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【マンションオーナー向け】補助金・助成金で大規模修繕費を軽減

【マンションオーナー向け】補助金・助成金で大規模修繕費を軽減 | 大規模修繕

大規模修繕工事の費用は、「補助金」で負担軽減が主流!

マンションの大規模修繕工事は、建物の老朽化や劣化を防ぎ、住環境を維持・向上させるために必要不可欠です。しかし、その費用は高額になることが多く、管理組合にとって大きな負担となります。

そこで、補助金や助成金の活用が重要となります。これらの資金援助は、工事費用の一部をカバーし、管理組合の財政負担を軽減するだけでなく、高品質な材料や技術の導入を可能にし、建物の耐久性や安全性の向上にも寄与します。

したがって、管理組合は補助金や助成金の情報を正確に把握し、適切に活用することが求められます。大規模修繕工事における補助金・助成金の重要性は非常に高く、計画的な修繕の実施と建物の資産価値の維持につながります。

本記事では、マンションの大規模修繕工事で活用できる補助金について解説していきます。大規模修繕工事の具体的な費用相場については、下記記事で解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。

【マンションオーナー向け】補助金・助成金で大規模修繕費を軽減 | 大規模修繕
マンション大規模修繕の費用について解説!オーナーの負担はどれくらい?

大規模修繕の費用相場どれくらい? 大規模修繕は、マンションの資産価値を維持し、建物の寿命を延ばすために不可欠な工事です。一般的に10〜15年周期で実施することが推奨されていますが、その費用はマンションの規模や工事内容によって大きく異なります。 国土交通省の調査によると、大規模修繕工事の費用相場は1戸あたり100〜125万円が最も一般的とされ、例えば30戸の小規模マンションでは約3000万円、100戸のタワーマンションでは約1億円が相場となります。 大規模修繕で行われる主な工事内容とその費用相場は、防水工事が1戸あたり15〜20万円で40戸のマンションでは650〜800万円、外壁工事が1㎡あたり1000〜5000円で中規模マンションでは1階層ごとに90〜140万円、給水管や排水管の設備工事が1棟あたり70〜200万円となっています。 追加費用が発生することもある 大規模修繕を行う際、当初の見積もりから追加費用が発生することがあります。それには、いくつかの理由が考えられます。 事前調査で発見できなかった細かな破損や不具合 建物の事前調査や見積もりの段階では、発見が難しい細かな破損や不具合が存在する場合があります。これらが実際の施工時に判明すると、追加の修繕が必要となり、費用が嵩むことになります。 想定以上に複雑な足場の設置 修繕工事に必要な足場の設置が、当初の想定よりも難しい場合があります。特に、狭い場所や環境が悪い場所での設置は、追加の作業を要する場合があり、それに伴う費用の増加が生じることがあります。 大規模修繕における「足場費用」については、下記記事でより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください! 各種要因による工事の延期 大規模修繕では、様々な要因によって工事が延期される可能性があります。例えば、悪天候や資材の調達遅れ、住民との調整の難航などです。工事期間が長引けば、それだけ追加の費用が発生することになります。 以上のように、大規模修繕では当初の見積もりに含まれない追加費用が発生する場合があります。こうした可能性を念頭に置き、適切な対応を取ることが肝要です。 修繕中の災害発生による破損箇所の増加 こちらはほどんどありませんが事例としては、大規模修繕の期間中に、台風や地震などの自然災害が発生する可能性などもあります。その際、建物に新たな破損が生じ、修繕箇所が増加する場合があります。こうした不測の事態による追加費用について、保険の適用も視野に入れながら、業者との相談が推奨されます。 費用を払えない場合はどうする? 大規模修繕の費用は高額になることが多く、マンションオーナーや管理組合にとって大きな負担となる場合があります。費用が払えない場合の対策として、修繕積立金の計画的な値上げや一時金徴収、金融機関からの借入、工事の延期などが考えられます。 修繕積立金の値上げは、居住者に一時的な負担をかけずに済むというメリットがありますが、総会での決議が必要となります。一時金徴収は、緊急の費用不足を補うことができますが、住民にとっては大きな負担となる可能性があります。金融機関からの借入は、早急に費用を用意できるというメリットがありますが、利息が発生するため、総額は大きくなってしまう点に注意が必要です。工事の延期は、建物の劣化が進行するリスクがあるため、安易な判断は避けるべきでしょう。 状況を慎重に見極め、優先順位を考慮しながら、できる限り早期に必要な修繕を行うようにしましょう。 修繕費用が払えないケースやその後どうすべきか?は下記記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。 補助金・助成金制度の活用も視野に! 大規模修繕で追加費用が発生する場合、補助金制度を活用することも検討に値するでしょう。国や地方自治体では、大規模修繕に対する補助金や助成金を提供しています。これらを上手に利用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。 ただし、具体的な制度は地域によって異なるため、管理組合や専門家に相談し、最適な補助金を選択することが肝要です。大規模修繕には多額の費用がかかるものですから、事前の綿密な計画と必要資金の確保が、プロジェクトの成功につながるのです。

実は違う?「助成金」と「補助金」について

マンションの大規模修繕工事で利用できる助成金と補助金には、いくつかの違いがあります。

助成金は一定の条件を満たすことで支給される資金で、返済義務がないことが多いです。応募条件を満たして申請すれば受け取れることが多いですが、枠数が決まっているため、受け取れない可能性もあります。

一方、補助金は特定の目的のために支給される資金で、こちらも返済義務はないことが多いです。ただし、特定の用途に沿った使い方が求められ、申請には多くの書類が必要で、手続きが煩雑な場合があります。

助成金と補助金はどちらも大規模修繕工事の費用を軽減するために利用できる資金ですが、それぞれの特徴を理解し、適切に申請することが重要です。

費用負担を軽減する!主な補助金・助成金制度

マンションの大規模修繕工事には多額の費用がかかりますが、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、その負担を軽減することができます。ここでは、主な補助金・助成金の種類とその概要を紹介します。

アスベスト除去等事業補助金

アスベスト除去等事業補助金は、健康に有害なアスベストを含む建材の分析や除去にかかる費用を補助する制度です。アスベスト分析調査には10~25万円、アスベスト除去には100~120万円の補助金が給付されます。

地域によって金額は異なりますが、例えば大阪府堺市では、アスベスト分析調査事業として調査費用の全額(上限25万円)を補助し、除去工事には費用の2/3以内(上限100万円)を補助しています。

劣化調査診断費補助金

劣化調査診断費補助金は、大規模修繕を行う前に建物の劣化状況を正確に把握するための調査費用を補助する制度です。外壁・屋根・共用部の劣化調査の費用に15~20万円の補助金が給付されます。

対象は竣工から35年以上経過しているマンションなどで、例えば神戸市では、築35年以上のマンションに対して補助対象経費の1/3(上限15万円)を補助しています。

防災対策整備費補助金

防災対策整備費補助金は、マンションの防災対策や安全管理を促進するための制度です。防災工事費用の補助から、防災マニュアル作成のための専門家派遣まで、複数の支援形態があります。

対象となる工事は防災設備の設置や改修工事などで、例えば東京都では工事費に対して最大1,000万円の補助を行っています。また、千葉県浦安市では、エレベーターの防災対策整備に要した経費を補助しています。

耐震改修費用補助金

耐震改修費用補助金は、地震による建物の倒壊などの被害を未然に防ぐため、建物の耐震診断や耐震性を向上させる補強工事を行う際の費用を補助する制度です。耐震性が不足している建物が対象で、耐震診断や耐震改修工事にかかる費用の一部を補助します。

例えば、横浜市では耐震改修工事の費用の一部を助成しており、東京都では、耐震診断に対して補助金を提供しています。

分譲マンション計画修繕調査支援制度

分譲マンション計画修繕調査支援制度は、マンションの大規模修繕を計画的に実施するための調査費用を補助する制度です。外壁、防水、鉄部塗装などの建物の構造に関する調査が対象で、修繕計画を立てるための調査費用の一部を補助します。

東京都内では20~80万円程度が助成され、例えば浦安市では、劣化診断調査および長期修繕計画の作成に対して、要した委託費用の3分の1以内(上限80万円)を補助しています。

専門家のアドバイスを無料で受けられるマンションアドバイザー派遣制度も

マンションアドバイザー派遣制度は、マンションの適切な管理を推進するために、専門知識を有するアドバイザーを派遣する制度です。

補助金や助成金を収受できるわけではありませんが、マンション管理士などの専門家がマンション管理に関する相談を受け付け、適切なアドバイスを提供します。

例えば、埼玉県では、マンション管理士がマンション管理に関する相談を受け付ける「分譲マンションアドバイザー派遣」制度があります。

これらの補助金・助成金制度を活用することで、マンションの大規模修繕工事にかかる費用負担を軽減し、適切な修繕を行うことが可能となります。

各制度の詳細や申請方法については、自治体のホームページなどで確認し、早めに準備を進めることが重要です。

手続きの流れ

情報収集

まず、利用可能な補助金や助成金の情報を収集します。自治体や関連機関のウェブサイトを確認し、どの補助金が利用できるかを調べます。

申請書類の準備

必要な書類を準備します。一般的には、申請書、工事計画書、見積書、管理組合の議事録などが必要です。各補助金の要件に応じて、追加の書類が求められることもあります。

申請

書類を提出し、申請手続きを行います。提出期限や提出先に注意し、必要な書類がすべて揃っていることを確認しましょう。

審査

申請内容が審査されます。審査結果が通知されるまでに時間がかかることがありますので、余裕を持って申請することが重要です。

補助金の受領

審査に通過した場合、補助金が支給されます。ただし、補助金は工事完了後に実績報告書を提出してから支給されることが多いため、工事費用を一時的に立て替える必要があります。

申請の注意点

補助金・助成金の申請にあたっては、いくつかの注意点があります。まず、申請期限を確認し、早めに準備を始めましょう。また、補助金ごとに必要書類が異なるため、漏れがないよう十分に確認することが大切です。

また、各制度毎に利用条件が異なるため、工事内容や建物の状態が条件に合致しているかどうかも確認が必要です。さらに、補助金は工事完了後に支給されるケースが多いため、工事費用の一時的な立て替えを考慮した資金繰りの計画を立てておくことが賢明でしょう。

専門家に相談して的確なアドバイスを得よう!

補助金・助成金の申請手続きについて不明な点がある場合や、具体的なアドバイスが欲しい時は、専門家に相談するのが効果的です。自治体の住宅政策課では、補助金・助成金の詳細について問い合わせることができます。

また、マンション管理センターでは申請手続きに関する相談に乗ってもらえます。自治体によっては、マンション管理の専門家であるマンションアドバイザーを派遣する制度もあります。これらの専門家から的確なアドバイスを得ることで、円滑に申請を進められるでしょう。

補助金・助成金を有効に活用することで、マンション大規模修繕工事の費用負担を大幅に軽減できます。申請手続きの流れを理解し、注意点を押さえて、専門家のサポートを受けながら進めていくことが、成功の鍵となるでしょう。

この記事を書いた人

【マンションオーナー向け】補助金・助成金で大規模修繕費を軽減 | 大規模修繕

結城 伸太郎

職歴:27年

得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務

保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他

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