
ホテルや旅館の改修工事の周期は何年?築年数や箇所ごとの目安を解説
「そろそろ、うちのホテルや旅館も、どこか手を入れる時期かな?」 そうお考えのオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。 ホテルや旅館を経営する上で、建物の改修・修繕は、お客様に気持ちよく過ごしていただき、長く愛される宿であり続けるために、とても大切なことです。 しかし、「いつ実施すべきか」というタイミングは、多くの方が頭を悩ませるポイントではないでしょうか。 この記事では、ホテル・旅館のリニューアル工事・改修工事について、最適なタイミングや箇所ごとの目安を、分かりやすくご説明します。 費用対効果を高めつつ、お客様に「また来たい!」と思っていただける、そんな改修・修繕計画を一緒に考えていきましょう。 なぜホテルや旅館に定期的な改修・修繕が必要? ホテルや旅館にとって、定期的な改修・修繕は、なぜ大切なのでしょうか? それは、建物の老朽化や設備の劣化が、お客様の快適性や安全性、そしてホテルの収益に、直接的に影響するからです。 人でいうと健康診断のようなもの。 時間の経過とともに、建物は少しずつ傷み、設備も古くなって使い勝手が悪くなるのは、ある程度避けられないことです。 実は、日本のホテルや旅館は、築年数が経過している施設が多いのです。 デロイト トーマツ グループの調査によると、国内の既存ホテルの約60%以上が築30年を超えており、これらの施設では収益の低下がみられるというデータもあります。(出典:デロイト トーマツ グループ)これは、建物の老朽化が、競争上不利になる要因の一つになっていることを示しています。 具体的なリスクと、定期的な改修・修繕の必要性については、こちらの記事で詳しく解説しています。 ホテルや旅館の改修工事、周期はどれくらい? 必要性が分かったところで、では「いつ実施すべき」なのでしょうか? ここでは、一般的な改修工事の周期についてご説明します。 「築年数」で見る改修工事周期の目安 一般的に、建物は年数が経つにつれて劣化が進み、改修・修繕が必要になってきます。 特に、築10年、20年、30年は、大きな改修を考える時期の目安と言われています。 築10年頃: 外壁や屋上の防水、共用部分の内装などの劣化状況を確認し、必要に応じて修繕を検討しましょう。 築20年頃: 外装だけでなく、給排水や電気設備など、建物内部のインフラ部分の改修も検討する時期です。 築30年以降: 耐震補強を含めた大規模な改修を検討する時期と言えるでしょう。 ただし、これらは一般的な目安です。実際の建物の状態、予算などを考慮して、最適な時期を判断することが大切です。 「建物内部」の改修工事周期の目安 建物の内装は、お客様の快適性や満足度に直接影響を与える部分です。 箇所 改修周期の目安 ポイント 客室 5年~10年 壁紙、カーペット、家具など、消耗品の定期的な交換で、お部屋の清潔感と快適さを保ちましょう。 共用部 3年~5年 ロビーやエントランスは、ホテルの第一印象を左右します。デザインを新しくすることも検討しましょう。 建物内部の改修で大切なのは、お客様が長い時間を過ごす客室の清潔感と快適さを保つことです。 壁紙、カーペット、家具といった消耗品は、汚れや傷みが目立つ前に交換するよう心がけましょう。 また、ロビーやエントランスなどの共用部は、ホテルの「顔」です。 デザイントレンドを取り入れるなど、時代に合わせたリニューアルで、常に新鮮な印象を与えることが重要です。 「建物外部」の改修工事周期の目安 建物の外装も、外観の美しさを保つだけでなく、建物を長持ちさせるために大切な部分です。 箇所 改修周期の目安 ポイント 外壁塗装 5年~7年 塗料の種類によって耐久年数は異なります。ひび割れや剥がれが見られる場合は、早めに専門家に相談しましょう。 屋上・外壁防水 10年~15年 防水機能が低下すると、雨漏りなどの原因となり、建物内部が腐食してしまうことも。専門家による点検を定期的に行いましょう。 シーリング工事 5年~10年 外壁の目地やサッシ周りなどのシーリング材(ゴム状の部材)の劣化を放置すると、雨漏りの原因となります。 外壁や屋上の防水機能が低下すると、雨漏りなどが発生し、建物内部の劣化につながります。 特に、普段あまり見る機会がない屋上は、状態の確認を忘れがちです。 「まだ大丈夫」と放置せず、外壁塗装やシーリング工事とあわせて、定期的な点検・メンテナンスを専門家に依頼し、防水機能をきちんと維持することが重要です。 また、外壁のひび割れ、剥がれ、シーリング材のひび割れ、やせ細りなど、目で見て確認できる劣化症状がある場合は、目安の年数に関わらず、早めに専門家に相談することをおすすめします。 特に、台風や大雨などの後は、建物がダメージを受けている可能性があるため、注意深く点検するようにしましょう。 「設備」の改修工事周期の目安 ホテルや旅館の快適な空間を維持するためには、各種設備の定期的なメンテナンスと更新も欠かせません。 項目 更新周期の目安 ポイント 空調設備 10〜15年 客室用エアコン、業務用エアコンなど。定期的なメンテナンスと、最新の省エネ型への更新を検討。 エレベーター・昇降機 約20年 工事期間中は利用不可。利用客への影響を最小限に抑えるための対策を。 電気設備 15〜20年 受変電設備、分電盤、照明など。LED化で省エネ効果、空間演出効果も。 給排水・衛生設備 約15年 配管は材質や使用状況によって異なるため、定期的な点検と、必要に応じた交換・補修が必要。 消防設備 法令に基づく点検・メンテナンス 非常口、消火器などは、法令で定められた点検とメンテナンスを確実に行い、安全性を確保しましょう。 設備は、お客様の目に直接触れることは少ないですが、ホテルや旅館の快適性を支える重要な役割を担っています。 空調設備の省エネ化や、照明のLED化は、快適性を高めつつ、コスト削減にもつながるため、特におすすめです。 また、エレベーターの更新や、給排水・衛生設備の点検・補修は、安全・安心な環境を維持するために欠かせません。 そして、消防設備は、お客様と従業員の命を守るための要。法令点検を確実に実施しましょう。 周期はあくまで目安!リニューアル・改修工事のタイミングは戦略的に! とはいえ、ホテルや旅館の改修・修繕は、先ほど紹介した一般的な周期だけでなく、それぞれの施設の状況や外部環境の変化によって、周期やタイミングが異なります。 その際、ただ「そろそろかな…」と改修するのではなく、改修工事を経営戦略の一環として捉えることが大切です。 以下の様な視点で、改修のタイミングを見極めましょう。 顧客満足度(口コミ)に施設の古さや劣化のレビューが目立つ場合 業界トレンドに遅れを感じる場合 ソフト面だけでは、激化する競合と差別化出来ない場合 事業承継やM&Aのタイミング 法規制や安全基準の変更 収益性や資金調達のタイミング 集客を最大化するための戦略的な大規模改修について、以下で詳しく解説しています。 こちらもあわせてご覧ください。 ホテルや旅館を周期的にリニューアル・改修するメリット これまで、ホテルや旅館の改修・修繕について、場所や設備ごとの周期の目安、そして定期的なメンテナンスの重要性についてお伝えしてきました。 「リニューアルや改修工事が必要なのは分かっているけど、まとまった費用や時間がかかると思うと、なかなか踏み出せない…」 そんな風に感じていらっしゃるオーナー様も、少なくないのではないでしょうか。 改修・修繕は、まとまった費用も時間も必要になるため、どうしても後回しにしがちです。 しかし、計画的に、そして戦略的にメンテナンスを行うことは、お客様に「また来たい」と思っていただける空間にするために、そして、大切なホテルや旅館を長く守り続けるために、とても大切なことです。 では、定期的な改修工事を行うことで、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。 例えば、次のような効果が期待できます。 競争力の維持: 最新の設備やデザインを取り入れることで、常に新鮮な魅力を保ち、お客様に選ばれ続けることができます。 お客様満足度の向上: 清潔で快適な空間を提供し続けることで、お客様の満足度を高め、リピーターを増やすことにつながります。 長期的なコスト削減: 計画的なメンテナンスは、将来的な大規模修繕の可能性を減らし、結果的にトータルコストを抑えることにもつながります。 資産価値の維持・向上: 建物の寿命を延ばし、大切な資産であるホテルや旅館の価値を守り、さらに高めることにもつながります。 改修・修繕は、未来への投資とも言えるかもしれません。 具体的なメリットについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。 まとめ:ホテルや旅館のリニューアル・改修工事は、ゆうき総業にご相談ください! ここまで、ホテルや旅館の改修について、築年数や場所ごとの周期の目安、そして定期的なメンテナンスの重要性についてお伝えしてきました。 改修・修繕は、お客様に快適な空間を提供し続けるだけでなく、大切な資産である建物と、そこで働くスタッフ、そして訪れるお客様の安全を守る上でも欠かせないものです。 私たちゆうき総業は、豊富な実績と専門知識で、ホテル・旅館の改修・修繕をサポートしています。 「無足場工法」により、景観や営業への影響を最小限に抑えながら、コスト削減と工期短縮を実現します。 自社施工班のみで、内装から外装改修まで一貫して対応可能です。 自社施工のため、館内の状況を熟知しており、万が一のトラブル発生時にも迅速に対応できます。 「そろそろ…」と感じたら、まずは無料出張見積もりをご利用ください。 仙台を中心に、東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)と首都圏で対応しています。 >>>ホテル・旅館のオーナー向けページ