老朽化ホテル・旅館の改修で競争力アップ!その改修戦略と成功事例をご紹介!
近年、宿泊業界ではインバウンド需要の増加や新規ホテルの進出が進み、競争が激化しています。
一方、老朽化した施設では、設備の劣化や耐震性の不足、快適性の低下が顧客離れを招き、新規施設との競争で不利な状況に陥っています。
特に最新設備を備えたホテルが増える中、古い施設が競争力を維持するには「大規模改修」が不可欠です。
この記事では、老朽化施設が直面する課題を整理し、競争力を高める改修の重要性と具体的なメリットについて解説します。
改修を通じて、施設の未来を切り開く方法を一緒に考えていきましょう。
目次
変化が求められる!増え続ける新規ホテルとリブランドの動き
近年、訪日外国人の増加や円安による割安感を背景に、国内宿泊市場は活気づいています。まずは宿泊業界の現在の状況を整理してみましょう。
より洗練された体験へ!宿泊業界の4つの変化・トレンド
まず、現在の宿泊業界における、4つの大きな変化を見てみましょう。
- 訪日外国人旅行者の急増
- 「特別な体験」ができる高級ホテルの人気
- エコなホテルが選ばれる時代
- デジタル技術の活用でスマートなホテルへ
1. 外国人旅行者が急増中!
円安の影響もあり、特にアジアからの旅行者が増えています。この傾向は今後も続くと予想され、インバウンド需要への対応がますます重要になっています。
2. 人気は「特別な」高級ホテル
また、東京や京都などの主要都市では、他にはない個性や上質なサービスを提供する高級ホテルやブティックホテルが人気です。旅行者は、画一的なサービスではなく、より個別化された特別な体験を求めています。
3.エコなホテルが選ばれる時代(サステナビリティの重視)
加えて、近年、環境問題への意識が高まっており、旅行者も、省エネやゴミ削減など、環境に配慮した運営を行うホテルを選ぶ傾向が強くなっています。
4. 最新技術でスマートなホテルへ (デジタル化の進展)
さらに予約管理や顧客対応においては、AI(人工知能)やチャットボットなどのデジタル技術の導入が進んでおり、業務の効率化が図られています。
需要に伴いホテルにも変化が求められる!「リブランド」戦略
このような背景から、国内のホテルや旅館で「リブランド」という動きが目立っています。これは、ホテルの名前やコンセプトを変えて、新しく生まれ変わらせることです。この戦略を取る主な理由を解説します。
- 外国人観光客の取り込み
- 地域独自の魅力発信
- 競争激化への対応
- 地方の老舗旅館の再生
1. 狙いは外国人観光!インバウンド需要の取り込み
増え続ける外国人観光客を取り込むため、多くのホテルがリブランドしています。特に、外国のホテルチェーンが日本のホテルを買収して、自社のブランドに変えるケースが増えています。これにより、ホテルの魅力を高め、競争力を強化しています。
2. 地域の魅力を再発見、発信
リブランドによって、その地域の歴史や文化を活かした新しいサービスを提供できるようになります。
例えば、地元の食材を使った料理や、その地域ならではの体験プログラムを用意することで、宿泊客に特別な思い出を作ってもらい、また来たいと思ってもらえるようになります。
3. 激化する競争に打ち勝つための差別化
ホテル業界は新規参入が非常に多く、競争が激しくなっています。そのため、他のホテルとの違いを明確にするために、リブランドによって特定のターゲット層(例えば、ファミリー層、ビジネス客、など)に合わせたサービスを提供し、選ばれるホテルを目指しています。
4. 地方の老舗旅館もリブランドで復活
地方では、後継者不足などで経営が難しい老舗旅館が、大きな会社に買収されてリブランドされることも増えています。これにより、地域の観光が再び盛り上がるきっかけになっています。
老朽化したホテル・旅館が直面する課題と打開策
新しいホテルやリブランドによって生まれ変わる施設が次々と登場する中で、長年営業を続けてきた古いホテルや旅館は、様々な課題に直面しています。ここでは、老朽化施設が抱える具体的な問題点と、それを解決するための方法を詳しく見ていきましょう。
老朽化した既存のホテルや旅館への影響は大!
老朽化した既存のホテルや旅館にとっては、顧客を奪われる脅威となっています。まずは、老朽化が施設にもたらす具体的な影響を解説します。
老朽化による主な課題
- 設備が古い
- 新ホテルとの競争激化
- 維持管理コストの増加
- 地震対策や省エネ対策の遅れ
設備が古く、お客様が満足できない
新しいホテルは最新設備で快適な滞在を提供します。一方、古い施設では設備が古く、お客様のニーズに応えられず、満足度が下がる可能性があります。例えば、Wi-Fiが遅い、コンセントが少ない、空調が古いなどの問題が起こります。
新ホテルとの競争が激化、選ばれにくい
新しいホテルは、デザインもサービスも新しく、お客様にとって魅力的です。古い施設は、競争に勝つことが難しくなり、お客様に選ばれにくくなる可能性があります。
増加する維持管理コスト
古い施設は、維持するために多くの修繕費が必要です。これは、ホテルの経営を圧迫し、サービスの質を低下させる原因にもなります。
地震対策や省エネ対策の遅れ
古い建物は、地震対策や省エネ対策が不十分な場合があります。これは、お客様の安全や、環境問題への対応という点で大きな課題となります。
老朽化したホテルや旅館が生き残るためには
厳しい状況に置かれている老朽化施設ですが、的確な戦略と具体的な行動によって、競争に打ち勝っているホテルや旅館も多くあるのも事実です。具体的には以下の様な戦略で成功しているケースが多いです。
老朽化施設が生き残るための5つの戦略
- 思い切った大型リニューアル
- 他にはない特別な体験の提供
- ターゲットを絞った戦略
- ワーケーションやバリアフリー対応
- 環境に配慮した「サステナブル」なホテルへ
1. 大規模リニューアルで、新ホテルに生まれ変わる
建物の耐震性を高め、最新の省エネ設備を導入する大規模なリニューアルによって、新しいホテルに負けない魅力を獲得できます。
2. 特別な体験を提供:他にはない強みを作る
地域の特性を活かした体験プログラムや、特別なサービスを提供すれば、新しいホテルとの差別化を実現し、顧客に選ばれる理由を確立できます。
3. ターゲットを絞った戦略で、ファンを増やす
全てのお客様を満足させるのではなく、特定のターゲット層(例:ファミリー、シニア、一人旅)に焦点を当て、そのニーズに合わせたサービスを提供することで、熱心なファンを獲得できます。
4. 今の時代に合った設備へ:ワーケーションやバリアフリー対応
リモートワークに対応した環境や、バリアフリー設備を導入することは、現代のニーズに応え、より多くのお客様に選ばれるホテルになるための必須条件です。
5. 「サステナブル」なホテルへ:環境への取り組みをアピール
省エネやゴミ削減など、環境に配慮した取り組みを行い、それを積極的にアピールすれば、環境意識の高いお客様の支持を獲得できます。
老朽化対策!大規模改修で得られる大きなメリットは?
大規模改修は、ある意味、飛躍的な成長を遂げるチャンスです。単なる老朽化対策にとどまらず、競争力強化、経営基盤の安定化、そして地域社会への貢献を実現できます。
大規模改修によるメリットを見ていきましょう。
耐震・防火基準をクリアし、お客様とスタッフの安全守る
まず、何よりも大切なのは、お客様とスタッフの安全・安心 です。古い建物では、地震や火事への対策が今の基準に合っていないことも。そこで、リニューアルを機に、最新の耐震・防火基準をクリアしましょう。
そうすることで、万が一の災害時にも、お客様の安全を守り、スタッフも安心して働ける環境を整えられます。安全・安心な環境づくりは、お客様からの信頼を得るための、最も重要なポイント です。
お客様満足度アップで選ばれるホテル・旅館へ!
大規模改修の大きな目的の一つは、デザインや設備を一新することで、ホテルの魅力を向上させ、顧客満足度を高めることです。内装・外装のデザインや設備を一新することで、お客様の満足度はぐんとアップします。
しかし、単に新しくするだけでは十分ではありません。大切なのは、ターゲットとする顧客層のニーズを的確に捉え、そのニーズに合わせたデザインや設備を導入することです。
例えば、
- ファミリー層:子供が楽しめるキッズスペースの設置や、安全面に配慮したファミリールームの拡充
- ビジネス利用のお客様:高速Wi-Fiやワーキングスペースの完備、リラックスできるアメニティの提供
- シニア層:段差をなくしたバリアフリー設計や、落ち着いた色調の内装、身体に優しい寝具の採用
- インバウンド層:日本の伝統文化を感じられる和モダンのデザイン
などが効果的です。
顧客の嗜好や行動を分析し、ターゲットに合わせたデザインや設備を導入することで、顧客満足度をより効果的に高めることができます。その上で、ワーケーション対応、バリアフリー化、省エネ対策など、現代社会のニーズにも応えることで、さらに多くのお客様に選ばれるホテル・旅館へと成長できます。
コスト削減と資産価値向上で、経営を強くする!
省エネ性能の高い最新設備を導入することで、光熱費などのランニングコストを大幅に削減できます。また、計画的な改修によって、急な故障による出費を抑えることも。
さらに、建物自体の不動産としての資産価値を高め、将来的な売却や事業転換の際にも有利に働きます。
つまり、大規模改修は、目先のコスト削減だけでなく、長期的な視点に立った資産価値向上という点でも、ホテル・旅館の経営に大きく貢献するのです。
災害時も安心!地域の安全拠点となり、信頼で選ばれるホテルへ
近年、地震や台風、大雨など、自然災害が頻繁に起きています。そんな時、ホテルや旅館は、地域の「安心拠点」として、人々を守る大きな役割を果たせます。
リニューアルで、耐震補強や非常用電源を強化し、災害に強い施設へと生まれ変わることで、いざという時に、地域の人々や旅行者の避難場所や仮の宿泊所として、大きな力となります。
また、非常用発電機や貯水タンク、食料や生活必需品の備蓄倉庫などをしっかりと整備することで、災害時の生活を支えられます。
さらに、スタッフへの防災訓練、地域の防災計画への参加や自治体との連携 を通じて、地域全体の防災力向上に貢献することで、「もしもの時も頼れるホテル・旅館」として、地域からの信頼と、選ばれる理由を得ることができるでしょう。
ホテル・旅館の老朽化対策は「戦略的改修」が鍵
ここまで、宿泊業界のトレンド、老朽化したホテル・旅館の現状と課題、そして大規模改修によって得られるメリットについて説明してきました。
これらの点を踏まえると、老朽化したホテル・旅館にとって、大規模改修が生き残りをかけた必須の選択肢であることは明らかです。
しかし、単なる設備の更新や修繕では、この厳しい競争環境で勝ち抜くことはできません。重要なのは、将来を見据えた「戦略的改修」です。戦略的な改修を成功させるためには、事前の徹底した分析が不可欠です。
具体的には、
- 市場分析: 宿泊業界のトレンド、地域の需要動向の把握
- 競合分析: 近隣ホテルのサービス内容、価格設定、ターゲット層の調査
- 自社分析: 自ホテルの強み・弱み、顧客層、ブランドイメージの評価
が重要となります。これらの分析結果に基づき、改修のコンセプト、ターゲット顧客、導入すべき設備などを明確化します。
例えば、市場・競合分析から「ビジネス客増加」「ワーケーション需要拡大」といった傾向が見られ、自社分析で「広い会議室保有」という強みが明らかになった場合、「ビジネス客をターゲットとしたワーケーション対応ホテル」という明確な改修コンセプトが導き出されます。
このように、徹底した事前分析に基づく戦略的大規模改修こそが、老朽化ホテル・旅館が競争力を高め、持続的に成長する鍵となります。 単なる老朽化対策ではなく、未来への投資としての大規模改修が、今、求められています。
旅館・ホテルの大規模改事例を紹介!
ここでは、ゆうき総業株式会社が手掛けた、旅館・ホテルの大規模改修事例をご紹介します。老朽化した施設に新たな価値をもたらした事例です。
客室から共有空間へ!水回りリフォームで宿泊施設の魅力向上
山形県山形市の宿泊施設では、老朽化した浴槽を解体し、共有ダイニングルームへとリノベーションする大規模改修が行われました。
廊下やダイニングルームの壁には、海外製のデザイン塗料「VALペイント」を採用。おしゃれで洗練された質感が、施設全体の雰囲気をグッと向上させています。この改修によって、宿泊客が自由に交流できる、魅力あふれる空間が誕生しました。
温泉旅館の浴室リニューアル!短期間集中工事で見違えるほどに刷新
山形県米沢市の温泉旅館では、大浴場、家族風呂、そして内風呂のリニューアル工事を実施しました。限られた時間の中で工事を完了させるため、多くの作業員を投入し、左官、塗装、タイル、防水など、多岐にわたる工程をスピーディーかつ丁寧に進めました。
この集中工事によって、老朽化していた浴室が見違えるほどに刷新! お客様へ、より快適で清潔な、心からリラックスできる入浴環境を提供できるようになりました。
地下大浴場が、何度も来たくなる「貸切大浴場」に変貌を!
福島県の旅館では、地下に位置する大浴場の全面的なリニューアル工事が行いました。解体から始まり、新しい浴槽の構築、タイル貼り、そして各種設備工事まで、その全てを職人による手作業で実施。
さらに、厳しい工程管理と品質管理を徹底することで、質の高い仕上がりを実現しました。
完成後入浴もしましたが、本当に気持ちの良いお風呂で、何度も来たくなる貸し切り大浴場に変貌を遂げました。
旅館大浴場リニューアル工事|福島県
大浴場を貸し切り大浴場にリニューアル工事を行った事例。解体から設備工事、造作工事、仕上げ工事まですべて設計通りに造りました。
景観を保ちつつ宿泊者様へのストレス「ゼロ」で改修!
岩手県花巻市の旅館では、外壁塗装と屋上防水の大規模修繕工事が行われました。客室からの景観を損なわないよう、一部でゴンドラを使用した無足場工法を採用し、作業時間を10時から15時に限定するなど、宿泊者への配慮が徹底されました。
また、耐久性の高いフッ素樹脂塗料を使用することで、建物の美観と耐久性を向上させています。
旅館外壁塗装・屋上防水改修工事|大規模修繕工事|花巻市
花巻市の旅館だ規模修繕工事事例。足場で客室の景観を損なわないようゴンドラを併用し改修しました。外壁は臭いが少ない水性のフッ素樹脂塗料を採用。屋上は塩ビシート防水で改修しました。
まとめ:クレームゼロの戦略的大規模改修ならゆうき総業へ
これまで説明してきたように、老朽化が進むホテル・旅館にとって、大規模改修は避けて通れない課題です。
ただ、単に設備を新しくするのではなく、市場・競合・自社分析に基づき、コンセプトとターゲットを定めた「戦略的改修」が、競争激化する宿泊業界で生き残る鍵となります。
ゆうき総業株式会社は、旅館・ホテルの大規模改修・修繕において、無足場工法や工事時間の工夫により、宿泊者への影響を最小限に抑える施工を提供しています。これにより、施設の価値向上と顧客満足度の両立を実現します。
老朽化対策や施設のリニューアルをお考えの方は、ぜひゆうき総業株式会社のサービスをご検討ください。
この記事を書いた人
結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他