9階建てビル外壁タイル貼替え、その他防水改修工事|横浜市
大規模修繕の工事内容
外壁タイル貼り替え
外壁タイル浮き部注入
目地シーリング打ち替え
屋上塔屋改質アスファルト防水
その他解体工事
施工のポイントや特徴
外壁は45二丁のラスタータイルでしたので、同じような色でタイルを新規で焼いたものを使いました。
全面打診調査しマーキングし、部分張替えします。
タイルの斫りはハンドブレーカーで丁寧に撤去。
RC躯体まで撤去し、厚み分を軽量モルタルで調整します。
その後圧着セメントで一枚づつ、またはシート張りをしていきました。
誘発目地部のシーリングは変成シリコンで打ち替え。
最後に全面を酸洗いしお引渡しとなりました。
屋上への荷揚げは道路使用許可を取り夜間に道路を片側通行止めにしてクレーンを設置し荷揚げしました。
工事の詳細
所在地 | 神奈川県横浜市 |
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施工内容 | 外壁45二丁掛ラスタータイル・・・13000枚貼り替え 外壁ラスタータイル浮き部注入・・・3000か所 目地シーリング打ち替え・・・2500m 改質アスファルト防水・・・120㎡ |
構造・階数 | 9階建て |
工事期間 | 約4か月 |
この記事を書いた人
結城 伸太郎
職歴:27年
得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務
保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他
現場レポート
足場仮設工事
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設置中 人通りの多い繁華街に位置する建物なので、歩行者に気を付け作業しています。
タイル張替え
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45二丁掛のラスタータイルです。 真ん中のタイルは焼きあがった新品のタイルです。 3色ほどサンプル焼きしてもらい、この色で決まりました。 かなり近い色に仕上がっています。
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タイルの目地切り施工中 張り替える箇所を目地に沿って丁寧にサンダーでカッターを入れていきます。 粉塵が出るので集塵機を使いながら目地を切っていきます。
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タイル斫り施工中 電動ケレンで1枚づつ丁寧に斫ります。 RC造なので下地のコンクリートが見えるまで綺麗に斫ります。 浮いている個所を事前にマーキングしているので、割と楽に斫る事が出来ます。 下にタイルが落ちていかないように、てみ等を用いて斫ります。
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タイル斫り後 躯体コンクリートまで綺麗に斫れました。
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モルタル中塗り施工後 タイルの厚みはおよそ6ミリ。 斫った後は1~2CMほどの深さになっているので、1CMくらいまで中塗りで下地を取ります。 この時しっかり接着剤を入れています。
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タイル張り施工後 右上のところが貼った後です。 既存が汚れているので多少ムラはありますが、ほとんど張ったところが分からないくらいに馴染んでいます。
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タイル張替え施工中 圧着セメントを用いて1枚づつ貼っていきます。
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中塗り後の様子 51 119枚 と書いてます。 このように事前に打診調査して浮いている所にマーキングをして張り替える枚数を示唆しています。
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タイル張替え後 綺麗に貼れてます。 乾燥後に目地材を入れて完了となります。
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大きな面積はこのようにネット張りで貼っていきます。 空隙が無いようにタイル叩きで叩きながらしっかり密着させています。
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貼りかえるほどでもない所はエポキシ樹脂を注入します。 ドリルで穴を開け、エポキシ樹脂を圧入し、浮き部に樹脂が流れるように埋めます。 樹脂が逆流してタイルを汚さないように、注入中はボロ等の上から注入しています。
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樹脂注入完了後 軽くたたいて浮きが無いかを音で調べます。 浮いている音が無ければ注入が成功しています。
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注入後にはこんな感じの特殊なアンカーピンをいれます。 このアンカーピンは頭がタイルと同じ色に作っています。 そうする事で注入した箇所を目立たなくしています。
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ラスタータイル貼り替え中
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タイル貼り後
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目地セメント施工後 良い感じに貼れています。
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1枚づつ貼る場合はこのようにタイルに圧着セメントを乗せ、セメントが目地からはみ出るくらいに貼ると浮きがなく綺麗に貼れます。
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タイル張替え施工中 ネット張りと粒貼りと班に分かれて施工しています。
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タイル貼り施工中
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タイル貼り施工中
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タイル貼り施工後 貼ったところが目立たず貼れています。 かなり近い色に焼いてくれています。
シーリング工事
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シーリング撤去中 タイル完了後は誘発目地をすべてシーリング打ち替えします。
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シーリング充填 シーリングは2液性の変成シリコンで充填しています。
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シーリング打ち替え完了後
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シーリング打ち替え完了後 シーリングはこのまま紫外線を受けるので対候性の良い材料を使うと良いでしょう。
屋上防水
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施工前 既存はアスファルト防水です。 高圧洗浄で汚れを落とします。
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リベース塗布施工中 リベースは下地の活性剤の役割をしています。 コテで全面にリベースを塗り広げます。
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改質アスファルト防水施工中 改質アスファルトはトーチ工法と冷工法があり、今回はトーチであぶって貼っていくトーチ工法で施工しています。
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改質アスファルト防水施工後 最後にトップコートを塗って完了です。
足場解体・完了
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ビル大規模修繕工事 完了 ケガも無く無事お引渡しできました。
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ビル大規模修繕工事 完了 角度によってはタイルの貼った後も見えてしまいますが、既存のタイルの汚れもあるので致し方ありません。 肉眼よりも写真の方が分かりやすいですが。 タイルは地震などでどうしても浮いたり割れたりしてしまうので、地震の後はしっかり調査をして、歩行者の頭などに当たらないように気を付けたいですね。
担当者からのコメント
駅前の栄えた場所に建ってある9階建ての集合テナントビルのタイル改修事例です。
タイルは45二丁掛のラスタータイルと呼ばれ、金属を釉薬タイルに焼き付け独特な艶を出しています。輝いてみえる事からラスタータイルとも呼ばれているそうです。
これまでも何度かラスタータイルの改修をしてきましたが、やはり一番大変なのは最後の酸洗いです。
どうしても発色にムラが出やすいので、扱いやすいタイルとは言えません。
今回は全数打診調査を行い、著しい浮き部分と割れを張り替えました。
タイルは極力同じ色にみえるように新規で焼いてもらっています。
およそ13000枚ほどの張り替えでした。
多少の浮きはエポキシ樹脂注入のアンカーピン工法で仕上げています。