必要になるため、どうしても後回しにしがちです。
しかし、計画的に、そして戦略的にメンテナンスを行うことは、お客様に「また来たい」と思っていただける空間にするために、そして、大切なホテルや旅館を長く守り続けるために、とても大切なことです。
では、定期的な改修工事を行うことで、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。
例えば、次のような効果が期待できます。
- 競争力の維持: 最新の設備やデザインを取り入れることで、常に新鮮な魅力を保ち、お客様に選ばれ続けることができます。
- お客様満足度の向上: 清潔で快適な空間を提供し続けることで、お客様の満足度を高め、リピーターを増やすことにつながります。
- 長期的なコスト削減: 計画的なメンテナンスは、将来的な大規模修繕の可能性を減らし、結果的にトータルコストを抑えることにもつながります。
- 資産価値の維持・向上: 建物の寿命を延ばし、大切な資産であるホテルや旅館の価値を守り、さらに高めることにもつながります。
改修・修繕は、未来への投資とも言えるかもしれません。
具体的なメリットについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

老朽化ホテル・旅館の改修で競争力アップ!その改修戦略と成功事例をご紹介!
近年、宿泊業界ではインバウンド需要の増加や新規ホテルの進出が進み、競争が激化しています。 一方、老朽化した施設では、設備の劣化や耐震性の不足、快適性の低下が顧客離れを招き、新規施設との競争で不利な状況に陥っています。 特に最新設備を備えたホテルが増える中、古い施設が競争力を維持するには「大規模改修」が不可欠です。 この記事では、老朽化施設が直面する課題を整理し、競争力を高める改修の重要性と具体的なメリットについて解説します。 改修を通じて、施設の未来を切り開く方法を一緒に考えていきましょう。 変化が求められる!増え続ける新規ホテルとリブランドの動き 近年、訪日外国人の増加や円安による割安感を背景に、国内宿泊市場は活気づいています。まずは宿泊業界の現在の状況を整理してみましょう。 より洗練された体験へ!宿泊業界の4つの変化・トレンド まず、現在の宿泊業界における、4つの大きな変化を見てみましょう。 訪日外国人旅行者の急増 「特別な体験」ができる高級ホテルの人気 エコなホテルが選ばれる時代 デジタル技術の活用でスマートなホテルへ 1. 外国人旅行者が急増中! 円安の影響もあり、特にアジアからの旅行者が増えています。この傾向は今後も続くと予想され、インバウンド需要への対応がますます重要になっています。 2. 人気は「特別な」高級ホテル また、東京や京都などの主要都市では、他にはない個性や上質なサービスを提供する高級ホテルやブティックホテルが人気です。旅行者は、画一的なサービスではなく、より個別化された特別な体験を求めています。 3.エコなホテルが選ばれる時代(サステナビリティの重視) 加えて、近年、環境問題への意識が高まっており、旅行者も、省エネやゴミ削減など、環境に配慮した運営を行うホテルを選ぶ傾向が強くなっています。 4. 最新技術でスマートなホテルへ (デジタル化の進展) さらに予約管理や顧客対応においては、AI(人工知能)やチャットボットなどのデジタル技術の導入が進んでおり、業務の効率化が図られています。 需要に伴いホテルにも変化が求められる!「リブランド」戦略 このような背景から、国内のホテルや旅館で「リブランド」という動きが目立っています。これは、ホテルの名前やコンセプトを変えて、新しく生まれ変わらせることです。この戦略を取る主な理由を解説します。 外国人観光客の取り込み 地域独自の魅力発信 競争激化への対応 地方の老舗旅館の再生 1. 狙いは外国人観光!インバウンド需要の取り込み 増え続ける外国人観光客を取り込むため、多くのホテルがリブランドしています。特に、外国のホテルチェーンが日本のホテルを買収して、自社のブランドに変えるケースが増えています。これにより、ホテルの魅力を高め、競争力を強化しています。 2. 地域の魅力を再発見、発信 リブランドによって、その地域の歴史や文化を活かした新しいサービスを提供できるようになります。 例えば、地元の食材を使った料理や、その地域ならではの体験プログラムを用意することで、宿泊客に特別な思い出を作ってもらい、また来たいと思ってもらえるようになります。 3. 激化する競争に打ち勝つための差別化 ホテル業界は新規参入が非常に多く、競争が激しくなっています。そのため、他のホテルとの違いを明確にするために、リブランドによって特定のターゲット層(例えば、ファミリー層、ビジネス客、など)に合わせたサービスを提供し、選ばれるホテルを目指しています。 4. 地方の老舗旅館もリブランドで復活 地方では、後継者不足などで経営が難しい老舗旅館が、大きな会社に買収されてリブランドされることも増えています。これにより、地域の観光が再び盛り上がるきっかけになっています。 老朽化したホテル・旅館が直面する課題と打開策 新しいホテルやリブランドによって生まれ変わる施設が次々と登場する中で、長年営業を続けてきた古いホテルや旅館は、様々な課題に直面しています。ここでは、老朽化施設が抱える具体的な問題点と、それを解決するための方法を詳しく見ていきましょう。 老朽化した既存のホテルや旅館への影響は大! 老朽化した既存のホテルや旅館にとっては、顧客を奪われる脅威となっています。まずは、老朽化が施設にもたらす具体的な影響を解説します。 老朽化による主な課題 設備が古い 新ホテルとの競争激化 維持管理コストの増加 地震対策や省エネ対策の遅れ 設備が古く、お客様が満足できない 新しいホテルは最新設備で快適な滞在を提供します。一方、古い施設では設備が古く、お客様のニーズに応えられず、満足度が下がる可能性があります。例えば、Wi-Fiが遅い、コンセントが少ない、空調が古いなどの問題が起こります。 新ホテルとの競争が激化、選ばれにくい 新しいホテルは、デザインもサービスも新しく、お客様にとって魅力的です。古い施設は、競争に勝つことが難しくなり、お客様に選ばれにくくなる可能性があります。 増加する維持管理コスト 古い施設は、維持するために多くの修繕費が必要です。これは、ホテルの経営を圧迫し、サービスの質を低下させる原因にもなります。 地震対策や省エネ対策の遅れ 古い建物は、地震対策や省エネ対策が不十分な場合があります。これは、お客様の安全や、環境問題への対応という点で大きな課題となります。 老朽化したホテルや旅館が生き残るためには 厳しい状況に置かれている老朽化施設ですが、的確な戦略と具体的な行動によって、競争に打ち勝っているホテルや旅館も多くあるのも事実です。具体的には以下の様な戦略で成功しているケースが多いです。 老朽化施設が生き残るための5つの戦略 思い切った大型リニューアル 他にはない特別な体験の提供 ターゲットを絞った戦略 ワーケーションやバリアフリー対応 環境に配慮した「サステナブル」なホテルへ 1. 大規模リニューアルで、新ホテルに生まれ変わる 建物の耐震性を高め、最新の省エネ設備を導入する大規模なリニューアルによって、新しいホテルに負けない魅力を獲得できます。 2. 特別な体験を提供:他にはない強みを作る 地域の特性を活かした体験プログラムや、特別なサービスを提供すれば、新しいホテルとの差別化を実現し、顧客に選ばれる理由を確立できます。 3. ターゲットを絞った戦略で、ファンを増やす 全てのお客様を満足させるのではなく、特定のターゲット層(例:ファミリー、シニア、一人旅)に焦点を当て、そのニーズに合わせたサービスを提供することで、熱心なファンを獲得できます。 4. 今の時代に合った設備へ:ワーケーションやバリアフリー対応 リモートワークに対応した環境や、バリアフリー設備を導入することは、現代のニーズに応え、より多くのお客様に選ばれるホテルになるための必須条件です。 5. 「サステナブル」なホテルへ:環境への取り組みをアピール 省エネやゴミ削減など、環境に配慮した取り組みを行い、それを積極的にアピールすれば、環境意識の高いお客様の支持を獲得できます。 老朽化対策!大規模改修で得られる大きなメリットは? 大規模改修は、ある意味、飛躍的な成長を遂げるチャンスです。単なる老朽化対策にとどまらず、競争力強化、経営基盤の安定化、そして地域社会への貢献を実現できます。 大規模改修によるメリットを見ていきましょう。 耐震・防火基準をクリアし、お客様とスタッフの安全守る まず、何よりも大切なのは、お客様とスタッフの安全・安心 です。古い建物では、地震や火事への対策が今の基準に合っていないことも。そこで、リニューアルを機に、最新の耐震・防火基準をクリアしましょう。 そうすることで、万が一の災害時にも、お客様の安全を守り、スタッフも安心して働ける環境を整えられます。安全・安心な環境づくりは、お客様からの信頼を得るための、最も重要なポイント です。 お客様満足度アップで選ばれるホテル・旅館へ! 大規模改修の大きな目的の一つは、デザインや設備を一新することで、ホテルの魅力を向上させ、顧客満足度を高めることです。内装・外装のデザインや設備を一新することで、お客様の満足度はぐんとアップします。 しかし、単に新しくするだけでは十分ではありません。大切なのは、ターゲットとする顧客層のニーズを的確に捉え、そのニーズに合わせたデザインや設備を導入することです。 例えば、 ファミリー層:子供が楽しめるキッズスペースの設置や、安全面に配慮したファミリールームの拡充 ビジネス利用のお客様:高速Wi-Fiやワーキングスペースの完備、リラックスできるアメニティの提供 シニア層:段差をなくしたバリアフリー設計や、落ち着いた色調の内装、身体に優しい寝具の採用 インバウンド層:日本の伝統文化を感じられる和モダンのデザイン などが効果的です。 顧客の嗜好や行動を分析し、ターゲットに合わせたデザインや設備を導入することで、顧客満足度をより効果的に高めることができます。その上で、ワーケーション対応、バリアフリー化、省エネ対策など、現代社会のニーズにも応えることで、さらに多くのお客様に選ばれるホテル・旅館へと成長できます。 コスト削減と資産価値向上で、経営を強くする! 省エネ性能の高い最新設備を導入することで、光熱費などのランニングコストを大幅に削減できます。また、計画的な改修によって、急な故障による出費を抑えることも。 さらに、建物自体の不動産としての資産価値を高め、将来的な売却や事業転換の際にも有利に働きます。 つまり、大規模改修は、目先のコスト削減だけでなく、長期的な視点に立った資産価値向上という点でも、ホテル・旅館の経営に大きく貢献するのです。 災害時も安心!地域の安全拠点となり、信頼で選ばれるホテルへ 近年、地震や台風、大雨など、自然災害が頻繁に起きています。そんな時、ホテルや旅館は、地域の「安心拠点」として、人々を守る大きな役割を果たせます。 リニューアルで、耐震補強や非常用電源を強化し、災害に強い施設へと生まれ変わることで、いざという時に、地域の人々や旅行者の避難場所や仮の宿泊所として、大きな力となります。 また、非常用発電機や貯水タンク、食料や生活必需品の備蓄倉庫などをしっかりと整備することで、災害時の生活を支えられます。 さらに、スタッフへの防災訓練、地域の防災計画への参加や自治体との連携 を通じて、地域全体の防災力向上に貢献することで、「もしもの時も頼れるホテル・旅館」として、地域からの信頼と、選ばれる理由を得ることができるでしょう。 ホテル・旅館の老朽化対策は「戦略的改修」が鍵 ここまで、宿泊業界のトレンド、老朽化したホテル・旅館の現状と課題、そして大規模改修によって得られるメリットについて説明してきました。 これらの点を踏まえると、老朽化したホテル・旅館にとって、大規模改修が生き残りをかけた必須の選択肢であることは明らかです。 しかし、単なる設備の更新や修繕では、この厳しい競争環境で勝ち抜くことはできません。重要なのは、将来を見据えた「戦略的改修」です。戦略的な改修を成功させるためには、事前の徹底した分析が不可欠です。 具体的には、 市場分析: 宿泊業界のトレンド、地域の需要動向の把握 競合分析: 近隣ホテルのサービス内容、価格設定、ターゲット層の調査 自社分析: 自ホテルの強み・弱み、顧客層、ブランドイメージの評価 が重要となります。これらの分析結果に基づき、改修のコンセプト、ターゲット顧客、導入すべき設備などを明確化します。 例えば、市場・競合分析から「ビジネス客増加」「ワーケーション需要拡大」といった傾向が見られ、自社分析で「広い会議室保有」という強みが明らかになった場合、「ビジネス客をターゲットとしたワーケーション対応ホテル」という明確な改修コンセプトが導き出されます。 このように、徹底した事前分析に基づく戦略的大規模改修こそが、老朽化ホテル・旅館が競争力を高め、持続的に成長する鍵となります。 単なる老朽化対策ではなく、未来への投資としての大規模改修が、今、求められています。 旅館・ホテルの大規模改事例を紹介! ここでは、ゆうき総業が手掛けた、旅館・ホテルの大規模改修事例をご紹介します。老朽化した施設に新たな価値をもたらした事例です。 客室から共有空間へ!水回りリフォームで宿泊施設の魅力向上 山形県山形市の宿泊施設では、老朽化した浴槽を解体し、共有ダイニングルームへとリノベーションする大規模改修が行われました。 廊下やダイニングルームの壁には、海外製のデザイン塗料「VALペイント」を採用。おしゃれで洗練された質感が、施設全体の雰囲気をグッと向上させています。この改修によって、宿泊客が自由に交流できる、魅力あふれる空間が誕生しました。 温泉旅館の浴室リニューアル!短期間集中工事で見違えるほどに刷新 山形県米沢市の温泉旅館では、大浴場、家族風呂、そして内風呂のリニューアル工事を実施しました。限られた時間の中で工事を完了させるため、多くの作業員を投入し、左官、塗装、タイル、防水など、多岐にわたる工程をスピーディーかつ丁寧に進めました。 この集中工事によって、老朽化していた浴室が見違えるほどに刷新! お客様へ、より快適で清潔な、心からリラックスできる入浴環境を提供できるようになりました。 地下大浴場が、何度も来たくなる「貸切大浴場」に変貌を! 福島県の旅館では、地下に位置する大浴場の全面的なリニューアル工事が行いました。解体から始まり、新しい浴槽の構築、タイル貼り、そして各種設備工事まで、その全てを職人による手作業で実施。 さらに、厳しい工程管理と品質管理を徹底することで、質の高い仕上がりを実現しました。 完成後入浴もしましたが、本当に気持ちの良いお風呂で、何度も来たくなる貸し切り大浴場に変貌を遂げました。 景観を保ちつつ宿泊者様へのストレス「ゼロ」で改修! 岩手県花巻市の旅館では、外壁塗装と屋上防水の大規模修繕工事が行われました。客室からの景観を損なわないよう、一部でゴンドラを使用した無足場工法を採用し、作業時間を10時から15時に限定するなど、宿泊者への配慮が徹底されました。 また、耐久性の高いフッ素樹脂塗料を使用することで、建物の美観と耐久性を向上させています。 まとめ:クレームゼロの戦略的大規模改修ならゆうき総業へ これまで説明してきたように、老朽化が進むホテル・旅館にとって、大規模改修は避けて通れない課題です。 ただ、単に設備を新しくするのではなく、市場・競合・自社分析に基づき、コンセプトとターゲットを定めた「戦略的改修」が、競争激化する宿泊業界で生き残る鍵となります。 ゆうき総業は、旅館・ホテルの大規模改修・修繕において、無足場工法や工事時間の工夫により、宿泊者への影響を最小限に抑える施工を提供しています。これにより、施設の価値向上と顧客満足度の両立を実現します。 老朽化対策や施設のリニューアルをお考えの方は、ぜひゆうき総業にご相談ください。
まとめ:ホテルや旅館のリニューアル・改修工事は、ゆうき総業にご相談ください!
ここまで、ホテルや旅館の改修について、築年数や場所ごとの周期の目安、そして定期的なメンテナンスの重要性についてお伝えしてきました。
改修・修繕は、お客様に快適な空間を提供し続けるだけでなく、大切な資産である建物と、そこで働くスタッフ、そして訪れるお客様の安全を守る上でも欠かせないものです。
私たちゆうき総業は、豊富な実績と専門知識で、ホテル・旅館の改修・修繕をサポートしています。
- 「無足場工法」により、景観や営業への影響を最小限に抑えながら、コスト削減と工期短縮を実現します。
- 自社施工班のみで、内装から外装改修まで一貫して対応可能です。
- 自社施工のため、館内の状況を熟知しており、万が一のトラブル発生時にも迅速に対応できます。
「そろそろ…」と感じたら、まずは無料出張見積もりをご利用ください。
仙台を中心に、東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)と首都圏で対応しています。
この記事を書いた人

結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他