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マンション大規模修繕の費用について解説!オーナーの負担はどれくらい?

マンション大規模修繕の費用について解説!オーナーの負担はどれくらい? | 大規模修繕

大規模修繕の費用相場どれくらい?

大規模修繕は、マンションの資産価値を維持し、建物の寿命を延ばすために不可欠な工事です。一般的に10〜15年周期で実施することが推奨されていますが、その費用はマンションの規模や工事内容によって大きく異なります。

国土交通省の調査によると、大規模修繕工事の費用相場は1戸あたり100〜125万円が最も一般的とされ、例えば30戸の小規模マンションでは約3000万円、100戸のタワーマンションでは約1億円が相場となります。

大規模修繕で行われる主な工事内容とその費用相場は、防水工事が1戸あたり15〜20万円で40戸のマンションでは650〜800万円、外壁工事が1㎡あたり1000〜5000円で中規模マンションでは1階層ごとに90〜140万円、給水管や排水管の設備工事が1棟あたり70〜200万円となっています。

追加費用が発生することもある

大規模修繕を行う際、当初の見積もりから追加費用が発生することがあります。それには、いくつかの理由が考えられます。

事前調査で発見できなかった細かな破損や不具合

建物の事前調査や見積もりの段階では、発見が難しい細かな破損や不具合が存在する場合があります。これらが実際の施工時に判明すると、追加の修繕が必要となり、費用が嵩むことになります。

想定以上に複雑な足場の設置

修繕工事に必要な足場の設置が、当初の想定よりも難しい場合があります。特に、狭い場所や環境が悪い場所での設置は、追加の作業を要する場合があり、それに伴う費用の増加が生じることがあります。

大規模修繕における「足場費用」については、下記記事でより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!

マンション大規模修繕の費用について解説!オーナーの負担はどれくらい? | 大規模修繕
大規模修繕における「足場費用代」ってどのくらい?内訳や計算方法まで解説!

足場の費用の相場 外壁塗装の足場の単価は、一般的に1㎡あたり700円から1,500円程度が相場となっています。数年前は1,200円/㎡以上かかるのが一般的でしたが、最近では少しずつ安くなってきています。 足場にかかる費用は、建物の外周から概算することができます。まず、足場架面積を以下の式で求めます。 足場架面積 = (建物の外周(m) + 8m) × 家の高さ(m) そして、求めた足場架面積から足場設置にかかる費用を計算します。 足場にかかる費用 = 足場架面積 × 平米単価 (700~1,500円) 例えば、外周20メートルの2階建ての家に、平米単価1,000円で足場を組む場合、(20m + 8m) × 6m ×1,000円 = 168,000円となります。つまり、一般的な30坪程度の家の外壁を施工する場合、足場費用だけでも15万円以上が必要になります。 ただし、以下のような場合は足場費用が高くなることがあります。 傾斜地や狭い路地奥にある建物の場合 隣の建物が近く足場を建てるスペースが極端に狭い場合 ガードマンを依頼する必要がある場合 2階建てと3階建ての足場費用の相場 2階建ての場合 平均的な大きさである延べ床30坪の2階建ての住宅の場合、足場面積は外壁塗装工事のみで228㎡程度となり、足場代は16~23万円が相場です。 3階建ての場合 施工単価が2階建てと比べて100円程度高くなることがあります。また、自宅の階数が高くなる分、足場面積も広くなります。 平均的な大きさである延べ床30坪の3階建ての住宅の場合、足場面積は外壁塗装工事のみで325㎡程度となり、足場代は23~36万円が相場です。 足場費用は外壁塗装工事費の約20%を占めるため、無料にすることはほぼ不可能です。「足場代は無料」と言う業者は、別の費用に足場代を上乗せしている可能性があるので注意が必要です。 大規模修繕の足場費用の相場 マンション大規模修繕における足場費用は、工事全体の予算の中でも大きな割合を占める重要な項目です。足場の設置面積は、マンションの外周に数メートルを加えた長さに高さをかけて算出しますが、その単価は地域や施工業者によって異なるのが実情です。 一般的な相場としては、1平方メートルあたり700円から1,500円程度と言われています。仮に外周200m、高さ20mのマンションを例にとると、足場の設置面積は約4,160平方メートルになり、単価を800円とした場合の足場費用は約340万円と見積もられます。 ただし、この金額には飛散防止シートの設置費用が含まれていない可能性があるため、施工業者に確認が必要です。また、足場のレンタル期間が長くなればその分だけ費用も増大しますし、解体作業にも別途費用がかかります。 国土交通省の調査によると、大規模修繕の1戸あたりの費用相場は75〜125万円で、その内の約20%が仮設工事に充てられているそうです。つまり、40戸のマンションなら仮設工事だけで600〜1,000万円程度の費用が見込まれる計算になります。 近年は、足場を使わない「無足場工法」や「ロープブランコ工法」といった新しい手法も登場し、コスト削減に寄与しています。とはいえ、マンションの規模や状況によって最適な工法は異なるため、管理組合では専門家のアドバイスを参考にしながら、慎重に検討を進めることが肝要です。 以上を総合すると、マンション大規模修繕における足場費用の相場は、250万円から800万円程度が目安になります。ただし、あくまで相場であって、実際の費用は物件の特性によって大きく変動します。修繕積立金の状況を見極めつつ、居住者全員が納得できる形で工事を進めていくことが何より大切だと言えるでしょう。 足場費用が高くなるケース 建物が3階建て以上の場合 3階建て以上の建物では、足場を強固に組むために必要な材料が増え、作業時間や労力も増えるため、足場設置費用が2階建て以下の建物よりも200〜300円/㎡ほど高くなる傾向があります。また、3階建て以上の物件では、軒高が10mを超える可能性が高いため、クサビ式足場ではなく枠組み足場を使用する必要があります。枠組み足場の単価はクサビ式足場と比べて300円/㎡ほど高いため、足場費用が相場よりも高くなります。 敷地が狭い場合 敷地が狭く、特に隣接する建物や物件がある場合、足場設置の際の作業スペースが限られるため、手間と時間がかかります。その分をカバーするために職人の人数が増え、足場の単価に人件費が上乗せされることで、足場費用が相場よりも高くなる可能性があります。ただし、敷地が狭い場合でも、クサビ式足場より単価が安い単管足場を利用することがあるので、必ずしも足場費用が高くなるとは限りません。 運搬車が現場に入れない場合 足場材料の運搬車が現場に入れない場合、手作業で材料を運ぶ必要があるため、運搬費が別途で追加されます。運搬車が入れない道路沿いの現場や、狭い路地に面した現場では、足場費用が相場よりも高くなる可能性があります。また、道路と家の高低差がある場合や掘りこみ式ガレージがある場合も、外回りの階段を昇降しなければならないため、運搬費が別途かかります。 足場費用の内訳 足場費用の内訳を理解することで、適正な価格かどうかを判断することができます。 足場費用の主な内訳は、人件費、交通費、足場会社の運営費、中間マージンの4つです。 人件費と交通費の相場 人件費は、足場の設置と解体作業に対して発生するもので、一般的な2階建て住宅の場合、設置に2名、解体に2名の合計4名で行われます。1人あたりの人件費は1日2万円が相場なので、設置と解体を合わせた人件費の総額は8万円となります。 交通費も設置と解体作業に対して発生し、往復で1万円が相場です。したがって、設置時と解体時の交通費を合わせると、交通費の総額は2万円となります。 足場会社の運営費と中間マージンの相場 足場会社の運営費は、人件費と交通費以外に必要な経費で、2万円から5万円が相場です。これは、足場会社の事務所の維持費や保険料などが含まれます。 中間マージンは、外壁塗装を行う塗装業者が足場専門業者に足場の設置・解体作業を依頼する際に発生する手数料です。中間マージンの相場は公表されていませんが、一般的な住宅の足場費用相場から人件費、交通費、足場会社の運営費の総額を引くことで、おおよその金額を推測できます。一般的な住宅の足場費用相場が16万円から23万円で、人件費、交通費、足場会社の運営費の総額が12万円から15万円なので、中間マージンの相場は4万円から11万円程度と考えられます。 ただし、足場の設置・解体作業を自社施工できる塗装業者に依頼する場合や、施主が直接足場専門会社に発注する場合は、中間マージンが発生しないので、足場費用を抑えることができます。 足場費用の計算方法 足場架面積を求める 足場費用を自分で計算するためには、まず足場架面積を求める必要があります。足場架面積は、以下の計算式で求めることができます。 足場架面積の計算方法:(家の外周+4m)×軒高=足場架面積(㎡) ここで、家の外周は家の横幅と奥行を2倍することで算出できます。軒高は、2階建ての場合は6.3m、3階建ての場合は8.5mが目安となります。また、「4m」は足場を設置するために必要な外壁面からの後退距離を表しています。 例えば、家の外周が30mの2階建て住宅の場合、足場架面積は以下のように計算できます。 (30m+4m)×6.3=214㎡ 足場架面積から足場費用を求める 足場架面積が求まったら、次は足場費用を計算します。足場費用は、以下の計算式で求めることができます。 足場費用の計算方法:足場架面積×単価=足場費用 足場の単価は、地域や業者によって異なりますが、一般的には700円/㎡から1,500円/㎡程度が相場です。 先ほどの例で、足場の単価を700円/㎡とすると、足場費用は以下のように計算できます。 214㎡×700円=149,800円 ただし、屋根の工事を同時に行う場合は、足場架面積がより広くなるため、軒高に8~10mほどの高さを加算して計算する必要があります。 このように、足場架面積と単価を掛け合わせることで、足場費用を概算することができます。ただし、実際の足場費用は、地域や業者、工事内容によって異なるため、正確な金額は見積もりを取る必要があります。 足場費用の計算方法を理解することで、見積もりの妥当性を判断する材料にもなるでしょう。 足場代を安くするには 足場費用を安くするポイントは、自社で足場を保有し、自社で設置できる業者に工事を依頼することです。 業者が自社で足場を保有していて、自社で足場を設置することができれば、足場の設置を外注に委託しないために外注費用が発生せず、安く足場を設置することができます。 ただし、優良な会社であれば足場を協力会社に依頼したとしても、お客様から不当に高く費用を取ることはありません。 足場費用を節約する2つの方法 足場費用を節約する方法は、相見積もりを取ることと、足場を保有している業者に依頼することの2つがあります。 相見積もりを取る際は、3社ほどの業者から見積もりを取り、比較することが重要です。業者によって料金体系は異なり、同じ作業でも費用に差が出ることがあるからです。複数の業者から見積もりを取ることで、最も費用対効果の高い業者を選ぶことが可能になります。ただし、あまりにも相場とかけ離れた金額を提示された場合は、悪徳業者である可能性があるので注意が必要です。 足場を自社保有している業者に依頼すると、足場のレンタル費用を節約できるため、その分を顧客へのコスト軽減に反映させることができます。足場を保有しているかどうかは、業者のホームページや問い合わせで確認することができます。  「足場費用は無料」がありえない理由 「足場費用は無料」と宣伝している業者が稀にいますが、原則として足場費用が無料になることはあり得ません。 足場設置には足場材料の調達費用、設置作業にかかる人件費など様々な費用がかかり、工事費全体の約20%を占めるほどです。そのため、多額の足場費用をゼロにすることは簡単にはできません。 仮に業者が「足場費用は無料」と主張しても、それは本来の無料とは異なり、他の費用に足場費用が上乗せされているだけと考えられます。「足場費用が無料」と宣伝する業者には、十分注意しましょう。 足場工事を依頼する際の注意点 足場を依頼する際は、信頼できる業者を選ぶことが重要です。 足場業者を選ぶためには、施工実績が豊富であること、足場費用が相場に近いこと、口コミが良いことなどを注目しましょう。 施工実績が豊富な業者は、様々な状況に対応してきた経験と知識を持っているため、新たな現場でも適切に対応できる可能性が高いです。また、足場費用が相場から大きく逸脱している業者は、適切な価格設定ができていない可能性があります。相場に近い費用を提示している業者は、市場の動向を理解し、適切な価格設定をしていると推測できます。さらに、良い口コミを持つ業者は、顧客からの信頼を勝ち得ていることが多く、そのサービスの質も保証されていることが一般的です。 相場より安すぎる場合は注意が必要 足場の組み立てや解体は慎重に行うべき作業なのに、1日に何本も詰めて過密な工程になっている可能性があります。 その場合、事故やトラブルを誘発しやすい環境となり、結局はお客様が嫌な思いをすることになりかねません。 安すぎる価格は、トラブルやミスが起きる可能性が大きいため、安いからと言ってすぐには飛びつかず、なぜその価格になるのかを考えて見積書を見ることが大切です。 足場が無料と言われた場合 一部の業者、特に訪問販売で多いのが、足場を無料にすることでお得感を出し契約を急かす手法です。しかし、足場が無料になっているわけではなく、他の項目を高くして足場代分を取っているだけで、最終的な総工事費用は変わらないと考えましょう。 足場の設置は安全かつ質の高い外壁塗装をする上で必ず必要で、一般的な30坪ほどの家で15~20万円程度するものです。この分を無料にするのはあり得ない話なので、「キャンペーンでいまなら足場代が無料」などの売り文句には惑わされないようにしてください。

各種要因による工事の延期

大規模修繕では、様々な要因によって工事が延期される可能性があります。例えば、悪天候や資材の調達遅れ、住民との調整の難航などです。工事期間が長引けば、それだけ追加の費用が発生することになります。

以上のように、大規模修繕では当初の見積もりに含まれない追加費用が発生する場合があります。こうした可能性を念頭に置き、適切な対応を取ることが肝要です。

修繕中の災害発生による破損箇所の増加

こちらはほどんどありませんが事例としては、大規模修繕の期間中に、台風や地震などの自然災害が発生する可能性などもあります。その際、建物に新たな破損が生じ、修繕箇所が増加する場合があります。こうした不測の事態による追加費用について、保険の適用も視野に入れながら、業者との相談が推奨されます。

費用を払えない場合はどうする?

大規模修繕の費用は高額になることが多く、マンションオーナーや管理組合にとって大きな負担となる場合があります。費用が払えない場合の対策として、修繕積立金の計画的な値上げや一時金徴収、金融機関からの借入、工事の延期などが考えられます。

修繕積立金の値上げは、居住者に一時的な負担をかけずに済むというメリットがありますが、総会での決議が必要となります。一時金徴収は、緊急の費用不足を補うことができますが、住民にとっては大きな負担となる可能性があります。金融機関からの借入は、早急に費用を用意できるというメリットがありますが、利息が発生するため、総額は大きくなってしまう点に注意が必要です。工事の延期は、建物の劣化が進行するリスクがあるため、安易な判断は避けるべきでしょう。

状況を慎重に見極め、優先順位を考慮しながら、できる限り早期に必要な修繕を行うようにしましょう。

修繕費用が払えないケースやその後どうすべきか?は下記記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

補助金・助成金制度の活用も視野に!

大規模修繕で追加費用が発生する場合、補助金制度を活用することも検討に値するでしょう。国や地方自治体では、大規模修繕に対する補助金や助成金を提供しています。これらを上手に利用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。

ただし、具体的な制度は地域によって異なるため、管理組合や専門家に相談し、最適な補助金を選択することが肝要です。大規模修繕には多額の費用がかかるものですから、事前の綿密な計画と必要資金の確保が、プロジェクトの成功につながるのです。

この記事を書いた人

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結城 伸太郎

職歴:27年

得意分野:防水工事・外構工事・大規模改修管理業務

保有資格:1級建築施工管理技士、1級建築塗装技能士、1級ポリマーセメント防水、1級改質アスファルト防水、外壁1級仕上げ技能者、防水登録基幹技能者、外壁仕上基幹技能者、国際ライセンス サーモグラファーレベル1、監理技術者、職長安全衛生教育、他

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